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2012年12月の日記
2012年12月31日(日)

 今年の年末は夜更かししてしまった。

 30日は朝から底冷えのする上原んち(もうええっちゅうに)で学生3人と私と上原でゼミ活動の報告DVDを作ってて、一段落付いた時には日付が変わっていた。それから家に帰って午前4時までパソコンで作業して寝た。

 31日は9時過ぎに起きて、夕方までパソコンで作業。それから家内の実家に行って、カニ食ってエビ食ってそば食って寿司食って赤飯食ってミカン食って、深夜0時半に帰宅。それから午前3時半までパソコンで作業して寝た。

 何の作業をしているのかというと、2006年に『インタレスト』で発表して讃岐うどんファンと関係者を騒然とさせた「讃岐うどんの強者50人が白状した『私の好きなうどん店ランキング』」の最新版を作っているんです。香川県内全域にわたって数百軒〜延べ1000軒以上食べ歩いてきた讃岐うどんの強者たち40〜50人に、2週間ぐらい前にアンケートの依頼状を出して「締切は12月31日、除夜の鐘の1発目が鳴るまで」と書いてたら、さすが強者たち、締切ギリギリの30日頃からアンケートが集まり始めて、それを来た端から集計しているわけです。1月3日までに上げないといけない書き物が2本もあるというのに(笑)。

 集計方法は、まず各人が「私の好きなうどん店」を50軒ずつランキングにして送ってくる。そのランキングを「1位50点、2位49点、3位48点……50位1点」と換算して、50人分を全部合計して総合ランキングにするという、なかなか壮大なもの。50人の回答者は、麺通団から私、H谷川君、ごん、団員D々、S原、京都支部長別P君、盛の大将。D々と別P君を起点にした讃岐うどんマニア軍団の選りすぐりたち、S原を起点にした地元で讃岐うどんの取材を長年にわたって続けている編集者やカメラマンの方たち、地元マニア軍団の総帥H本酒店のS藤社長を起点にした“讃岐うどんに関してはどうかしてる強者たち(笑)”。そしてさらに、何と麺聖森村まで加わっているという、そうそうたるメンバーです。

 さらに今回は、加えて同じメンバーで「私の好きなあの店のあのメニュー」という項目も集めています。今朝4時の時点で29人分の集計まで終わりましたが、まだ数人「除夜の鐘がどうしても聞こえません」というメンバーがいるので(笑)、最終結果は1月6日頃になりそうです。2006年のトップ10は、「がもう、山越、宮武、香の香、谷川米穀店、なかむら、松岡、竹清、やまうち、おか泉」の順。今回、29人分集計時点で新興勢力が数軒、トップ10を窺う勢いで伸びてきている。いやー、おもしろいなあ、私だけ(笑)。でも、締切原稿が迫っているので、正月から3日ほど集計作業はストップです。
2012年12月29日(土)

 一昨日帰ってきてたのですが、目の前の仕事がなかなか片付かなくて、このままでは明日の毎年恒例の「底冷えする三木町の上原んちで一日中作業する年末」に手ぶらで行かないかんようになるので、ずっとパソコンを前にうなっていました。とりあえず、さっき何とか明日上原んちに持って行くシナリオ原稿に格好が付いたので、寝る前にちょっと更新。

 天橋立は雪でした。火曜日の昼過ぎに天橋立駅に着いて、こっち側から観光船に乗って向こう側に行って、ケーブルカーに乗って傘松公園とやらに上がって下りて、雪の残った町の中をちょっと散策して、温泉ホテルに泊まりました。一応、見るべき物は見て聞くべき話もだいたい聞いてきたので、あとは帰っていろんな数字やデータを集めてまとめることにする、と。

 水曜日は天橋立を出て京都に行って、四条烏丸から錦市場に入って、河原町まで、四条と三条の間の縦横の道を全部歩いた後、先斗町をずーっと歩いて、鴨川を渡って向こう側をまた四条の方に帰って、南座の前で「20年ぐらい前にここで大駱駝艦の暗黒舞踏『海印の馬』を見たなあ」と感慨にふけりながら、八坂神社の南側の旅館に泊まりました。祇園の、ええ感じの旅館でした。小さなフロントで若い感じのいいフロントマンのおにいさんに名前を告げると、にいさん、何やらパソコンをカチャカチャやって、しばらくカチャカチャやって……

にい「すみません、もう一度お名前をいただけますか?」
田尾「田尾です」

 その瞬間、横にいた家内が、

家内「チャオ様とか打ってないですか?(笑)」
にい「あ、すいません(笑)。外国の方かと…(笑)」

 ホテルで「チャオ様」と間違えられたん、人生で2回目じゃ!

