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2007年05月の日記
2007年5月29日(火)

 こないだ、学科助手の柘野(眞鍋の後釜。眞鍋は今年4月から立派な社会人…を目指して某有名企業で働いている)から連絡があったのである。

柘野「田尾先生、あのー…裁判所から電話があって“田尾先生と連絡を取りたい”って言ってきたんですけど…」
田尾「その何かを疑うような言い方はするな!(笑)」

 何もやってないがな。しかし近年は何もやってなくてもどこの悪意を持ったやつから訴えられるかわからん世の中であるし、さらにどっかの痴漢冤罪事件みたいに無実が悪意にねじ伏せられることさえあるわけだから油断ならん。で、おそるおそる先方に確認したら、高松地方裁判所の所長が裁判員制度について私といろいろお話をしたいという依頼であった。何だ、そんなことか。ホッ(笑)。

 そういうわけで今日、行ってきました。裁判所、入ってみたかったし(笑)。所長室に案内されると、所長がいました。当たり前か。初対面の第一声が、

所長「田尾さん、参考人でないから心配しなくていいですよ(笑)」

 部下の方が緊張気味に私に名刺を出そうとしたら、

所長「気楽に気楽に。田尾さんは堅苦しいあいさつはあんまり好きでないから」

 何か、いろいろ調べられとんちゃうんか!(笑) 握手をする習慣がないとか、黙って後ろに立たれたらいきなり殴るとか。

ごん「ゴルゴ13です!」

 えー、30分ぐらいの予定が、1時間半ぐらいいろいろ話をしたり聞いたりしてきました。いろいろ尋問…でなくて質問された。制度をどう思うかとか、どうPRしたらいいかとか。私もいろいろ質問した。「本当のところ、誰が何の意図でこの制度導入を進めたのか?」とか(笑)。所長は頭が良くて(当たり前か)気さくで、私の素人質問にも全部ちゃんと答えてくれました。おもしろいおっちゃん…いや、所長でした。

 裁判員制度については、私は「呼ばれたらうっとうしいなあ」ぐらいにしか思っていなかったのである。ま、今もそうだけど(笑)。一般市民が裁判に加わることによるデメリットもあるだろうし、メリットもあるだろうし、どっちが大きいかは、たぶんやってみて初めてわかることがいっぱいあると思うので今はよくわからん。ただ、所長と話してた時にちょっと出てきた「この個人主義がちょっと過ぎとんちゃうかと思われる近年の日本の中で、国民としてあるべき立ち位置」みたいな話に、わたしはちょっと同意した。

 「自分のためにはあまりならないけど、何か公のものに参加する」という、民主主義の国を構成する国民としての義務感がここまで底をついてきたら、選ばれたら参加せざるを得ないというイヤイヤ(笑)でも、私はこういうものはあった方がええような気がしているのである。何となく。たぶん、20年ぐらい続けてたら、少しは公意識が上がるのではないかと。その1点に賭けて、当面の細かいデメリットには目をつぶってもええかなと、個人的にはそんなことを思いました。導入の本当の目的はそれじゃないと思うけど(笑)。

 話が終わった後、所長が「田尾さん、法廷見ます?」と言うので、テレビでしか見たことのない法廷に入らせてもらった。思ってたより狭いな(笑)。

所長「これ、着てみませんか?」
田尾「何ですか」
所長「裁判官が着ているやつ」

 えー、裁判官が着ている黒いガバッとした袈裟みたいな服をスーツの上から羽織って、裁判長の席に座りました(笑)。写真撮ってないけど。
2007年5月27日(日)

 あんまり競馬のことばかり書いてると競馬好きかと思われるのも心外なのであるが(もうええっちゅうに)、エリザベス(ウオッカ)、エリザベス女王杯でなくてここで勝っちゃった(笑)。とりあえず、単勝だけ頂きました。2着にアサクサキングスが来て500倍。

 海賊は「バイキング」だろうということで「キング」にはちょっと引っかかっていたのだが、今日の夜、家内と『パイレーツ・オブ・カリビアン3』を見に行ったら、物語の中でエリザベスが海賊の何か「王」になって、「キング!キング!」とか叫んでるやないの。こんなとこに暗号があったのか! 早よ見に行っとったらよかった(笑)。

 さて、そういうわけで今日の晩ご飯は、映画の前にワーナーマイカルのある高松サティの1階の回転寿司っす。夕方7時頃に行ったら、店の前によっけ人が待っている。家内が予約の紙に名前を書きに行って、それからしばらく待ってたら「2名でお待ちの山本様」と呼ばれたので、店に入りました。

家内「今日は山本って書いた(笑)」

 以前、同じように家内と回転寿司に行って名前を書いて待ってたら、「田尾様」と呼ばれて立ち上がって店に入ろうとした時に周りの客からジロジロ見られて、しかもひそひそ声で「田尾さんや。寿司食うんや」と言われてたのが聞こえて、それ以来、家内が「田尾」と書くのをやめて今日に至る。ちなみにこれまで、偽名で「和田」も「笹木」も「篠原」も使たからな(笑)。けど待てよ、これ見られてたら「田尾さん、こないだ山本いう女の人と回転寿司に来てたで」とか言われるんちゃうか? 「え? こないだは和田いう女の人と来とったぞ」「その前、笹木いう女の人と来てたのも見たぞ」とか(笑)。ま、別に何言われてもええけど。

 今朝はいきなり禁を破って、黄砂やのにまた峰山に行った。昨日晩飯を抜いて、今日山に行って帰ってきて体重を測ったら、1.5キロ落ちていました。食べるのを減らして運動したら、ダイエットなんかすぐですね(笑)。ちなみに峰山の山道、4月下旬にくまんばちが出始めて、5月初旬にクモの巣が出始めて、今日はついに汗に寄ってくる蚊に出くわした。いよいよ夏バージョンに突入です。そろそろウエアもコースも変えないかん。さ、明日からまた仕事がんばろ。
2007年5月26日(土)

 早朝から峰山に登ったのだが、途中で何度もノドの奥に粉が張り付くような感じになって、こまめに水を飲みながらのウォーキングになった。黄砂のせいだ。ひどいなあ、ほんまに。子どもの頃、こんなのあったか? あったんですかね。全然記憶にないけど。ちなみに春に黄砂が来た時に、

学生「田尾さん、あっちの山の辺、すごいですよ!」
田尾「あっちの山からこっちを見たら、こっちがすごいんじゃ!」

 という情けない会話があったが(笑)、今日もあっちの山がかすんで見えんということは、こっちもあっちと同じ状態だということだ。2時間ぐらい歩いて帰ったが、明日も黄砂ならもう外に出ん。

 昼、別件でごんに電話をしたら、ごんが「こないだの和服大作戦、やりましょう」と言ってきた。おー、あれに食いついてきたか。とりあえず今、うちの家内を入れてメンバー3人になりました(笑)。

 今日、四国新聞に「食糧不足懸念強まる」という記事と「温暖化防止主導を」という記事が並んで載っていたのを見て、以前からずーっと思ってた「ハテナ?」がまたちょっと私の頭の中をめぐっています。何かというと、「地球がちょっと暖かくなると、農作物って今よりたくさんできるようになるんちゃうん?」という疑問。暖かくなった時、「砂漠化」の進行による農業可能地の減少と、寒くて作物ができない地域でも農業ができるようになるという農業可能地の増加について、私は何のデータも根拠も持ってないので漠然と印象だけで「増加の方が大きいんちゃうん?」と思っているだけですが。

 プロ野球のオリックスvs阪神戦でデイビーが審判に食ってかかって退場になって、主審が「デイビー選手が暴言を吐いたので退場とします」とアナウンスした時、以前からずーっと思ってた「ハテナ?」がまた私の頭の中をめぐったので牛乳屋さんに報告すると、牛乳屋さんも同じことを思っていたらしい。

