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2011年05月の日記
2011年5月26日(木)

 ここのところ連日のようにマスコミから「原子力発電の危険性」と「再生可能エネルギーによる発電、特に太陽光発電を推進しようとする動き」のニュースが出てくる。けれど、どの報道を見ても読んでも一番大本の「どれだけ電力をカバーできるのか」と「いくらお金がかかるのか」をきちんと前提として書いてないので、「それは実現可能なのか?」が全くわからないのである。だから私は仕方なく自分で計算して、自分なりに「何事か?」を理解しようとしているわけですが、合っているのかどうかよくわからないけど、だいたい合っているような気もするので、とりあえず私の判断基準を紹介します。間違ってたら指摘してください。チンペイは無理せんでええぞ。

 まず前提として、

(1)火力発電よりは原子力発電の方が、他国の動勢(石油戦略)に影響されることが少ないから、自前のエネルギー政策としては都合がいい。
 単純に、火力発電の最大のエネルギー源である石油が他国に依存している、というだけの理由です。あと、島国だからヨーロッパみたいに他国から電力をおいそれと買えないということもあって。ちなみに「二酸化炭素を排出しない」というのは、二酸化炭素が地球温暖化の主因であるという話が科学的に証明できないことがバレているので、関係ないと。

(2)石油は発電に回すより石油化学製品に回す方が断然重要である。
 今の自分たちの周りの生活用品のほとんどすべてが石油化学に頼っていることを考えれば、これもたぶん今のところ正解ですね。で、以上2つの理由から、日本は火力発電一辺倒から原子力発電に少しずつ移行してきて、今、日本の総発電電力量の30%くらいが原子力発電になっていると。そんな理解でよろしいでしょうか。で、今回の事故で「安全性」の問題が大きく浮上してきて、こういう前提が話の中心になってきた。

(3)原子力発電より太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの方が安全である。
 これも今のところたぶん正解ですよね。太陽光発電が宇宙規模の大爆発を起こす恐れがあるとか、人体に何か長期的な悪影響を及ぼすとかいう話は聞いたことがないし、まあ先には予測不能な何かが起こるかもしれないけど今のところは原子力よりは安全だろうから、ここはゆるがないでしょう。従って、実現可能なら「原子力発電も、あるいは火力発電さえも再生可能エネルギーによる発電に移行する方がよい」。

 という3つを私は念頭に置いております。再生可能エネルギーによる発電は「他国の資源に頼らず自前の電力調達ができる」「貴重な石油をあまり消費しない」「安全である」というすべてのよい条件を整えているので、火力発電よりも原子力発電よりも望ましいことは間違いない。従って私は、何か出るたびに「それは実現可能かどうか」という一点でニュースを見ているわけです。ポイントは先に書いたように、
(1)どれだけ電力をカバーできるのか?
(2)いくらお金がかかるのか?
の2つだけです。

 この2点を見る時の基礎数値は、関係機関が発表しているデータを信用して(長生塾Q&A参照)、
(1)発電電力量について
●日本の総発電電力量=約9660億kwh
●原発の総発電電力量=約3000億kwh(上記のだいたい30%)
この2つの数字だけを基準にして、そのうちどれくらいをカバーできるのかを判断する。
(2)費用について
●原発1基を作るのに2000億円くらいかかる。
というアバウトな基準だけ。

 どうせ再生可能エネルギー発電の推進構想自体も数字の詳細はアバウトなんだから、比較する基準数値もこんなもんでいいのではないかと(笑)。で、今話題になっている太陽光発電の「発電電力量」と「費用」の私が使っている基準数値は、以下の通りです。これも「長生塾Q&A」で紹介されている数値ですが。

(1)太陽光発電の発電能力
●太陽光発電パネル1uあたり、年間150kwh
*計算根拠は、1uあたり150w(太陽電池が日本で最も強い状態の太陽エネルギーを電気エネルギーに変換できるほぼ限界に近い電力)×1000時間(日本で太陽光が最も強く当たっている状態を年間時間換算した時間数)
(2)太陽光発電の費用
●太陽光発電パネル10uあたり、100万円
*費用の根拠は、今、6畳(約10u)の屋根置き型パネルが100万円くらいするから。

 この2つ。これを元に、ニュースを見るわけです。例えば、ついこの間、

「菅直人首相が25日、パリで開かれた経済協力開発機構設立50周年記念事業で講演し、2020年代早期に自然エネルギーの総電力に占める割合を20%に拡大する方針を表明した」
「実現のために提要電池の発電コストを20年に現在の3分の1に、30年には6分の1にまで低減することを打ち出した」
「また、太陽光パネルを1千万戸の家屋の屋根に設置すると表明した」

というニュースが流れましたが、それを自分で総発電量と総費用の数値に置き換えてみるわけです。

 まず、総発電量の20%ということは9660億kwhの20%だから、まあだいたい2000億kwh。これを仮に全部太陽光発電で賄うとすると、太陽光発電の発電電力量は1uあたり年間150kwhだから2000億kwh÷150kw=約13億。ということは、13億uのパネルがいる。これを10uの屋根置きパネルに換算すると、13億uの10分の1だから1億3000万。1億3000万戸の家の屋根に6畳のパネルを置かないといけないじゃないか! 1千万戸では総発電量の20%のうちの7〜8%、つまり総発電量の1.5%にしかならないじゃないか…という話になるわけです。

 すると、この菅首相の発言は「太陽光発電を推進する」じゃなくて「自然エネルギーの総電力に占める割合を20%にする。そのうちの1.5%は太陽光発電で賄う。残りの18.5%はその他の自然エネルギーで賄う」ということになる。風力やバイオマスは太陽光発電のさらに一桁下の発電量しか期待できないから、ひょっとしたらこれは「水力発電を全面的に推進する」という宣言か? みたいな(笑)。