 ま、とても感じのいいにいちゃんだったのでオッケー(笑)。仲居さんもおもしろい人で、いろんな話が聞けてとてもいい一泊でした。今回の取材旅行、小ネタはいっぱいあるし、天橋立と京都と香川の比較で思うところもいくつも得たけど、もうちょっと整理してから機会があれば書けることだけ書くとしよう。京都は久しぶりですが、歩いているといつも歌が浮かんでくる。うめまつりの「北山杉」ですけど、まだちょっと頭の中を巡っています。さ、明日上原んとこでうまいこと進めば、大晦日はちょっと息をつける。
2012年12月24日(月)

8:00 起床。今日は7時間ぐらい寝た。

8:20 昨日の夜、デリバリーで買ったピザの残りを3切れトースターで焼き直して、牛乳を温めて、新聞を読みながら1切れ食べて何かお腹が一杯になったので朝食終了。

8:40 魚にエサをやって、ススムのミカンを3個食べて、2本目の原稿に取りかかる。

10:30 原稿を中断して水槽を眺める。うーむ…真ん中あたりの水草がかなり密集してきたな…と思っていたらスイッチが入って(笑)、30分ほど水草のレイアウトをいじる。こないだ買ってきたマッターホルンの先っちょみたいな石がよく見えるように、少し水草を脇によけて、なかなかええ感じになったぞ。

11:00 再び原稿に取りかかる。今日の原稿は少し短めなので、全体の組み立てはすでにできている。あとはブロックごとのロジック整理と言い回しに集中するだけだ。

12:20 勝谷さんから電話。「クリスマスイブに一人で東京麺通団に来てます(笑)」って。

12:30 魚にエサ。もう水草いじりのスイッチは入らない。家内が「昼、何食べる?」と言うので「あんまり欲しないけん、ええわ」と言って、そのまま原稿制作を続ける。

13:00 仕事部屋から居間に行くと、家内が真っ赤な顔をして台所の掃除をしていた。何事だ! 熱でもあるのか、と思ったら、甘酒を飲んでいた。こないだ買ってきた酒の粕が、かなり酒が強く残っているやつだったらしい。わが家は2人揃って、酒にメチャメチャ弱いんです。私は勝谷さんのせいでおちょこに3杯くらいは飲めるようになったけど。

14:00 ちょっと原稿を中断してススムのみかんを3つ食べていると、H谷川君から電話。こないだ、アンケートの依頼をしたら「一福にアンケート用紙を渡しておいてください。あとで取りに行きますから」と言うので一福に届けていたのだが、H谷川君、年末で仕事がメチャメチャ忙しいらしくて、今日、一福に取りに行ったらしい。そしたらアンケート依頼書に「締切…除夜の鐘の1発目が鳴るまで」と書いてあったらしく(私が書いたんだけど・笑)、目が点になって電話をかけてきたらしい。人間、追い詰められたら底力が出るんぞ(笑)。

14:20 原稿再開。

17:40 メールを1本送る。

18:00 何と、1日で原稿がアップした! さっそくプリントアウトして、昨日上げた長編原稿と合わせて郵送の準備をし、少しでも早く届けるために高松中央郵便局まで持って行く。送り先の方がパソコン持ってなくて、今はFAXも取れないところに行っているのでこういう段取りを余儀なくされているのだが、まあ致命的な支障はないので大丈夫。ちなみに、この原稿はいつも、まず対面でインタビューしたものを私がテープ起こしして、それを編集して原稿に起こし、それをFAXか郵送で送ると、手書きで修正や追加が入ってきて、それを私が打ち直してもう一度送ると、もう一回修正が入って、それを直してできあがりという段取りでやっている。何だかアナログなやりとりをしていると思われるだろうが、データのやりとりでなく、この手書き修正を「なるほどー、こういうふうに直すのか。こういうふうに文章を展開するのか…」とか思いながら打ち直していくという作業が、とても勉強になって楽しいんです。テープ起こしから原稿にする時は死ぬほど苦しむけど(笑)。

19:00 郵便局に行ったその足で、家内と山かつにトンカツを食いに行く。今日は道路がえらく空いている。山かつに行くと、休日のこの時間はいつも順番待ちの客がいるのにスッと入れて、店内は半分くらいしか埋まっていないぞ。みんな、どうしたんだ? あ、クリスマスイブで何かしてるんだ(笑)。

20:00 家に帰って3本目の原稿に取りかかる。

22:00 風呂に入る。

22:30 再び原稿に取りかかって、間もなく日付が変わります。 

 というクリスマスイブでした。ま、いつもと変わらない1日です。

 ちなみに、こないだ松本君が「仕事してても集中力が続かなくなって、しょっちゅうパソコンで手遊びをしてしまうんです」と言っていたが、私はたいてい仕事している時はインターネットの線を抜いてる。ま、つないでてもメールは1日に勝谷さんのメールマガジン配信の1本だけしか来ない日がしょっちゅうあるし、電話は1日に1本もかかってこない日がしょっちゅうあるし、ミクシィもツイッターもフェイスブックもやってないし(何かフェイスブックに私の名前があるらしいけど、あれはA藤に言われて登録しただけで全く何も動いていませんので悪しからず)、スマートフォンも持ってないし(笑)。