田尾「あれ、主審の人は英語わかるんですよね」
牛乳「私もずーっと前から思いよったんや。英語できんかったら暴言かどうかわからんのちゃうんって」
田尾「ものすごい剣幕で英語で“昨日食ったタコ焼きめちゃめちゃうまかったんじゃー!”とか言うてるかもしれませんしね」
牛乳「ものすごい剣幕でものすごく丁寧なあいさつしよるかもしれんしな」

 すんません、ない話で(笑)。オムニバスであと5つぐらい短い小ネタを書こうと思ってたけど、ものすごい睡魔が襲ってきたので寝る。
2007年5月25日(金)

 ふー、日記も忘れる怒濤の1週間が終了…と言い訳をしておいてと。何が怒濤かというと、いくつかのゼミ活動のプログラム作りが難航してたのである。そのうちの一つは、まだ展望もはっきりしない状態なのに履修学生が70人近くもいて(「田尾さんのゼミは単位楽勝」とかいう情報が流れてるに違いない)、全員を動かしてモノを作り上げなければいけないのに、週に2回あるゼミ活動の時間のどちらの日も他の授業と重なっている学生が何人もいて「全員集合」ができない、という苦境。

 で、とりあえず考えたのが、この集団を一つの会社と見立てて、大きな目標とそれに向かって行くいくつかのテーマ(部署)を設定して、それに合わせて組織作りをやって運営していくという方法。これならそれほど頻繁に全員集合しなくても、責任者会議みたいなのを中心に目的を達成することがたぶんできる。しかも管理職や中間管理職は「リーダーシップと責任と権限と板挟みの苦悩(笑)」みたいなのを疑似体験もできる。

 そういうわけで今日、他の授業で抜けた学生を除いて50人ぐらいを集めて、組織作りをやった。黒板に組織図と役割分担を書いて、そこに全員の名前を入れて説明する。

田尾「自分の名前、あるのー? ほな基本原則を言うぞー。組織図の一番下の枠に入っとるやつ。役割は“与えられた個人の目標を達成する”や。それぞれ枠の上に線が出とるの? 指示は線の上の人から受ける。わからんことがあったら、線の上の人に聞く。次に、その上の枠に入っとるやつ。中間管理職や(笑)。それぞれ上と下に線が出とるの? 線の上の人の指示を受けて、線の下のやつに指示をする」
1年「へー、そうやるんや」

 1年生は組織図の意味を初めて知るようだ。

田尾「中間管理職のやつの役割は、“与えられた部門の目標を達成する”。で、例えば下から“うちら何でこんなことせないかんの!”とかいう文句が来たら、部門目標の意味に従ってちゃんと答えてやらないかんぞ(笑)。下と一緒になって“ほんまや、何でやらないかんのや!”いうて暴れるだけではいかんのぞー。次、一番上のやつは、私の直轄とします。一番上のやつは“組織の目的達成”が一番の仕事。その目標を達成するために有効な戦略と部門目標を、下の部門に指示する。原則をもう一つ。一番上のやつは、中間を飛ばして一番下に直接指示をしたらいかん。下のやつが誰の指示を優先したらええかわからんようになって、混乱するからな」

 ま、具体的な指示は動き出してからだ。ちゃんと動く部署と動かない部署が出てきて、リーダーシップとは何事かがちょっとだけわかるやろ(笑)。とりあえずこれで、組織の上の方の学生だけを集めて始めてみるか。

 さて、あんまり競馬のことばかり書いてると競馬好きかと思われるのも心外なのであるが(笑)、いろいろ来るもんだから仕方がない。お便りを紹介します(メールが来ただけやけど)。まずは他人に厳しい元編集者の方から。

●こないだのキャメロン・ディアス主演の『チャーリーズエンジェル』でコイウタが勝った件。つい最近まで流れていたキャメロン・ディアス出演のソフトバンクのCMソングの邦題が『シュガータウンは恋の街』だそうです。遠いか。

 うーん、梅。懐かしい採点方法だけど(笑)。続いて、頭のデカい元営業社員さんから。
 
●(『ゴール!』が放送されたオークスで)どうもサインはオークス以外に出ていた模様ですのでお知らせします(笑)。以下友人からのメールです。
 *オークス当日、サッカーボーイ産駒は2頭出走し、1頭が勝ってもう1頭も2着でした。
(東京7R)1着・カツヨカムトゥルー…単勝183.3倍(18頭中17番人気) 
(新潟10R)2着・バンダムカーン…複勝14.8倍(16頭中15番人気) 
カツヨカムトゥルーなんて、未勝利を勝って以来、9・14・11・14・11・12・11・7という着順で、ずっと1秒以上離されていて、買える要素全くなし。バンダムカーンの方は芝で勝ち鞍がなく、前走6着から連闘で買えないこともないかもしれないけど、ねぇ。両方ともブックの「次走へのメモ」で「ビックリ」と書かれてます。日曜洋画劇場恐るべし。
 
 松!(笑) いやみなさん、ええ感じですよ(笑)。さてそういうわけで今週末は日本ダービー。日曜洋画劇場は、すごく何かありそうな(笑)『パイレーツ・オブ・カリビアン〜呪われた海賊たち』です。暗号解読チームの事前解読を集めてまいりました。

(KSBのまっちゃん)
映画のカギは「黄金のメダル」ですから、これはストレートに「ゴールド」に来てますやん。ゴールドアグリとゴールデンダリア。あと、父がステイゴールドのドリームジャーニー。あと、海賊の金銀財宝で父がシルヴァーデピュティのプラテアードまで。
(牛乳屋さん)
海賊は樽酒飲むでー。ウオッカや。あと、酒飲んでゲロ吐いてローレルゲレイロ!

 しょうがないなー。じゃ、解読マスターの私の解読を披露しよう。『パイレーツ・オブ・カリビアン』はむくつけき男ばっかりの中にただ一人、美しい総督の娘エリザベスが登場する。とすると、牡馬ばっかりの中にただ1頭の牝馬「ウオッカ」。しかも2枠3番ウオッカの前後には2番ゴールドアグリ、4番ゴールデンダリアと、ゴールドに囲まれたただ一人の女性。これは間違いなく、ウオッカはエリザベスだ! ということで、先に予言しておく。今年のエリザベス女王杯はウオッカで決まり。

牛乳「ダービーの予想ちゃうやんか!」

 しょうがないなー。じゃ、解読マスターのダービー本気解読を紹介しよう。『パイレーツ・オブ・カリビアン』は3部作である。かつて、菊花賞の日に同じ3部作である『インディー・ジョーンズ』が放映された時から怪しいと思っていたのだが、3歳クラシックで3部作が放映される時は、3部作と3冠レースが連動しているのだ。すなわち、

皐月賞…『パイレーツ・オブ・カリビアン〜呪われた海賊たち』
ダービー…『パイレーツ・オブ・カリビアン〜デッドマンズチェスト』
菊花賞…『パイレーツ・オブ・カリビアン〜ワールドエンド』

 となる。ということは、実は今回ダービーは、映画は『呪われた海賊たち』であるが、暗号は『デッドマンズチェスト』から来るという引っかけではないかと読んだ。『デッドマンズチェスト』では、『呪われた海賊たち』で最後に残ったジャック・スパロウが沈んで、最後に死んだバルボッサがよみがえる。ということは、ダービーでは皐月賞で勝ったヴィクトリーが沈んで、皐月賞で死んだと思われた馬がよみがえることになる。えーと、皐月賞で負けた馬よっけおるがー(笑)。

 とりあえず、「よみがえる」となると不死鳥、不死鳥と言えば「火の鳥」、「火の鳥」と言えば鳳凰、鳳凰と言えばフサイチホウオー! ダントツ一番人気やん(笑)。じゃ、ヒモは生き残るエリザベスのウオッカ。あと、もう一人生き残る鍛冶屋のウィル・ターナーを探して、と。
2007年5月20日(日)

 昼、詳しくは言えないが退っ引きならない用事でおもろい格好をしているH谷川君と会って(笑)、帰って夕方になってパソコン開けたら、H谷川君経由でガモムスからメッセージが来ていた。

