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2010年06月の日記
2010年6月25日(金)

 今日は年に1回の大学の健康診断があるため、昨日の夜8時半から絶食で、今朝7:50に大学に到着。とても腹が減っているのに9:30からゼミのミーティングをやって、10:25にチームリーダーの矢野と近藤に「ほな健康診断に行ってくるけん、あと、うまいことまとめとってくれ」言うて、保健館に向かったのである。

 いつものように看護婦さんと軽口を叩きながらレントゲン撮って、検尿して心電図撮って眼底検査と腹部エコーやって、身長と体重と視力を測って血を採って、問診に行ったら、去年から来ている医者が「テレビに出よる田尾さんやな」とか「うどんは食べよんな?」とか「大学では何を教えているんですか?」とか「大学は何年目? その前は何をしてたんですか?」とか聞いてきて、何を問診されよんかわからん。やだなあ…。来年は個人的に他の病院で検査しようかなあ。

 で、問診が終わったら最後にあれ、バリウムだ。バリウム飲んでぐるぐる回って(笑)、下剤を渡されて健康診断は終了した。

 ちなみに一昨年はバリウム〜下剤の後、あまりの空腹に決死の覚悟で上戸にうどん食いに行って(アホです・笑)、無事、何事も起こらずに家に帰ることができたのだが、去年はバリウムの後、その日の夕方に教職員親睦ボウリング大会があったのでどうするべきか悩みに悩んで、結局ボウリング大会の後で夜に下剤を飲んだら便秘になったという苦い経験があった。私は場合によっては学習する男なので、従って本日は研究室に帰って直ちに下剤を飲んで、ふと隣の部屋をのぞいたら矢野と近藤とインタレストメンバーの多田と松野と大平がまだ検討会をやっていたので、ちょっと加わったのである。

田尾「そういうわけで俺は今、下剤を飲んだとこやから長居はできんぞ」
多田「いいですから早よ帰って下さい」
田尾「わかった。あ、そういやインタレストをおいてもらってる店とかに追加は行ったんか?」
多田「いや、まだなんですけど、何なら今日にでも回ってきてもいいんですけど。なかむらとか、がもうとか、はまんどとか…」
田尾「なかむらかー。俺、昨日の晩から何も食べてないから、メチャメチャ腹減ってるしなあ」
多田「行きますか!」
田尾「よし、なかむら行くぞ!」

 横から矢野が冷静な忠告。

矢野「でも下剤飲んでるんでしょ?」
近藤「メチャメチャ危険ですよ!」
田尾「あのな、男は人生で何度か、勝負せないかん時が来るんじゃ」
近藤「ここ絶対、勝負するとこじゃないですよ!」

 ふう、まだまだ若いのうキミタチは。成果を挙げるためのキーワードは「差別化」だとあれほど授業で教えたろうが。人と同じような勝負をしてどうする。リスクを負って人と違う勝負をしてこそ、大きなリターンが得られるというものだ。自分でも何を言ってるのかわからんが(笑)。

 えー、下剤1時間後、なかむらに突撃しました(笑)。しかも滅多に食べない「特大」に天ぷら2つ。しかも、何事も起こらず。

田尾「見ろ、勝負に勝ったぞ。おそらく間もなく、大きなリターンが返ってくる」
多田「いいですから早よ帰って下さい」

 すんません、毎年この時期、バリウムネタばっかりで…(笑)。あ、なかむらにインタレスト150部追加してますんで、ご希望の方はどうぞ取りに行ってください。
2010年6月23日(水)

 昨日、昼飯を食べる暇もなく授業を2本終えて、午後3時過ぎに清水屋でうどん食いながら大将に「首が痛い」言うたら、腰痛持ちの大将のスイッチを押しちゃって最寄りの整形外科まで紹介されました(笑)。病院に行った方がええんかなあ。昨日の晩からなるべく首を動かさないようにしてたら、ちょっとマシになってきたような気がするんやけど。

 ここんとこ、何か長い日記が続いたので今日は行動報告だけしとこ(誰にや)。

6:30 6時前に家を出て、早朝から研究室で仕事開始。
10:00頃 原稿に行き詰まって、気分転換に車でなかむらに行ってうどんを食う。なかむら、室内席があったとこが、建物丸ごと大リフォームされてえらいこと(笑)になっとります。大将によると、店の裏の縁台の前に建てられて景観がちょっと悪くなった小さい小屋みたいな建物は、そのうち撤去されるそうです。
11:00頃 再び仕事開始。
13:30 インタレスト編集会議開始。粉チーズ富永、暴走…でなくて意欲に満ちあふれた会議進行をする(笑)。
15:00 再び仕事開始。というか、編集会議も仕事(授業)だけど。
17:30 山G(学生)を連れて、別の担当ゼミの一環である高松まつりの運営会議に出発。
19:00 高松市役所の会議室にて、高松まつり運営会議に参加。
21:00 会議終了。
21:30 家で仕事開始。
1:30 ものすごく集中して仕事をして、ついに一つ完了。

以上です。さ、明日の授業の準備をして、首に湿布貼って寝よ。
2010年6月21日(月)

 一昨日あたりから、首を左右に振ると、何か寝違えた時みたいに首の奥から後頭部の奥あたりが痛くて、借金はないけど首が回りにくい状態になっている。思い起こすと、何ヶ月か前にも肩から首に掛けての奥が痛くてつらかったことがあったのだが、冷静に分析してみたら「締め切りのある難しい原稿に追い込まれた時」という共通点が見出された(笑)。精神は大事なんだろうなあ。以前、松本君が腰を痛めて動けなくなってインタレストの制作が遅れた原因にしていたが(笑)、いや、冗談はさておき本当につらそうだったのだが、その時、医者から「腰痛の原因は無理な姿勢を続けてきたとかいう理由もあるけど、実はストレス等の精神的なものが原因であることが非常に多い」と言われたそうだ。

