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2014年09月の日記
2014年9月28日(日)

 9月中に上げないといけない仕事が山積みなのに、明日は朝3時頃に家を出て、大学で五百蔵たちと合流してインタレストの取材で高知に行かないかん。たぶん、車で1日に400キロぐらい走らないかんので、9日ぶりの日記なのにもう寝ないといけない。昨日は感激のイベントがあったのだが、詳細はいずれ『うどラヂ』で。H谷川君、小ネタ全部覚えとってくれよ。
2014年9月19日(金)

 数少ないお友達から(笑)、「RDD方式って、こうやるんですよ」というご指摘を頂きました。すんません、いろんなこと知らなくて。とりあえず、何となくの理解ですが、

(1)コンピューターでランダムに電話番号(固定電話)を抽出。(これはまあ、素人でもできますわな)
(2)抽出した電話番号から、法人とかを削除して個人の固定電話だけを抜き出す。(これは素人ではできんと思うけど、NTTが分類データを持っていてそれをメディアとかに提供するんだろうか。私らの契約固定電話の情報って、まあ全部NTTに掴まれているとは思うけど、その程度なら無断で外に出されるのか・笑)。
(3)選ばれた電話番号に、調査員とか業者を使って電話アンケートを実施する。その時、調査員に「男女500人」とか指定し、それぞれ500人に達したところでアンケートを止める。

 ということだそうです。なるほど。ということは、最後の方で「男500人は集まった。あと女15人」とかなったら、調査員は電話で「そちらに女性の方はいらっしゃいますか?」「いません」「じゃ、いいです」「そちらに女性の方はいらっしゃいますか?」「いません」「じゃ、いいです」「そちらに女性の方はいらっしゃいますか?」「いません」「じゃ、いいです」………みたいなことになってるのか。

 あるいは、調査員が複数だったら(たいてい複数だと思うけど)、「あと2人やぞー」「あ、こっち、今女性とつながりました」「こっちもつながりました」「あっちもつながってるみたいですよ」「え? 501人になるやんか」。そこへ向こうで黙々と電話をしていたやつが「5人採れました」「うわっちゃー」みたいなことになって(笑)。

 ま、そんな細かいことはどうでもいいですね。アンケート作業を担当された皆様、ご苦労様です。あと、アンケート内容を企画された皆様には、地域のために「目的」をきちんとプロブレムソルビングされるよう、希望します。

 そういうわけで、観光開発の定点観測でハワイに行って来ました。観光開発は私の研究テーマの一つだけど、国外に行く時も国内に行く時も、ついでに家内も一緒に行くことがほとんどなので(一緒に行くと違った視点からいろいろ小ネタを発見してくれるんです)、清廉潔白をモットーとする私(笑)は「観光旅行じゃないのか」と突っ込まれるとうっとうしいので、いつも大学の研究費を使わずに全額自費で行っている。だから、大学に来てから家のお金が減る減る(泣)。

 とりあえず、ワイキキでは中国人(台湾人かもしれんけど)が異常に増えていました。メインストリートも、飲食店も、物販店も、そこいら中に中国人、かどうかわからんけど中国語のようなものを話している人がいっぱいいました。

 いろんな案内表示物には、10年くらい前はほとんど英語と日本語だけだったのが、6年前に行った時にはハングル表示が登場していて、今回は中国の簡体字表示がかなり溢れていた。DFSギャラリア(免税店)内の案内パンフレットも、英語、日本語、ハングル、中国語の4種類が並んでいた。あのスーパーおしゃれなDFSのエレベーターから、エレベーターのドアが閉じるのを足で止めたまま、紙袋に入った買い物商品を山のように(10コぐらい)運び出している中国人のおばさん2人にも遭遇(笑)。

 高級ブランドショップにもあちこちに中国人スタッフが入っていました。それが、西洋人客には普通に応対しているんだけど、中国人客が来たら、客と店員が高級ブランドショップとは思えないような馴れ合いコミュニケーションをとっているという場面を何度も目撃しました。あのなあ、ここ、天下のアルマーニの店だろ? ここ、世界のディオールだぞ(笑)。