 ちなみに「費用」も計算してみると、1000万戸の家に100万円のパネルを置くと、10兆円かかることになりますね。もちろん政府が全額負担するわけでなくて、設置した個人が大半を負担して行政がいくらかの補助金を出すことになる。仮に1軒に5万円補助金を出したら1000万戸で5000億円、10万円補助金を出したら1兆円。10年後にパネルの価格100万円がコストダウンで30万円になったとしても、役人と政治家のメンタリティを考えたら比例して補助金の額を下げるとは思えないので、行政の負担はたぶんこれくらいに規模の話になる。今のバラマキ政府ならこれくらいのお金は出すと言い出すでしょうね。

 で、この「発電量」と「費用」の2つの数字を並べてみて、何事であるかを考えるわけです。すると、今回の菅首相の公約は、「行政が出せるお金をもとに『1000万戸の屋根にパネルを置く』と言ったけど、発電電力量が頭になかったので『総発電量の20%を目指す』という話とまるで整合性がとれなくなった」という間抜けな話になっているのではないか? みたいなことが発覚する。何か大きな計算間違いをしていて「私が間抜け」なことになっているのかもしれないけど(笑)。うーん…どっかでゼロ1個とか2個とか間違ってないだろうな(笑)。間違ってたら皆さん自分で計算して正しておいてください。もし間違いを発見して私のメールアドレスを知っている人がいたら教えてね(チンペイは無理せんでええぞ)。

 いずれにしろ、こういうふうに数字で「総発電電力量」と「費用」をセットで確認していくと、何となく「どういうことなのか?」が具体的に見えてくるわけです。とりあえず先の菅さんの公約は、たぶんとんでもなく間抜けな計算になっていると思う。新聞記者の人って、計算もせずに記事を書いているんですかね。

 ちなみに、今度ソフトバンクの孫さんが打ち出した「自然エネルギー協議会」の話の中に出て来た「休耕田と耕作放棄地の20%に太陽光パネルを設置したら原発50基分の電力が得られる」という数字も、発電電力量と費用の計算をしてみると片方で愕然とする数字が出て来ます。費用の方です。休耕田と耕作放棄地の20%にさっきの10u100万円の太陽光発電パネルを敷き詰めると、200兆円を超えますよ。どうするの、それ(笑)。

 でも、優秀なビジネスマンである孫さんがお金の計算なしに構想をぶち上げるはずがないから、そうすると、あの構想からは「日本のエネルギー政策」としてではなく、「民間企業としての発電ビジネス」としての巨大なる思惑が見えてくる。たぶん、あのニュースの本質はそこですよ。なのにマスコミはそれを、

「大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設などを進めるため、全国19都道府県とソフトバンクが自然エネルギー協議会の設立を目指すと発表した」
「ソフトバンクは事業費の大半を負担する方針を示している」

と書く。そんな書き方したら、多くの人は「ソフトバンクが全部お金を出して原発50基分の太陽光発電を推進する」と思うじゃないですか。ソフトバンクが200兆円も出すわけがない。仮にパネル代が3分の1になっても、70兆円も出すはずがない。だから、このニュースの本質が「民間企業が日本のエネルギー政策を担う」という話でないことはすぐわかります。

 …みたいな。素人計算だからどこかに穴があるような気もするけど、とにかく「発電電力量」と「費用」が書かれていない再生エネルギー利用発電の記事は、私は自分で計算してみるか、聞き流すことにしています。でも、行政は乗っかっちゃうんだろうなあ。自分のお金でないから、違う目的で動くからなあ。
2011年5月25日(水)

 大きな山を越えた昨日は朝から授業を2つ終えて夜FMの録音を2本終えて、そこでやっと何かがほぐれてフヌケのようになって寝ました。で、今朝。一晩寝て今日から久しぶりにリフレッシュされた1日が始まるぞ、と、さわやかな気分でとりあえず産経新聞を開いて、見出しだけ拾い読みしながら「香川版」のページにさしかかったら、香川県がまとめた平成22年の観光客動態調査の紹介記事が載っていた。読むと、「90万人を超す来場客で賑わった瀬戸内国際芸術祭に県外からも多くの人が訪れ…」と書いてあるではないか。

 ほんとにもう、その「90万人」というのは会場(7つの島と高松港周辺)の中の25カ所もの基準施設でカウントした客の合計でしょうが。私が新聞で指摘したら、行政もそういう資料をちゃんと出してきたでしょうが。にもかかわらず、「会場内の25カ所で数えた数字を全部足して入場者数とする」ような水増し計算の数字を何の疑問もなく書く新聞がまだあるとは、開いた口がふさがらんからご飯の後にパンまで食べてしもたやないか。

 さて、今日は2つ目の授業が「インタレスト」の編集会議。次の12号の企画会議に向けたのレクチャーをした後、少しだけ残っている「編集後記」と「奥付け」のページの作業を行いました。先日山を越えた11号の特集は、今までとかなりテイストが変わって「データもの」中心の、ビジュアル的にはちょっと地味なものばかりである。その中に「ハワイ・オアフ島と香川県の比較」という「何でそんな比較?」みたいな特集がある。

 実は、香川県とハワイの中心オアフ島は、面積がよく似ている上に人口もほぼ同じなのである。そして、オアフは世界の観光地、香川は日本のうどん王国(笑)ということで、それならいろんな基礎データはどうなっているのか比較してみよう、ということになったのである。そしたら、愕然とする事実がいくつも出てきましたので、さわりをちょっと紹介。まず、豊かさの指数の一つである「GDP」を比較してみました。すると、今から15年前の1996年のGDPが、
●オアフ島(ホノルル市&ホノルル郡)…3.7兆円(1ドル100円換算)
●香川県…3.9兆円
ちょっと香川が上だけどほぼ同じですね。ところが、2008年には
●オアフ島…6.38兆円
●香川県…3.61兆円
わずか10数年で2倍近く差をつけられている(!)のである。

 ついでに一人当たりの平均個人所得も調べてみたら、1996年は
●オアフ島…256万円
●香川県…267万円
と、これまた香川がちょっと上だけどほぼ同じ。ところが2008年になると、
●オアフ島…452万円
●香川県…258万円
これまた2倍近くぶっちぎられているではないか! この10〜15年、香川はいったい何をしていたのか!