 でも首の奥とか後頭部の奥の痛みというのは、素人目に何か怖いものがある。こないだは肩から首にかけてだったのが、ちょっと上に上がってきてるし。そのうち頭のてっぺんが痛くなって、今度は前に降りてきて額から鼻に来てあごに来てノドに来てどんどん下がっていくのか? 落語の「強情灸」みたいな「ない話」ですけど。

 で、いつポックリ逝くかわからんので、最近、家にあるわずかな預金や不動産(住んでる狭いマンションだけだけど)の名義を全部家内名義に書き換えとくか? とか家内と相談してまして(笑)。何か家内の知人がご主人を亡くされた時、預貯金が全部ご主人の名義になっていて急な出費ができなくて困った…という話を聞いたらしく、

田尾「ほな、先に名義換えとった方がええかなあ…」
家内「そやなあ」

 とかいう話をしていたのであるが、明らかに「私が先に死ぬ」という前提の会話だ(笑)。ま、ええか。

 で、こないだのことである。家内とテレビを見ながら「何かしたいことがあったら元気なうちにしといた方がええな」とかいう話をしていたら、銀閣寺の内壁を漆で修復している番組が映った。それを見て、家内が「あれ、楽しいやろなあ!」と言ったのである。

 家内は高校時代に美術をやっていて、テレビで美術品や工芸品、古い建物等の修復、あるいは発掘作業といった類の作業が映るといつも「あれ、絶対楽しいでー(笑)」と言う。私も周囲では有名かつ迷惑がられる「片づけの鬼」だから、何か汚れたり散らかっていたりするものを地道に修復してきれいにしていく、みたいなことは大好きなので、一緒に

田尾「楽しいやろなあ(笑)」
家内「あんなんやったらいつまででもできるわ」
田尾「しかも俺、ものすごい実力発揮するで(笑)」

とか、テレビに向かってしゃべっていたのである。けどまあ、たぶんそんなことをする機会はもう来ないだろうし、それ以前に家内は膝と腰が悪いから、しゃがんで長時間の作業はまずできない。で、いつものように「楽しいやろなあ」で終わってチャンネルを変えていたら、ネイチャーものの番組で「コククジラ」が出てきた。見ると、コククジラの頭から背中にかけて、フジツボがいっぱい張り付いてまだら色になっている。それを見た瞬間、

家内「うわ! あれ剥がしたい!(笑)」
田尾「ええな、ええな(笑)。あのフジツボ全部剥がしてツルツルにしてやりたいな(笑)」
家内「ほんで、その跡をエアブラシできれいに真っ黒に塗ってな(笑)」
田尾「あそこのクジラ全部、ツルツルピカピカの真っ黒いきれいなクジラにしてやるか(笑)」
家内「しかも海の中の作業やから、腰も膝も負担がかからんし(笑)」
田尾「僕ら、ライフワーク見つけたか?」

 見つけてないと思うけど(笑)。
2010年6月20日(日)

 朝5時半頃起きて、CSの216と217を交互にチャンネル変えながら全米オープンとショップライトクラシックの生中継をチラチラ見ながら、テレビの前でインタビューのテープ起こしをする。

 8時頃、テープ起こしを終了して、原稿整理を開始。テープ起こしはあんまり頭を使わないのでテレビをチラ見しながらでもできるけど、原稿整理は片手間ではできんので、テレビを消して仕事部屋に入って文章作成に入る。

 9時頃、原稿整理に詰まったので(私にはとても難しい原稿なのよ)テレビをつけて、30分くらい見る。宮里は順調みたいだけど、石川は前半から苦しみ始めている。それからまた原稿に取りかかって、また途中で詰まってゴルフを見て…というのを昼前まで繰り返して、全米オープンの3日目が終了。

 昼の12時過ぎ、また原稿に詰まって、気分転換に3週間振りに水槽に手をつけてしまった(笑)。1時間半もかけて水替えと水草のレイアウト替えをして、「たかじんのそこまで言って委員会」で勝谷さんが吠えているのをちょっと見て(笑)、また原稿に取りかかったんだけど全然進まなくて、今度は仕事を変えて、来週の授業準備に取りかかったのである。そしたら、来週の授業準備から脇道に逸れて、来年の授業準備に入ってしまった。

 午後3時。来年の授業はカリキュラムが変わって、以前にも書いたけど、このまま行くと一人で26科目も担当しないといけないことになる。26科目全部を通常の「毎週講義」型で行うのは物理的に不可能に近いのであるが(通常一人の先生が担当する科目数の倍以上になるそうだ)、『インタレスト』の「世界格安一人旅の達人」でおなじみの山本先生に相談したら、「読み替え」とか「不定期開講」とか「集中講義」とか、私はまだほとんどやったことのない方法を教えてくれて、少しは軽減の光が見えてきた。けど、それでも多すぎる。せめて準備だけは早めにやっておかないと大変なことになるのが目に見えているので、今年に入ってずーっとこれで頭を悩ませているのである。

 その来年の授業の一つにつながるある案件で、どうしても「スイスのあるグルメとそれに関わる風習の事情」を調べないといけないことになっていて、ふと思い出して昨日の夜、アップタウンに行ってオリビエの住所とメールアドレスを聞いてきた。

 もう15年以上前、オリビエというスイス人の兄ちゃん(当時20代だったから、今はたぶん40代に入っている)が国際交流の何かで高松に2年くらい来ていて、私の行きつけのジャズ屋「アップタウン」にも時々来ていた。私はアップタウンで出会って数回話した、という程度の仲であるが、その数年後、タウン情報全国ネットのオーナー研修旅行でスイスに行った時、すでにスイスに帰っていたオリビエに電話してローザンヌあたりを1日案内してもらったことがある。