 そもそも私のメールアドレスを知っている個人は、大学の職員と教員とインタレストメンバーを除くと、数えられるほどしかおらん。ごん、H谷川君、百々、和田、笹木、佐伯、安Z、S原、松本君、上原、松村、A藤、H本酒店のS藤、京兼君、三好君、おか泉の大将、景山君、勝谷さん、内山さん、長船、県警のSさん、四国新聞の坂本と八塚と明石さん…女性陣はニューヨークの西岡、さぬき市の佐Tさん、あられ、M宅さん、M岡、岡B、佐野さん…あれ? 結構いるのか?(笑) けど、メールでやりとりするのは多い人でも年に数回、少ないのは5年に1回以下だから、メールで忙殺されることは全くありません。ま、これで十分です。あ、明日から2日ほど、私のノートパソコンはまた、ただの「ノート」になりますので(笑)。
2012年12月23日(日)

 いやー、今週は苦しんだなあ。今日の日曜日までに上げる計画の原稿4本のうちの1本目が、頭の中で固まって動かない動かない。月曜日から取りかかったのだが、昼間は授業がびっしり入っているし、会議とインタビュー取材受けとラジオもあって、平日は原稿にかかれるのは夜だけ。しかも、頭の中で構想が堂々巡りしてどうにもほぐれないので、木、金と2日連続、夕方遅くにくつわDoの喫茶で原稿を書くという苦悩ぶり。で、結局日曜日の深夜0時20分に、やっと1本目ができた。というわけで、明日は学生たちと県内各地に取材に行く予定だったけど、「俺、原稿抱えて動けんようになったから、明日はとりあえずキミタチで行っといてくれ」と連絡をしました。

 木曜日、授業の手伝いに来てもらった松本君が「選挙結果を受けて田尾さんがどう書くか、待ってるんですけど(笑)」とか言うので、「書かんわ」と答えたわ。選挙結果の分析は、もう30年ぐらい前から選挙のたびに「コピペか」と思うような報道をするマスコミに任せておく(笑)。任せておくけど、ほとんど見もしないし読みもしない。私にとって、マスコミの選挙結果の分析や政局うんぬんの記事は芸能ニュースみたいなものなので、あんなのを読んでああだこうだと言ってたら「政治ニュースバカ」になってしまうから。とりあえず、良質の評論を読んで、考える力を養うことだけやってます。ま、大した考えは出てこないけど(笑)。

 さて、今年は一昨日の金曜日に年内の授業が終わって、昨日は原稿を抱えたまま、朝から柳川に行ってうどん食って、その足でススムんちに行ってミカンを30キロも買ってきました。今年のはちょっと中袋の皮が固い感じがしたけど、実の味はやっぱりピカイチじゃ。

 で、今週はわけあって天橋立に行って来ます。それから、たぶん明日中には終わらない原稿を書いて、それから学生らと取材に行って、そのネタを抱えて年末に上原んちに行って恒例の映像制作の作業をして、年末年始は気の遠くなるようなあるデータの集計作業に明け暮れることになりそう。でも、どれも付加価値の高い成果物に仕上がるはずなので、目にすることになる人だけお楽しみに(笑)、ということで。
2012年12月17日(月)

 今日の昼は、今年2番目ぐらいものすごく葛藤した。朝、東の空を見ると(うちのマンションの窓は東と北に開けているので)、雲一つない好天であったので、8時にガソリンスタンドに行ってガソリンを入れ、満を持して1ヵ月以上ぶりに洗車をして、大学に行ったのである。「もう洗車ネタは聞き飽きた」という声を無視して話を進めるが、9時過ぎに大学に着いて研究室で仕事を始めたら、10時過ぎに雨が降ってきた! ほんまにどういうこっちゃ!

 しかし車は大学の屋根つきの駐車場に止めてあるから、「今日は雨が止むまで帰らんぞ!」と決心して、そのまま仕事を続けていたら、午後2時頃、腹が減ってきたのである。さて、どうする?

 第1案は、傘を差して歩いて大学のすぐそばのコーヒーとスパゲティの店「ゴッコ」でスパゲティナポリタンたまご入りを食べる。これなら車を出さずに済むから、「洗車即、雨に濡れる」という大惨事は避けられる。しかし、ゴッコはついこないだ行ったばかりで、今日は何か「うどんの口」になっているので、どうにかしてうどん屋に行きたい。しかし、大学の近くに歩いて行けるファストフード型の大衆セルフが2軒あるが、今日はファストフード型の大衆セルフの口でもない。

 第2案は、研究室に置いてあるカップ麺を食べて済ませる。しかし、今日はカップ麺の口では絶対にない。第3案は、このまま食べずに晩まで我慢する。しかし、今朝はほとんど食べずに大学に来たので、これもちょっと厳しい。まいったな…。

 そこで、ちょっと天気予報を見てみることにした。すると、「今日は夜までずっと雨」みたいなことが出ていた(朝から見とけよ)。ずっと雨かよ。すると、何をどうやっても帰る時には雨の中を走らないといけないではないか。結局、どうしても「洗車した日に雨に降られる」という事態は避けられないのか。