 で、何をしていたのかさらに調べてみようと、行政の予算も比較してみたのである。すると、2011年度当初予算の規模は
●オアフ島…2209億円
●香川県…4275億円
何だこれは! GDPで香川はオアフの半分しか稼いでないのに、行政は2倍もお金を使っているではないか! 何事なのだ、と思ってさらに突っ込んで明細にたどり着いて確認したら、

<歳入>
●オアフ島
税収…………1231億円
料金等収入… 555億円
繰入金……… 324億円
補助金……… 99億円(国と州からの補助金)

●香川県  
税収…………1215億円
料金等収入… 562億円
繰入金……… 179億円
補助金………1637億円(地方交付税、国庫支出金等)
県債………… 684億円

 どういうことかわかります? よく見ると、税収と料金等収入のいわゆる「自主財源」の額はほとんど同じなんです。ところが、その上に香川県は「依存財源」の国からもらうお金が1637億円(!)も乗っかり、さらにその上684億円も借金をしているわけです。オアフ島は国からもらうお金はわずか99億円だけで、しかも借金もしてない。その差だけで香川は予算規模がオアフの2倍に膨れ上がっている。繰り返すけど、香川はオアフの半分しか稼いでないのに(GDP)、2倍ものお金をいったい何に使っているのか?

 明細は細かいのでここには書きませんが、「インタレスト」に全部載せました。我々の分析を大意で言えば、
●オアフ島(ホノルル市&郡)は、民間が稼いだお金を行政がなるべく取り上げずに民間の中で回して、その結果ビジネスがどんどん活性化してGDPが伸びて市民の所得が増えたと考えられる。
●香川県は、民間が稼いだお金を行政が取り上げてビジネスを生み出さない人たちに配り続けて来た結果、ビジネスが活性化せず、従ってGDPも伸びず、結果個人所得も伸びなかったと考えられる。しかも一旦配り始めたお金をもらった人たちは既得権としていつまでももらい続けようとし、行政も自分のお金でないから前例主義で配り続け、それを正すべき議員は選挙で通ることが目的だから決して配るお金を削らず、そうこうしているうちに税収が伸びないのにもらう人と配る人が増えていくもんだから当然お金が足りなくなり、足りなくなっているのにそれでも借金をしてまで配り続け…ということに違いないと。

 要するに、民間が頑張って稼いだお金が「どこに回っているのか?」の違いなのだと思う。GDPを伸ばそうと思ったら、GDPを伸ばす能力と意思のある者にお金を回す。個人所得を伸ばそうと思ったら、個人所得を伸ばしてくれる能力と意思のある者のところにお金を回す。考えてみれば当たり前の原則であるのにそうなっていない(GDPも個人所得も伸ばしてくれない者のところにお金を回している)ということは、これまでの香川県のリーダーは「GDPも個人所得も伸ばさない」という目的を持ってやっていたということになるのではないか。「いや、伸ばそうと思ってやっていた」と言うなら、それは「能力がなかった」としか言いようがないのではないか。

 ほんと、何をやっていたんだろう。ビジネスの世界でも無能な経営者に限って業績の悪化を景気や社会動向のせいにするが、ほとんど同じサイズのオアフ島がたった15年でGDPも個人所得も倍増近くに増やしたのである。あっちは世界中から人が来る観光地だと言っても、実はハワイの観光客数(発表されている数字は宿泊客カウントだから、香川みたいにビジネス客も通勤客も帰省客も全部一緒にした水増し観光客数とは違う)はこの15年間、ほとんど伸びていない。さらに言えば、あっちは絶海の孤島だぞ。こっちは地方都市とは言え、交流人口は圧倒的に多いんだぞ。

 ほんと、何回も言うけど何をやっていたんだろう…というか今も何をやってるんだろう…と、今回の特集を作っていてつくづく思いました。そんなテイストの「インタレスト」11号です。あと、松本君とS原が死ぬほど頑張ったら6月の初旬には発行できるはずです。お楽しみに…と書いたらみんなものすごく楽しみにしてるぞ! と、自分が山を越えたら鬼のようにプレッシャーをかける私(笑)。
2011年5月23日(月)

 松本君、本日午後7時12分、私は山を越えたぞ。
2011年5月19日(木)

 もうちょっとで山を越える。あと4〜5日。
2011年5月13日(金)

 午前中の授業を終えて午後、泥沼のインタレスト作業に突入すべく編集室に入ったら、学生たちが私のことを心配していると言うのである。いいんだよ、確かに私は頑張って体を酷使しているけど、私はきみらより先が短いんだから、将来ある君たちの方が大事だ。心配してくれるのは涙が出るほどうれしいけど、大丈夫だ。自分のことは自分で始末をつけるから、君たちは自分たちのことを一生懸命考えて努力して、成長して、ニッポンの将来をしっかり担っていってくれ…という気持ちをグッと抑えて、「何や?」と聞いたら…