 あの時のことで印象に残っているのは、広大なブドウ畑の一角にあったワインのシャトーに案内されたことだ。そこはその名の通り、古い小さなお城みたいなところで、オリビエの伝手(つて)で中に入れてもらったら、地下の広いワイン蔵みたいなところに案内された。ワイン蔵と言ってもテレビでよく見る「蔵」みたいな感じではなく、かなり広い部屋で、部屋の半分はワインバーみたいになっていて、カウンターがあり、ゆったりとしたレイアウトのテーブル席もいくつかある。残りの半分くらいのスペースは床が一段高くなっていて、その壁面に、縦に5〜6本、横に数十本、ビジュアル的に言うと、縦1mくらい、横20数mくらいの格子の枠が壁3面に巡らされていて、その中に全部で数百本はあると思われるワインがズラーッと並んでいた。

 さらに、その格子の枠の上の壁面に、端から端まで、レマン湖の地図が大きく描かれていた。最初、私はそれをただの地図だと思っていたのである。そしたら、オリビエが驚くべきことを説明した。「上の地図と下のワインが連動している」と言うのである。どういうことかというと、レマン湖は細長い下弦の三日月のような形をしているのだが、例えば、地図の湖の右の端、「モントルー」と書かれたあたりの下にあるワインは、モントルーあたりで採れたブドウで作ったワインだという。地図の真ん中あたり、ローザンヌの下あたりに収められているワインは、ローザンヌで採れたブドウで作ったワインだという。そういう連動でワインのボトルが配置されているというのである。私はワインは飲まないし、それがどういう意味を持っているのかよくわからないのでオリビエに聞くと、

オリ「レマン湖の北側は、東西60kmくらいに亘ってブドウが栽培されている。横に長いから、東の方のブドウと西の方のブドウでは日光の当たり方が違って、同じ気候でも微妙にブドウの味わいが変わってくる。だから、ワインの味も違ってくるので、ブドウの採れた場所がわかるようにワインを並べてある。ここに置いてあるワインは、右から左にグラデーションみたいに味が変わっていくよ」

と言うのである。聞くと、実はこの部屋は商談をする部屋で、バイヤーはこのグラデーションに並んだワインをさっきのテーブル席で試飲して、買うワインを決めるのだという。

オリ「ここは一般の人でもワインを買えるけど、プロのバイヤーはだいたい2本置きくらいに飲み比べて違いを見てる。でも田尾さんは2本置きに飲んでも絶対に違いがわからない(笑)。右の端と左の端を飲んだら少しわかるかもしれないけど(笑)」

 ひえー。ワインってそんな世界なのか。ちなみにオリビエが言うには、スイスワインはあまり世界に出回ってないらしい。理由は「スイス人が全部飲んでしまうから(笑)」だそうだ。

 あと、思い出したけど、オリビエに高松でいた時に感じたことをいろいろ聞いていて、グルメの話になった時に「何が印象に残った?」と尋ねたのである。当然、私は「うどん」という答が返ってくるものと思っていた。そしたらオリビエから返ってきた答は、何と「居酒屋」! 理由を聞くと、

オリ「スイスやヨーロッパでは、レストランなどで食事をする時はたいてい、大皿一つで料理が完結する。だから日本の居酒屋の、少量の料理を小さい器で何種類も選んで食べられるというシステムがとても斬新だった」

 と言いました。もう15年以上前の話ですけど、居酒屋システムって、ヨーロッパにビジネスチャンスがあるのかも(笑)。

 えーと、何の話してたっけ…。あ、そのオリビエに質問のメールをしようとして、ハタと困ったのである。何語で書いたらええんや? スイスはフランス語とドイツ語と少数のロマンシュ語の国だと聞いたけど、私は大学の第2外国語でフランス語を取っていたが「コマンタレヴ」と「ケスクセ」と「オードトワレ」と「コムデギャルソン」ぐらいしか知らんぞ(笑)。オリビエからアップタウンに来てた手紙を見たら、簡単な日本語がギリギリ通じそうな感じ。そこで、日本語で読み仮名をバリバリ付けながら、さらに辞書を片手にいっぱいいっぱいの英語を併記してメールを書き始めて、1時間くらい苦闘して、半分くらい書いたところで沈没しました。ま、急ぎではないし、今週中くらいに質問を送ったらええか。

 というわけで、今日の午後は「平行している仕事にあちこち手を出していたら結局何も片づかなかった」という、ちっとも学習していないことを再確認したのであった。何回確認するんや。しかも、早起きのせいで夕方5時に眠気が来て、「ちょっと仮眠」したら夜の10時まで寝てしまって、「しかし10時に起きてどうする?」という状態で今、日付が変わって午前2時です(笑)。
2010年6月19日(土)

 そういうわけで、私の頭の中にはかなりの比重で『インタレスト』がいつも頭にあるので、通勤途中も峰山ウォーキング中も、街を歩いている時も、うどん中も、テレビや新聞を見てる時も、しょっちゅうインタレストに使える「差別化できる素材や切り口」を探しているわけです。

 けど、「差別化」という視点でモノを見ていたら、逆にいろんな「差別化できてない商品やビジネス」が目にとまりますね。仕事柄、すぐに目についたのは、ローカルのメディア。例えば、かつて私のフィールドだったタウン情報誌は、今、香川県内に有力誌が3誌あるのだが、根本的に差別化ができていない。どこも同じような情報が載っていて、外見的なコンテンツとしての差別化もできてないし、内から出てくるメッセージ的なコンセプトも違いがあまり見えない。

