2014年04月の日記 |
2014年4月30日(水)
苦節2週間、昨日の夜8時に第一特集11ページが完了して、今日は朝からいよいよ最後の第3特集5ページに取りかかれることになった。これで今、第二特集の最後の1ページと合わせて12ページ分の原稿が手元にあるのだが、松本君が10日前に渡した第二特集の5ページにまだほとんど取りかかれていないという状態らしくて、持ったまま最終コーナーに差しかかった。
田尾「4コーナー曲がって持ったままなら、ぶっちぎりで勝つぞ」 白玖「競馬じゃないんですから!」
第三特集は、鬼のような情報収集量と牛鬼のような集計作業を抱えた「F田チーム」の担当である。朝から満を持したF田と岡崎、藤原、木村、河井、坂本たちがやってきたので、さっそく1000件以上ある第一次情報を眺めながら、分類と集計作業の指示を出した。かなり気の遠くなりそうな作業である。
F田「気が遠くなるというより、気を失いそうです」 田尾「単位は失っても気は失うな」 F田「そんなご無体な…」
F田はやる男だ。何をやる男かは言えんが。
午前中はひたすら分類作業。午後1時半からはインタレストの授業時間で、第一、第二特集メンバーと4月から参加の2年生がやってきて、編集後記の修正大会をやって、2時半頃から再び第三特集の分類作業。F田軍団は岡崎、木村、藤原トリオとF田、坂本、河井トリオの二手に分かれて作業を続け、私は2年の横関、大野の爆竹コンビをつかまえて別の分類作業に取りかかって、午後6時、こっちの一次分類作業は何とか完了した。
第二次分類はさらに難しくなるので、私が家に持って帰ってじっくり考えることにした。一方のF田軍団担当の分類集計作業は、途中でF田と河井がバイトで抜けたが、あいつら、夜中の12時頃帰って来て続きをやるらしい。今号の編集チーム、ここに来てめちゃめちゃ働いています。どんどん成長してくるイナゴ軍団。私もうかうかしておれん(笑)。
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2014年4月27日(日)
連日、深夜まで延々と『インタレスト』の作業が続いている。水槽の水替えもできない状態が、もう2週間以上続いている。
昨日はオープンキャンパス&模擬授業を挟んで夜の10時過ぎまで大学のインタレスト編集室に籠もって、副編集長の大西、坂本と、五百蔵、高田の学生4人も居残って夜の10時まで。今日は午前中、別件のインタビュー取材に2時間ほど出かけて、昼から大学に編集室に籠もる。学生は編集長の河井、副編の大西と坂本、野生須、高田が入れ替わり立ち替わり参加して、最後は坂本と高田と3人で夜の10時半まで。我々にとっては土日は休日ではなくて、授業がないから全力でインタレストに集中できる猛仕事日なのである。
とりあえず、ページ割りの大ピンチは、 第一特集…11ページ 第二特集…6ページ 第三特集…5ページ 裏表表紙…2ページ という大変更を断行してクリアした。日曜深夜の時点で、第2特集の6ページと第1特集の6ページを上げた。その間、大西と高田がぐんぐん成長している(笑)が、成長の奇跡レポートを書いている余裕がない。
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2014年4月21日(月)
今日は朝から、どうしても上げないといけない原稿に取りかかる。『インタレスト』の制作を中断している場合ではないのだが、『インタレスト』は私が担当している前期8科目の授業のうちの1つであり、授業は私が担当している大学の業務の大半とは言え一部分であり、大学の授業と業務は私が抱えている全部の仕事の大半とは言え一部分であるから、いかに白玖やF田や大西に催促されようと、毎日毎日朝から晩まで『インタレスト』にかかっているわけにはいかないのである。
というわけで、隣のインタレスト編集室で作業している白玖と西畑に指示を与え、私は研究室で原稿と格闘していた。午前中は何事もなく仕事が進み、午後1時半頃、白玖と西畑を連れて「はまんど」にラーメンを食べに行って、2時頃帰ってきて、3時過ぎから4時半頃まで、立て続けに学生3人の卒業研究指導をして、それが終わって編集室を覗いたら、第一特集担当の大西も来ていた。そこで、第一特集の今後の進め方の指示をしようと、途中経過の確認を始めたのである。
そこで事件が起こった。
田尾「紹介する素材の数はそろそろ確定したか?」 大西「はい。あれから追加取材をしていたらちょっとずつ増えて、今、全部で70くらいです」 田尾「ちょっと待て!」