「(団長に)勝ち馬の母父がシーキングザ“ゴール”ドだったことをお伝え下さい」

 オークスの日曜洋画劇場暗号解読だ。まっちゃんが洋画劇場の『ゴール』から「サッカーボーイの孫、ベッラレイアとマイネルーチェ」と解読したやつ。結果は、

1着…ローブデコルテ
2着…ベッラレイア

だったのだが、1着のローブデコルテの母父がシーキングザゴールドで、「ゴール」の文字がそのまま入っているという発見。結局、見事にサッカーがらみが1、2着に来ちゃった。ちなみに私の買い目は、ふっふっふ、ちゃんとシーキングザ“ゴール”ドは見つけていたのだよ。ベッラレイア、マイネルーチェ、ローブデコルテの単複と、馬連ぐるっと回して3点。すまんのー(笑)。

 ところが、今日はたまたま奇跡的に午後3時頃からポッカリ時間が空いたため、久しぶりに家でPATでお馬をやったのだが、正攻法で予想したレース5つ全敗。当たったのは暗号解読のお笑い冗談馬券のオークスだけって、どういうこと?(笑)ま、そういうことだ。

 ちなみに今日は、チャンネル変えながらよっけスポーツ中継を見た。阪神3連勝。15歳の高校生が勝ったマンシングウェアKSBカップゴルフ。横峰さくらが逆転優勝したブリジストンレディスゴルフ、今田竜二が首位を守ったアメリカのAT&Tクラシック3日目。それとオークスを含む競馬中継。AT&Tクラシック最終日は、明朝4時からCATVで生中継がある。見るか? えーと、今、夜中の0時。今田は最終組だから、6時に起きても大丈夫かな(笑)。
2007年5月19日(土)

 朝7時過ぎから峰山に登って、2時間くらい汗をかいて9時半頃下りてきたら、市民病院の前あたりでおじいさんとおばあさんが立ち話をしているのに出くわした。見ると、おじいさんの方は山で何度か会ったことのある、80歳を超えた峰山ハイカーの人だ。

田尾「おはようございますー」
おじ「せんせ早いのー」
田尾「はい、もう行ってきました」

 あいさつをしてすれ違ったら、後方でおじいさんがおばあさんに説明をする声が聞こえた。

おじ「あれ、うどん通の田尾さんや」
おば「………(声が小さくて聞き取れない)」
おじ「うどんのな、テレビに出よる…」

 などという声を聞きながら遠ざかっていると、また説明する声が聞こえた。

おじ「うどん通のな…田尾さんいうてな…」
おば「……」
おじ「テレビでな……うどん……」

 すれ違ってもう100mぐらい離れて、踏切を渡ろうとしたら向こうの方でかすかにまたおじいさんの声が。

おじ「うどんの……田尾さん……」

 まだそこかい! いや、すんません(笑)。

 で、久しぶりにダラダラと午後を過ごして夕方6時半頃、家内が「糸しょう(呉服屋)」にちょっと用事があるというので「ほな歩いて行こう」ということになって、30分近く歩いて高松の商店街に行って、糸しょうをのぞいたのである。私は糸しょうに入るのは初めてだ。7時を過ぎて表はすでに閉まっていたので裏に回ると、中で着物を着た男の人が仕事をしていた。ふと顔が合って、

谷本「あれ、田尾さん」
田尾「谷本さん?」
谷本「どうしたんですか?」
田尾「いや、家内に着いて来て…」
谷本「奥さん?」
家内「え? 知り合いだったん?」

 糸しょうの社長の谷本さんとは、実はもう15年も前に旧のレオマの業者の会のゴルフコンペで確か2回ほどご一緒させてもらって以来なのだが、お互いに顔を覚えていて久しぶりの再会です。30分ぐらい立ち話をした。トキワ街の商店街が寂れてしまって「田尾さん、どないかして下さい」とか言われて(笑)、たちまちどないもできんので「ほなとりあえず、和服をどないかしましょう」という話になって、ちょっと作戦を相談して解散しました。100人ぐらいで「和服を着て遊ぶ軍団」を結成して、まずは盆と正月に「和服軍団街中繰り出し」作戦とか(笑)。

 和服はなあ、ここまで洋風化すると揺り戻しでもっかい来そうなニオイもするのだが、「流れ待ち」するのでなくて、何かやりたいなあ…という気持ちがちょっとある。私は原則として毎年正月には和服を着て家族写真を撮っているのだが、何か、仲間とみんなで「日本の文化」というか「風流」というか若者に媚びない「大人の文化」というか、何かそういうものの中で人世の終盤を過ごしたいみたいな、あるいは個人的にそういう中で自分の人世を終わりたいみたいな、まだ確固たる企画があるわけではないが、年を取ってそんな気持ちが出てきていることを白状します(笑)。

 普段の日とか昼間とかはまだちょっと恥ずかしいけど、盆や正月や、あるいは人通りが少なくなった夜あたりからジワジワと。場所は、玉藻公園とか、夜の商店街とか(笑)、糸しょうの前に床机とかお茶とか出してもらったり。何かいいシチュエーションを考えついたらちょっと仲間集めてみるかなー…とかいろいろ考えてて、そういう視点で改めて街を見てみたら、ほんま、和服を違和感なく受け入れてくれる環境が街からどんどん消えていることに気がついた。さて、どうしますか。
2007年5月18日(金)

 いつものように全力で授業を終えて、夕方KSBに行ったら、ディレクターのまっちゃんがやってきました。

まっ「先週の『チャーリーズエンジェル』、後付け解読できましたよ!」
田尾「え! 何やったん?」
まっ「とりあえずチャーリーズエンジェルは3人ですから、この“3”に注目したわけですよ。そしたら今週、かつての桜花賞馬のキョウエイマーチが死亡したいうニュースが入ってきて、これは追悼ではないかと思って探したら、こうなってたんですよ」

1着…コイウタ(2006年桜花賞の3着馬)
3着…デアリングハート(2005年桜花賞の3着馬)

田尾「で、2着のアサヒライジングは?」
まっ「これちょっと苦しいんですけど、馬番が3番で、2006年オークスの3着馬」

 ま、確かにちょっと苦しいけどそういうことにしとこう(笑)。ちなみにヴィクトリアマイル出走全馬の中で桜花賞とオークスの3着馬は、コイウタ、アサヒライジング、デアリングハート、ディアデラノビアの4頭だけではあった。

 さて、今週のG1、オークスの日の日曜洋画劇場は『GOAL!ゴール』というサッカーの映画であるが、まっちゃんはこれをすでに解読した。事前にここに書いたら当たらんというのに、まっちゃんがすごく書いて欲しそうな顔をするので(笑)、もう外れてもええから書いておく。

まっ「サッカーの映画いうたら、サッカーボーイしかないでしょう! で、探したら、サッカーボーイの仔はおらんのですけど、孫が見つかりました。父の父がサッカーボーイのベッラレイア、母の父がサッカーボーイのマイネルーチェ、この2頭だけです!」

 今回また、えらい素直な暗号。外れてもクレームは受け付けません(笑)。
2007年5月17日(木)

 2日連続で、大学の研究室に東京の業者らしき若い男の人から「マンションの良い物件が出たので資産運用のために買いませんか?」みたいな電話がかかってきた。何か今、流行ってるんですか?(笑)ちなみに昨日は大学の交換からの取り次ぎだったが、今日は研究室直通でかかってきた。ということは、相手は内線番号を知ってたわけだ。どんな情報がどこから流出しとんや。ま、断ったからええけど。

 しかしいつもながら思うが、あの手の勧誘する人ら、なかなか電話を切らせてくれんのー。「いりません!」でガチャンと切ってしまえば切れるのだが、それで相手がむかついて立て続けにかかってきてもうっとうしいので、私はなるべく相手に「そうですか」と言わせてちゃんとあきらめてもらって切ろうとするのだが、相手も商売だから食い下がってくる(笑)。私は編集長時代からいろんな勧誘の電話を受けて断り続けてきたので、ちょっと慣れているから、とりあえず今回もちゃんと断れた。ついでに「大学の先生と上級公務員は重点ターゲットの一つとして営業をかけている」という情報まで収集して(笑)。ターゲットらしいですよ。ちなみにターゲットということは、営業的観点から言いますと、これまでに成約の実績がそれなりにあるということやな(笑)。