 昔、情報誌の世界で『ぴあ』が全盛だった頃、情報にことさら大小をつけずに「網羅」して「読者に選ばせる」というコンセプトで編集していた(ように見えた)『ぴあ』に対して、後発の『ウォーカー』と『一週間』が、編集部が情報を「セレクト」して、網羅性は少し劣るがおすすめ情報は大きく載せるという違うスタイル(のように見えた)で差別化して、情報誌ビジネスに参入してきた。結果は、「誰かに選んでもらった情報を受け取る方が自分で探すより楽だ」という読者ニーズの変化もあって、セレクト組のウォーカーがぴあを食って一気に部数を伸ばしたわけですが。

 その頃、さらに後発で『カレンズ』という情報誌が出たのも覚えている。ぴあもウォーカーも一週間も、あるいはその他の地方情報誌もほぼすべて、掲載する情報を「ジャンル(例えばイベント、映画、テレビ、コンサート、グルメ…といった)」で分類していたのだが、カレンズはその名(「カレンダー」が語源だったと思う)の通り、一冊丸ごとを「日にち」で分類するという思い切った差別化路線で登場したのである(例えば、ページの頭から6月1日の情報、2日の情報、3日の情報…というふうに構成されていた)。結果は思惑が外れちゃってカレンズは短命で廃刊になったが(たぶんその頃にはもう、イベントやコンサートといった「未来情報」からグルメやファッションの「現在情報」にニーズがシフトし始めていたんだと思う)、いずれにしろ、どの情報誌も「競合との差別化」というマーケティングの基本をきちんと押さえていたのである。

 まあどの業界も、先頭で戦っている企業は必死でライバルとの差別化を図り続けているわけで、そういうのを見ていると、どうも地元のローカルメディアの「差別化」に対するとても消極的な現状が残念だなあ…と思うわけです。テレビのローカル番組もしかり。新聞のコンテンツもしかり。

 ちなみに、新聞について言えば、普通の読者の方々はそんなところは意識もしないだろうけど、編集屋の私はもう10年も前から思っていたことが一つある。新聞の一番上の欄外に「総合」とか「経済」「政治」というふうに分類名が表記されているでしょ? あれは編集屋に言わせると、その新聞の編集コンセプトみたいなもんなんですよ。つまり、「我が社は読者にこういうことをお伝えする新聞です」というコンセプトの見出しなのです。ちょっと手元にある新聞の分類名を書き出しますね。

<産経新聞>
総合 政治 国際 経済 証券 オピニオン 文化 読書 スポーツ Web 社会
<四国新聞>
総合 経済 商況 文化・生活 読書 芸能 スポーツ 放送 社会総合 地域総合 社会 生活情報

 どちらの新聞もたいてい毎日同じ組み立てで、時々「健康」とかいった違う項目が入ってくる。実はこの分類、どの新聞も、たぶん朝日も読売も毎日もほとんど同じで、ほとんど差別化されてないんですね。ちなみにネットのニュースサイトも、これまたどこも何の差別化もされてない分類名が並んでいる。分類名なんか、その気になれば100種類くらいありそうなのに、どこも同じ10数種類の分類名で回している。

 でも、例えば「政治」とひとくくりにされているけど、政治ってものすごい量の案件・仕事が毎日行われているわけだから、例えば「防衛」とかいう分類名で1ページ取っても、絶対毎日埋められるだけの記事が書けますよ。「外交」というページを作っても、日本の外交情報で毎日1ページ以上、絶対に埋められる(対アメリカや中国だけでなくて、ヨーロッパやアフリカやすべての国と外交しているんだから、国民にお知らせすることは膨大にあるはず)。あるいは「司法」でも「国会」でも、「防災・防疫」でも「財政」でも「教育」でも「医療」でも「福祉」でも、毎日レギュラーで1ページ以上割けるだけのニュースや国民に知らせるべきデータは絶対にある。毎日でなくても、週一や月一で載せるならもっと細かく「道路行政」「生活保護行政」「補助金行政」「文化財行政」「スポーツ行政」…もう書き切れんから止めるが、100種類ぐらいすぐに出てくる。それらをどうピックアップしてどう組み合わせていくかをちょっと考えれば、競合との差別化なんてすぐにできると思うのである。『カレンズ』は差別化の弾を撃って玉砕したけど、根本的な差別化を考えずに楽な方に浸かって少しずつ沈んでいくか、あるいはリスクをとって勝負に出るか、まあ経営者の判断ですけど、もう何かに打って出るタイミングだと思うんですけどねえ。

 などと長々と書いていたら、全米オープンで石川遼が2打差2位タイで予選通過! 宮里藍もショップライトクラシックの初日、2打差4位タイで発進! えーと、どっちも朝5時頃から生中継かー。石川は最終組の一つ前だから、たぶん7時過ぎてからスタート。宮里のスタート時間はわからん。というわけで、今日は早寝して、明日は目標4時頃起きて、仕事しながらテレビ見よ。
 
2010年6月18日(金)

 早いな1週間。今週は日曜日に年に1回の『讃岐うどんワールド』のロケで、RSKのとめちゃんと三木町を徘徊した後、水曜日にRNCラジオの収録に行って、上村さんのやってる番組の中で『インタレスト』を紹介。木曜日には研究室にRSKの『VOICE21』の取材が来て、これも『インタレスト』からいくつか情報を提供(ごん、こないだ撮った奇跡のアレが、ついにテレビに初登場するらしいぞ)。さらに今日は山陽新聞の伊東さんが来て、『インタレスト』の最新号をまたまた紹介してくれるとかで、学生たちにインタビューをしてくれた。いつもすみません。

 本が出るたびに上村さんから「もうネタがないだろ」と言われ続けて、9号まで出たインタレストは、今、次の10号の企画が始まっております。数回の企画会議を経て、粉チーズの富永(笑)発案の渾身の企画を含む、4〜5本の特集の情報収集が進行中。情報収集しながら企画内容が進化していくのがインタレストの常であるから、まだ内容は確定ではないが、10号もまだまだ新ネタ行きますよ(笑)。というか、インタレストの特集は新ネタしか採用しないわけで。

