2011年02月の日記 |
2011年2月28日(月)
朝から病院へ。ずっと飲んでいる薬が2週間も前に切れていたのだが、薬をもらうには診察を受けなくてはならず、いつも診察してくれている先生は月曜日しかおらず、しかし月曜日はここのところずっと時間が取れなくて行けず…ということで、やっと今日の朝、行ってきました。
受付を済ませて採血に行って、腕を出して針が来る前に顔をしかめてたら、
看護婦「田尾さん、土曜日聴いてますよ(笑)」
うわ! 『うどラヂ』聴かれてる!
看護婦「あれ、めっちゃおもろいわー!」 田尾「言うときますけど、あれは仮の姿ですからね(笑)。普段は無口でちっともおもしろくない人間ですから」
とか言いながら血を採られて、私は待ち時間にパソコンを開けて、数日前から苦しみ中の原稿を書いていました。その時の周りの人の会話。おじいさんとおばあさんがやって来ました。
看護「おばあちゃん、今日はどしたん? 昨日来たばっかりやん」 おば「(首の後ろを押さえて)ここら辺がな…」 看護「首がどしたん?」 おば「ここら辺がな…」
おじいさんが横から助け船を出す。
おじ「何や、首の後ろがかい(かゆい)言うてな」 おば「ここら辺にな…何ぞあるんや…」 看護「どれ? ちょっと見せて? んー、何もないで」 おば「ここら辺が…」 看護「痛いんな」 おば「痛いことはないけど…」
それからしばらく看護婦さんがおばあさんの首の後ろを触りながらいろいろ尋ねているのだが、どうやらちょっとかゆいだけで何でもないらしい。
看護「どうする? 何もないみたいやけど、痛くないんだったら今日はもういい?」 おじ「いやまあ、せっかく来たけん、ちょっと先生に看てもろて…」 看護「時間はあるん?」 おじ「どこっちゃ行くとこないけん、かまんで」
とか言って、おじいさんとおばあさんは待合室に座って別の知り合いらしいお年寄りとお話しを始めました。しばらくすると、私の隣に60代くらいのおじさんが2人やってきました。
おじさんA「…ほんでの、○○と△△が検尿や言うてコップ持って行ったけん、わしも看護婦に“コップくれ”言うたんじゃが(笑)」 おじさんB「おー、看護婦が“××さんは検尿せんでええですから”言うたけど、“ええがい、わしも検査してくれ”言うて(笑)」 おじさんB「検尿したんかい」 おじさんA「おー、がいに言うたらコップくれたけん、出してきたが(笑)」
今度はおばあさんが一人でやってきた。
看護婦「今日はどしたんな?」 おば「目ヤニがな、ちょっと出たけん、センセに看てもらいに来たんや…」
わずか1時間足らずの間の出来事ですが、まあそういうことでしたわ。おそらくこういうの全部、お年寄りの負担はほとんどタダみたいなのだろうけど、センセも看ないわけにはいかず、看たらそれだけお国に何千円か何万円か請求が行って、全部お国から社会保障費で支出されるんだろうなあ。全国でこういうのが全部集まって、何兆円とかになってるんだろうなあ…とか考えてました。かといって、今でこそ私は老人になっても後世に負担をかけるようなことはするまいと思っているけど、いざそうなったら同じようなことをしないと言えるかどうか…。ちなみにこの大問題について、実は私なりにかなり合理的だと思う解決法を持っているのだが、おそらく朝日新聞あたりから抹殺されそうなので言わない(笑)。
夕方、あまりに原稿が進まないのでパソコンを持ってアップタウンに行きました。タウン誌時代から、原稿に苦しんでどん詰まりになったら、よくアップタウンに道具を持ち込んで原稿を書いていた。あそこは私の追い込まれた時の最後の砦の第2書斎。バックに(というか前面から)なかなかの音量のジャズがかかっているのだが、なぜかいつも気分が変わって原稿が進み始めるのである。いつものカウンターに陣取ってパソコンに向かったら、ほんまに今までの苦悩がウソのように頭の中で構成がまとまり始めました。
ちなみに今日は、久しぶりに「うわ!」と思う、とてもいい感じのジャズを聴かせてもらった。えーと、ジョシュア・レッドマンの『エラスティック』というアルバム。あと、宮脇裕子さんのトランペットの『Song Of Flower』というファーストアルバムも流れてきました。この子、香川出身で、香川大学の学生時代にジャズ研に入っていて、アップタウンにも来てた子です。CD買ってあげよ。
結局、夜の9時半頃までアップタウンで原稿を書いてて、それから家に帰って午前0時に、ついに仕上げた。よーし、明日から次の原稿にかかるぞ(泣)。