 続いて今度は素性の知れた和田から電話。

田尾「何や」
和田「例のモノ、入手いたしました」
田尾「おお! 手に入ったか! よし、では受け渡し場所は追って連絡する」

 和田に入手を頼んでいたモノは、『ミシュラン・ジャポン』。あのレストランガイドのミシュランが「旅行先」のランク付けを始めて、ついこの間発売したばかりの本だ。まだフランス語版しか出てないらしいのだが、その中に「高松」が★一つで入っているということで、「どないかして入手せよ」との指令を出していたのだ。

 夕方、大学からの帰りに浜街道のくつわ堂の喫茶で落ち合った我々は、さっそく現物を吟味してみますと、四国では高松(★)と松山(★★)だけが入っておりまして、「高松」の項目の中に挙げられている素材は、観光地では栗林公園(★★)四国村(★)琴平(★★)の3カ所だけです。あと、星なしで載っている施設や店は、こんな表記でこんなラインナップです。

<宿泊施設>
・青少年向け…高松サカキユースゲストハウス
・7000円〜10000円…スパーホテル高松、オークラホテル高松
・10800円〜…こんぴら温泉湯元・八千代
・17000円〜…リーガホテルゼスト高松
・30000円〜…喜代美山荘・花樹海
<レストラン>
・500円〜…讃岐手打ちうどん・わら家
・2500円〜…天勝本店
・3500円〜…アリス・イン・高松

 以上。えらいあっさりしとるな(笑)。高松と琴平の紹介スペースは、文章部分でわずか2ページ半ぐらいだ。

 ちなみにこれ以外に、直島が何と1ページ近くを占めて掲載されていた。しかも、直島(★)ベネッセハウス(★)家プロジェクト(★★)地中美術館(★)と、4項目にも星がついている。さらに載っている施設や店も、民宿おかだ、直島ふるさと海の家つつじ荘、山本うどん店、茶寮大三宅、と4軒も紹介されている。ただし、これには大きな「オチ」がついている。直島は「岡山」のページに紹介されています(爆笑)。

 選考基準がどうなってるのか、どうやって取材したのか等、詳しいことは第二外国語フランス語専攻の私がこれから解読するので、あと2年ぐらい待ってくれ(笑)。
2007年5月16日(水)

 今週は月曜日から、インタレストの次の特集の当たりをつけるための取材と情報収集に追われている。理由は、先週行ったインタレスト・プロチームの編集会議。第一特集候補の大調査企画の途中経過を報告していた時のことである。調査結果がなかなか意義深いものになっていたため、報告しながら話がどんどん大きくなっていって、「こんな見せ方をしたらどうだ?」「追加でこんなものも調べて加えたらどうだ?」とか広げていってたら、何やら考え込んでいた笹木が言ったのである。

笹木「でもね、何かちょっと…そのデータ、読者の立場に立ってみるとですね…あんまり個人に関わってこないような気がするんですけど」

 私はハッと我に返った。「読まれるための情報発信」の基本その1(か2か5か10かわからんけど)。「その情報は、読者の個人に関わるかどうか」。研究書でなくて情報誌だからそこに選考基準があるのに、データのおもしろさに気を取られて頭からスコーンと抜けていた。やっぱ笹木はプロの情報発信者やのー。

田尾「その通りや」

 で、第一特集候補は第二特集候補に格下げになって、新たに第一特集候補をいくつか出して、それの可能性を探るために今、改めて情報収集活動をやっているというわけだ。

 「相手の立場に立って考える」というのは、以前にも書いたがさほどにすぐ忘れがちになるというやっかいな代物であることの一例です(笑)。唐突だが、近年、団塊の世代の大量退職で「熟練した技術者が退職して企業から技術が失われ、“技術立国ニッポン”の土台が揺らぐ」みたいな論調をよく目にしたが、これも「相手の立場に立ってものを考える」という基本にちょっと欠けた分析だと私はいつも思っていた。この場合の「相手」とは、経営者である。

 経営者の立場に立って普通に考えると、会社の損失になるような技術を「定年退職」ごときで捨て去るはずがないのである。会社にとって不可欠の技術を持った社員や役員が定年を迎えたら、普通の経営者ならそれは特例の役員なり嘱託なりどんな形でも会社に置いておくのである。あるいはそれ以前に、社内でその技術をきちんと引き継いでおくのである。

 読者の立場に立つというのは、自分はいつでも読者になれるからいつでも気がついたらそこに立ち返れるが、経営者の立場に立つというのはおいそれとできないので、どうしても抜けてしまうのだと思う。社会学を語る人たちの一つの壁かもしれん。難しいなあ。
2007年5月13日(日)

 今週末の日曜日は高知の日曜市に行くと決めていたのである。ちょっと調べたいことがあって早よ行かないかんと思っていたのだが、先週はゴールデンウィークのまっただ中だったので、1週遅らせて今週行くことにしていた。そしたら木曜日になって、土曜日の予定が延期になってポッカリと空くことになったのである。で、どうしたかというと、ふと思い立って手元にあった『まっぷる』を見て、足摺の温泉ホテルに電話を入れたら空いてたので予約を入れちゃった。

 そういうわけで高松から高知の足摺。今週末は、四国の対角線の一番長いところを車で走って行くことになった。「香川から高知に行く情報」はD々に聞け(笑)。いや、麺通団員ならS原とT内に聞いてもいいのだが、あいつらはかつて「足摺岬でラジオ体操をする会」を結成して夜中に香川を出発して、朝、足摺岬に着いてラジオをかけてラジオ体操をしたというバカヤロウなので、私のような善良な市民にふさわしくない情報を流してくる恐れがあるということで却下。で、金曜の夜にD々に電話して、高松から四国カルスト経由、足摺というコースが可能であること、四国カルストから足摺までは地図を見ると一番距離の短そうな国道が目に入るが、そいつはワナで入り込むとドツボを踏むことなどの貴重な情報を得た。

 土曜日の朝8時、私は家内と2人で高松を出発した。高松から高速に乗って、時間ははっきり覚えてないがたぶん1時間半ぐらいで高知の須崎東インターを下りて、カーナビに従って四国カルストの天狗高原に向かう。途中、どっかの道の駅でなかなかうまい鶏肉の串焼きと腰が抜けるほどうまいパリパリの衣のイモ天を食って、昼頃天狗高原に到着。そこからしばらく四国カルストの上を走って、午後1時になった。カーナビで足摺の温泉ホテルを入力してみたら「目的地まで5時間30分、到着予定、午後6時30分」と出た。こらいかんが。日没前に足摺に着いて夕日でも見ようと思っていたから、急いで出発せないかんが。

 カーナビによる最短コースを見ると、「四国カルストから一旦また須崎に帰れ」と言っている。とにかくこっちに初めて来た私はそれに従うしかないので、指示されるままにドンドコ走っていたら、カーナビの到着予定時刻がどんどん早まっていって、結局5時半に足摺の温泉ホテルに着いた。チェックインしてから岬の最先端の展望台と灯台まで行って、ビュービュー吹き荒れる風の中でガスってぼやける水平線を見て、それからホテルに帰って温泉に入って出て食事をして寝て朝起きて食事をしてとっとと高知市内に向かった。ここ、何で記述が早いかというと、温泉はとってもぬるくて、食事は「ご飯(白米)が一番うまかった」というつらい目に遭ったからです(笑)。

 詳細は長くなるので書かない。本日日曜日は朝8時に足摺を出て11時半に高知の日曜市に到着。写真を撮りながら、いろいろ情報を収集しました。ここ数年、観光関係の研究をしている中で、高松発の日帰りレジャーや一泊二日レジャーのコンテンツを集めておりまして、ついでに情報誌やガイドブックの記述と実際とのギャップも調べておりまして(笑)。こないだ四国新聞の六車君が観光情報誌を2種類持って研究室にやってきてちょっと話したのだが、六車君も薄々感じていたはずの、あの辺の「情報発信の手法の欠陥」の研究や。

 日曜市で約1時間半。1時に高知を出て、午後3時に高松に帰ってきた。家で一服してテレビをつけたら、ヴィクトリアマイルの競馬中継が始まっていた。これは見ないかんがな。私はすでに、金曜日の晩にアップタウンで、マスターに例の見事な暗号解読の馬券を頼んでいる。これ、3連単まで来たらどうすりゃ。オッズを見たら、うわ! 当たったらひ孫の代までうどん食えるが! 