 私はものすごく葛藤した。もう、胃潰瘍になるくらい葛藤した。そしてついに、「どうせ今晩、帰りに雨の中を走るなら、いま走っても同じじゃ」という結論に達したのである。

 時計は既に午後2時を回っている。なかむらはたぶんもうダメだ。岸井か。いや、岸井は駐車場が土なので、雨に降られるのは覚悟したけど、タイヤがドロンコになる上に、そこを歩いたあと車に乗ったら運転席のマットまでドロンコになる。今日は岸井はダメだ。よし、あそこに行こう。こないだH谷川君に連れて行かれた、総本山善通寺の裏の新しい店、「はちや」だ。

 午後2時過ぎ、私は意を決して雨の中、車を出してはちやに向かった。ところが、車で走りながら道から店をのぞき込むと、開いているのか閉まっているのかが瞬時にわからなくて、しかも後続車が2台もいたのでスピードを落とせず、そのままはちやを通過してしまった。どこかで引き返すか? と思う間もなく、その先に宮川が近づいてきた。宮川に行こう(笑)。というわけで、そのまま宮川に行きました。

 店に入って奥のうどん場に行ったら、奥さんが今まさにセイロに玉を取っているところに出くわした。見るからにつやつやとうまそうな麺をそのまま2玉もらって、半熟卵天とゴボウ天を載せて、無茶苦茶うまいうどんを食べて、3時頃大学に帰りました。車は濡れたけど、大満足のうどんと相殺してちょっとプラス(笑)。

 ところが、今日は5時からセンター入試の打ち合わせ会があるのでそのまま仕事をしていたら、午後4時、雨が上がった! どういうこっちゃ!

 という、絵に描いたような不運に見舞われた1日でした。

 今、讃岐うどんのかなり面白い調査を2つ計画しています。宮川で奥さんにちょっと打診してみたら予想以上の反応があって、かなり手応えを感じています。本企画の成功のカギは、本人にはまだ何も言ってないけど、H谷川君が握っています(笑)。ここでもう世界に発信してしまったので、H谷川君はもう逃げられない(笑)。発表は、1つはたぶん次のインタレスト。もう1つは、『うどラヂ』か、1月にリニューアルをする予定の東京麺通団の店頭か(笑)、あるいはひょっとしたらDVDになるかもしれません。お楽しみに。
2012年12月14日(金)

 先月末、芸能界の端っこで仕事をしている友人と話してたら、「タレントとかの間でね、(頼まれた内容を)ブログに書くだけで20万とか30万とかくれる、いうのが流行ってるんですよ」とか言うので、「情報発信の素人の典型やな」と答えて、ネットが普及して以来、情報発信の基本的な精神を学習してないやつがうじゃうじゃ出てきていることについてレクチャーしたばっかりですわ(笑)。「軽率でした」とかいうコメントも、情報発信の基本の訓練ができているプロなら絶対そんな言い方はしない。「情報発信の素人」ならではのコメントですね。みんな、ほんとに情報発信を「誰でもできる簡単なもの」とナメてると思います。
2012年12月12日(水)

 相変わらず底冷えのする毎日ですねえ。今、頭の中のちっちゃい片山先生が「ソコビエ・ペリエ」と言ったが、片山先生がペリエを知っているはずがないので、あれはちっちゃい私だったかもしれない。

 さて、今朝、底冷えのする家を出ようとしていたら、テレビで北海道の寒さの話をしていた。チラッと見ただけだが、「北海道は冬の方が電力需要が大きい」というデータを見せながら、コメンテイターたちが「電力事情が厳しくなるかもしれませんねえ」「大変ですねえ」「これでまた『原発が必要だ』と言う声が出てくるかもしれませんが…」とか言っていた。相変わらず「お金の話」をする人が一人もいなかったので、見るのをやめて学校に行きました。

 で、大学に着いて、ちょっと四国電力の決算数字をネットで探してみたら、平成23年度(23年4月〜24年3月)の決算が出て来ました。時間がなくて細かいいろんな数字は全部チェックしてないのですが、気になる数字だけを確認してみると、

「経常損益 93億円の赤字」
 22年度(22年4月〜23年3月)は236億円の黒字だから、前年度に比べて330億円くらいダウンしている。ダウンの一番の原因は、原発停止による燃料費アップだと思われる。そこで、それがどれくらいの額なのかを、損益計算書から推測してみた。

 まず、四国電力の伊方原発が全基停止したのは今年(平成24年)1月13日だから、決算年度で比較すると、
・平成22年度(22年4月〜23年3月)は、年度中ずっと原発が稼働。
・平成23年度(23年4月〜24年3月)は、最後の1カ月半だけ原発が全面停止。
であるから、22年度と23年度の差額は、ほぼ「1カ月半」の影響だと考えられる。これを前提に、燃料費を比較してみました。

水力発電費……(22年度) 137億円、(23年度) 133億円 →マイナス 4億円
汽力発電費……(22年度)1151億円、(23年度)1696億円 →プラス 545億円
原子力発電費…(22年度) 869億円、(23年度) 757億円 →マイナス112億円
三項目の合計…(22年度)2157億円、(23年度)2586億円 →プラス 429億円