トミ「昨日の晩から、ツイッターで田尾先生のことが話題になってましたよ。“田尾先生の、入っとんちゃうん?”言うて」
田尾「何が入っとんや」
トミ「JTがたばこの廃止銘柄を発表してたでしょ。それ見て、“田尾さんの吸ってるの、入っとんちゃうん?”“何か、聞いたことのあるたばこの名前があったような…”“田尾さんの好みのもの、今まで何回も消えたやろ? 絶対また入ってるって(笑)”とか、いっぱいフォローされとった」
田尾「たばこの話か! 廃止リスト、どっかに出とんか?」
O谷「出てますよ」

 O谷がネットでリストを出した。それを見たら、

田尾「あーっ! 入っとる!」
トミ「マイルドセブン・スペシャルライト、入ってますよ!(笑)…あれ、その下のマイルドセブンFKって、スペシャルライトがない時に仕方なく吸ってたやつ違うんですか?」
田尾「あー! FKも入っとる!」

 私はかつて、あらゆる銘柄の中で「マイルドセブンFK」が自分の嗜好に一番合っていたのでFKをずっと吸っていたのだが、その後、FKをさらに上回る嗜好にピッタリの「スペシャルライト」が出て、以来10年か15年か20年か記憶にないくらいずっとスペシャルライト一本で(何本も吸いよるけど)来ている。で、たまにどうしてもスペシャルライトがない時は仕方なくFKを1箱買う、みたいな感じで今日まで来てたのである。そしたらこの仕打ち(笑)だ。

 「マイルドセブンシリーズ」は全25銘柄が発売されていて、今回、その中で人気のない4銘柄が廃止されることになったのだが、その廃止4銘柄のうち2つがスペシャルライトとFK! しかもあと2つはメンソールだから、メンソールを除くとマイルドセブン全20銘柄のうち、廃止された2銘柄がドンピシャ、私の吸っている2種類! 俺、狙い撃ちか(笑)。

トミ「やっぱ田尾先生、すごいわ!(笑)」
O谷「やっぱり何か持ってますね(笑)」

 実は、薄々心配はしていたのである。もう7〜8年前になると思うけど、マイルドセブンシリーズが全面的にパッケージデザインを一新した時、スペシャルライトとFKだけ旧デザインのまま変わらなかったのだ。あの時、「あー、この2つ、たぶんあんまり売れんから置いてけぼりになったんちゃうか?」と思っていたのだが、やっぱりそういうことか。

 それにしても、ほんまに私の好みの物、よう消えるなあ。思い起こすまま「私がものすごくはまってそればっかり食べたり飲んだりしていたら消えた商品」を書き出すと、
・イカ番頭
・ダイドーの「アクアレモンライト」
・ダイドーの瓶入り「スポーツエネルギー」の青瓶と緑瓶
・森永コーラス
・スラムダンクバー(アイス)
・カモ井の「ゆでピー」
・am-pmの「マスカルポーネ」
ラインナップ、おかしい?(笑)

溝渕「じゃあ、もうたばこやめるんですか?」
田尾「ここまで見事に狙い撃ちされたら、さすがの俺も考えないかんやろ。敵は巨大なJTやからな。一人で戦うには限界がある。しょうがないのー、パーラメントに変える」
トミ「外国産にしただけじゃないですか!」

 私の周りでスペシャルライトを吸っているのは県庁の小河さんだけだ。小河さん、俺、パーラメントに変えるわ。パーラメントの9ね。ちょっと落ちるけど、あれがたぶん、味と風味が一番スペシャルライトに近いと思う。
2011年5月9日(月)

 朝、ガソリン切れのランプがついていた上にこの2週間の間に黄砂をかぶって車が土色をしていたので、本日は晴天であることを確認して「ハイオク満タン、洗車」したのだが、まずかったかな…。天気予報見てないし。何か不安になって新聞の週間予報を今見たら…えーーーっ!! 明日雨か! テンションうなぎ下がりの今、夜の9時です。

 今日は授業のない日であったが、相変わらず朝から研究室で仕事に追われた。気力を振り絞って2時間ほど集中していて、背中が張ってきたのでちょっと背伸びしてコーヒーを入れようとしたら、ポットの湯が底をついていた。私の研究室から隣の近藤先生の研究室、学長の研究室、神野先生の研究室、実習室、教員ラウンジをはさんでその次に学科事務室があって、そこに流し台がある。私はポットに水を入れるため、ポットを持って研究室を出て、学科事務室の鍵を開けて流し台の所に行った。

 すると、流し台の真ん中にある排水口の中にセットしてある、あれ、何て言うんかな、ゴミを取るやつ。直径10センチくらいの、ゴミ受けか。ゴミ受けの中に、お茶っ葉のカスがいっぱい入っていた。そこで私はゴミ受けを取り出して、ゴミ箱の中にゴミ受けを逆さにしてコンコンとやってお茶っ葉を落として、結構しつこかったのでさらに指で掻き出して全部落として、再びセットしてちょっと手を洗うために水道から水を出した。そしたら、何かゴミ受けに水がたまるのである。

 よく見ると、2ミリ角くらいの無数の小さな穴のほとんどが黒くなっている。汚れで詰まっているのだ。私はそこにあった金タワシを持って、水を流しながらゴミ受けの中と外(底)をゴシゴシ洗い始めた。ところが、なんぼゴシゴシやっても目詰まりが全然取れん。どういうこっちゃ。

 こういうことであった。すなわち、このゴミ受けの底は薄い金網状態ではなく、プラスチック製で2ミリほどの厚さがある。だから、金タワシで表面をこすったのでは2ミリの深さの穴の中のゴミが取れないのだ。