 30分後、私のうどん代が消えました(笑)。そやから言うたやないの! 事前に発表したら当たった試しがないって。

 ちなみに金曜日、KSBに行ったらディレクターのまっちゃんが寄ってきて、

まっ「田尾さん、こないだのNHKマイル、暗号来てましたよ」
田尾「え! あの大万馬券?! 僕、さっぱり解読できんで“見”したのに」
まっ「『スパイダーマン』といえば、あの名曲の『ピンクスパイダー』でピンクカメオにつながるんですけど、それより3着のムラマサノヨートーですよ」
田尾「あの大穴開けたやつ?(ヤツのせいで3連複は122万馬券、3連単は何と974万馬券!)」
まっ「『スパイダーマン』の監督のサム・ライミ。サムライですよ。侍と言えば、妖刀村正! ムラマサノヨートー!」
田尾「おおーっ!」

 誰か、『チャーリーズエンジェル』の後付け解読してくれ(笑)。
2007年5月10日(木)

 ちょっとだけ親愛なる(もうええっちゅうに)飯山高校の島田先生から「いじってくれてありがとう(笑)」というメールが来て、ついでに訂正が入りました。「進学フェスタ」と書いたのは「進路フェスタ」で、「3年生対象」じゃなくて「総合学科の全生徒対象」だったそうだ。で、私はたまたま3年生対象のコーナーにいたらしい。聞くところによると、私のコーナーに来ていた生徒から「田尾さんアツイわー」という感想があったとのこと(笑)。ええか、俺はどんなちっちゃいことでも、目の前のことには全力なんじゃ。

 さて今日は夜、インタレストのプロ軍団の企画会議を開催。笹木と和田と篠原と松本君が例によって花樹海の喫茶に集まって、松村の話題で大変盛り上がった…でなくて実りある次号の企画検討が行われた。夜中0時を超えたがな。花樹海の喫茶は峰山の中腹にあって、夜景は抜群だし静かだし、ホテルだから遅くまでフロントの人がいて時間を気にしなくていいし(いいのか?)、うちから近いし、私らにはとっても便利。今回は和田と松本君から採用基準を超える企画案が出て、昨日の学生たちとの編集会議で出た企画と併せておおよその方向が見えてきました。

 帰って残務をやっていたらもう2時半だ。明日の授業に差し支えるので長い日記は書かん。昼はベドロー先生とうどん食いに行かないかんし。ほな。
2007年5月9日(水)

 授業と会議を終えて、研究室で残務をやりながら手帳のスケジュールを確認していたら、今日は家内の誕生日であることに気がついた。ちょっと電話。

田尾「今日、何かうまいもん食べに行く?」
家内「何で? 昨日も勝谷さんとうまいもん食べてきたんちゃうん」
田尾「誕生日であることを思い出して」
家内「どしたん、覚えとったん」
田尾「何食う?」
家内「んー、木場さんとこでもええ」

 そういうわけで、ボワ・エ・デュポンにフランス料理を食べに行きました。店に入って席に着いたら、厨房から木場さんが出てきた。

木場「いらっしゃい。うちの店、もうすぐつぶれるからな」
田尾「ほんまですか!」
木場「うそじゃ」
田尾「ほんまにもー、びっくりしますやん」
木場「田尾ちゃん、何か賞もろとったな。おめでとな」
田尾「また冗談ですか?(笑)」
木場「これは本心やが。ほんま、あなたはすごいことやった」
田尾「すんません」

 コースを頼んだら、一品サービスしてくれました(笑)。腹パンパンになって帰宅。恐る恐る野球を見たら、阪神がちょっと起きかけて、また寝たので、およそ40年来の阪神ファンとしては「心の定位置」についたような妙に安らかな気持ちになって(笑)、ちょっと休憩モードでインターネットで日曜洋画劇場の予定を見てみる。今週は『チャーリーズ・エンジェル』か。で、日曜のG1がヴィクトリアマイル。牝馬のG1で『チャーリーズ・エンジェル』は、何か来とるんではないか? いろいろ調べて解読してみました。

 では、暗号解読チームの事前解読を披露します。『チャーリーズ・エンジェル』といえば、チャーリーが3人の女性(エンジェル)に指令を出すという基本形だ。この図式をあてはめると、まず第一感は「一人の調教師が3頭の牝馬に指令を出す」という暗示。で、出走予定馬を確認したわけです。すると、これにピッタリのシチュエーションがあるやないの!

 3頭出しの厩舎がただ一つ。堀宣行調教師が、ジョリーダンス、スプリングドリュー、ビーナスラインの3頭を登録しとる。しかも、『チャーリーズ・エンジェル』の3人が「白人2人とアジア系1人」であるのに対し、馬もジョリーダンス(芦毛)、スプリングドリュー(芦毛)、ビーナスライン(栗毛)で、白2頭と茶色1頭! さらに、エンジェルを演じる3人はキャメロン・ディアス(白人)、ドリュー・バリモア(白人)、ルーシー・リュー(アジア系)であるが、「ドリュー」がつながっとるぞ。ドリュー・バリモアがスプリングドリューじゃ。とするとキャメロン・ディアスがもう一人の白人つながりでジョリーダンス、ルーシー・リューがビーナスラインじゃ。

 ということで、事前解読では主役はキャメロン・ディアスの「ジョリーダンス」! これがスプリングドリューとビーナスラインを連れてきたら、また万馬券になるんちゃうか? ちなみに、かつて事前解読をここで披露して、当たった試しがありませんけど(笑)。
2007年5月8日(火)

 朝から飯山高校の「進学フェスタ」という催しに出席。これは、飯山高校に大学や専門学校の関係者が集まって、同校の3年生を対象に模擬授業や学校説明を行うというもので、私は四国学院大学の学校説明担当を頼まれて行ったというわけである。

 大学からは「行って高校生に大学の説明をしてくれたらいい」とだけ言われていて、何しろ初めての担当なので何をどうするのかさっぱりわからんまま、とりあえず飯山高校に行ったら、いきなりちょっとだけ親愛なる(笑)島田先生に出くわした。

島田「あら、どしたんですか、御大自ら」
田尾「いや、大学から頼まれたもんで(笑)」

 私は大学では全然「御大」でないけど(笑)。で、島田先生に事前説明の会場まで案内してもらって、それから体育館に行くように言われたので行ったら、広い体育館のフロアに机がいくつも配置されていて、見渡したら「四国学院大学」と書かれた札のある机があって、そこに大学案内が数十冊入った段ボール箱が置かれていて、その周りに高校生が10人くらい座っていた。見ると、あちこちの机の周りに高校生が数人から10人くらいずつ集まっている。なるほどー。高校生は自分の聞きたい大学や専門学校の札のところに集まって、そこでそれぞれの学校の担当者が高校生に学校説明をするという段取りらしい。

 私はさっそく段ボール箱から大学案内の冊子を取り出して、集まった高校生に配って、四国学院の説明を始めた。軽いツカミから入って(笑)、大学の説明をして、それから質問を受けて、30分で1ラウンド終了。すると高校生たちはゾロゾロと異動して、今度は違う高校生がやってきて、また30分説明をする。高校生は30分ごとに聞きたい学校の所を回っていくというわけだ。だんだん状況がわかってきた(笑)。

 で、第2ラウンドが終わって次の生徒が集まってきたので、また大学案内を配って説明を始めようとした時、「田尾さん」という声がした。見ると、KSBのカメラマンの有馬さんが女性のレポーターを連れて立っていた。