 インタレストの編集方針は「香川と四国をオモシロ知的に遊ぶ」であるが、具体的な特集企画の採用基準は、マーケティングの基本である「差別化」です。「競合と差別化された企画であるかどうか」で、採用されるかボツになるかが決まる。インタレストはビジネス(商業誌)ではないので直接的な利害関係にある「競合」がいるわけではないですが、我々が設定している「競合」は、地元の新聞の記事、地元の放送局の番組、ラジオ番組、タウン情報誌の企画、経済情報誌、フリーペーパー、行政等が作るパンフレット、インターネットやケータイのサイト…等、プロのメディア全部(あと、全国メディアがやっている企画も競合として意識しているが、こっちは守備範囲が「香川と四国」であるから、その時点で全国ネットのメディアとはコンテンツが差別化されている)。

 というわけで、インタレストの企画の採用基準の目標は、

(1)プロのメディアでまだどこもやったことがない、新しい切り口の企画。
(2)テーマ自体はプロのメディアで扱われたことがあるが、「こんな見せ方はまだどこもやってないだろう」という、新しい見せ方の企画。

の2つです。ハードル高い(笑)。だから、企画会議では毎回、学生たちが持ち寄った何十もの案を、私がバサバサと切ってボツにしていくわけです。

 ビジネスをやったことがない学生だから、ほとんどがボツになっていく。でも、解説しながらボツにしていき、解説しながら採用した私の企画案をみんなで取材、編集していくから、みんなだんだん上手になっていって、3号目あたりからポツ、ポツと「学生発案」の企画が採用され始めてきました。最終的には学生の発案を私が解説しながら膨らませたり整理したりして仕上げるのですが、それも私の教育のやり方の一つでして。「みんなで力を合わせて一生懸命作りました」と言って学芸会みたいな成果物を世に出しても通用しない、という社会に出て行くわけだから、プロ(競合)と戦えるものを作ろうという意気込みでやっているわけです。でも難しくてなかなかできないので「採用基準」ではなくて、採用基準の「目標」として逃げ道を作っているんだけど(笑)。

 ちなみに、今までやった特集を列挙してみると、こんなラインナップになってました。

<第1号>early2006
「方言の乱」…香川の西と東で同じ意味を表す方言がどう違っているか分布調査。
「香川の名字勢力図」…市町別名字ランキング。
「魂の香川県地図」…道行く人200人にいきなり紙とペンを渡して香川県地図を書いてもらう。

<第2号>latter2006
「修学旅行の行き先の変遷大調査」…県内ほぼ全校の創立以来の修学旅行先を調査。
「申込書類の記入例大検証」…役所等にある各種申込書などに書かれている「記入例」の名前(「香川太郎」とか)を大量に集めてオバカ分析。
「お札にしたい香川県人・香川の風景」…香川県紙幣を作るとしたら、お札の肖像画に入れたい人は場所はどこですか? という県民1000人突撃アンケート。
「私の好きなうどん店」…自称うどん通50人に自分の好きなうどん店を1位〜50位まで挙げてもらい、得点換算してランキング発表。

<第3号>early2007
「海から見た香川」…ボートで香川県の海岸線を端から端まで走って、撮った陸側の写真を全部つなげてみる企画。
「香川県をイメージする漢字は何?」…「香川県をイメージする漢字一文字を挙げてください」という県民360人突撃アンケート。
「讃岐三白・讃岐三畜認知度調査」(学生企画)…香川県の特産物の認知度調査。

<第4号>latter2007
「動物的に見た香川」…香川の山や岩、島などをくまなく調べ、動物や怪物に見える風景を数十カ所発見して一挙掲載。
「ゴールデンウィークの県外ナンバー車大調査」…ゴールデンウィークに香川県内の観光地とうどん店の駐車場にいる車のナンバープレートを8200台チェックして、どの場所にどこからどれくらいの車が来ているかを分析。
「魂の香川県マーク」…道行く人200人にいきなり紙とペンを渡して「香川県のマーク」を書いてもらう。

<第5号>early2008
「県外の人にお勧めしたい香川のおみやげアンケート」…県民500人にアンケート調査し、ジャンル別にランキング発表。
「香川県のシンボル動植物認知度調査」…県民600人に突撃アンケート。
「姉妹都市で遊ぼう」…県、市町、団体等が結んでいる海外の姉妹都市、姉妹橋などを一気に集めて紹介。
「県下全域・犬のフン禁止看板大集合」(学生発案)…県内あちこちに立っているいろんなデザインの「犬のフン禁止」の看板を全部写真に撮って、ストーリー仕立てで紹介するオバカ分析。

<第6号>latter2008
「目指せ!(るのか?)ため池テーマパーク」…ため池が1万4000くらいある「ため池王国香川」にあって、景観などがおもしろいため池をピックアップ紹介した探検特集。
「緞帳大集合」(学生発案)…県内の会館、ホールなどのステージに降りている緞帳を大量に撮影して一挙掲載。
「香川にいる外国人の数・大調査」(学生発案)…在留外国人統計データを過去20年分入手し、国別の在留者数とその推移を一覧表とグラフで紹介。

<第7号>early2009
「橋の欄干がおもしろすぎる」(学生発案)…県内約150カ所の橋の欄干のデザインを撮影収集し、分類して一挙紹介。
「県内高校・中学の校歌徹底分析」(学生発案)…香川県内の高校・中学119校から校歌を集め、使われている言葉をジャンル別にランキング化して分析する企画。
「県内の町名・大字名読み方難易度ランキング」(学生発案)…読み方の難解な県内地名を読んでもらい、正答率をランキング化したアンケート調査。
「魂の青鬼君」…道行く人200人にいきなり紙とペンを渡して、香川で最も知名度の高いゆるキャラ「親切な青鬼君」の絵を書いてもらう。