 ゴミ受けの底には一辺2ミリ、深さ2ミリの穴が無数に空いている。それがほとんど全部黒く詰まっている。無数というのも言い過ぎだから計算すると、底は直径10センチくらいの円だから、面積は半径×半径×円周率で78.5平方センチ。1平方センチに一辺2ミリの穴が、およそタテヨコ4個ずつ計16個空いているとすると、16個×78.5平方センチ=1256個空いていることになる。うーむ、どうしたものか…。

 私は考えた(すでに「おそうじスイッチ」が入っている・笑)。そして、ひらめいた。急いで研究室に帰る。棚の中を探すと、あった。1月のセンター試験の日に出た弁当の割り箸の袋の中に入っていた爪楊枝を、何かあった時に使えるかもしれんと思って(何に使えるんじゃ)クリップや輪ゴムを入れているケースの中に放り込んでいたやつ。私はそれを持って、再び流しに行った。そして、ゴミ受けの底の穴を一つずつ、爪楊枝でほじくり始めたのである。

 おお、穴が空いていくぞ。これはいける、ということで、水道の水を流しながら、爪楊枝で一つ一つ黒いゴミをほじくりながら穴を空けていく。10個……20個……30個……よし、直径の一番長い列、一列完了。かざして見ると、黒い点で埋め尽くされたゴミ受けの底に一列だけ、白い穴の線が一本浮かび上がった。おおー、美しい(笑)。

 しかし、無心の作業も数列までだった。爪楊枝の先が傷んでくるにつれ、私の頭も少しずつ冷静になってきた。何か、かなり効率の悪いことをやってるような気がする。もちろん、やれと言われれば(言われてないけど)単純な連続作業に無類の強さを発揮する私であるからこのままやれないことはないが、何か他に効率的な方法があるはずだ…と思っていたら、後方のドアが開いて片山先生が入ってきた。

片山「田尾先生、どうされたんですか?」
田尾「かくかくしかじかで、そうじのスイッチが入ってしもたんや」
片山「ご苦労様です。私も手伝いたいのは山々川々ですけど(いつもこのレベルのギャグを言う)、このあと授業が…」
田尾「こんなもん手伝わせられんわ(笑)」

と言った時、私はあることを思いついた。そうだ、いつもさわやかな片山先生なら持ってるかもしれん。

田尾「片山さん、歯ブラシのいらんやつ持ってない?」
片山「歯ブラシですか、ちょっと待ってくださいね」

しばらくすると、片山先生が歯ブラシを1本持ってきた。

田尾「これ、使い捨ててええ?」
片山「いいですよ」

 私はさっそく歯ブラシ作戦を開始した。歯ブラシでこするのではなく、水を流しながら、歯ブラシの毛の部分を穴にガシ、ガシと突き刺すように洗っていく。すると、爪楊枝で穴を一つずつ突き刺していたところを、歯ブラシの毛がいっぺんに10個以上の穴に刺さってゴミを突き抜いていくではないか! おお、素晴らしい!

片山「どうですか?」
田尾「絶好調(笑)」

 約10分後、あんなに汚れていたゴミ受けが見違えるように、このままホームセンターに置いてたらあわて者のO谷が買っていきそうなくらいに、美しくなった。これでいつも「インタレストの子が流しを使っても全然洗わない!」と怒られていた山本先生に大きな顔ができるぞ。というか、何で俺が尻ぬぐいやねん。というか、この忙しい時に何やってるんだ。すみません、一瞬の現実逃避でした。松村は現実頭皮の問題を抱えてるけど(もうええっちゅうに)。午後、仕事の合間に松本君に生存確認の電話。お互い、死にそうな声で励まし合いました(笑)。やるぞーーー!

 ちなみに今日は家内の誕生日につき、いつもの割烹「遊」に行って、いつものご飯とおかずと味噌汁の上にかき揚げを二人で2コ奮発して食べてきました。
2011年5月4日(水)

 ゴールデンウィークにインタレストでこんなに追い込まれるとは思ってもいなかったため、2ヵ月くらい前、「丸亀お城祭りのステージイベントに出てくれないか?」という景山君(第4代うどん王)からの依頼をうっかり(笑)受けていたのである。それが今日。イベント内容は、引退した宮武の大将が会場でうどんを打ってお客さんに振る舞うというもので、打ってる間の時間つなぎに、RNCの鴨居真理子さんの司会進行で麺通団の私とH谷川君と景山君と徳島の名麺堂の大将たちがバカ話をするという段取り。午前10時半に会場集合、10時50分開始ということになっていた。

 私は会場の詳しい配置図がわからないので、10時過ぎに丸亀のうどん屋の前でH谷川君を拾って、そこから会場までたぶん10分足らずだからH谷川君のナビで現地に行き、たぶんちょっと早めに着くから祭り会場を軽く探索してステージに向かう、という計画を立てた。ということは高松を9時20分くらいに出れば大丈夫。そこで、近年老人力が充実してきた私は今日も朝7時頃から、家で仕事をやっていたのである。

 外は相変わらずのひどい黄砂。2キロくらい先のサンポートシンボルタワー(最新の『ゴルゴ13』では「シンボルツリー」となっていますが・笑)がほとんど霞んでいる。その後方5〜6キロ先の屋島は全く見えない。ちなみに昨日、都村さんと会って「今朝、網戸状態で2時間ぐらい仕事してたら机がうっすらと白くなってて、あわてて窓を閉めましたよ」とか言ったら、しょっちゅう中国に行っている都村さんに「これぐらい、中国に行ったら『今日は空気が澄んでるなあ』とか言われますよ(笑)」と言われた。彼の地の黄砂は100メートル先が霞むほどだという。ひどい時は数十メートル先しか見えないという。すると、もっとひどくなると自分の足元しか見えなくなるのではないか? ということは、さらにひどくなると自分の後ろが見えるんちゃうか? とかいう「ない話」が浮かんだが、都村さんは「ない話」には絶対乗ってこないからグッと抑えて…(笑)。