今回の『インタレスト』は、いろんな経緯があって特集は3本立てになったのだが、取材やデータ収集が遅れていて、とにかくなかなか全貌が見えないため、それぞれの特集のページ数が確定しない。そんなもの、最初にきちんと内容を詰めてページ割りをして、それに合わせて作業を進めればいいと思うかもしれないが、そううまくいかないのが『インタレスト』。『インタレスト』は情報を集めているうちにいろんな新発見があったりするような企画が多く、途中で「おお! それは入れとかないかん」「おお! これはおもしろいメッセージが出て来たぞ。ちょっと見せ方を変えようぜ」みたいなことがよくあるので、情報収集が終わって原稿や割付作業に入ってからだんだんページ数が決まってくる、ということがよくあるのである。
とりあえず今、一番進んでいる第二特集(チームリーダー白玖)がほぼ8ページ特集になることが確定しつつあるが(そのうち6ページは昨日松本君に渡したやつ)、残りのデータをきちんと全部入れると、もしかしたらはみ出て9ページになるかもしれない。ま、そうなったら他の特集ページをちょっと削って…ということで、今のところ全24ページを暫定的に、 第一特集…8ページ 第二特集…8ページ 第三特集…6ページ 裏表表紙…2ページ というふうに粗く決めていた。ところが…
田尾「それ、何ページ行くんや。 大西「どれくらい行きますかね」 田尾「どれくらいとかいう以前に、素材が50や60になった時点で直感的に『まずい』と思うだろが。ええか? この素材1つに付き、写真が2枚とデータが入るんぞ。普通にちゃんと見せようとしたら、1ページに素材が何ぼ入る?」 大西「………」 田尾「割付用紙持って来い。1ページに素材を6つ入れたら、1つがこれくらいの大きさになるだろ?」 大西「結構ギリギリですね」 田尾「すると、普通に行ったら1ページ6つがええとこや。それに、特集タイトルとリードと本文の原稿が入る。で、素材が70もある。何ページいる?」 大西「ひえ〜! 15ページ行きます! 先生〜! どうしましょ〜!」 田尾「こっちのセリフじゃ!」
創刊以来最大のピンチが到来した。しかも締切迫る。しかも私は他の仕事も山積み! 前号で紹介した香川県の神社に一番多い主祭神の「大山祇神(オオヤマヅミノカミ)」とは、これのことだったのか! 違うと思います。
田尾「解決策を絶対見つける! ゴールデンウィーク中は授業がないから、俺が作業に全力投入できる。ええかみんな、このゴールデンウィークは、ゴールデンワークするぞ!」 白玖「でも、もう締切が迫っています。あと3週間ぐらいしかありませんよ」 田尾「ん? 3週間? まだ3週間もあるんか」 白玖「もう3週間しかないんです!」
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2014年4月20日(日)
夜の7時、『インタレスト』第2特集8ページのうちの6ページの原稿と割付を仕上げて、松本君に渡してきました。今、夜の10時半。プチ腑抜けモードに入っています。
今日はミシェル・ウィーが4年ぶりに優勝して、日本ではプロの大会で15歳のアマチュアの女の子が優勝して、その大会で最下位だったけど高松出身の綾田紘子が予選通過して、アメリカ男子は石川がほぼ最下位予選通過から3日目で22位まで上がってきて、ゴルフの話題がちょっと楽しかった。でも、石川の最終日は夜中の1時頃スタートだから、ネットのリアルタイム速報も見られない。ま、いいか。明日も頑張って働こう。
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2014年4月19日(土)
土曜日にも拘わらず、今日も「何かができるまで帰らんぞデー」を決行せざるを得ない、という状況に追い込まれている。
朝7時半に研究室に入る。今日は隣のインタレスト編集室でずっと仕事をすることになるので、研究室から編集室へ必要なものを持ち込んで編集室の仕事環境を万全に整えた。
白玖 どこが万全になったんですか? 田尾 気づかんか? まず、そこにラジカセを設置し、今、ウィントン・ケリーの心地よいピアノが流れている。 白玖 はあ…… 田尾 次に、ここにボトルガムを設置し、いついかなる時でも手を伸ばせばすぐにガムが食べられるようになっている。 白玖 …… 田尾 そして、今日は文字盤のはっきりした腕時計をして、袖をまくり上げているから、うっかり昼飯を食べに行く時間を過ぎてしまうこともない。以上、完璧。 白玖 仕事の邪魔になるものばっかりじゃないですか!