 ちなみに、私が入って行くと中国人店員が出てきていきなり中国語で応対された、という高級ブランドショップが数軒(笑)。「アイムジャパニーズ」言うたら「ソリー」言われたけど、あれ、カードで何か買って「TAO」ってサインしたら、絶対チャイニーズだと思われるやろな(笑)。

 書店が激減していました。ま、アマゾンの登場で世界中の書店が減っているんだろうけど、オアフ島は人口100万人近くいるのに、その人口の大半を占めるワイキキ周辺に、ちゃんとした書店が3軒しかないって(JTBツアーデスク担当者談)。しかも、それらの書店には私の求める本はほとんどなく、結局私は、ワイキキから離れた小さい街で見つけた古本屋でお目当てのジャンルの棚を発見して、1時間ぐらい、吟味に吟味を重ねて5冊買いました。アマゾンで日本にいながら探せばいいんだろうけど、本の中身に必要な情報が入っているかどうかがよくわからんからなあ。

 行き帰りの飛行機には、相変わらず幼児を連れた観光客が結構いて、あちこちで子供の泣き声が絶えませんでした。まあ、「小さなお子様連れのお客さん」には気を遣ってあげなければいけないんだろうけど、「小さなお子様連れ」の旅行はたいてい「親が行きたい」という旅行だから、我が家では子供が小さいうちは他人に迷惑をかけたらいかんので、親が我慢して、旅行にもレストランにも行きませんでしたが(まあ、行く時間もお金もなかったけど)。とりあえず、「時代ですかねえ」と逃げておきます(笑)。

 撮ってきた写真は1000枚くらい。あと、資料やパンフレット類を100種類くらい集めて、現地のビジネスマンなんかへの聞き取り(大体日本語が通じる人へ)とかもできて、これからぼちぼち分析しますわ。授業でも使うけど、学生はビジネスの基本がまるでわかってないから、レベルダウンしてまとめ直さないかん(笑)。
2014年9月18日(木)

 無事、取材旅行から帰って来たので、小ネタレポートでも小出しにしながら日記の更新回数を稼ごうと思っていたら、とんでもないものを見つけてしまったので先に紹介しておきます。というか、あまりに恥ずかしくて紹介したくないという気持ちもあるんだけど。

 帰って来て、1週間ぐらい溜まった新聞をぼちぼちめくっていたら、9月15日付けの四国新聞の一面にこんな記事がドカンと載っていたのを見て、目が点になりました。点にはなってないけど。

(見出し)
買い物の選択肢増 期待
時事通信・四国新聞合同世論調査
瓦町駅ビル再開発
希望テナント レストラン75%、百貨店71%
多様なニーズ 注目度裏付け

(リード文)
 時事通信社と四国新聞社が県民1千人を対象に実施した「合同世論調査2014」で、来春のグランドオープンを目指して再開発が進む香川県高松市常磐町のコトデン瓦町ビルについて、買い物の選択肢が増え、街の活性化につながると大きな期待が集まっていることが明らかになった。入居を望むテナントはレストランや百貨店・スーパー、インテリア・雑貨など多彩だった。
(本文)
 同ビルは今年3月に高松天満屋が撤退。ビルを所有する高松琴平電気鉄道が物販を中心に学びや健康などの専門店を集めた複合型ビルにリニューアルすることを目指し、後継テナント選びを進めている。

 新たな駅ビルがどんなメリットをもたらすかとの問い(複数回答)では、「買い物の選択肢が増える」が77.1%でトップ。各年代が選択肢が増えると歓迎し、20代では8割超に上った。

 「県内経済の活性化」(68.7%)、「高松中央商店街の活性化」(68.5%)といった意見もあり、駅ビルが街の活力向上に欠かせないと考える県民が多かった。

 入居を望むテナントは、「レストラン」(75.9%)、「百貨店・スーパー」(71.5%)、「インテリア・雑貨」(67.2%)、「ファッション」(62.6%)などの順。多様なニーズからも駅ビルへの期待がうかがえた。