 で、朝からインタレストの制作作業に没頭していて、ハッと気がついたら9時半になっていた! うわっちゃー! 「10時にH谷川君」の計画崩壊! あわててH谷川君に電話して「遅刻する。けど、10時半現地集合は何とか間に合うやろ」言うて、しかし焦らず安全運転で10時20分に丸亀でH谷川君と合流。そこから直ちに車で会場に向かった。

 ところが、会場周辺の祭り用駐車場がすでにことごとく満車ではないか! H谷川君の指示に従って丸亀城の周りを回りながら駐車場を探すが、次々に警備のおっちゃんに「向こうに行って」と指示される。時計はすでに10時半を回った。

田尾「景山君に電話して、駐車場を探してて遅れるけん、50分ギリギリになる言うとけ」
H谷「了解しました」
田尾「もし50分にも遅れたら、鴨井さんに適当につないどってくれって(笑)」
H谷「けどこれ、駐車場、かなり厳しいかもしれませんね」
田尾「斉賀(製麺所)に止めるか」
H谷「いや、斉賀はちょっと遠い」
田尾「ほな、斉賀に止めて社長に送ってもらう(笑)」
H谷「むちゃくちゃ言いますね!」

 などと言っていると、「空」という表示の出た有料駐車場を発見。

田尾「よし、消費活動じゃ。ここに入れよう」

 結局、10時45分に会場に到着しました。

田尾「まだ5分あるけん、アイスクリン買おう」
H谷「そんな余裕ないですよ!」
田尾「消費活動せな」

 200円のアイスクリンを買って食べながらステージ横に行くと、あとで聞いたら「田尾さんがまだ来ん!」って焦ってたらしい鴨井さんが、今まさにステージ上でしゃべり始めたところだった。その横で宮武の大将がうどん作りを始めている。鴨井さんが私らを見つけた。ステージ上からマイクで、

鴨居「アイス食べながらでいいですから早く上がってきて下さい!」

 会場から笑いが。よし、軽いツカミオッケー(笑)。ステージに上がると、鴨井さんが進行表を見ながら宮武の大将を紹介。それから私を紹介。これもあとで聞いたのだが、鴨井さんも直前まで何をどう進行するのかすごいアバウトな指示しかもらってなかったそうで、もう手探りで台本を読むみたいな進行をしていたので、瞬時にそれを察知した私はゲストだけど「一緒に進行しましょうか?」言うて、もうそこから二人で進行表も見ずに時間配分無視でぶっ飛ばしました(笑)。いや、後ろに次のステージイベントが控えていたのでケツはきっちり収めないかんということで、鴨井さんはハラハラしながら時間を気にしてたみたいですけど(笑)。

 昼12時にイベントを終えて、H谷川君とお祭りの会場を探検してきました。

田尾「丸亀のお城祭りは、ポテンシャルは絶対高松まつりより上や」
H谷「ほんまですか! 僕、毎年来てますけど、高松まつりの方が絶対上やと思ってましたけど」
田尾「会場のポテンシャルが違うんや。高松の中央公園VS丸亀城公園やと思ってみ? この会場の客の回遊性のおもしろさは、中央公園〜商店街とは格が違う。あとはソフトの問題やが」

 それからいろいろ、丸亀のお城祭りの可能性とかを話しながら物産販売コーナーとかをうろついていたら、丸亀の市役所の人に声をかけられた。曰く、大学に正式に依頼に行こうと思っていたところに私を見かけたので声をかけた、ということで話を聞いたら、市の何かの基本計画策定の懇談会みたいなのに委員で入ってくれないか? という依頼だったので、ものすごく申し訳ないけど…と断って辞退させてもらった。

 かつて私は、市の基本計画策定の懇談会に2回、委員として参加したことがある。1回目は知人がその懇談会の座長を務めるということで、そういう会議がどんなものであるかも知らなかった私は断る理由が見つからずに出席したのだが、求められるままに自分の意見を話しながら会議を重ねていくうち、これはダメだと思い始めた。つまり、乱暴な言い方をすると、会議には地域のいろんな分野(農業とか福祉とか教育とか…)の利益を代表する方々が参加しておられ、その方々は当然自分の担当分野のことを基本計画に盛り込んでもらうことが大きな目的で、一方とりまとめ側(市)は彼ら「市民」の要望をなるべく全部盛り込んで不満のないように作文することが第一の目的で、もっと言えば、結局はあらかじめ想定した答に収斂させることが目的で、そのために懇談会を使って「市民と識者の意見を聞いた」というアリバイを作ることがこれまた目的なのではないか…という感じを強く持ったわけである。

 結果、最終報告は思った通り、総花的な、今までとほとんど何も変わらない基本計画とやらができあがってきた。私は仲間たちから「田尾さんが入っててこんな基本計画になったの?」と言われるのがつらくて、市の担当者に「申し訳ないけど、最終報告の中から私の名前を抜いてくれませんか?」と頼み込んだのである。

 2回目はまた別の市からの依頼だった。私は絶対こないだと同じことになると思って断ったのだが、そう言ったら信頼する市長から「そんな会議には絶対しないから」と言われて、仕方なく参加した。そしたら、やっぱり結局大筋では同じようなことになって、また「すみませんけど私の名前を抜いて…」みたいなことになった(笑)。丸亀市の方、申し訳ございませんがそういうわけで(お会いした担当者の方にはそういう理由を全部申し上げましたので)この件はご勘弁を。