というわけで、子供にはまだまだわからない大人の仕事環境に囲まれて、今日は朝からかなりの勢いで仕事が進んでいた…と思ったら、11時前に東京麺通団の山中とごんが打ち合わせで来校。打ち合わせが終わったら12時になって、すぐに昼飯に行かねばならないという大惨事になったのである。
白玖 土曜日は人気の店に行ったら行列じゃないですか? そんな時間取ってる場合じゃないですよ。 田尾 わかっとる。まだあんまり知られてないから長蛇の行列はできてないと思うけどめちゃめちゃうまい店に行く。 白玖 どこですか? 田尾 観音寺。 白玖 遠いじゃないですか! 田尾 大丈夫だ。高速で行ったら30分かからん。
安並に突撃しました。行ったら安並の大将が吉本を見て、
大将「よう焼いとるなあ。真っ黒やんか」 田尾「高知出身やから、太陽をよっけ浴びてるんですよ」 大将「高知? 高知のどこ?」 吉本「中村です」 大将「中村! うちの奥さんも中村やで!」 吉本「ほんとですか!」
それを聞いて、横で奥さんがニコニコしている。すると、大将が「じゃあ、これ」と言って、チクワ天を3本サービスしてくれた(笑)。
白玖「吉本のおかげですね」 田尾「違う。俺が高知出身や言うたから話が展開したんじゃ」 吉本「でも私が中村だったからチクワくれたんですよ」 田尾「高知の話題にならんかったら中村も出て来んかったやんか」 白玖「そんなちっちゃいことで争わないでください!」
ワーワー言うております、おなじみの「うどん屋に行っても必ずネタを拾って来る」事件が繰り広げられまして、しまいには身振り手振りで吉本に「トキワ街のタバコ屋」の話をしていた私が水のコップをひっくり返してテーブルと床とズボンを水浸しにする事件まで発生し、我々は安並を後にして帰路についたのでした。
「帰りは違う道を通る」というのが情報発信に携わる者の基本。ということで、帰りは高速に乗らずにローカル県道を善通寺に向かっていたら、吉本が道端にあった「かりんとうまんじゅう」の看板を発見。
吉本「かりんとうまんじゅうって、何かなあ」 田尾「行ってみるか?」 白玖「ダメですよ。今日はできるまで帰らないんですから、道草食ってる場合じゃないですよ」 田尾「ふー、きみにはまだまだ教えないかんことがあるのう。ええか? こういうところで飛び込んでみる30分というのはな、ただの30分でないんや。この“たった30分”に一つずつ飛び込みながら10年積み重ねてきたやつと、その30分をスルーしながら10年過ぎてきたやつは、10年後の情報量に天と地の差がついてくるんや」 白玖「なるほど」 田尾「これ、このまま通過したらお前、この店に一生来んやろが。そういう日常を続けていたらどうなるか?」 白玖「何か、えらいことになりそうですね」 田尾「えらいことになる。まず、今日の原稿の締切に間に合わなくなる」 白玖「ダメじゃないですか!」 吉本「もう通り過ぎましたよ」 田尾「Uターン!」
引き返して行ってきました。森一誠堂という店。入ったら、店主の男性とお母さんらしき人がいて、いきなり「あの…田尾さんですか?」と言われました。
田尾「『かりんとうまんじゅう』いう看板見つけて、来てしまいました」 店主「試食しますか?」 田尾「え? ええんですか?」