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2011年2月27日(日)
水曜日、朝からインタレストの第3回「終わるまで帰らんぞ会議」をやっていたら、午後3時過ぎに、携帯に見たことのない番号の電話がかかってきた。とりあえず心に余裕があったので出てみたら(笑)、山陽放送のとめちゃんやないの。
とめ「田尾さん、お久しぶり。元気?」 田尾「まあそれなりに」 とめ「田尾さん今どこ?」 田尾「大学の研究室やけど」 とめ「ほんと? 今香川に来てるんだけど、今からそっち行っていい?」 田尾「ええけど、何かイヤな予感がするな…」 とめ「いい勘してる(笑)。実は今、番組でわらしべ長者みたいな企画をやっててね、あと2〜3回でテレビをゲットしようとしてるんだけど…」 田尾「僕に何か出せと」 とめ「いい勘してる(笑)」 田尾「誰でもわかるわ!」 とめ「でね、今、ランプを持ってるの。田尾さん、ランプと何か交換して?」 田尾「えー? けど研究室やから、何もないで」 とめ「田尾さんの研究室、入ってみたーい(笑)」 田尾「まあ、入るだけならええけど…今どこにおるん?」 とめ「今、自衛隊の横を走ってる」 田尾「すぐそこやんか!」
もー、ほんまに行き当たりばったりのロケしよる(笑)。けどまあ何とか協力してあげたいと思って、私はとりあえずそこいら中を探してみた。けど、だいたい研究室には私物がほとんどないし、ましてやランプよりいい物でテレビに近づくような物なんか、何も見当たらん。本やCDでは芸がないし、カメラは商売道具やし…。仕方なく隣の編集室にいる学生たちに何か出させようかと思ったが、私よりいい物を持ってるはずがないわなあ(笑)。
田尾「そういうわけでとめちゃんが来るらしいんやけど、何かないか?」 溝渕「チロルチョコのきなこ餅でいいじゃないですか」 田尾「アホ、あれは俺の非常食やんか。絶対出せん」 トミ「あれは?(私の大きい顔写真が入ったうどんのパネル)」 田尾「あんなもん誰がいる!」
わーわー言ってるうちに、とめちゃんがカメラスタッフを従えてやって来た。やって来たけど、ないもんはないぞ。
田尾「まいったなあ。ほんまに何もないわ」 とめ「ほんと、ないですね」 田尾「しょうがない、学長に何か出してもらおうか」 とめ「えー! 学長にお願いできるの! すごーい!」
私は学長に電話をして、この迷惑な企画(笑)を説明して何か持ってないか聞いてみた。けど、学長も学長室には本ぐらいしかないという返事。
田尾「な、みんな学校には大したもん置いてないんや。家に帰ったら何かあるかもしれんけど」 とめ「じゃ、田尾さんのおうちに行きましょう!」 田尾「どこまで追いかけてくるんや!」
そういうわけで、日本で7番目に人がいい私は学生たちに編集の指示をいくつかして後を任せ、高松に帰ったのでした。とめちゃんたち御一行も後を追ってきて、結局、万年筆を2本提供しました。私がタウン誌の会社を辞めたあと、20年以上も休みなく働いた自分への区切りをつけるために東京の小さな老舗万年筆屋で初めて買った、ペリカンの太字と細字の万年筆。もう5年くらい使ってないので、まあええか。
とめ「やっぱり田尾さんはやさしいわー」 田尾「とめちゃんのためなら、たとえ火のそば水のそば」 とめ「火の中には入ってくれないんだ(笑)」
という事件がありまして、翌日木曜日は朝からインタビュー取材を1件終えて、昼からはこれまた飛び込みで入ってきた「ぐるナイ」のワンポイント出演のロケで日の出製麺所へ。夜は上村さんとオカタニに集合をかけられて、何と翌朝の5時までレジャー(笑)と議論をして、翌日金曜日から今日まで、先のインタビュー取材の原稿制作で塗炭の苦しみ中です。今晩は「できるまで寝んぞ」体制ですが、寝んでもできんと思います。ほんまに苦しみ中です。
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2011年2月19日(土)
今週は学生が春休みに入ったにも拘わらず、火、水連続で朝からインタレストの「できるまで帰らんぞ編集会議」を決行。春休み中の進行が次号発行(6月1日号)の重要なポイントになるので、もう背水の陣体制である。朝10時からの編集会議は、編集長トミーの「今日はどこのうどん屋行くんですか?」で始まるという体たらくであるが、2日間、ロケハンにも出かけながら何とか概要がまとまった。