 年代別に見ると、「レストラン」は各年代でトップ。30〜60代では「百貨店・スーパー」と「インテリア・雑貨」が2、3位でニーズに大きな違いはなかったが、20代では3位に「映画館」が入った。

【調査の方法】7月12日から30日までの19日間、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。県内の20〜69歳の1千人(男女各500人)が答えた。

 という記事で、その横に大きく、

コトデン瓦町ビルに入居を望むテナントは
1位 レストラン
2位 百貨店・スーパー
3位 インテリア・雑貨
4位 ファッション
5位 アウトドア・スポーツ
6位 映画館
7位 アミューズメント
8位 ヘルス・ビューティー
9位 家電

 というランキング表が載っていました。

 県外の人には事情がわからないだろうから説明しますと、香川県にコトデンという県内唯一の私鉄がありまして、でも1990年代には毎年数億円の赤字を出していたようで、それを行政が補填しながら生き延びていました。そのコトデンが、1996年12月、高松市の中心地にある「コトデン瓦町駅」を全面的に建て替えて11階建ての巨大ビルになって、翌1997年4月にはそこに百貨店の「そごう」と提携した「コトデンそごう」がオープンしたわけです。

 その時の顛末はこの日記で確か2回くらい書いたと思うけど、240億円の投資で(ウィキペディアには「350億円の債務保証」とあるけど、当時の新聞では「240億円の投資」と書いてあった)、「年間売上目標300億円」と発表されて、地元マスコミは「高松市活性化の起爆剤だ!」と大喜びしていたけど、「百貨店ビジネスの売上に対する経常利益率は2%くらいだから、240億円を10年ペイアウトするとしたら年間売上1000億円以上が必要になるのに、300億円じゃ、全然あかんのちゃうん?」と思っていたら、案の定、わずか4年後の2001年4月にコトデンそごうが経営破綻して閉店した。

 すると今度は、同2001年9月に「天満屋」が後継テナント「高松天満屋」として百貨店をオープン。「いや、百貨店が潰れたのにまた百貨店を入れてどうするん?」と思っていたら、2014年3月に高松天満屋が営業不振で撤退した。賃貸条件を劇的に安く設定していたこともあって10年以上持ちこたえたけど、これで「やっぱりあそこでデパートビジネスはダメだ」ということが再確認されたわけです。

 以上が「前段」ですが、ここまでで「あまりに恥ずかしくて紹介したくない」といった理由がもうおわかりですね。

 ファッション、雑貨、レストラン等をふんだんに取りそろえた百貨店「コトデンそごう」がまるで売上が足りずに倒産して、続いてファッション、雑貨、レストラン等をふんだんに取りそろえた百貨店「高松天満屋」が売り上げ不振から撤退して、「今度、何が入ったらいいですか?」というアンケートを採ったら「レストラン、百貨店、雑貨、ファッション」って、香川県民はアホですか(笑)。

 失礼しました。あまりの恥ずかしさに不適切な言葉遣いになってしまいました。正直、こんな答を出す香川県民はどうかしているとも思ったのですが、それより、こんなアンケートを採る方がどうかしているのかもしれん。

 これ、自由回答じゃなくて、たぶん選択肢を挙げて選んでもらっているんですよね。すると、推測するに、電話インタビュー調査なら、

「レストランがあったらいいと思いますか?」
「はい、あったらいいですね」
「インテリア・雑貨の店があったらいいと思いますか?」
「あったらいいですね」
「ファッションの店があったらいいと思いますか?」
「いや、ファッションの店は他にもいっぱいあるからどっちでもいいです」

 とかいうやり取りで集めたんですか。あるいはマルバツで答えるとしたら「あったらいいと思うものに○をしてください」みたいなことですか。そんなアンケートの採り方をしたら、こんな「香川県民はアホですか」みたいな結果になるのは明らかでしょうが。