見ると、姿形は焦げ茶色の丸いテカテカした饅頭。もしやと思って原材料を確認したら、あー、やっぱり、私の苦手な「黒蜜」が入っている(笑)。でもせっかく勧められたから…と思って一つかじると、めちゃめちゃうまいです(笑)。あの食感も抜群に私の好みです(笑)。私と吉本が1パックずつ買いました。
帰り際、店主に「今、観音寺の商店街の活性化で若手が集まっていろいろやっているんです」という話を紹介されました。残念ながら時間がなかったので(こんなん絡んでいったら長くなるので・笑)、お話だけ聞かせてもらいました。
田尾「みたいな体験や情報を、自分の中で積み上げていくんだ」 白玖「何か、わかってきたような気がします」 田尾「そういうわけで、今日は貴重な時間を体験したので、最悪、何かができなくても解散しよう」 白玖「ダメですよ! 今日は絶対新聞の企画、終わらせますからね!」 吉本「何か、白玖さんの方が先生みたい(笑)」
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2014年4月17日(木)
『インタレスト』の締切が佳境に入りかけたというのに、次々に苦難が襲ってくる。
白玖「メディア特集の2ページ目なんですけど、分析レポートが1本分、どんなにやってもページ内に収まりません」 田尾「まいったのー…ページ数増やすか?」 白玖「でも、1ページ増やしたらネタが足りないからスカスカになりますよ」 田尾「埋める方法を考えろ」
河井「田尾先生、銅像の分類がややこし過ぎてわけわからんのですけど」 田尾「最初から細かいところまで完璧にしようと思うな。まず粗く分類して大きな構想を作ってから、次の段階の作業を進めながら修正していったらええんや。とりあえず、ちょっとそっち手がつけられんから後で見る。データの方を先にやっとけ」
河井「データなんですけど、何人もで手分けしてやったら内容がバラバラなんです」 田尾「んー、ちょっと見せてみい……これはあかんわ。こんなデータ、原稿にできんだろうが。こっちはOKや。全部、こっちのレベルに合わせて集め直せ」
F田「先生、うちのチームも見てくださいよ。田尾先生、他のところばっかりで、うち、ずっとほったらかしですよ」 田尾「F田はお前、信頼しとるが」 F田「そんな気がしてました」 田尾「うーん、それは気のせいや」 白玖「先生! F田んとこ、一番最後でええですよ! データ収集はうちが一番早いんやから、うちから仕上げましょうよ!」
そうなのである。今回はデータ収集が異常に遅れているのだ。
田尾「みんなええかー! 今回は情報収集があまりにも遅い! リーダーがマネジメントできとらん! 春休み中に何しとったんや。撮影なんか、まともに取りかかったん、やっとこないだからやないか。写真はどうなっとる?」 大西「一応みんなに振り分けて撮りに行かせましたけど」 田尾「どこにある?」 大西「今はみんなのカメラの中だと思いますけど…」 田尾「素材がバラバラに分散しとったら、次に何も進めんだろ。全部ここのデスクトップに集めろ! ええかー! こないだ俺と河井と白玖と吉本が小豆島から東讃まで全部撮影に行ってきたのがあるから、その通りに全部整理しろ! 写真は俺が現場でいちいち指示をしながら、吉本が完璧なん撮って来とるから、それを見てみんなの写真が使えるかどうかチェックしとけ! 以上!」
河井「先生、こないだ撮影に行った時の写真なんですけど…」 田尾「おー、ご苦労さんやったのー」 河井「吉本のカメラが壊れてデータが全部飛びました」 田尾「何じゃそりゃー!」