<第8号>latter2009
「空海の顔、190面」…四国霊場88カ所、別格霊場20カ所、香川県内のその他のお寺をすべて回り、境内に立っているバラエティーな空海像の顔を190面撮影して一挙掲載。
「香川県下あん餅雑煮分布調査」(飯山高校の島田先生発案)…香川ならではの食習慣と言われる「あん餅雑煮」が実際どれくらい食べられているのか、680人の突撃アンケートを元に地域分布の比率分析。
「スシ太郎の大冒険」…県内40カ所の産直の店で売っているちらし寿司のパックを買って、寿司の具を全部ほじくり出してチェックして「県内の寿司の具の傾向」を分析。
「過去60年・名前の変遷大調査」…四国学院大学の男女学生の「下の名前」を過去60年遡って大集計し、名付けの傾向の変遷を分析。

<第9号>early2010
「香川の三角山大集合」…讃岐平野特有の円錐形をした独立山を徹底取材し、県民もあまり知らない美しい風景を一挙紹介。
「高松市街地の屋根に色を塗ったら世界遺産の町みたいになるのか大企画」…高松市街地を一望する写真に写っている三角屋根をパソコン上で一つ一つ赤茶色に塗り、中世ヨーロッパの世界遺産の町並みみたいに変身させる企画。

 以上。並べてみると、いろいろやってきたなあ(笑)。傾向としては、まず、学生発案企画がだんだん増えてきて、第7号はほぼすべて学生発案の企画になったけど、8号からまた学生企画がボツになり始めた。これは学生のレベルが落ちたのではなく、ネタ切れの壁に当たったという「プロの苦しみ」のレベルに達してきたということだ。そこで私がドカンと提案したのが「空海の顔」と「スシ太郎」(笑)。企画のレベルアップ大作戦、わかりやすいでしょ?(笑)

 もう一つの傾向は、「大集合」モノが目立つこと。これはですねえ、私がタウン情報誌時代になかなかできなかった「人海戦術」というやつを、学生たちが実現してくれているからなのです。「網羅」というのは、それだけで既存のプロの媒体と差別化できるという「いい道具」なもので、ほんま重宝します(笑)。ちなみにインタレストでやってる企画は著作権フリーですから、プロの方、もしお目に叶うものがあればどんどんお使い下さい。他県や全国ネットで使えるものも結構あると思います。みんなでおもしろがって広げていただければ、「弾を撃っている」私らもうれしいです。
2010年6月10日(木)

 6月10日、「時の記念日」って、全然言わなくなったなあ。忘れられたら寂しいので、とりあえず言ってみました。

 さて、我が家は今、四国新聞と産経新聞を取っているのであるが、今朝の新聞に、両紙とも「2009年度の生活保護受給世帯が、過去最多の127万世帯」という同じ囲み記事が載っていました。その理由として、
・低年金の単身高齢者の増加
・不況による失業者の増加
・収入の目減りで生活に苦しむ人の増加
が挙げられているそうですが、生活保護のニュースって、毎回決まって「総世帯数」のデータしか出てきませんねえ。

 実は10年くらい前、私の信頼できる筋の識者の方が、香川県の生活保護世帯の数を「市町単位」で調べたのですが、その時、県内で最も貧しいと思われる某「町」が生活保護世帯比率が最も少なくて、比較的に裕福だと思われる某「市」がダントツで生活保護世帯比率が高かったというデータが出て、目をこすったことがあります。それを今日、ふと思い出した。

 「過去最多の127万世帯」というのを「都道府県別」「市町別」の数字に細分化したデータにして、どこか出してみないのかなあ…と。おそらく、10年前の香川のデータと同じく、上記の理由では説明できないような数字が出てくるのではないかと思うんですが。

 新聞ついででもう一つ思い出したが、数年前、私が産経新聞を取っていることを知った人が「田尾はそういうやつか」と言っていた、という話を知人から又聞きしたが、気の毒な人です(笑)。私はかつて、社会人になった頃からずっと新聞は会社で取っている朝日新聞と読売新聞と四国新聞を読んでいて、家では大学時代にスポニチでバイトしていた流れで、系列の毎日新聞を取っていたのだが、ある時、非常に論理的な思考をする人に出会って、その人の話を聞いていたら、私が読んでいた新聞に書いてあることと違う話ばかり出てくるのでいろいろ勉強して、30歳を超えて初めて「右系」「左系」というイデオロギーというか考え方があることを知った。以来、思考が偏らないようにするため、数年ごとに「四国新聞と毎日新聞」「四国新聞と朝日新聞」「四国新聞と産経新聞」というふうに組み合わせを変えて新聞を取ることにしていて、ここ数年は「四国新聞と産経新聞」の番になっているのである(四国新聞がいつも組み合わせに入っているのは地元のニュースが一番多いからで、読売新聞が入ってないのは阪神ファンの意地です・笑)。

 もちろん、毎日全紙を読み比べればもっといいのだろうが、そんな暇がないし、経済や社会の「原理原則」をきちんと勉強すれば、新聞やテレビから流されるニュースはそれほど必要ないこともわかってきたから、2紙で十分かなとも思っているわけで。ちなみに、今までの組み合わせで一番おもしろかったのは、今取っている「四国新聞と産経新聞」の組み合わせ。産経新聞はご存じ、中央4紙の中では一番「右寄り」で、方や四国新聞は、全国ニュースはほとんど共同通信からだからかなり「左寄り」で、時々、同じニュースで露骨に左右に分かれた評論が載ったりするから、時々、とてもおもしろいです(笑)。