 さらに言えば、「県内経済の活性化」(68.7%)、「高松中央商店街の活性化」(68.5%)という結果が出たということは、これも自由回答ではなく選択肢型のアンケートだと思いますが、破綻した過去2回の百貨店・デパートビジネスで「県内経済の活性化」も「高松中央商店街の活性化」もほとんど効果がなかったことが証明されているのに、またこんな選択肢を挙げる方も挙げる方なら、まだ懲りずに「はい」と答える方も私には信じられない。

 さらに言えば、こんなアンケート結果に「買い物の選択肢増 期待」「多様なニーズ 注目度裏付け」と見出しを付けて、「買い物の選択肢が増え、街の活性化につながると大きな期待が集まっていることが明らかになった」「駅ビルが街の活力向上に欠かせないと考える県民が多かった」「多様なニーズからも駅ビルへの期待がうかがえた」と解説するとは、何という経済分析(笑)。

 もし、百貨店ビジネスで2回も経営破綻したあそこのビルの再開発に関するアンケートを採るなら、例えば国内外の各界トップクラスのビジネスマン(経営者)数十人に「あそこでビジネスをやるとしたら、どういう形態が考えられるか?」とインタビューしてみる方が、香川県にとっても高松市にとってもコトデンにとっても、はるかに有意義な回答が得られると思うのですが。

 いやー、恥ずかしかったけど書いてしまった。あと、アンケートを採った「RDD法」って、無作為抽出なのに「男女各500人」という性別人数限定までできるんだ。すごいな。どうやってるんだろう。
2014年9月10日(水)

 久しぶりに「はりや」に行って壁際に並んでいたら、大将が「何にします?」と聞いてきたので、「天ぷらうどん」と言いました。そしたら、大将から今まで聞いたことのない一言が。

大将「天ぷら、乗っけます?」
田尾「え?」

 一瞬、意味がわからんかった。天ぷらうどんはうどんに天ぷらが乗ってくるやん。それを「乗っけますか?」と確認してきたということは、天ぷらをうどんに載せないパターンがあるということか? すると、それはどういうスタイルの天ぷらうどんなんだ? 秒速2万回転で考えた結果、私は一つの結論に達して、こう返しました。

田尾「埋めるん?」
大将「そうそう、どんぶりに天ぷらを先に入れてその上からうどんとダシを入れて…って、なんでやねん」

 えー、スタッフとお客さんから生ぬるい笑いを頂きました(笑)。聞くと、天ぷらうどんを注文して「天ぷらを別皿にセパレートしてくれ」というお客さんがいるそうで、事前確認することにしたそうです。はりやさん、親子連れのお客さんの小さい子供に向かって、

大将「ネギ入れる?」
子供「ちょっとだけ」
大将「じゃあ5粒ぐらい」

とか、細かい対応してますからね。

 というわけで今日の昼ははりやの天ぷらうどんで一息つきましたが、ここ数日間、重荷を抱えつつも順調にいろんな仕事が片付いているので、勢いで今日から約1週間、通信手段を絶って後期授業と研究テーマに関する集中取材ウィークに突入することにしました。よって、しばらく連絡も取れなくなると思いますが、連絡してくる人もほとんどいないと思いますのでまあええか(笑)。ほな、来週までごきげんようです。
2014年9月5日(金)

 明けて6日の早朝3時、原稿がもう一本上がりました! 2日で上げるという新記録(自分比)です。

 この快挙の最大の要因は、新しい書斎を見つけたことです。松縄町にある「クラフトマンズ・ファクトリー」という、パンを売ってて横にカウンターだけのカフェが付いてる店なんですが、1ヵ月くらい前、すぐ近くにある「丸恵」に焼き肉を食べに行った時に見つけて恐る恐る入ってみたら、