河井「僕が取り直しに行きます」 吉本「でもカメラ屋さんに持って行ったら、何とか修復できる言うちょりましたけど…」 田尾「何日かかる?」 吉本「早ければ3日ぐらい、重度の壊れ方をしてたら1週間って言うちょりました」 田尾「よし、締切には何とか間に合うわ。河井、お前の責任感は痛いほど伝わってくるけど、他の仕事も全部差し迫っとるから今回はええわ。少々の修理代は俺が出すから、カメラ直してデータを復活させろ。修理代、何ぼぐらいや?」 吉本「重度に壊れてたら10万くらい言うちょりました」 田尾「河井ー! 撮り直しに行ってこーい!」
ワーワー言うております、いつものインタレスト締切風景でございます(力のない笑い)。今週火曜日から連日、締切恒例「できるまで帰らんぞデー」が続いております。
白玖「できるまで帰らんぞデーが連日ということは、そのつど“できてない”ということになりますが…」 田尾「そんな鋭いことには気がつかんでよろし。今日は第3回、『何かができるまで帰らんぞデー』を決行するぞ」 白玖「微妙にタイトルが変わってますけど…」
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2014年4月14日(月)
夜中の12時まで仕事をしていて、脳が熱を持ってきたので今日はこれぐらいにしとこうと思って、パソコンを閉じる前にクールダウンしておこうと、ユーチューブでハードバージの皐月賞を見たのである。そしたら、画面の右横にズラッと並んだコンテンツの中に、「福永洋一の闘い2200日 いま 妻の名を呼んだ」というのが目に入った。
40分以上、泣きながら全部見てしまいました。それから10分ぐらい、もし私の家族がリハビリ生活を余儀なくされたら私は福永洋一の奥さんと同じことができるか…と考えて、ものすごく考えて…「できる」と確信したので寝る。
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2014年4月13日(日)
1週間以上抱えていた原稿が昼前にやっと上がったので、プチ油断モードに入って水槽の水替えを決行。さらに調子に乗って水の循環器まで取り外して隅から隅まで掃除して再セットしたら、何がどうなったのか、ブーンとかいう運転音が今までより大きくなってしまって、何をどうやっても小さくならなくて、さっぱり仕事が進まなくなった。
というふうに、仕事にまず「できない理由」を並べるようになったらもうダメだ(笑)。私の25年間のビジネスと11年間の大学の仕事の体験上、何事にもまず「できない理由」を並べ立てるやつに、まともなアウトプットを出したやつはほんま見事に1人もおりませんわ。
というわけで、水槽周りのゴゾゴゾを終えて昼過ぎ、テレビに映ってた『何でも鑑定団』の再放送をボヤーッと聞いていたら、どこかの町の町長さんが紹介されていました。その紹介ナレーションが、言い回しは忘れたけど大体こんな内容だった。
(1)町長は、もう長い間町長をやっている。 (2)その間、町長はずっと地域の発展に力を注いできた。 (3)その町長の今の悩みは、町から若者が流出して地域に活力がなくなってきていること。 (4)そこで今、期待しているのが、町の若者たちのある取り組みだ。それは…
と言って紹介されたのが、地元の青年たちが扮する「ご当地ヒーロー戦隊」!