 それにしても共同通信の影響力はつくづくすごいと思いますね。共同通信の記事は全国のローカル紙に圧倒的に載っているわけですが、何しろ部数がすごい。読売新聞が1000万部くらい、朝日新聞が800万部くらい、毎日新聞が400万部くらい、産経新聞が200万部くらいだと思うけど、共同通信の記事が圧倒的に載っている地方紙の合計は1200万部以上。中日新聞、北海道新聞、西日本新聞のブロック紙も入れると1700万部くらいになる。しかも、地方紙はそれぞれの地方県で50〜85%ものシェアを持っているから、地方の「共同通信洗脳率(?)」はたぶんすごいことになっていると思う。ひょっとしたら、「世論」とか言われるものは、都会と地方でかなり違いがあるのではないかとさえ思ってしまいます。
 
 ま、いずれにしろ、こないだも書いたけど特に最近のマスコミ報道は「原理原則」をどこかに置き忘れて錯乱気味なので、信頼できる客観的なデータと良質の評論以外はあまり見ないことにしよう、と。
 
2010年6月9日(水)

 お便りをいただいております(笑)。大学の『インタレスト』の方に来てる分ね。

■東京都 明比さん(36歳・男性)
毎号楽しみにしています。飯野山の美しい姿を社内で話題にしてみたんですが、賛同がさっぱり得られなくてへこんどりました。目の覚めるような画が載ってることを期待しております。

*目の覚めるような「ダイアモンド逆さ讃岐富士」が載ってたやろ? あの写真は地元でもちょっと衝撃だったみたいで、各所で話題をまいています。「各所」がどこかと問われれば、それは言えんが(笑)。

■福岡県 田中さん(36歳・男性)
こんにちは、団長日記及び麺通団読者の田中です。いつも楽しく読ませてもらいありがとうございます。前回はコメント紹介いただき嬉しかったです。しかし、今回メール送るにあたり変なプレッシャーを感じてます(笑)。

*その「変なプレッシャー」こそが、情報発信のアマチュアとプロのボーダーラインだぞ。こっちにおいで(笑)。

■埼玉県 佐野さん(詐称なし36歳・女性)
前回初めて拝見させていただきましたが、無料誌とは思えないハイクオリティな出来・贅沢な印刷で驚きました。さすが田尾様、ごん様の手を抜いてないプロの仕事ですね。ただ手がけた学生の顔がほとんど見えないのがやや気になりました。本来学生は裏方でしょうから、本誌ページにはそぐわなければ別紙で、一言ずつの何 か編集後記的なものや寄せ書き的なものが付いているといいのにと感じました。それでは今回も期待しております。(特に「高松市街地の屋根に色を塗ったら世界遺産の町みたいになるのか大企画」)よろしくお願いいたします。

*「ごん様」はインタレストにはあまり関わってない(笑)。よく関わっているプロは、田尾様(編集・原稿)、松本様(デザイン)、S原様(デザイン)、笹木様(座談会とか)、和田様(座談会とか)です。

 ちなみに学生は本文中にもたくさん出てきますし、編集後記は学生全員が書いておりますのでご覧下さい。あと、プロが仕上げをするのは、学生にプロの仕事を見せてやらないと、社会で通用する力がつかないからです。「学生みんなで力を合わせて作りました」というのが評価されるのは学校の中だけで、それは要するに「学芸会」でしかない。社会に出てマーケティングの世界に入ると、みんなで力を合わせようが一人で仕上げようが、できたものがつまんないと0点だから、インタレストはまず学生にやらせてみて、出来が悪ければやり直させて、で、最後にプロがやって見せて「どうだ」とレベルの違いを見せて、「本気で力をつけたいならここまで来い」という感じでやってます。

 じゃ、最後にこないだ書いたインタレスト9号発刊前の「怒濤の追い込みレポート」の「富士ゼロックス」さんに激しく反応をいただいたお便り(笑)。

■大阪府 西島さん(32歳・男性)
インタレスト完成、ホンマおつかれさまです。富士ゼロックスの方やりますねー。アフターサービスそこまでやってくれるとは。

■東京都 平野さん(41歳・女性)
インタレスト第9号の発行、おめでとうございます。5/27の団長日記の富士ゼロックスの話、すごいですね。ちょっと感動的です。そこまでして一顧客の要望に沿ってくれる会社は今、ほとんどないんじゃないでしょうか。要望全部に対応してるとキリがなくなるせいか上層部にはあまりいい顔されないのですが「顧客の要望に応えて会社のファンを増やす」ことはサービス業(出版社勤務です)に携わる一員として、やっていきたいと思うことの1つです。なかなかできないし、できてもあとで上司にチクリと言われたりするんですが。ゼロックスの営業さんたちもあとでしぼられてたりしないことを祈ります…。

■名古屋市 柏原さん(43歳・男性)
怒涛の追い込みお疲れ様でした。富士ゼロックス営業マンの方々のど根性に敬意をはらいつつ読ませて頂きたいと存じます! 実は営業の皆さんもインタレストの愛読者で9号を早く読みたい一心で普段以上に力を入れてサポートしてくれた…ってことはないですか?(笑)

■岡山県 シイタケ(ごん氏やS原氏と同じ年・男性)
5月27日の団長日記、手に汗にぎりながら顛末を読んでました。Twitterでリアルタイムにダズさんのヘルプを見たあと、だいぶたってS原氏の「ゼロックスに足を向けて寝られない」旨の発言があったため、問題解決したことだけ知ってましたけど、よもやそこまでゼロックスさんがイイ仕事してくれてたとは。私がつきあいのあるゼロックス岡山の営業さんも非常にいい対応をしてくれますし、そりゃゼロックスさんならそこまでやってくれるやろ、というとても納得できる話です。