で、木、金は、私は朝から研究室で4月からの授業準備をしていたのである。そしたら昨日の金曜日、編集会議でもないのに編集室に学生たちがたくさん集まっているではないか。ちょっとのぞいたら、トミーたち首脳陣が学生たちを前に何か説明をしている。その説明を受ける学生たちの多くが、見たことのない顔だ。
田尾「何があるんや」 トミ「1年生にインタレストの説明しよん」 田尾「1年?」 トミ「1年は4月からメジャー選ばないかんやろ? でね、いろんなところで1年生からインタレストメンバーに“インタレストってどんなことするんですか?”って質問が来るんよ。そやから質問してきた1年生を集めて、今日、合同説明会をしよん」 田尾「えらいのー!」
1年生に対するメジャーの説明会は、全学単位で去年から何度も何度も行われてきて、今週の月、火で最終説明会を終えた。加えて、さらに詳しい内容を知りたい学生は直接担当教授に聞きに行くという方法もあるのだが、そこまでするのは面倒だという大半の学生の間でいろんな情報交換が行われているらしい(何しろ制度開始1年目だから)。そんな中で、「情報加工学に興味があるけど、その中にあるインタレストはどんなことをするのかを知りたい」というニーズが結構あることに気づいたインタレストメンバーがニーズに勝手にお応えして(笑)、勝手に説明会を開いていたというわけだ。
すまんのー、何から何まで。勝手に説明会、みんなのインタレストに対する思い入れと自信の表れだと思って、父ちゃんうれしくて涙が出てくるぞ(笑)。
インタレストは表面的に「コンテンツの企画編集や取材の実践練習」という目的ばかりが見えるけど、実は「実社会における組織運営の原理原則の体感的な練習」という目的がもう一つある。指導しながらやらせていると、首脳陣、特に編集長を経験した学生は、学生サークルのリーダーをやっていたのでは身につかない(というか考えも及ばない)組織マネジメントの原理原則を少しずつ体感して成長していくのがわかる。
・まず、組織の達成すべき目標がある。 ・「その目標を達成するために何が最も有効か」という視点でものを考え、作戦を立て、指示をし、問題に対処する。 ・何でも「全員が平等に」というメンタリティでは、目的が達成できないことが多い。 ・目的を達成するためには、同じ意志を持った者と目的を達成する能力のある者を集めるのが最も有効になる。 ・学生はすぐに好き嫌いで仲間と群れる習性があるが、情緒で組織を運営すると組織がガタつき、目的が達成できないことが多い。 ・しかし、チームとしての仲間意識はきちんと維持しないと、組織がガタつき、目的が達成できないことが多い。
等々…。これ見ると改めて、リーダーは苦しむのー(笑)。
学生主体の組織運営は「論理0、情緒10」みたいなのがとても多い。逆に、たまに厳しく運営しようとすると「論理10、情緒0」みたいなことをやる。組織運営の原理原則みたいなのを知らないから、両極端に振れるのである。それが、インタレストの首脳陣をやっているとだんだん「論理7〜9、情緒1〜3」といった感じの、いわゆるバランス感覚みたいなのを身につけていくのである…という親バカ分析(笑)。というか、私の授業としてのインタレスト編集で目指しているものですけど。
学生たちはあと数年でみんな、社会に出て行くことになる。彼らは生まれてこの方、ずーっとカウンターの向こう側(商品やサービスを受ける側)で生きてきた。その上、家でも学校でも、大半を「サービスを受ける側」の論理でものを教わってきている。しかし、社会に出た途端、全員がいきなり「カウンターのこっち側(商品やサービスを提供する側)」に来るのである。そこであまりに「カウンターのこっち側の論理や原則」を知らないから大きく戸惑って、すぐに会社を辞めたり、あるいは事前に就職を恐れたり、ビジネスの世界に入ってもまるで伸びなかったりするのではないか、と私は思っている。だからその助走期間として、カウンターのこっち側の原理原則を、私のつたない知識と経験で教えておこうかと思っているのである。
ちなみに、学生からの極秘情報によると、4月からトミーが私の授業を、単位はもう取っているのにもう一回受けに来るらしい(笑)。理由は、「あの時(前に授業に出た時)は何のことかよくわからんかったけど、インタレストやっててあの授業が役に立つことがわかってきたからもう一回受ける」ということらしい。そういや、歴代編集長の松野も多田も松田も、単位取ってるのにインタレストの編集長をやってから私の授業を2回目、受けに来た。ふっふっふ、そういうことだよ(笑)。