番組制作者の方、お願いですから、そういうロジックはそろそろやめませんか?(笑)
まず、町長が地域の発展に力を注いできたのに若者が町から流出しているということは、町長がずっとやってきたことが成果を上げていないということではないですか? ということは、町長は「若者が定住して人口が増えて地域が経済的に活性化する」という目的に対しては「成果の上がらないこと」にずっと力を注いできた、と考えるのが、目的と手段の整合性から見た正直なロジックでしょう。
次に、「若者の流出を防ぐ」という目的に対する手段は、どう考えても「ご当地ヒーロー戦隊」ではないでしょう(笑)。もちろん、「ご当地ヒーロー戦隊」を作るのは別に悪いことじゃないと思うけど、それは「若者流出抑止政策」でもなく、もちろん「地域の(経済的)活性化策」でもない。それは「レクリエーション」ですよ。
行政もメディアもみんな、何か妙な風潮に洗脳されて、「レクリエーション」と「地域活性化策」の区別がついてないと思う。ご当地戦隊も、ゆるキャラも、ポスターやキャッチフレーズづくりも、何かアイドルの曲に乗って役場の人とかが踊りまくったりするのも(笑)、あるいは各種イベントも、あれはビジネスやマーケティングの世界で言えば全部、「ビジネス活性化策」ではなく、「レクリエーション」の類である。
例えば、会社に魅力がなくなって社員の流出が止まらない、会社の活力がどんどん失われ、利益どんどん減っているという時に、「よし、ゆるキャラを作って話題をまこう」、「イベントをしよう」などと考える社長は、間違いなく経営能力を疑われます。誰が考えても、やるべきは「市場の再分析、競合の分析、自社の商品の見直し、魅力ある会社にするためのシステムの見直し」等々が最優先でしょう。
ちなみに、私がタウン誌時代に「笑いの文化人講座」や「ゲリラうどん通ごっこ」をやっていた時も、他の役員や親会社から「田尾は遊んでいる」と言われていたらしいが、あれはレクリエーションではなく、私の中では常に市場と競合をめちゃめちゃ意識した、差別化されたビジネス企画だったんだから。
いずれにしろ、誰かが何かをやると何でもかんでも「地域活性化」と報道するメディアは、「レクリエーション」と「地域活性化策」を全く混同していると思います。つまり、「レクリエーション」として成功したことを「地域活性化に成功した」と報道していると思います。同様に、何でもかんでも「地域活性化につながる」と言ってキャラクターやイベントに飛びついている自治体も、「レクリエーション」と「地域活性化策」を全く混同していると思います。
では「地域活性化」を達成するためにどうすればいいと言うのか? と問われるなら、「死ぬほど考えるしかない」としか言いようがない。市場、競合、自社のポテンシャルによって会社ごとに戦略が違うように、地域ごとに市場、競合、地域特性が違うのだから、地域ごとに戦略は必ず違ってくるからです。
でも、どう考えても「ゆるキャラ」や「一過性のイベント」ではないと思う。もう10年以上同じようなことをやって成果が上がっていないのだから(それを成果が上がっているようにメディアが報道するんだけど)、いいかげんに考え方を変えるべきだと思うのですが。
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2014年4月9日(水)
昼休み、日記が1週間も止まっているのを心配したチンペイが「ネタに困っていたらと思って、ちょっと話題を持って来たんですけど」と言いながらわざわざ研究室に来てくれたのだが、大したネタでなかったので何の役にも立たなかった。
そうじゃなくて、山のような仕事が鬼のように(もうええっちゅうに)のしかかっているところに授業が始まっちゃって、えらいことになっているのだ。しかも、「インタレスト」も大変な状況にあることが今日の会議で明るみに出て来て、今週末は「日の出とともに」取材に出発しなければならないという大惨事になった。
今日の「インタレスト」編集会議は、新年度の第1回目。新人が15人ぐらい入ってきた。O西が卒業したと思ったら、また大西(今度は男)が入ってきて、2年連続「大西が2人」状態である。さすが、香川県の名字ランキング第一位。インタレスト史上5人目の「大西」だ。ちなみに、今日の編集会議と作業では副編の大西がちょっと成長した気がする。
といったところで、今日はチンペイのせいで大したネタもなくおしまい(笑)。
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2014年4月1日(火)