 「汽力」というのは、要するに「火力発電」です。で、この数字を大ざっぱに言うと、「原発を止めて火力発電で補ったら、1カ月半で430億円くらい発電原価が上がるみたい」ということでしょうか。

 もしこのまま原発が止まったままだと、これが今年度(平成24年度)は「1カ月半」でなくて「12ヵ月」まるまる乗っかってくるわけです。私が社長なら、絶対逃げ出したくなる(笑)。事実、四国電力は今年度の半期決算で、200億円近い赤字決算になっています(ものすごい経費削減をしたのか、よくその程度で収まったと思う)。

 ちなみに、昨年度の損益計算書の中に「一般管理費 363億円」という数字がありました。たぶんこの中に人件費などが入っているのだと思いますが、この数字を見ただけで、「社長以下全社員の給料を1年間ゼロにしても、たぶん燃料費1ヵ月分のアップ分にも満たない」ということがすぐにわかりますね。「コストダウンをして電気料金の値上げを避けろ」と言っている人は、決算書を見れば「人件費を下げろ」では屁の突っ張りにもならないことを当然わかっていると思いますが。

 すると、どこでコストダウンをすればこの巨額の燃料費アップをカバーできるのか? 細かい項目は見ていませんが、たぶんそれは、「電力の安定供給」を少し犠牲にする方向のコストダウンしかないと思うのですが…。

 いずれにしろ、今、電力会社は「赤字決算」「社債発行申請」「電気料金値上げ申請」等が表面化していますから、水面下で(表面化してるけど)前にも言ったように何かの「閾値」に向かって着実に進んでいると思います。ネットで調べていたら、高知新聞のこんな記事に当たりました。今年の1月13日、四国電力の原発全基停止を受けた記事。
  *
四国の原発すべて停止―。福島第1原発事故後、各原発と同様に再稼働要件が整わないことなどから起きた事態だが、四国では何が起きるのだろう?
 予想から言うと、「特段のことは起こらない」。四電によると、休止中だった火力の再開、売電の停止などで、「綱渡り」(千葉昭社長)とはしながらも、冬の供給力は確保したという。
  *
 何と、天下の新聞が、電気の「供給力」のことしか見えていない。供給力が確保できれば「特段のことは起こらない」と断言するとは、ジャーナリズムとしてあまりに無知。読者をミスリードする元である。これも前から言っているように、私はもう、原発を止めるなら止めるでかまいません。ただし、止めることによって明らかに起こることや、明らかに起こっている客観的数字を同時に示し、それに対して「どういう方策を講じればよいのか?」を論じなければ、あまりに無責任です。先のテレビのコメンテーターも原発に反対なら、「北海道は電力事情が厳しくなる。しかし、原発の稼働はすべきでないので、北海道の皆さんは我慢してください」と言わなければ、筋が通らないでしょう。

 いかんいかん、夜中の2時も回って書いてたら「深夜ハイ」が入ってきてしまう(笑)。数字を書いたから、チンペイにもスルーされてしまうし(笑)。
2012年12月9日(日)

 土曜日の昼に高松駅を出て、岡山で新幹線に乗り換えて福岡県の筑後船小屋とかいう駅で降りて、商工会議所の会議室みたいなところで1時間半くらいしゃべって、それから夜のうちに福岡に帰って博多駅のすぐ近くのホテルに泊まって、午前1時過ぎまで仕事をして、翌朝博多を出て昼に高松に着いて、そのままシンポジウムみたいなのに出て、午後4時からインタビュー取材を1時間半くらいやって家に帰りました。ふー、滅多に県外に出ないので、疲れたというより、何かテンションが上がってしまいました(笑)。

 土曜日の行きの道中、高松駅と岡山駅で、どこかで見たことのある顔の国会議員と思われる集団(それぞれ6〜7人の集団)2組に出くわしました。集団のイメージは、どっちも「黒い」(笑)。だって、明らかに「カタギの人たちではないオーラ」が出てるんだもの(笑)。新幹線の中でよーく思い出したら、どっちも私が投票する予定ではない政党の人だったので、ま、いいけど(笑)。

 で、土曜日の夕方、会場に早めに着いたのでパソコン画面がスクリーンに映るかどうかつないでみたりしていたら、音響のセッティングをしているところからいきなり『君が代』が流れたのである。

田尾「『君が代』流すんですか!」
担当「はい。この会はいつも『君が代』斉唱で始まるんですよ」
田尾「素晴らしい(笑)」
担当「ただですね、うちの『君が代』のテープ、前奏が入ってないんですよ。だからいつも歌い遅れる人が絶えない(笑)」

 どういうことかというと、「君が代斉唱」って、たいてい最初に「き〜み〜が〜あ〜よ〜お〜は〜」のワンフレーズの前奏があって、そこから「き〜み〜が〜あ〜よ〜お〜は〜」って歌い始めますよね。ところが、ここのテープはその前奏部分がなくていきなり歌の部分から始まるので、それを知っている人はいきなり歌い始めるんだけど、知らない人はそれを聞いて「まだ伴奏やのに歌ってる…」と思いながらワンフレーズを待ってて、ワンフレーズの伴奏が終わったと思って、さあ、「き〜み〜が〜」いうて歌ったら、そこはもう伴奏が「ち〜よ〜に〜」に入っているという「フェイント『君が代』」になっているらしい(笑)。