 悪い噂ばかり広まりがちな世の中にあって、よい噂がちょっとだけ広まって、私もうれしいです。ついでに報告すると、『超麺通団4』を読んだ人からは「あそこのうどんはまずいのになぜ載せているのか」「田尾さんは食べに行かずに書いているのか?」「まずい店はきちんと“まずい”と書くべきだ」とかいう、困ったお便りも頂きました(笑)。

 えーと、まず私は、食べに行かずに原稿を書くことはありませんし、昔の記憶は「昔の記憶だ」と書きます。それから、「私はあの店が好きだ」とは言いますが、「あそこはまずい」「あそこは味が落ちた」とかいう、好き嫌いの話を絶対評価みたいにどちらかに断定するようなことは性格上するつもりがありませんので、悪しからず。
2010年6月5日(土)

 金曜日の夜0時前に仕事を一つ終え、数年ぶりに、というか、この前がいつだったか思い出せないのであるが、たぶん数年ぶりに「急ぎの仕事が何もない週末」というのを迎えることになりました。そしたら、「こういう時は何をしたらいいのか」がわからなくなって(笑)。

7:30 とりあえず「今日一日、何をするか」を考えるために峰山に登る(笑)。もうハチがブンブン出てきているので山中のコースは避けて、車の通る道を中心に2時間半のウォーキング。以前、地元の識者の方が「最近、ハチやヘビが出るからと言って山登りをやめる人がいるが、ハチやヘビは人が攻撃しなければ襲ってこない。ハチやヘビも一生懸命生きているのだ」みたいなことを新聞に書いていたのだが、私も一生懸命生きている(笑)。もうスズメバチに刺されるのはイヤです。

 一回刺されたら体の中に抗体ができて、2回目刺されたらその抗体が過剰反応してショック症状が出て死ぬ人もいるそうじゃないですか。たぶん、2年前に刺されて私の体内には抗体がいると思うのだが、あいつら、もう2年も体内でほったらかしにされているから、もう働きたくてウズウズしているに違いない。そんなところにもう一回刺された日にゃ、ここぞとばかりに抗体総動員で大過剰反応になるんちゃうかと。全国からその手の人たちが動員されて大過剰反応大会になった沖縄の反対運動が頭をよぎりました(笑)。

10:30 無事、山から帰宅。シャワー浴びて、今日することが何も思いつかなかったので、水槽の水替えと水草のレイアウト替えを行う。2週間前に替えたばかりだというのに、やってみると透明度が全然違う。とてもすがすがしい午後を迎えることができた(笑)。それからソファに寝っ転がってテレビをつけていたら、寝てしまった。

19:00 遊ゼミに行く。月に一回の、新聞社の人や県の職員や文化関係の人やお寺の住職さんや建築家のおじさんやいろんな仲間が集まって食事をしながらいろんな話をする会。できたばかりの『インタレスト』を持って行ってお配りして、今号の狙いなどを解説して、22:00過ぎに終了。そしたら、一緒に参加していた建築家のおじさんの助手のオカタニが「カラオケ行きましょう」とか言い出して、銀河鉄道の上村さんが「行こう!」とか乗ってしまうものだから、判断能力を失っている「急ぎの仕事のない週末男」も着いていくハメに(笑)。54歳、2年に1回行くか行かないかというカラオケに行く(笑)。

22:30 カラオケボックス。メンバーは私(54歳)、上村さん(60歳オーバー)、ニシキさん(50歳オーバー)、オカタニ(年齢知らない)の4人で2時間。カラオケで何を歌ったかというのは、家にある本を全部見られるみたいに、自分の何か隠しておきたいものを知られるみたいで、この歳になるととても恥ずかしい(笑)。しかし、のぞき見してツッコミたい読者がいることも知っている(笑)。どうする? バラした方がええか? 松本君(笑)。ま、数人の学生にはバレてるからなあ。

「あ・れ・か・ら」(ヒロスケ)
「遺言」(柳ジョージ&レイニーウッド)
「ダーリング」(沢田研二)
「ジェラシー」(井上陽水)
「積み荷のない船」(井上陽水)
「俺の借金全部で何ぼや」(上田正樹&有山淳二)

 上村さんも私も物書きの端くれだから、みんなが歌っている間、画面に出る「歌詞」にものすごく反応する。

(中島みゆき「ファイト!」)
上村「この歌詞、すごいだろ!」
オカ「この歌の歌詞をじっくり見たの初めてですけど、すごい」

(高橋真梨子「桃色吐息」)
田尾「康珍化の歌詞、何かええですねえ」
上村「おしゃれだねえ」

(井上陽水「積み荷のない船」)
田尾「井上陽水が沢木耕太郎に書いた歌があるんですよ」
上村「ほんとか! よし、それ行け」(上村さんは沢木耕太郎と友人だ)

(柳ジョージ「遺言」)
上村「うわ、この歌詞、俺の歌じゃん(笑)」

 オカタニが沖縄テイストの歌を歌うと、上村さんが普天間問題の話を振ってくる。私ら、カラオケの楽しみ方が何か変?(笑)とりあえず、上村さんが最後に歌った中島みゆきの、歌というより、良質の朗読みたいな「ファイト!」はとてもよかった。みんな、黙って画面に出てくる歌詞を追っていました。あと、オカタニは歌のおねえさんみたいにむちゃくちゃうまい。セリーヌ・ディオンまで歌いやがった(笑)。

 日付が変わって0:40に解散。上村さんと一緒なので遅くなることはわかっている家内に電話。

田尾「今、解散したけん帰るわ」
家内「上村さんは?」
田尾「キャバクラ方面に行った(知らんけど・笑)」
家内「何や、一緒に行ったらええのに(笑)」
田尾「やだ(笑)」

 というか、こんな一日でよかったのか(笑)。
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