いろんな仕事と平行して、『インタレスト』の鬼のような編集作業が続いている。「鬼のような作業」というのは何の疑問もなく結構よく使うけど、どういう意味なんかな(笑)。冷静に考えると鬼が作業しているところを見たことがないので、よくわからんぞ。
さて、次号インタレスト(6月1日発行予定)の予定している3本の特集のうち、今、鬼のように進行しているのは「四国4県メディア徹底比較」である。タイトルだけ聞いたら三流の高校生でも夏休みの自由研究でやりそうな企画に見えるかもしれないが、まあインタレストですからそんな甘っちょろい特集にするわけはありません。
今、この特集担当リーダーの白玖(はく)と部下の西畑と吉本が、四国4県の新聞を1週間分、全28部を入手して、鬼のようなチェックをしています。
まず、各紙のテレビ欄の1週間分のスペース(記事の面積)を全部チェックして合計して比較。以下同様に、スポーツ欄の1週間分のスペース計算、読者投稿欄の1週間分のスペース計算、自社記事の1週間分のスペース計算、天気予報欄の1週間分のスペース計算、広告の1週間分のスペース計算、第一面に載った地元記事の本数比較、各紙社説の1週間分の見出しを全部書き出して比較、死亡記事から時刻表まで各種生活情報の掲載状況比較、連載小説、連載漫画、一面下コラム、果ては「今日の運勢」の内容比較まで(笑)、鬼のような作業を続けています。
といっても、赤鬼のようになって一番苦しんでいるのは、リーダーでチーム中唯一の男子学生である白玖だ。昨年末、嫌がる白玖を成長させようとチームリーダーに任命したのであるが、結果、今のところ白玖はそれまでの白玖とは別人のように責任感を持って苦しんでいる(笑)。
企画をどう進めるか? という技術的な問題のみならず、チーム全体で目的(いい特集に仕上げる)を達成するために、部下に何を指示し、どう使えばいいのか? 部下たちに均等に仕事を与えると、必ず個人別に出来に差が出てくる。出来に差が出てくると、チーム全体の目的達成に支障が出てくる。
では、できてないやつにハッパをかければいいのか? できないやつにはできない理由(能力や適性の問題、家庭やバイトや他の学生活動との時間的環境の問題等々)があるので、ハッパをかけてもできないものはできないことがあるぞ。そこをどうするのか?
じゃあ、できるやつに仕事を振り直すと、できる可能性は高くなるが、そうすることによって生じる「不公平感」を何で解決するのか?
最後はリーダーとして自分で全部カバーすればいいが、自分で全部抱えると、チームとして、自分個人のキャパシティ以上のアウトプットが出ないぞ(私が情報誌の社長時代に痛感したことです)…等々、「目的を持った組織のマネジメント」の難しさと複雑さと深さを今、白玖が体験中です。で、白玖は私と同じ“いいやつ”だから(笑)、「自分で全部抱えてやる」という選択肢を選んでしまって、連日、赤鬼と化して作業をしているというわけである。競馬とパチンコの合間に(笑)。
そういうわけで、今日は編集長の河井と副編の坂本も来て、勉強を兼ねて私と白玖の作業を見守ることになった。
田尾「このデータは4県分出揃ったな。では、これをどう見せるか? 表をそのまま載せたらデータは全部見せられるけど、こんな数字がいっぱい入った表は、読者が見たらめんどくさいだろ。どうする?」 白玖「一番のポイントになるメッセージだけを、グラフか何かで大きく出したらどうですか?」 田尾「ええポイントを突いた。どんなグラフにする?」 白玖「棒グラフですかね。円グラフですか?」 田尾「メッセージがより伝わりやすいのはどっちや」 白玖「……円グラフにしましょう」 田尾「円グラフやの」 白玖「あ、ちょっと待ってくださいよ。このデータを円グラフにしたら、別のデータの比率も一緒にこのグラフでわかることになりますよ。そしたら、こっちのデータは別項目にしなくてもよくなりませんか?」 田尾「白玖! お前、成長しよるぞ!(笑)」
白玖がどんどん上手くなっている。
河井「白玖君、すごいやん!」 田尾「河井君、坂本君。我々は今、人が成長する瞬間に立ち会ってるぞ(笑)」 河井「何という貴重な瞬間ですか!」 白玖「ええですから、早よ次行きましょう」
などという、いつものインタレスト作業風景が続いて、昼になったので「うどん食べに行こう」という話になったのである。白玖がおか泉に行ったことがないというので、
田尾「よし、今日は白玖の成長を祝って、私がおか泉でおごってやろう」 河井「やった、行きましょう」
おか泉は月曜が定休日なので、私は3人を乗せて、全員が全身「おか泉の口」になって車で善通寺から宇多津に向かったのである。で、30分も走っておか泉に着いたら、定休日! あーっ! おか泉は2月から定休日が「月・火」になったんだ! こないだネットで見たばかりなのに、完璧に忘れていた!