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2011年2月14日(月)
今日は朝から大学で「メジャー」の説明会。四国学院大学は2010年度入学生から「メジャー制度」という新しい学びのスタイルを開始した。これは、入学した学生はまず一応3つある学部のどれかには所属するのだが、1年生の時には全員共通の「教養教育カリキュラム」を学び、その間に大学の教育内容をよく理解して自分の学びたい分野を考え、2年次から19あるメジャー(専攻)のどれかを選択して進んでいくという、「学びの選択肢が多く、それを選ぶための判断期間も1年間ある」という先進的なシステムである。
で、いよいよ去年入ってきた1年生が4月からの所属メジャーを選ぶ時期が来て、今日と明日は、1年生を対象に終日かけて19のメジャー(専攻)と1つのマイナー(副専攻)の紹介を行う日なのである。それぞれのメジャーにはとりまとめ係の担当教員(学科長ならぬ「メジャー長」みたいな人)がいて、それぞれのメジャー長が約30分ずつ、自分の担当メジャーの内容を1年生に紹介していく。私は「情報加工学メジャー」の担当で、今日のプログラムの1番バッターなので、直前準備もかねて朝8時前に研究室に行ったのである。
そしたら、研究室のドアに何かメモが留められていた。見ると、学生の一人からの「情報加工学に興味があるので、内容を詳しく聞きたい。田尾先生の時間の取れる時を教えてください。私の連絡先は○○です」という内容のメモだった。ま、このあと会場で説明はするけど、30分足らずの概要説明しかできないから、私の担当の説明が終わった後なら改めて詳しく説明できるだろうと思って、とりあえず9時前に会場に行ったら、そこでメモをドアに貼った学生が私に声をかけてきたのである。
学生「そういうわけで、詳しくおうかがいしたいんですけど」 田尾「今日でもええか?」 学生「はい」 田尾「じゃあ、昼からならいつでもええよ」 学生「私、午後からの他のメジャーの説明もいくつか聞くので、その後でもかまいませんか?」 田尾「ええよ。何時頃になる?」 学生「たぶん、3時前に終わると思うんですけど」 田尾「了解。きょうはずっとおるから、終わったら研究室に来てくれたらええ」
と言って、私は9時40分からの担当のメジャー説明を終え、11時20分から山本先生から頼まれてたもう一つのメジャーの代行説明も終えて、昼から研究室で仕事をしていたのである。
今日は朝から雪模様で、学校に着いた頃はまだ全然積もってなかったのだが、雪はずっと降り続けていて昼過ぎからうっすらと積もり始めた。それが午後2時頃になると雪はだんだん激しくなり始め、外を見ると明らかに一面に積もり始めていた。まずいぞ。ヘタしたらこれ、帰れんようになるかもしれん。
午後2時半、雪はどんどんさらに強くなってきた。これ、絶対にまずい。ふと思いついてインターネットで高速道路情報を探したら、えーっ! 大野原インターから西、通行止め! 高松西インターから東、通行止め!
まだ通れるのは、大野原インターから高松西インターの間だけだ。私の帰路は、その両インターの間にある善通寺インターから高松西インターまで。これ、もう全面通行止めは時間の問題ちゃうか? 私は焦った。もちろん一般道はまだ通れるのだろうけど、下の道は時間がかかるし、人も自転車もバイクも通り、交差点もいっぱいあって車もいっぱい走っていて、高速道路に比べると危険がいっぱいだ。
外を見ると、もう5分単位で積雪量が増えているのがわかる。車で帰るなら、もう一刻の猶予もならない。私は意を決して、あの学生がやってくるのを待たずに帰ることにした。事情をメモ書きしてドアに留め、研究室を出て駐車場に向かった。すると、向こうから学長がやってきた。
田尾「学長、道、どうでした?」 学長「田尾さん、やめといたほうがええで。僕、今、歯医者に行こうとしてたんだけど、危ないからやめた」 田尾「えー! ほんまですか!」 学長「自分は気をつけてても、相手がスリップしてぶつけて来よるかもしれんで」 田尾「うわー、どうしよう。けどさっきの時点で高松西インターまではまだ行けるって出てたし…わかりました、ちょっとインターの入り口までそろそろ行ってみます」
と言って車のそばまで行って、ハタと忘れ物を思い出した。急いでもう一回研究室に帰って、忘れ物を取ってカバンに入れて出よう…としたその時、学生がやってきた。わっちゃー!