 講演はとりあえず、いつものように話しているうちに脱線が入って時間配分ができない私は、早口で1時間半、ぶっ飛ばしてしまいました。キーワードを口頭で一気にたくさん並べてしまいまして、付いて来られなかった人もたくさんおられたかもしれません。すみません。

 その日は講演が終わったら「新幹線の時間が合わない(夜は1時間に1本くらいしか止まらないらしい)」ということで、福岡まで40分くらいかけて担当の方が車で送ってくれました。福岡市内に入ると、市街地にある空港に飛行機が次々に降りてきている! 空を見ると、まるで星のように飛行機の光が4つも5つも浮かんでいる! それが全部、福岡空港に下りてくる! 飛行機着陸鑑賞マニアの私にはたまらない道中でした(笑)。

 で、今朝は8時頃福岡のホテルを出て、新幹線で岡山まで行って、そこからマリンライナーに乗って、昼頃、高松駅に着きました。駅を出て歩いてシンポジウム会場のサンポートに向かっていたら、ものすごい風が吹いていた。

 横断歩道で信号待ちしていても体が持って行かれそうになる。正面の海側から暴風が吹き付けてくるのである。信号が青に変わったら、向こうから渡ってくる人たちは風に押されてみんな小走り状態! 逆に、こっちから向こうに渡る人はみんな、押し戻される勢い! ほんま、足を送っても送っても前に進まないのである。私は歩きながら一瞬「ムーンウォークのコツを掴んだか?」と思ったのだが、ビルに入って試してみると、掴んでいなかった。

 そういうわけでとりあえず、怒濤の土日を何とか乗り切りました。今年もあと3週間、まだ予断は許さないけど、頑張って働いて、いいアウトプットを出します。ここ、私的には大事なとこ。頑張って働いてもいい付加価値を出せなければ充実感が得られないタチなもので。
2012年12月7日(金)

 寒いねえ。研究室が底冷えする。足元に山本睦子先生からもらったちっちゃいストーブを置いて、膝に毛布を掛けて、マフラーを首に2枚巻いて、ダウンジャケットを着たまま、パソコンに向かってテープ起こし原稿を書いている。時間が来たら授業準備をして、寒風吹きすさぶキャンパスを横切って教室に入って授業をして、終わったらまたキャンパスを横切って研究室に帰ってテープ起こしをして、昼飯も食わずにまたキャンパスを横切って授業に行く。途中で、落ち葉を掃いている掃除のおばちゃんに声をかけて…

田尾「なんぼ掃いても切りがないやろ(笑)」
おば「なんぼでも落ちてくるきんな」
田尾「ええなあ、エンドレスのレジャーやん(笑)」
おば「どこがレジャーな(笑)」
田尾「このマフラー、ぬくそうやろ」
おば「ぬくそうやな。落としとって、拾うきん」

 寒い日はホットな会話に限る(笑)。

 ここのところ、取材のテープ起こし〜原稿整理という仕事がしょっちゅうあって、いつもICレコーダーとイヤホンとパソコンを持ち歩いていて、大学の仕事の合間にいつもそれをやっている。それにしても、ICレコーダーに付けて聴きながらテープ起こししているあのイヤホン。何ですぐに絡まるんや。学校終わってレコーダーとイヤホンをカバンに放り込んで家に帰って、出して「さあ始めるか」と思ったら、「カバンの中で自分で動いたんか!」と思うぐらいイヤホンが絡まっとる。解こうとしたら、イヤホンの先の耳に引っかける部分がさらに邪魔をして…あーもう! みたいになる。それを解いて仕事をして、次の日にカバンに入れて学校に持って行って研究室で続きをやろうとしたら、あーもう!

 何か、2本に分かれた細いコードをまとめるみたいなパーツがついてるイヤホンもあるんですね。あまりに「あーもう!」になるので去年からそれに変えてるんですが、聴く時はそれを解除しておかないと両耳に届かないので解除しないといけない(大した手間じゃないんですが)。それを持って移動する前にいちいちパーツを戻してコードをまとめればいいんだけど、しょっちゅう忘れて「あーもう!」みたいな(笑)。

 明日は福岡県の筑後市で講演というか、勉強会の講師みたいなのに呼ばれて行くのであるが、道中、新幹線の中でもずーっとテープ起こしと原稿整理だ。あと、こないだの発想力開発論で出した課題のレポート60人分も持って行って、採点とコメント付けもしておかなくては。「今回の課題はお手上げです」と言いながら出してきた十河が、腹筋つるぐらいおもろいアイデアを1コ書いてきてた。来週、授業で発表してやろ(笑)。
2012年12月4日(火)