(1)狭いけど天井が高くて、来るお客さんも静かな人ばかりで、店内の音が全く邪魔にならない。
(2)カウンターの高さが、パソコンで仕事をするのにピッタリ。
(3)ブルーマウンテンが非常に飲みやすくてうまい。カプチーノが泡に変な絵を描いてなくてシンプルでうまい。あと、気分で結構珍しいコーヒーも飲める。
(4)駐車場が広くて無料。
(5)そして、喫煙可(笑)。

 完璧な仕事環境じゃないですか(正しい「じゃないですか」…ですよね・笑)。唯一の難点は、家から車で15分くらいかかるという距離の問題だけど、何か空気感の相性がいいのか、往復30分くらいすぐに取り返せるほど原稿が進むのである。

 実は昨日の夕方、用事を済ませて散髪に行く前に、古新町の「珈琲倶楽部 欅(けやき)」という喫茶に初めて入ったら、ここもカウンターの高さがピッタリな上に、ココアがうまくて喫煙可(笑)。加えて、店のアシスタントみたいなねえさんが私の詫間の実家のすぐ近く出身であることが判明したりしてすっかり和み、初めて行ったのに2時間半で一気に4分の1くらい原稿が進んでいたのである。ただ、「欅」は駐車場がないので、2〜3時間原稿に没頭すると駐車場代がえらい高くつく。

 そこで、今日は残り4分の3くらいの原稿に取り組むため、満を持してクラフトマンズに行ったのである。いや、正味2時間くらいしか時間が取れなかったのだが、また一気に4分の1くらい進んだ上に、原稿の最後までの構成が頭の中でピシッと整理できた。その勢いで家内と合流して丸恵で焼き肉を食って、家に帰って自宅の仕事部屋で夜の8時頃から7時間くらいかけて、ついにアップしたというわけです。

 途中、ちょっとだけテレビを見ました。阪神ー中日戦(ナゴヤドームなので正確には中日ー阪神戦だけど)をちょっとだけと、ボクシングの村田と井上のところをちょっとだけ。ほんとはガッツリ見たかったんだけど、原稿が調子ええ時だったからチラ見しかできなかった。

 私は45年来の阪神ファンなのに、昔からすこぶる付きの阪神キラーの山本昌(中日)の大ファンなのである。その山本昌が49歳の今年、大学教授で言うたら定年過ぎて70歳くらいに相当する今年、馬で言うと15歳でGTに出てくるぐらいの今年、今季初登板で今日の阪神戦に先発してきたのである。

 大の「007」ファンで「愛と青春」モノの映画が苦手な私の前に『愛と青春の007』という映画が出てきたような葛藤の中、今日は阪神でなくて山本昌を応援してたのですが、5回を無失点って。49歳の今季初登板やぞ。直前まで2軍でも結構打たれてたのに、どんだけ苦手なんや阪神(笑)。

 とまあ、真弓が監督になって以来5年半にわたって一切阪神の話題に触れなかった私が、こんなところで触れることになってしまいました。ま、今日は山本昌に触れたということで。何かいい気分の1日でした。午前4時前です。じゃ、おやすみ。
2014年9月4日(木)

 『神々の流竄』が今、「古事記は元明天皇(女帝)一人に対して書かれた」、「稗田阿礼は女ではないし、太安万侶に口伝えで話したのでもない」…みたいなところに差しかかって目が離せないのだが(笑)、というか、以前に一回読んでいるのだが、梅原先生のはとても内容が深くて、読むたびに自分に入ってくるものも深くなるので……いかんいかん、仕事せないかん。何しろ、8月中に上げる決意だった5本の原稿が、あと4本残っているんだもの(笑)。

 ちなみに、私は小学校、中学校を通じて「夏休みの宿題は2学期が始まってからやるタイプ」だったのだが、今も子供の頃の純粋な気持ちを持ち続けているということであろう。絶対違うわ。