しかし、ここで振り切って帰れるほど私は自分優先ではない。私は瞬時に「もう車を置いてJRで帰る。明日も朝から大学でインタレストの編集会議があるけど、早起きしてJRで来る」と決めて、それから30分以上かけて学生の質問に懇切丁寧にお答えしたのでした。
午後4時。JR善通寺駅まで歩いて行くために研究室を出て、ふと家内に電話をしました。
田尾「こっち、めちゃめちゃ雪やから今からJRで帰るわ。そっち(高松)はどんなん?」 家内「え? 雪はちょっと降りよるけど、道路には全然積もってないで」 田尾「ほんま!」
私は思い出した。数年前のセンター試験の日、大学の周りはものすごい雪で、近くの道路でスリップした車が「ドン!」いうたのを聞いてあわててチェーンを買って装着して走り出したら、わずか2キロくらい先で路面の雪はすっかりなくなってて、車を道の脇に止めてドロドロになりながらチェーンを外してヘトヘトで家に帰ったらその日が私の誕生日だったことを(笑)。これはもしかしたら、また大学の周りだけが大雪なのではないか?
私はまたまた意を決して、まず車で高速の入り口まで行ってみることにした。そしたら、通行止めになってないやないの。あの慎重な高速道路がまだ開けているということは、絶対大丈夫だ。私はそのまま、善通寺インターから高速に乗りました。電光掲示板によると、インター間は低速の作業車が走行しているとのこと。上がってみると、路面はうっすらと積雪があるが、まだしっかりと黒い路面だった。ところが、高松に向かって走っていると雪が猛然と激しくなってきた。前の方を走っていた車がどんどん減速し始め、あのいつもガラガラの高速に20台近くが連なって時速50キロくらいの低速走行になった。
どうなんだ、これ。低速で進んでると雪はどんどん積もってくる。でもスピードを上げると怖いやんか。中に辛抱できんで追い越し車線に入って勝負をかける車もいるが、私は低速走行を選択し、約30分後、いつもの倍くらいの時間をかけてついに高松西インターにたどり着き、高速を降りて一般道に入ったのである。そこから家まで約20分。激しい雪の中をこれまたいつもの倍くらいの時間をかけて、ついに車で帰宅に成功しました。
家に帰って一服していたら、雪は小やみになってきました。それから仕事をして夜中。外は雪も雨も降っていない。いろんな情報を総合すると、私、善通寺で一番雪が激しい時間帯に出発して、高松で一番雪が激しい時間帯に高松を走ってた…というか、一番激しい雪と一緒に東に移動してたみたいです(笑)。
そういや7年くらい前にグアムに行った時、着いた日から2日間、猛烈な台風に見舞われて、何もできないままホテルで丸2日間を過ごして、翌日の帰る日になって台風が去ったと思ったら、帰国した翌日にその台風がさらにパワーアップして日本に上陸してきたことがあったなあ。帰ってきてすぐに『KSBスーパーJチャンネル』に出てて、お天気キャスターの清水さんが台風情報を伝え始めた時、生放送で「清水さん、その台風、僕の方が詳しいですよ(笑)」って言ったのを思い出した。天気に関しては私、何か持ってるかもしれん(笑)。
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2011年2月13日(日)
香川は25年ぶりの積雪量だったそうです。今日の昼は快晴の中、今年初めて一福に行ってとりあえず「明けましておめでとうございます」言うてきたけど、店の入り口のひさしから雪が落ちてきた。周りの山にはまだ雪が結構残ってたし。
そういえば、去年の年末の大雪の時、全国ネットのニュースでレギュラーコメンテイターの有名なおじさんが「地球温暖化のせいです」と言っていたのを思い出した。地球温暖化で海面から水蒸気がたくさん上がっているせいで、その水蒸気が雪になってたくさん降ってくるんだって。地球が暖かくなっているのなら上がった水蒸気は雨になって降ってくるのかと思っていたんですけど(笑)。
と思っていたら、今日はテレビのCMで電力会社が「地球温暖化防止のためにCO2を出さない原子力発電を推進しています」みたいなことを言っていました。「地球は温暖化している」というのも根拠はあやふやだし、「温暖化の主犯はCO2だ」というのはもう科学的にねつ造に近いデータだというのがバレてきてるのに、しぶといなあ(笑)。