 目の前の仕事が一つ早めに片付いたので、新聞記事でも引いてみます。

 産経新聞に、今度の衆院選の関連コラムとして「民意のカタチ」という記事が載っていました。この「カタチ」というカタカナ表現は、コピーライティングの世界ではたぶん15年も20年も前に「夢をカタチに」みたいな表現があちこちに氾濫して、もう「使うと恥ずかしい」カテゴリーに入っていると思うのですが(笑)、ま、そんなことは本題ではありません。コラムはちょっと長いので、要約しますね。

 まず、見出しだけを列挙しますと、
●「阿久根ショック」の跡
●改革か独善か 熱狂冷めた斜陽の街
 本文中の小見出しは、
●漠然とした期待
●「竹原劇場」の終焉
 で、大学教授の解説みたいな囲み記事の見出しが、
●「劇場型」の功罪

 要するに、「斜陽の街の阿久根市に竹原さんという新しい市長候補が出てきて、市民が熱狂的に支持をして竹原さんが当選したら、竹原さんが強引なやり方をして市井が混乱して次の選挙で落ちた」という話で、おそらくこのコラムの筆者は「民意が気まぐれだとこんなことになる。今度の衆院選はみんな、ちゃんと考えて投票しましょう」というメッセージを出そうとしているのだと思う。でも、このコラムの内容に私はちょっと違う感想を持ったので、もうちょっと詳しく記事の内容を整理しますね。

(1)記事はまず、「阿久根市の商店街は、40年前に60店以上あった店舗が今は15店しかない。この5年でも7〜8軒が店をたたんだ」「駅で客待ちをしていたタクシーの運転手曰く、朝から5時間客待ちをしているが乗車はゼロとのこと」「基幹産業の漁業も、水揚げ高が全盛期の4分の1の19億円にまで落ち込んでいる」「かつて4万人を超えていた人口も2万3000人まで減った」というふうに、阿久根市の斜陽ぶりを挙げている。

(2)そこへ、竹原さんが「官民格差是正」の公約を掲げて市長選に出馬した。すると、「街を包む閉塞感と将来への不安が募る市民」は、「その受け皿として、職員給与や議員報酬の大幅カットを主張した竹原さん(記事によると、当時市民1人あたりの平均所得が190万円だったのに対し、市職員の平均年収は600万円もあったそうです)を熱狂的に支持し、竹原市長が誕生した」ということだそうです。

(3)ところが、「市民の期待はすぐに疑問へと変わった」そうだ。すなわち、竹原市長は「市議会と対立し(職員給与と議員報酬のカットをやろうとしたら、そら対立しますわな)、議会を招集せずに職員ボーナスの半減や副市長人事などの専決処分を乱発。就任中の3年間で市長選と市議選、住民投票が7回も行われ、市民は市長派と反市長派に割れた」そうだ。確かこのあたりの経緯は全国ニュースにもなりましたね。

(4)その結果、昨年1月の市長選でとうとう竹原市長は落選し、新しく西市長になった。ま、住民の過半数が竹原市長を見限ったということですね。それで、西市長は混乱を収拾するために「対話による市政運営を目指し」、半減された職員ボーナスも元に戻したそうです。

 まあ大ざっぱにこんな経緯があったことについて、「劇場型首長の功罪」みたいな視点でいろいろ言われているようです。けど、私は政治の世界のメンタリティはよくわからないので、そんなことには全然興味がない。引っかかったのはただ一点、いつも言っている「目的と手段の整合性」が根本的なところでズレてるんでないか? という部分です。

 どういうことかというと、まず、この記事構成からすると、「街がどんどん衰退してきて将来への不安があふれていた」という事例が冒頭にあるということは、市民の「目的」の一番は、おそらく「街を経済的に活性化してくれ」ということですね。それに対し、市民は「官民格差是正」を掲げた竹原さんを熱狂的に支持したと。

 でも、「目的…地域経済の活性化」に対して「手段…官民格差の是正」というのは、どう考えても違うでしょう。あるいは「対話による市政運営」も「地域経済の活性化」の有効な手段では全くない。

 つまり、このコラムは「目的と手段の整合性」がとれてないから、たぶん構成がおかしいんです。例えば、「市民は地域経済の活性化を強く望んでいたのに、官民格差是正を掲げる候補を選んでしまった。それは目的と手段がズレている」という視点、構成なら、整合性の取れた非常に大事なサジェスチョンになると思います。あるいは「市民は官民の所得格差の是正を強く望んでいたので、竹原市長を選んだ。なのになぜ、それをやろうとしたら『市政混乱』という本筋に関係ないことで引きずり下ろしたのか」という構成でも整合性は取れるし、これも大事なサジェスチョンになる。

 でも、構成はそうなっていない。あるいは、市民がそういうロジックで民意を発してない、ということかもしれない。何か、いろんな部分で「目的と手段の整合性」がとれてないぞ……みたいな読み方をしてしまうわけです(笑)。

 私ら、誰に教育されたのかわからんけど、大きな「目的」を絞ることをすぐに忘れて、「目の前に出て来た現象だけを短視的に好き嫌いで判断する」という習慣が付いてしまっているから、「目的を達成するのに有効な手段は何か?」という選考基準がなかなか持てないんですねえ。目の前に出てくる具体的な案件というのは、その大半が「目的によって、いいか悪いかが変わってくる」というものだと思うんですけど。