 さて、今日は昼頃、用事があって高松の中心街に出かけることになったのだが、香川大学の前を通って高松市役所へ向かう幹線道路が、1キロほど手前から相変わらずの渋滞で、以前なら5分で抜けられた距離が15分もかかった。原因ははっきりしている。数年前にも何度か指摘したが、片側2車線あった幹線道路のうちの1車線を潰して、歩道を広げて自転車道を新設したからである。

 こないだ家から高松駅に行くのにタクシーに乗って運転手のおっちゃんと話していたら、「もうタクシーはあの道を通らんよ」と断言していた。「道が混んどる上に、車道と自転車道の境界にずーっと鉄柵つけてしもたけん、客なんか全然拾えんからな」とのことである。それで、タクシーが通らなくなったのにあの混雑である。私はあの道が片側1車線になってから、高松の中心街に行く回数がめっきり減ってしまいました。

 でも、高松市はちょっと人口が増えているのである。私は以前から「地域経済が衰退して県の人口が減っていく時、一時的に県の中心都市の人口は増える」という説…というか、マーケットの原理原則からそうなると思っているのであるが、理屈はとてもシンプルである。すなわち、地域経済が衰退して働く場が減っていくと、

(1)県の中心都市の働き手が、県外に出て行く。
(2)県内の郡部の働き手は、「県外に出て行く者」と、「県の中心都市に出ていく者」の二種類が出てくる。

という、普通に考えたら当たり前の話で推測しているだけである。その結果、

(1)県全体の人口は減る。
(2)県の郡部の人口は特に減る。
(3)県の中心都市の人口は、「都市から県外に出て行く者」と「郡部から流入する者」の差し引きで一時的にちょっと増えるか現状を維持するという現象が起こる。

という、当たり前の推論である。そこで、ちょっと調べてみました。香川県の市町村合併が一段落した平成18年の人口と平成26年の人工の皮革…でなくて人口の比較(何でそっちの変換が先に出て来る)。

(1)県全体の人口
(18年)100万8097人
(26年)98万497人
(増減)マイナス2万7600人

(2)高松市以外の市町の人口
(18年)59万1727人
(26年)56万1486人
(増減)マイナス3万241人

(3)高松市の人口
(18年)41万6370人
(26年)41万9011人
(増減)プラス2641人

 つまり、県全体で27600減って、その内訳は「高松市以外で30241減って、高松市が2641増えた」と。うわ、ほんまにそうなってる。

 ちなみに、香川県内の全市町のうち、この8年間に人口が増えたのは、高松市(+2641人)と宇多津町(+1206人)と丸亀市(+212人)だけである。ということは、中西讃(香川県の中西部)では丸亀・宇多津エリアが中西讃郡部からの働き手をちょっと吸収しているのかもしれないけど、丸亀市(約11万人)と宇多津町(約1万9000人)を合わせても人口は13万人にもならないから、まあ香川県内だけで言えば推測通り、「高松一極集中」が進んでいるということだろうと思う。

 ただし、よく言われる「東京一極集中」というのは「ビジネスが伸びているところに集中している」という側面があるが、高松の場合は「ビジネスが伸びていないところに集中している」という、過疎県ならではの全く違った様相だと捉えるべきでしょう。言わば、「ネガティブな人口増」ですね。

 それで、今ちょっと高松が持ちこたえているんじゃないかと思うわけです。だって、新規ビジネスが伸びてないもの。再開発とかで新しい施設ができても、右と左にあったものを真ん中に集めただけで、全体で何も伸びてないもの。だから、このまま的外れな手を打ち続けると、いずれ当然、「ついに高松も人口減開始」という局面が訪れますよ。

 ちなみに、平成の大合併をした東かがわ市、さぬき市、三豊市は、合併後、全て人口が減ってきています。また、瀬戸内国際芸術祭で活性化が成功しているらしい直島町も小豆島も着実に人口を減らし続けていますが(笑)。

(瀬戸内国際芸術祭が始まった平成22年から26年までの人口推移)

<小豆島全体>
(22年)31480人 
(26年)29421人
(増減)マイナス2059人(6.5%減)