これ、10年後くらいに寒冷化し始めたら「もっとCO2を出そう」とか言い始めるんやろか。何か、イデオロギー科学者の人たちは意地になって、しまいに「寒冷化もCO2が原因だ」とか「寒冷化は温暖化が原因だ」とかわけのわからないことを言い出すんではないかと(笑)。そうなったら、10年後くらいにイデオロギー科学者を集めて「UFO対決」みたいなバラエティー番組が出てくるかも(笑)。
ま、どっちでもええけど、私は寒いのは嫌いです。寒くなると農産物の収穫量が落ちて世界的な食糧危機がもっと表面化する、という立派な主張にも賛成するけど、だけども、問題は、今日の寒さ、体温が高い(笑)。私は体温が高いらしくて、K山先生に「それは寒さが余計に応える体質ですよ」と言われた。風邪は引かないんだけど、明らかに私は寒くなると動きは鈍くなる。暑い時は絶好調(笑)。こないだは清水屋で390円の熱々の鍋焼きうどん食べてきたし。
うどん屋さんって、暖房の暖かさではない、空気感の暖かさを感じる店がありますよね。讃岐うどんの店には、その「空気感の暖かい店」が多い。それは店の造りから来るのか、大将やおばちゃんの人柄から来るのか、讃岐人の奥底にある人間性から来るのか、必要以上に麺やダシを追求しないお客さんの緩さ(笑)から来るのか…具体的に「これとこれ」みたいに説明できんけど。あ、東京麺通団と赤坂麺通団も。ファストフード型店にはない空気感の暖かさを感じていただければ、あなたの感性はちょっと讃岐人(笑)。などというとりとめもない話で日記の更新回数を稼いでおいて、明日は早いから暖房きかせてもう寝る。
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2011年2月10日(木)
今日は大学の一般入試B日程の日で、私は役割がなかったので待機組。夕方は高校時代の悪友の斉藤ポン吉くんに頼まれてた、四国中の郵便局の何かの営業成績優秀者たちの表彰式の記念講演に行ってきた。郵便局だからみんな公務員のメンタリティに満ちあふれているのかと思っていたのだが、営業成績優秀者が集っているためなのか、また、いかに厳しい状況にある郵便局株式会社とは言え大手なので優秀な人材が集まっているのか、特に若手を中心にまなざしが真剣で、しゃべり始めてしばらくして「これはビジネスの話の方に振っていった方がいいのではないか」と思って、「目的と手段の整合性」と「素材と切り口の組み合わせによる発想力の開発」の話をしてきました。何か少しでもお役に立てていれば幸いです。
というか、講演前の歓談や講演後の懇親会でいろんな方とお話しをさせていただいて、私も勉強になりました。四国内だけとは言え、郵便局の幹部の方々や若手優秀社員の方々のメンタリティに直に触れて、可能性も感じたけど、かなり根本的な問題もちょっと感じました。こんなところでは書けんけど。
で、夜の8時過ぎに帰ってきて、仕事をしながら今、夜中の午前1時前。2時間くらい前から、マンションの8階にある仕事部屋の窓の外から道路を走る車のシャーシャーいう音が聞こえているので「雨か…。今日ガソリン入れに行った時、洗車せんでよかった…」と思っていたら、家内が「雪や!」と言って部屋に入ってきた。ベランダに出たら、うわ! 手すりにまで雪が積もってる! 外を見下ろすと、路面の駐車場の車が全部雪をかぶっているではないか。こりゃ、明日の朝、高松は今年初の一面銀世界になってるぞ。
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2011年2月9日(水)
以前、チンペイから私の日記の月別更新回数データを突きつけられて(そんなデータ取るなよ)「更新が少ない!」と糾弾されたことがあるが、なかなか心が入れ替えられん。ここまで入れ替えられないのは「入れ替える心がないのではないか?」と自己分析してみましたが(笑)。出来事は結構たくさんあるのだが、歳のせいか、一本ネタにまとめるのに時間がかかるようになって、かといってまとめずにダラダラ羅列するのも何かプライドが許さないところがあって、考えているうちに時間が経ってついつい仕事に逃げる…という日々が続いているわけです。「仕事を逃げて日記に走る」でなくて「日記を逃げて仕事に走る」という私の妙なメンタリティを、果たしてチンペイは理解できるのか(笑)。