田尾「取材ですか?」
有馬「毎年来てるんですけど、さっき島田先生に会ったら“あっちに田尾さんいますよ”言われたんで来てみた(笑)」

 私は集まっている高校生に紹介した。

田尾「この人、KSBのカメラマンや。映してくれるかもしれんぞ(笑)」
生徒「おー!」
田尾「カメラ目線はあかんぞ。ええか、こっち見て真剣に説明を聞いてるフリをする。すると、テレビに映る確率が高くなる(笑)」

 有馬さん、ありがとうございます。おかげで第3ラウンドの生徒もがっちりつかむことができました(笑)。

 それから大学に帰って夕方まで仕事をして、夜は勝谷誠彦さんが高松に来てたので数人で会食をして、本日終了。明日は朝から夕方まで、授業と会議でびっしりだ。
2007年5月7日(月)

 朝早く、山越に行ったら連休明けの休み(何か言い方が変?)だったのでその足で宮武に行ったら、

大将「どしたんな、また学校休みやったんな」
田尾「今からです!」

 以前一度、授業準備を万端に整えて朝一の授業に行ったら学校が休みだって、仕方なくそのまま宮武にうどんを食べに行ったことがあるのだが、それ以来、朝に宮武に行ったら大将に毎回同じネタで突っ込まれる(笑)。

 本日月曜日は担当授業のない研究日なのだが、以前書いたように今期は善通寺西高の出張授業が入っているため、準備をちゃんとやってると、とても研究してる暇がない。自由奔放な(笑)高校生相手の授業は、大学の授業をそのままというわけにはいかないので、興味を引く具体的な事例やモノを考えて用意したりしているのだが、それでもなかなか「ツボ」を発見できんなあ。もう俺、51やからなあ。

 さて、今日はいよいよ「MECE」の概念の説明だ。「MECE」(もれなく、ダブリなく)は私のアイデア開発のプログラムにおいて無数にアイデアを生み出すための基本的な考え方だから、どんなにやさしい高校生バージョンに作り替えてもこれだけは避けて通れない。

田尾「………というのがMECEの概念や。練習問題行くぞー。日本人をMECEに分けてみる。まず“MECEの箱”を作る。その箱の上に“日本人”とタイトルを書くね。で、箱の真ん中に線を引いて上に“男”、下に“女”。これでほぼ100%MECEやね。男の日本人と女の日本人で、ダブってなくて、もれがない。特殊な例を除いて、これで日本人全体になる」

 続いて応用例。

田尾「これを使って新しいTシャツのアイデアを考える。やり方は前にやったな。“男のTシャツ”“女のTシャツ”。これでアイデアの2つの入り口が発見される。今のは性別でMECEに分けた例ね。次に、年齢別でMECEに分けてみるぞ」

 今度は“箱”を4つに分けて、上から「子ども」「若者」「中高年」「老人」と書き込む。

田尾「何歳から何歳までを子どもとするかは別の話にして、だいたいMECEに分けられとるな。ほなこれにTシャツを組み合わして行くぞー。子どものTシャツ、若者のTシャツ、中高年のTシャツ、老人のTシャツ。はい、入り口がさらに4つ出てきた。老人向けのTシャツ、見たことあるかー? ないの。なかむらのおっちゃんも子どものスヌーピーのTシャツ着とるが。ないということは、ビジネスチャンスかもしれん(笑)。そういうこっちゃ」

 次に、もうちょっと分ける数を増やしてみる。私は黒板に書いた「日本人」のMECEの箱の中を、細かく47の升に分けた。

田尾「よっけ分けたぞ。この中に、全体で“もれなく、ダブリなく”になるように言葉を入れていく」
生徒「都道府県や…」
田尾「おー、正解。ほな北海道から入れていくぞ」

 と書き始めたら、みんなが都道府県名を言い出した。

生徒「青森」
生徒「新潟」
生徒「京都、京都!」
生徒「大分」
生徒「沖縄!」
田尾「行くか? よし、書いていくけん全部出せー」

 急に教室に活気が出てきた(笑)。もうバラバラに生徒が挙げる都道府県名をどんどん書いていく。

田尾「おー、あと3つになったぞ」
生徒「群馬や」
生徒「滋賀」
田尾「滋賀は出た」
生徒「………岐阜!」
田尾「おー、岐阜。あと1つ」

 苦しんで苦しんで最後に出てきた県は、佐賀でした(笑)。こんな展開になるとは思ってなかったのだが、10分ぐらいで何とか全部出た。なるほど、こういうもんには食いついて来るんか(笑)。

 で、全部出たら、例によって「Tシャツ」と組み合わせてみる。北海道のTシャツ、青森のTシャツ、岩手のTシャツ、秋田のTシャツ……。と頭の中で組み合わせていくと、例えば「全国のご当地Tシャツ」とかいうアイデアが出てきたりするわけで、とりあえず今、授業はそのあたりを進んでおります。ま、とりあえずみんなの頭の中が柔らかくなってくれば第一段階はオッケーかな、と。応用編は、大学に入ってきたら教えてやる。
2007年5月6日(日)

 阪神が休んでいるのでせめて俺ぐらい働いとかないかんと思って(思ってないけど)、この連休は4日のうち3日も調査に出かけた。木曜日の屋島等に続き、金曜日はまた和田と一緒に瀬戸大橋記念公園、ゴールドタワー、サンポートと、うどん屋数軒。昨日は休もうと思ってたのだが、電話で確認すると学生チームが調査に出遅れていたので、サポートするためにごんと松本君をお伴に栗林公園からこんぴらさんまで調査。この間、H谷川君とD々君にも調査を依頼して、かなりのデータが集まった。

 とりあえず、今年のゴールデンウィークの香川県内の観光地やうどん店は、動員数がどう発表されるかわからんけど、去年よりかなり人が多いという印象です。なんか、あちこちがえらいことになっとる。がもうもおか泉も竹清も、行列が去年より一つ向こうの角まで延びとる。去年は行列がなかった店にも行列ができとる。屋島もこんぴらもゴールドタワーもすごい人出になっとる。でも、サンポート周辺と瀬戸大橋記念公園は人がおらんかったなあ、和田(笑)。

 ふっふっふ、でもそんな「観光地の人出調査」みたいなぬるい調査をしてきたのではないんだよ。何せ私ら、筋金入りの「おもしろがり屋」ですから。引き続き、7月〜8月頃に同様の調査第2弾を行って、しかるのち、集計と分析にかかって次のインタレストですごい調査と分析を大発表するという計画だ。えらい大きく出たが、秋頃にはここで大きく出たことをみんな忘れてるから大丈夫だと思う。忘れてください(笑)。じゃ、明日からまた仕事。土日祝日にあまり関係ない仕事を何十年もやってきたおかげで、私には「連休最終日のちっちゃい憂鬱感」みたいなのは全然ない。働くでー。
2007年5月3日(木)

 再び連休体勢に入った今日は、さっそくゴールデンウィークのフィールドワークに出かけることにした。何かあんまり籠城してないな。

 実は昨日の大学でのインタレスト編集会議で、次号の特集の一つとして、このゴールデンウィークにある調査をすることを決めたのである。例によって言われてみれば簡単な調査なのだが、視点が盲点を突いているという、たぶん香川では誰もやったことのないと思われる秘密の(笑)調査である。連休中に動ける数人の学生には昨日調査指令を出してあるのだが、御大自ら、私も調査員の一人として乗り出したというわけである。

 調査にはお伴がいるということで(もうええっちゅうに)昨日ごんに電話したら、ごんは人生を左右する重大な用事(ここ、「笑」を入れとってやるの)があるということでボツ。続いて今日H谷川君に電話したら、「今日明日と仕事ですけど、合間を縫って調査に協力します」との返事。で、続いて超多忙の中たまたまポッカリとスケジュールが空いてそうな和田に電話したら、全く偶然奇跡的にポッカリ空いてるとのことで(笑)、二人で出かけることになった。

 昼の12時という人出のピーク時に、まず屋島に突撃。屋島、すごいことになってます。国道11号線の屋島に曲がるマクドナルドの交差点の手前数百メートルあたりから、明らかに「屋島渋滞」。ノロノロ運転でようやくわら家の下にたどり着いたら、信じられない看板が出ていた。

「屋島山上駐車場・満車」

 あの広い屋島山上が、満車か! 我々は先にごった返すわら家の駐車場に入って(それも奥の奥の臨時駐車場に誘導された)、20分ぐらい調査と写真撮影をして、それから屋島ドライブウェイの料金所を通って山上に向かう。数分走ったら、何と中腹あたりでドライブウェイが渋滞で動かなくなった!