 さて、今日は午後1時半頃、香の香に昼飯を食べに行ったら、奥さんに「今日はもう余るから、お寿司とか持って帰って」と言われました。

田尾「ほんまにかまんの? ほな、うち夫婦2人しかおらんから1パック(5コ)でええです」
奥さん「学生さんとかおらんの?」
田尾「あ、今から作業があるから、5人くらいは集まる」
奥さん「じゃあもうちょっと持って帰って」

 というわけで、3パック、いなり13コとおはぎを2つ頂いて帰りました。2時から、作品制作をするチームを一つ、指導することになっていました。2時を過ぎて、2時半になりました。そのうち3時になりました………岡田ー! 誰っちゃ来んやないかー! 

 結局電話連絡もつかず、私が日時を間違っていた可能性も否定できず、しかたなくたまたまやってきた学生たちにおはぎといなりの入った1パックをやって、いなり10コ持って帰りました。今日の夕食は家内といなり5コ。明日の朝もいなり食べて学校に行くわ。
2010年12月3日(月)

 今日は何か水蒸気の様子がおかしかったですねえ。朝から雨が降ってないのに西の山の一部に巨大な黒煙がかかっていて、何というか、きれいな山の連なりの絵を描いていて、まだ乾いていない部分をうっかりヒジでこすったみたいな…うまいこと表現できんが、何か異様でした。ところが午後、原稿が動かなくなって環境を変えようと高松のumieに行って駐車場から東を見たら、小豆島がすぐそこにあるかのようにくっきりはっきり見える。私の知る限り、高松港から小豆島があんなにはっきり見えたのは初めてだ。ラスベガスで数キロ先の巨大ホテルがすぐそこにあるように見えて、ちょっと歩いて行こうとしたらなんぼ歩いてもホテルが近づいてこん、みたいな…ちょっと例えがズレたか。

 とりあえず、umieでいつもの隅っこの一人掛けテーブルに座ったら、勝手知ったるねえさんが、ま、店の人だから店の勝手は知ってるのだが私の勝手を知っているねえさんが何も言わずとも灰皿を持って来てくれて(笑)、そこでパソコン開けてコーヒー飲みながら、ものすごく仕事が進んみました。いつもは1週間ぐらいかかる仕事が、umieで一気に進んで、3日で仕上がりました。

 今日は太陽光発電の電話セールスはかかってこなかったが(笑)、知人から選挙の応援依頼の電話が一本。申し訳ないけど曖昧な返事を返しました。あ、そういえばこないだ、ある有名で権威のある雑誌から、うどんの電話取材が一件ありました。それがですね、事前にメールできた質問内容が、こんなの。

●(主旨)そば文化の東京に「はなまるうどん」や「丸亀製麺所」をはじめとしたチェーン店が台頭してきて、東京にうどんが日常食として根付きつつある。ついては、東京にうどんを広めた第一人者としての田尾様に、その背景や今後の展望を伺いたい。
で、質問項目は、
(1)なぜ、そば処である東京でうどんを広めようと思ったか。勝算はあったか。
(2)東京でうどんを広めるにあたり、留意工夫されたこと。映画制作のような大きな仕掛けに加え、東京麺通団の店舗のエンターテインメント性など、消費者に近いところでの工夫もお伺いしたい。

 これ見て、私は一旦断りましたがな(笑)。何しろ私は「東京にうどんを広めた第一人者」ではないし、「東京でうどんを広めようと思った」わけでもないし、「映画のような大きな仕掛け」も私がやったことではないぞ(笑)。あれは本広監督がやったんです(笑)。

 電話では丁寧に経緯を説明して「その企画は私の出番ではないと思います。それは全て、『はなまる』のビジネス物語ですよ」と申し上げましたが、すごいですねえ、権威のある天下の雑誌でも、讃岐うどんのブームの経緯はほとんど知らないまま企画に入るんだ。でも、確認できてよかったですね(笑)。

 ちなみに、はなまるは香川発で、ファストフード型大衆セルフとは言え、讃岐うどんの魂というかニオイが残っているけど、香川発じゃないチェーン店は、東京麺通団の作りやシステムをそっくり真似してたりしてても、「讃岐うどんチェーン」というより、讃岐うどんブームに乗っかったビジネスとしての「うどんチェーン」ですね。ま、いずれにしろみんなあちこちで「うどん」を盛り上げてくれてうれしい限りですが。

 ただ、香川県内の讃岐うどんは、「讃岐うどんテーマパーク」としては今、ちょっと過渡期に突入し始めた感がありますね。「テーマパーク」を維持し、発展させるための大事な要因が、いろんなところで過渡期に差しかかっているのが、ちょこちょこと感じられます。これ、早めに整備しておかないと手遅れになるかもしれない。行政も組合も識者の方々も、中身の問題を整備せずに宣伝ばっかりやってると、いずれどこかで突然底が抜けますよ。
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