さて、こないだの土曜日の夜は、毎月第一土曜に行われる「遊ゼミ」に行ってきました。遊ぶゼミではなくて、「遊」という割烹に地元の一部マスコミ人や文化人たちが集まってメシ食いながら話をするという寄り合い。もう30年くらい続いている会で、毎回20人くらいが出てくる。ちなみに私は20年くらい前から参加している。かつてはいろんなテーマで「議論」が行われていたらしいのだが、近年は何やら親睦会みたいになっていて、それを嘆いた上村さんが去年、「議論しようよ!」と一喝して、最近は時々議論が起こるようになった。で、私も上村さんと一緒に「議論混ぜ返し組」の悪者役をちょっと担っているというわけである。
こないだは、消費税の話になりました。「このままでは財政破綻する。けど経済が活性化して税収が増えることは望めない。だから消費税を上げるしかない」という意見が出て、全体的に「そうだよな、しょうがないよな」みたいな話になってきたので、ここは混ぜ返し屋の私の出番だと判断して、急いで頭の中で「消費税アップ反対の論理」を組み立てたのです。ディベートでよくやる、反対することが目的の論理(笑)。で、とりあえずこんなのを考えました。
(1)税金を取るためには、税金を取られる人にお金がないといけない。 (2)今、経済の閉塞状態が続いて、多くの人の所得が減っている。なのにもっと取った方がいいというのか。「取られる人のお金が減っているのに、取る額を増やす」という手段に、いったいどういう解があるのか。
これが私が立てた反対用の論理の骨組み(原理原則部分)で、その周りに、
・消費税で税収を増やしても、あの人らは増えただけいらんことに使うから、財政危機は大して改善しない。 ・社会保障費だけに使うという目的税化しても、今度は国民が際限なく「くれくれ」言うから、増やした分だけ社会保障費が増えていって、財政危機は大して改善しない。 ・かといって歳出削減は誰もゼロベースで考えないから、「あるお金だけ使う」という原点にはたぶん帰れない。 ・だから、消費税を上げずに、しまいにどうしようもなくなって「もう社会保障費も払えません」という事態になって国も国民も痛い目に遭った方が、中長期的な国の健全化には有効だと思う。 ・もし消費税を上げるなら、社会保障費に充てるのではなく、全部成長戦略に充てた方が中長期的な国の健全化には有効だと思う。
…みたいな情緒的な周辺意見をいくつか用意して、順を追って論理を説明しようとしたのである。そしたら、論理の導入部でいきなり言葉尻を捉えられて「ちょっと待て、そこは違う!」と割り込まれ、「まだオチまで言うてない」いうて話し始めたらすぐに「それは違う!」と割り込まれて全然違う話に持って行かれ、また軌道修正しようとしたらまた割り込まれてすぐに話を違う方に持って行かれ…結局、1時間経ってもオチ(論理の最後)まで話ができなかった(笑)。
いやー、人の意見を聞かず自分の論理だけで突っ走る人たちの中で(私も後半は熱くなってそうなってましたけど・笑)、自分の意見をコンパクトに説明するのがいかに難しいか、自己嫌悪になるくらい訓練になりました(笑)。
ちなみに、この日は議論を転がすために「消費税アップ反対」の意見を繰り出しましたが、私は消費税アップ賛成です。ただし、理由は「財政再建、社会保障費の確保」ではありません。
社会保障費の異常な増大の主原因は、高齢社会や不況のせいでは絶対にないと思います(どこかで社会保障費の推移グラフを探してみてください。どう見ても、高齢化の度合いや景気動向では説明できないくらいの伸びです)。あれは、もらわなくてもいい人がどんどんもらい始めた、つまり「福祉に便乗する疑似弱者」が増大してきたことが主原因としか思えない。都村さんのデータと分析による指摘に100%同意です。そこにまた、票が欲しい政治家がどんどん配るし。
でも、疑似弱者に「もう便乗するな。使わなくてもいい社会保障サービスは我慢して使うな」と言っても言うことをきかないから、「消費税で疑似弱者の福祉への便乗分を取り上げる」という意味で、消費税増税に賛成するわけです。で、取り上げた分を、本当に社会保障が必要な真の弱者に今以上に手厚く配ればいいと。で、それでも疑似弱者に配るのをやめたら絶対余るから、残りは成長産業に全部充てると。