 午後1時、大学に行って学生5人とインタレストの編集作業に突入。夜7時頃まで頑張って、あとは家に持って帰ってやることにして解散。中国の黄砂のように全く先は見えないが、いずれ必ず視界は晴れる。でも頑張らないと、晴れた先に喜びのない視界が待ってたりするから(笑)。頑張ろ。
2011年5月2日(月)

 黄砂がひどくて仕事場の窓が開けられん。霞んだ山を見て「うわ! あっちの方、すごいことになってますよ!」と叫んだ学生がいたが、あっちからこっちを見たらこっちもすごいことになっとんじゃ。こっちからあっちを見る時には必ず頭の中で「あっちからこっちも見てみる」のが大切やいうて授業で何回も言うてるんやけどなあ(笑)。

 今日は、遅れに遅れているインタレストの作業で、朝8時過ぎに大学に到着。2時間ぐらい一人であれやこれややって、10時頃から富永、金藤、溝渕、田村、岡内、大津の6人の学生も到着。そこへ10時半頃、四国新聞の雀鬼・S本君が来て取材を受ける。

S本「もう何年も来てないから、学生さんたちの顔ぶれが総入れ替えですね」
田尾「この中に編集長がおるんやけど、どれかわかる?」
S本「(一発で富永を差して)彼女でしょう」
田尾「うわ正解! 何でわかるんや!」
S本「だって見てたら、一人だけ雰囲気違いますもん(笑)」

 みんなと一緒に普通に雑談しながら作業してただけやのに、さすがの眼力だ。その眼力が麻雀にも生かせたらええんやけど(笑)。それからS本君と昼前まで地域経済についての議論をしながら、わざと少し大きめの声で学生たちにも聞かせてやる。で、S本君が帰った後、私の横で聞いていた岡内に感想を求めてと。

田尾「どや、大人の会話は」
岡内「すごいですね。相手の話をちゃんと聞きながら、切り返しの質問もすごいレベルが高いし。相手の話を引き出すのがうまいから、話がすごい密度が濃いままどんどん展開する」

 日々刻々、教育である。12時半頃、腹が減ってきたので全員で「はまんど」に行くことにする。おっと、出発前に大事なことを忘れとった。電話電話。

田尾「田尾でーす」
H谷「H谷川です」
田尾「はまんど、今日開いとる?」
H谷「水曜定休ですから開いてると思いますけど…って、ラーメン屋ですやん!」

 などという小ネタを織り交ぜて1日の活動にアクセントをつけながら(笑)、午後から背水の陣の追い込み作業に突入した。富永と溝渕と大津は「世界の日本料理店のネーミング大調査」の、すでに4000軒近く集めたデータの気の遠くなるような分類作業。田村と金藤は香川県のいろんな基礎データを新しい視点でいろんなものと比較する作業。岡内は私とマンツーマンで「香川の交通マナーのインタレスト的大調査」の最終仕上げ作業。

田尾「ええか? これ、調査項目が6つやろ? で、1つの調査項目の中に、見せたいもの、というか入れるものがそれぞれ5つずつある。全体の比率、男女別の比較、年代別の比較、男女別年齢別のクロスランキング、ほんでコメントブロック。これをな、全部の調査項目について同じ形で並べたら、デザインとしてはすごくスッキリする。けどな、項目ごとに、一番見せたいテーマが違うやんか」
岡内「違いますね」
田尾「この項目は、一番見せたいデータは男女別のこの驚くべき調査結果やら。けどこっちは、絶対年代別のこの結果がおもしろい。こっちはまた違う。さあ、どう見せる?」

 見せ方を決めるのにああでもない、こうでもないと1時間。続いて、集計データを表で見せるかグラフで見せるか、表ならタテヨコに何を置いたら一番伝えたいメッセージが読者にわかりやすいか、文字の大きさは? 言葉の表記は? グラフはどんなのにするか? ランキングはどんな表記にするか?…みたいな検討に1時間。その間、ベストな仕事環境を整えるため、ジョニー・グリフィンとウィントン・ケリーのCDをセットし、外付けのスピーカーの音質調整をし、スピーカーの配置を吟味し、ポットとハマヤのブルーマウンテンNo.1を最適の位置に配置し、チロルチョコきなこもちを並べ…ほんまに忙しい。

溝渕「あの2人、力を入れるところ、絶対に間違ってますよね…」

 ふー、「長期戦の戦い方」の経験がまだまだ足りんな(笑)。

 それからやっと、原稿と割り付け作業の本番に突入した。一人でやればもっと早いのだが、これは授業なので(連休中だけど)今日は私が文章を考えながらしゃべり、岡内に口述筆記させるという作戦を敢行した。

田尾「見出し、『マナー最低は若者だ!』」
岡内「いいですね(笑)。鉄槌ですね」
田尾「本文いくぞ。このデータから言えることは、これと、これと、これ。複数ある時は優先順位をつけて、行数によっては優先順位の低いやつはカットする。そういうわけで」
岡内「……」
田尾「そういうわけで」
岡内「……」
田尾「そういうわけで。…打たんか!」
岡内「え?! もう原稿に入ってたんですか」
田尾「『そういうわけで』から書き始めるんじゃ」

 ま、そんな私テイストの文章がどうなのか、という問題もあるが(笑)、とにかくあれやこれやと意見を出し合いながら、口述筆記、割り付け、また口述筆記、割り付け…途中でもっと良さそうな見せ方が見つかって割り付けのやり直し…等々。で、気がついたら飯も食わずに夜の11時になっていた。三々五々解散して、残っているのは私と岡内と田村の3人。