 料金所から山上駐車場まで、信じられない「1時間!」です。さらに駐車場は満杯で、誘導されるまま奥の臨時駐車場に入ったら、臨時駐車場というか、山の中の空き地やん! とにかくすごいことになってました。新・屋島山上水族館は人が湧いている。展望台も茶店もいっぱい。でも屋島寺は閑散。

 それから屋島を下りて、山田家に行ったらこれまた大変なお客さんで、あの広い庭から外にまで人があふれて、予約を書き込む紙は何枚にもわたって名前がびっしり。店員さんがマイクで予約客を呼び出しながらさばいている。それから山田家を出てあともう1カ所調査取材をして本日終了。

 さて本日、調査とは別に、あるうどん屋に初めて入りました(場所も名前も言わない)。もちろん初めてだから、わら家でも山田家でもないよ、と断っておいて、結論から言うと、和田と2人とも半分以上残して帰りました。俺、ダシが腐っとんかと思た(笑)。正直、一口だけで食べるんやめようか思ったのに、横で和田がつけダシを麺にかけて食いよるから、ちょっと頑張って3口も食べたがな。

田尾「お前、つけダシかけて食いよったやんか」
和田「違うんですよ! 田尾さんが一口でやめようとしたから、せめて僕だけでももうちょっと食べないかん思って無理して食べてたんですよ」
田尾「俺、ここ15年でうどん残したん、2回だけやぞ。もう1回はこないだラスベガス行った時の帰り、バンクーバーの空港で食べた『肉うどん』と書かれた“うどんのような形状をしたもの”や」

 今日食べたの、あれはすごいわ。例えて言うなら、15年ぐらい前に団員W部と入って一口食べて「腐っとる」言うて残して帰ったあそこの店のダシを瓶に入れて5年かけて発酵させたみたいなつけダシのうどんじゃ(笑)。

田尾「この感動は我々だけで二人占めするのは絶対いかんな」
和田「いかんですね」
田尾「誰かにお勧めせないかん。けど読者にはお勧めできん(笑)」
和田「D々さんですね(笑)」
田尾「よし、D々に“あのうどん食べなんだら讃岐うどんの全貌は語れんぞ”いうて電話するか(笑)」

 D々君、行ってみ。ただし、体調のええ時にな(笑)。

2007年5月2日(水)
 朝一から授業とゼミを2本こなす。ゴールデンウィークの間でも大学はカレンダー通りの営業である。営業とは言わんか。夕方、研究室で取材を1件受けて一旦高松に帰り、夜は丸亀に出かける。インタレスト三代目編集長の池田源成が今期休学して海外に行くので、その壮行会みたいなのを丸亀の神野先生の家でやるから来てくれという指令があったのである。私は高松でちょっと用事があったので、1時間半ぐらい遅れて行ったら、家の前でバーベキュー大会になってた。メンバーは神野先生と片山先生と、4年が5人、4月から新社会人になったカルチュラル・マネジメント学科第一期卒業生が7人。明らかに壮行会というメンバー構成ではない。たぶん、源成はどうでもええけどバーベキューやりたかった、と(笑)。

 ちなみにカルチュラル・マネジメント学科の第一期卒業生は、就職率100%である。学科のカリキュラムや指導内容や意識作りが功を奏した面もあって、たぶん在学中から「社会人になって仕事をする」という意識がかなり高い学科だと思う。「フリーターでもええわ」みたいなやつがほとんどいないもん。で、就職して1カ月が経って、いろいろ話を聞いてたら、高い意識を持って慣れない仕事にがんばってるやつもいれば、五月病の兆候が出てきたやつもいたり、もう何かの壁にぶち当たって悩んでいるやつもいたりして、こっちもいろいろ考えさせられることがたくさんありました。

 彼らに対するアドバイスは、全くケースバイケースでなかなか難しい。さらに、私らの経験からのアドバイスならそう難しくはないのだが、はたして私らの経験による価値観や手法が彼らのこれからにも通用するのかどうか、というところまで考えると、やってみないとわからない部分が大きすぎて、うかつに「こうすればいい」と決められないのだ。従ってアドバイスといっても、多分に「選択肢を並べてやる」という話になる。あと「原理原則」の話と。いつも言ってるが、これから何が起こるかわからないいろんな場面場面で、ものを考えたり決めたりする時の「道具(手法)」を教えてやることしかできんわけだ。ま、先は長いから、とりあえず目の前にあることを、相手の期待よりちょっと上の成果で返す意識を持ってやりよったら、いずれ何か開けてくるだろうということで。

柘野「それってどんなことやったらええんですか?」
田尾「何でも。ちっちゃいことから全部。例えば柘野やったら仕事で何頼まれるんや?」
柘野「資料のコピーとか」
田尾「ほなこれ100枚コピーしてくれとか頼まれるやろ? 相手はコピーが100枚揃うことを期待しとるから、100枚コピーして、コピー機から出てきた100枚をそのまま渡したら例えば80点や。コピー機から出てきた100枚を白い紙がはさまってないか全部チェックして、枚数も数え直して100枚ちゃんとあることを確認して渡したら100点。そこで、渡す前にトントンとやってピシッと揃えてから渡したら、110点になるわけや。さらにそれをばらけんようにクリップではさんでちっちゃい紙に「○○先生へ」とかメモをつけて渡したら120点とか、そういうことよ」
柘野「気配りみたいなもんですか」
田尾「初期段階はそういうこと。そんな簡単なちっちゃいことから、レベルのもうちょっと高い企画みたいなものから営業の成果からすべてに、相手の期待よりちょっと上いう意識を持ってたら、その積み重ねでかなり変わってくると思う」

 簡単なようで、実は「相手の期待が何か」を読むという能力も必要になるから(過ぎたら余計なお世話になるし)手法としてかなり奥は深いのだが、ま、ちょっとずつね。

 それにしても改めて思うのは、非常に多くの人が漠然と「企業は悪、経営者は悪」みたいなイメージを持っていることである。例えば企業や経営者をMECEに分けると、

(1)良い企業・良い経営者
(2)悪い企業・悪い経営者

という分類ができる。何を持って「良い」とするか「悪い」とするかは基準によっていろいろだが、それは別の話として、たぶん多くの人が「企業や経営者は悪」というイメージを持っている一番大きな理由は、マスコミや大人がこのうちの「悪い企業や経営者」の話ばっかりするからだ、と私は思っている。

 まず、マスコミは商売柄、事件を起こした悪い企業や経営者のニュースを圧倒的に多く流す。で、いろんな解説者や評論家やキャスターやコメンテーターがそれを「法的な悪の部分」を超えて情緒的に叩いて叩いて、時には企業をつぶすまで叩く。

 一方、世間の大人は経営者でない人の方が圧倒的に多く、その人たちは少なからず経営者に何かの不満を持っていて、また経営側になったことがないから経営者の責任や論理を知らないこともあって、どうしても経営者の悪い部分ばかりを話すことになる(先のマスコミや評論家やキャスターも、経営者の現場を体験したことがないという点では同じ)。

 そういうわけで、「良い企業や経営者」の情報があまり入ってこないから、だんだんみんなのイメージがそういうことになってしまったのだと思う。ちなみに、良い企業や経営者の情報を一番多く発信しているのは、たぶんテレビ東京じゃないですか? あるいはビジネス(仕事をすること)の素晴らしさを一番情報発信しているのもテレビ東京のような気がする。その次はNHKかな。多の民放局は、良い経営者情報や良い企業情報や仕事をすることの素晴らしさ情報の発信についてはかなり落ちる。新聞はテレビよりその分野の情報は多いが、情報発信の手法が悪いので読者にあまり伝わっていないように思う。雑誌は、専門誌以外はそういう方面のメンタリティがまるないのではないか?