論文を書くのが面倒なので「大ざっぱなお金の回り方」の意見しか説明できませんが、この分野は素人なので(ほとんどの分野で素人だけど)この程度でご勘弁を。昨日、後期の授業が終わりました。会議等の大学業務はずっとありますが、これから3月いっぱいで、いよいよ劇的に増える担当授業の準備に取りかかります。あと、インタレストの次号もこの2ヵ月が山。ふえー、頑張るぞー。
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2011年2月2日(水)
何か1ヵ月くらい前からNetwaveの機嫌がすこぶる悪くて、「田尾さんに何度メールを送ってもリターンで返ってくる」という連絡が何度もある。それも、本当にこっちに全然届いてないものだけでなく、「リターンで返ってくるから3回も送り直して、とうとうあきらめた」と先方は言うのだが、こっちには同じメールが3通も来てたりするのもあって(笑)。
1年くらい前にSTNetの営業の人が「ピカラに替えた方がいいですよ」とか言ってきて、よくわからないままピカラにして、それまで使っていたNetwaveも急に閉鎖したらいろんなところからの大事な連絡まで途絶えるのでそのままおいていて、それに大学のメールアドレスも加えて今、3つアドレスが生きているのだが、もう大学のメールアドレス以外を整理してピカラ1本にして、今抱えているたくさんの「アドレス帳」の相手にいちいち全部一本化のお知らせをするのも面倒なので、ついでに人間関係も整理して(笑)…とか思っているのだが、個人はええけどあのいろんなものに登録してあるのをアドレス変更するのが面倒で面倒で。
とりあえず、飛行機の予約するところと、宿泊施設の予約をするところと、勝谷さんのメールマガジンはネット上でピカラに変更した。けど、まだどこから変更画面に入ったらいいのかわからんのが3つも4つもある。俺、インターネットは苦手なんじゃ。というか、携帯電話も電話機能以外ほとんど使ったことないし。携帯メールは自分のアドレスも知らんし、自分のアドレスの調べ方もわからんし(笑)。ちなみに、私の携帯メールアドレスを知っているのは世界で家内と娘と団員Dの3人だけだ(笑)。
そういうわけで松本君とかごんとか和Dとか笹木とか佐伯とかS原とかU原とかO船とかA藤とか佐Tさんとか…私とメールのやりとりをしたことがある人は、私にメールくれる時は私から行ったメールのどれかを探したらピカラのがあると思うので、それで送ってください。すんません。
さて今日は大学の山のような作業と会議とインタレストの編集会議と来客をぶっ続けでこなして、ヘトヘトになって家に帰ってメシ食って風呂入ってテレビをつけたら、BSで美術の番組をやっていた。クールベ!
私は絵心なんて全然ないのだが、高校生の時に何かで美術館に行った時、何がどうだったのか覚えてないが見た瞬間に「うわ!」と思って買ってしまった初めての絵が(といっても印刷物だけど)、クールベの「波」なのである。そのクールベの特集だというので、久しぶりにテレビをちゃんと見た。
でも、ナレーションがまた、以前書いたあの抑揚のないくぐもって聞き取りにくい女優だった。ちょっと音を消して見たけど、消したら内容がわからないのでボリュームを下げて不快感を抑えようとしたら、ただでさえ聞き取りにくいのが何を言っているのか全然わからなくて、きちんと聞き取ろうと思ったらボリュームをいつもより上げないといけなくて。クールベの感動とナレーションの不快感をダブルで受けながら…不快感に負けて30分でテレビを消しました。すんません、ただの個人的な好き嫌いなので気にしないでください(笑)。
で、その後、午前1時現在、まだ仕事中。テレビを消して仕事部屋に入って電気をつけたら、水槽の中にコルネタニシが出ていた。あれからほぼ毎日、5〜6匹ずつ捕獲中。今日は8匹。もう300匹は逮捕したけど、まだ絶対おる。
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