結局、その足で香の香に行って満足して帰って来たのだが、実はこれは今日のプロローグに過ぎなかったのであった。
夕方6時頃、家内から「何か食べに行こ」という電話があった。私はとてもゆっくり外食できる状況ではないのであるが、仕方がない。そこで、私は大学から家に帰り、カバンもそのままに家内を乗せて直ちに車を出した。車内で「アミーゴ(ペットショップ)の横の中華に行こう」という話になったので、レインボー通り方面に向かった。で、20分くらい走って店に着いたら、中華屋、定休日!
この時点で夜の7時過ぎ。我々は肩をカカトまで落として、せっかくここまで来たら水草を買おう、ということでアミーゴに入った。
今、うちの水槽は魚も水草も結構充実しているのだが、その中で、一番古くからある葉っぱの大きい水草群に、エビを入れてもオトシンクルスを入れてもどうにもならない頑固な黒いコケが生えていて、こいつが後から入れた水草にしょっちゅう移ってしまう。そこでこないだ、あのコケの生えた水草群を思い切って全部捨てて、新たな水草でリフォームしてしまおうと決めたのだ。
でも、なかなか水草を買いに行く暇が取れずに、それから数週間が経ってしまった。ところが今、アミーゴの営業時間は夜8時までなのだが、中華屋の定休日のおかげで7時過ぎにアミーゴの前でポッカリ時間が空いてしまったという、まさに千載一隅のチャンスが訪れたのである。
で、さっそく奥の水草コーナーに行ったら、あの広いコーナーのいくつもある水槽の中に、水草がほとんどないやないの! しかも、カラッポの水槽まで並んでいる。何事だ。私は店員に尋ねた。
田尾「水草、どしたん? 全然ないやん」 店員「はい。すみません、昨日、消費税5%の最後の日で、ほとんど売れてしまったんです」
水草まで駆け込み消費されるんか!
家から20分もかけてレインボーくんだりまで来て、中華も食べられず、水草も買えず…。失意の我々夫婦は仕方なく、全身を焼肉の口に切り替えた。すぐその先に、高松で2番目にうまい焼肉の「丸恵」がある。
家内「丸恵は火曜日定休日やで」 田尾「あ、そうか」 家内「じゃあ、福岡町の丸恵の方に行ってみる?」
家内が定休日を確認したら、福岡町の丸恵は営業日だった。そこで、また車を延々30分近く走らせて店に着いたら、何と、駐車場が一杯で、横の道にまで車が止まっていてとても入れる状態ではない!
何てことだ。高松市はそこまで我々の食事を拒むのか。
田尾「もう、木場さんとこ(フランス料理の「ボワ・エ・デュポン」)行こ」
「ボワ・エ・デュポン」は福岡町の丸恵のすぐ先にある。あそこはこんな平日の夜の8時前、オーダーストップまで30分くらいしかない時間に超満員になることはまずないから、絶対大丈夫。中華に行くつもりがフランス料理になって予定外の出費にはなるけど、これだけあちこち振り回されたら、それくらいのご褒美で締めな収まらんわ。
というわけで、またちょっと車を走らせて8時過ぎに「ボワ・エ・デュポン」に着いた。ところが、駐車場に車を停めて店の階段を上がっていったら、どうも様子がおかしい。見ると、店の入り口に1枚の貼り紙が…
「まことに申し訳ありませんが、本日は貸し切りとさせていただきます」
どういうこっちゃ!
***
今日はおか泉の定休日に始まり、中華屋の定休日、アミーゴの水草売り切れ、丸恵の定休日、福岡町の丸恵の駐車場満杯、ボワ・エ・デュポンの貸し切り…1日に6回もおあずけを食らわされた。結局、夜の8時半頃、田町の中国酒家で酢豚を食って、歩いていつものタバコ屋に行って店のねえさんと立ち話をしながらタバコを買って、すぐそこにあるアップタウンに行きました。
いつものように、マスターと牛乳屋さんがいました。店に入っていきなり、私はキッパリと宣言しました。
田尾「そういうわけで今日は断固として、長居はできませんからね!」 牛乳「ここに来た時点で断固でないわ」 田尾「確かに」
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