 テレビ東京と専門誌では、残念ながら世間のイメージは作れないのが現状でしょう。マスコミの影響力は言うまでもなくむちゃくちゃ大きいわけで、若者に就業することを促すのなら、現状を批判するより、仕事の素晴らしさ、ビジネスの素晴らしさ、日本の企業や技術の素晴らしさを伝える「量」を増やす方が効果的だと思うのですが。こないだ見たテレビ東京の「カンブリア宮殿」の「ジュンク堂」の紹介番組、企業の戦略も社長も従業員もすごく良い感じで、あれを見たらジュンク堂で働きたいと思う若者が絶対増えると思うし、「相手(お客さん)の期待に応えることの素晴らしさとおもしろさとやり甲斐」みたいなのが伝わってきて、働くことへのモチベーションが上がった人もたくさんいると思う。

 企業や経営者に対する「不満」なんて、どこの企業でもいつまでたっても絶対なくならない。それをほじくり出して叩くのも必要だとは思いますが、とりあえず、働くことへのモチベーションの上がる情報発信を、もっと増やしたらどうですか? 日本中の企業や経営者の中で「良い企業、がんばっている企業、またその経営者や従業員」の比率は、調べたことないけど半分どころか、もっともっと多いと思いますよ。
2007年5月1日(火)

 ゴールデンウィーク籠城生活に入ると、いつもよりテレビを見ることが増えますなあ。こないだ見た将棋の渡辺竜王VSコンピューターのボナンザのドキュメント番組がおもしろかったので、感想を一つ。

 知ってる人には説明無用だが、要するに「ボナンザ」という将棋のコンピューターソフトが改良されてすごく強くなっていて、人間の棋士と対戦してどっちが勝つか、ということで、若い渡辺竜王が対戦することになって、途中までボナンザが優勢だったのが勝負所の一手で渡辺竜王が逆転して勝ったという一戦のドキュメント番組である。番組は対戦の経緯から途中経過や結果を感動的に演出していたが、私が「うわ!」と思ったのは対戦シーンではない。将棋連盟の偉い人になった米長会長が渡辺竜王に「ボナンザの対戦相手になってくれ」と言った時の言葉。

 この対戦は、もしトップ棋士が負けると、誰が何と言おうと日本の伝統ある将棋の世界に少なからずあまり良くない方向の波風が立つことが予想される。だって、これまで「人間をコンピューターが追いかける」という世界だったのが「人間がコンピューターを追いかける」という全く逆のシチュエーションになるのだから、回りの将棋ファンの棋士に対する見方が少なからず絶対揺れると思うのだ。悪く言えば、どんなに天才的な名人が現れても、「けどコンピューターには勝てんからな」という意見が出てきて、ちょっと称賛に水を差されるみたいな、そんなメンタリティが出てくると思われる。そういう状況の中で、これまで将棋連盟はコンピューターソフトとの公式の対戦を禁止していたそうなのだが、時代の要請を無視できなくなって今回の対戦となった。で、普通に考えたらそんな「重い」対戦は誰もやりたくない、という状況の中で、将棋連盟の米長邦雄会長がボナンザの対戦相手に若手の渡辺竜王を指名したと。

 番組によると、その時米長会長は渡辺竜王に「これは遊びだ。機械相手に遊びをやって賞金をもらってくるだけだ」みたいなことを言ったそうだ。それに対して、渡辺竜王は「お断りします」と言ったそうだ。番組だから詳しいやり取りはわからないが、もし本当にそういうやり取りがあったとしたら、米長会長は若い世代を扱うセンスが根本的に欠けていると思ったわけです。

 私ごときが偉そうに言っても仕方がないが、私の経験則から言わせてもらうと、若い世代にその言い方はダメです。なぜなら、その言い方は「そんな遊びならあんたがやればいいじゃないか」という反論に対する答がないからです。

 若い世代は、古い世代の方々よりはるかに、「理」で動く人が多いのである。そんなもの、「遊び」で済むわけがないことは、渡辺竜王でなくてもわかっている。将棋連盟の中で「ボナンザに負けても遊びで済ませてやる」と言っても、世間が遊びで済ませてくれないのは明白なのである。もし対戦を説得するなら、若い人に対しては正直に全部話した方が良いと思う。

「勝ったらヒーローだ。しかし負けると、これは連盟も対戦した個人も世間的に大変な逆風を受けることが予想される。けど、誰かが対戦しないと、世間から将棋連盟が逃げたと言われるので、逃げるわけにいかんのだ」
「会長の私がやるべきかもしれないが、私では勝てない。私より、若い世代のタイトルホルダーの方が強い。私はメンツ世代の人間だから、負けてメンツがつぶれた時に耐えられる自信がない。勘弁してくれ」

 言い方はいろいろあるだろうが、とにかく「遊びだ」とかいう方向のごまかしのような言い方でなくて、真っ正直に話をする方が、「理」で動く世代には説得力があると思うのですが。以前書いたかもしれないが、私が社長をやっていた時に社員から「うちの会社で給料100万取れるんですか?」と言われた時に、私は100万円取れる可能性を考えられる限り全部説明したことがある。固定給の上に成果配分の部分(賞与とか)でこれだけの成果を挙げるとルール上は100万取れる。社長になってしかも全社の業績をこれだけ伸ばして、これだけ利益を上げて、株主総会で役員賞与をこれだけ承認してもらえれば100万取れる…等々。それはにわかに実現できる数字ではなかったかもしれないが、例えば「そんなことを考える暇があったらもっと働け」みたいな命令をするよりはるかに、彼の中で考え方の整理がついて、モチベーション維持やアップや上司に対する人望やいろんなものにつながってくるのではないかと、私は思っているわけです。

 いずれにしろ、対戦を受けた渡辺竜王は「遊びだから」という説得に「遊びなら」という理由で対戦を受けたのではない、と私は思っています。誰かが受けないといけないという将棋連盟の置かれた立場の中で、たぶん自分の中で無理やり何か「理」を作って受けたのだと私は思っています。

 さて、今晩はFM香川「続・麺通団のうどラヂ」の収録。私とごんとH谷川君のレギュラーに、こないだから上戸うどんの大将と奥さんと清水屋の大将が半レギュラーで来ている。

 で、上戸うどんの新しい店の移転先が今日発表された。豊浜町のJR箕浦(箕浦)駅の横、というか箕浦駅そのものの場所だそうです。こないだまでは「香川の西端のうどん屋」というキャッチフレーズがあったが、移転となってそのキャッチフレーズが消えるということで「困ったなー」とか言っていたけど、新しいキャッチフレーズができたがな。

「香川で最も箕浦駅に近いうどん屋」(笑)

 オープンの日はまだ発表されてないが、情報はまたそのうち。オープンするまでは上戸夫妻がたぶん毎回「うどラヂ」に出演する。「ずっとラジオに出て欲しい」と思う人は、「オープンするな!」というメッセージを番組までお送り下さい(笑)。ちなみに元上戸うどんがあった場所には違ううどん店が出ていますが、もちろん上戸うどんではありませんのでお間違えなく。

 あと、報告しとくことなかったかな…。あ、こないだの天皇賞、日曜洋画劇場は「トロイ」でしたが、暗号解読ファンの皆さん、おめでとうございます。「トロイ」と言えばギリシャ神話。ギリシャ神話から引っ張れる馬名はメイショウ「サムソン」しかいない! ちなみにゥワタクシ、単勝1点でいただきました。すんません、ま、安かったんで勘弁してください。今年の暗号解読、3勝1敗1不戦。好調じゃ。
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