田尾「あかんわ、これ絶対に今日中にできん。今日はこれぐらいにしといてやるか」
岡内「まだムダに元気はあるんですけど、そうしますか」
田尾「そうしてくれ。俺の睡眠不足がちょっと危ない」

 とりあえず明日、残りは私が仕上げることにして解散しました。家に帰ったら午前0時前。1時半に寝て、明日は7時起きじゃ。こないだ本を5冊も買ったのに、まだ1冊も、1行も読んでない。そのうちの1冊は『ゴルゴ13』だけど(笑)。ゴルゴさえ読めないというところにただならぬものを感じてね(笑)。
2011年5月1日(日)

ふえー、5時半に寝たのに7時に起きた。だいぶ「老人力」がついてきたぞ(笑)。午前中に一仕事を終え、12時頃に車で家内と食事に出る。黄砂をかぶって汚くなった車を見るだけでテンションが下がるので洗車したいところだが、ゴールデンウィークでお出かけの皆さんに雨を降らしてご迷惑をおかけしてはいけないのでグッと我慢して(笑)。

 消費活動促進のため、今日は気合いを入れて錦町に移転した「南風」でうな重を食べようと決めて、全身「ウナギの口」になって突撃したら、定休日だった。H谷川君に確認しとくべきだった。

H谷「ウナギ屋の定休日まで知らんですよ!」

 頭の中のちっちゃいH谷川君がツッコんでくるが気にしない。仕方なく、ちょっとその辺を車でさまようことにした。閑散としたオフィス街に小さな人だかりを発見。見ると、セルフうどん店にリュックみたいなのを背負った若者とか、明らかに県外客だと思われる人たちが行列を作っている。その近くの普通のセルフも、入り口の外まで人が並んでいる。普通のセルフでこれだということは…

家内「竹清はすごいことになっとんちゃう?」

 様子見に竹清の前を通ったら、うわー! 角を曲がって英明高校の裏口まで行列! 数週間前、KSBから「自粛ムード」のミニ特集で取材を受けて「ゴールデンウィークのうどん店も影響を受けますかねえ」と聞かれて、「例年の行列を構成している客の属性を考えると、たぶん同じくらい行列ができるんちゃいますか?」と答えたのだが、今日見た3軒は盛況のようだ。どこも変わらず好調であってくれればと願っています。

 で、その辺をぐるぐる回りながら全身ウナギの口をリセットして、食堂イタミへ行きました。いつも525円のオムライスを食べているところ、「ウナギの口」は収まったが「ウナギの財布」はまだ勢いを持っていたので、家内は唐揚げ定食735円、私はビーフカツ定食1050円だ(笑)。ちなみにイタミの唐揚げは使ってる肉の部位が違う。一切れはちっちゃいけど脂身なんか入ってなくて実にさわやか。居酒屋で出てくるのとはわけが違う。でも735円だ(笑)。

 で、店内に朝日新聞があったので注文したメニューが出てくるまで読んでたわけです。以前にも書いたが、私は大学生の頃まで全国紙は朝日新聞を読んでて、卒業してからは毎日新聞を取ってて(大学時代に系列のスポニチでバイトしてたからその流れで)、その頃、信頼できる人生の先輩からいわゆる「右」とか「左」とかいうのを教えてもらって初めて「メディアによる洗脳的影響」があることを知り、それで初めて産経新聞の存在を知り(失礼)、それまで「左」の考え方ばかりを頭に入れていたことを知り、そこで家の新聞を「右(というより真ん中のような気もするが)」の産経新聞に換えて、でも今度は右一辺倒になってもいけないので四国新聞も一緒に取って(地元の記事が一番多いし、その他の大半の記事は左っぽい共同通信の記事だから)、頑張って自分の頭の中のバランスを取ろうとしているのである。

 そういうわけで、時々外で新聞を見る時は、一番左(笑)の朝日新聞を意識して読んでいるのです。ちなみにここまで、天下の読売新聞の名前が出て来ませんが、あそこは私的にスポーツ欄が好みでないので(笑)。すみません。

 この日の朝日新聞には、社説、いろんな識者のコメント、編集部に選抜された読者の声、それからこの日は何か論説のエライ人が代わったらしくてご挨拶のような評論も載っていたのだが、読んでたら、ちょっと気分が悪くなってきました(笑)。

 産経新聞をしばらく読んでたら、朝日新聞の記事のすごく細かいところがわかるようになってきたのである。ただの事実を伝えているようなニュース記事も、言葉遣いとか文末をちょっと換えて、また最後に付け加えた一文とかで、実に巧妙に読者をある方向に誘導している。例えば、最後に「論議を呼びそうだ」の一文をつけただけで「これはよくないことですよ」という意識を読者に植え付けることになる。「論議を呼びそうだ」の一文は、たいてい「自分たちが論議を呼びたい」という目的でつけられたものだと思う。私もたぶん若い頃まで、それにまんまと乗せられていたわけで(笑)。そういうのが見え始めると、読んでてちょっと気分が…。

 とりあえず今日は、早朝に「岩」を片付けたあまりの達成感からプチ油断モードに入って(学習せんなあ)、水槽の中の水草の葉っぱにつき始めたコケを念入りに取るというマニアックな作業を行いました。途中、いつも水草の森に隠れてしばらく姿を見なかった美しい「ベタ」を久しぶりに発見!…と思ったら、死んでた。今日はテンションが上がったり下がったり。明日は朝から編集室にスタッフ集合でインタレストの追い込み作業。四国新聞のS本君が取材に来るらしい。記事のネタがなくなったんか?(笑)
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