<直島町>
(22年)3377人 
(26年)3183人
(増減)マイナス239人(7.1%減)

などという基本的な数字の分析は、ぜひ地元マスコミによろしくお願いしたいところです。8塚くん、1〜2ヵ月前に見た「記者ノート」のコラム、私の中では今までに見た他の「記者ノート」の中で一番視点がよかったと思うので、今後とも期待しています(笑)。
2014年9月3日(水)

 ふー、4日で上げる決意で取り組んでいた原稿を、10日かかってやっと上げた。昨晩からの葛藤を詳細にレポートしてみよう。

(9月2日)
午後3時から4時間ほどの会合を終えて、19:30頃帰宅。食事の後、原稿に取りかかる。いつものように原稿にかかる前の構成に苦しんで、ここまで9日間でまだ全体の半分くらいしかできていないが、全体の構成は大体できているから、今晩は「朝までかかっても絶対に仕上げるぞ!」という断固たる決意であった。

10:30 いつものように、手遊びをしないようにネット環境を遮断してパソコンに向かう。

11:30 1時間ほど集中して、55%まで進む。コーヒーを入れるため数分間中断。

12:10 また原稿に行き詰まって、57%あたりで一息ついていたら、隣のリビングから大音量で「憂歌団」の歌が聞こえてきた。見に行くと、家内がCSで憂歌団の日比谷野外音楽堂のライブ番組を見ていた。あかんがな、1:00まで一緒に見てしもたがな。

1:00 連日の睡眠不足と憂歌団を見ながら食った枝豆のせいで、睡魔が襲ってきた。そこでいつものように「必死で頑張るか、もう寝て明日の朝早く起きて仕事をするか」の選択に葛藤し、いつものように「朝早く起きてやろう」という危険な選択(笑)をして、布団に入る。

1:10 なるべく早く睡眠に陥るために、いつものようにうつ伏せになって本を読み始める。アゴの下にまくらを敷いて本を読んでいると、私はたいてい早々に半睡眠状態に陥るという習性を持っている。今日は、こないだ仕事部屋の大片付けをしていたら出てきた、30年ぐらい前に発行された梅原猛の『神々の流竄(るざん)』を読み始めたのだが、古事記と日本書紀の秘密から、「出雲神話の舞台は出雲ではない」「因幡の白ウサギ神話はメルヘンではない」等々、確か昔、一回読んだはずなのだがどんどんハマってしまって、2:30まで読んでしまった。

2:30 さすがにこれはいかん、と思って『神々の流竄』を途中でやめて寝る。

(9月3日)
7:30 無理やり起きる。

8:20 「蒟蒻畑」を2コ食べて家を出る。家出ではない。

9:00 大学の研究室に入り、コーヒーを入れてラジカセでウィントン・ケリーをかけて、パソコンを開けて仕事開始。

10:00 インタレスト編集室に“お嬢様”三宅率いる第三特集チームが集まっていたので、ちょっとアドバイスをする。

10:30 かなり集中力が順調で一気に70%まで来たのだが、そこでまた詰まってしまって、気分転換にそのまま捨てるわけに行かないので貯めてある資料の束を引っ張り出して、シュレッダーにかける(笑)。どんどんシュレッダーにかけているとボックスが一杯になってきたので、ボックスを引っ張り出して一杯になった細切れの紙をビニール袋に写して………再びパソコンに戻る。「………」の部分は、危うく片付けのスイッチが入りそうだったのをグッとこらえた時間だ。

12:00 昼飯も食わず、「蒟蒻畑」を2コ食べて引き続き原稿と格闘。途中、背伸びをしたりコーヒーを入れたりトイレに行ったりウィントン・ケリーからウェス・モンゴメリーに変えたり、「蒟蒻畑」を1コずつ食べたり、またシュレッダーで資料を粉砕したり、ちょこまかと数分ずつ中断しながら15:00になる。

15:10 教授会。

15:40 全学連絡会とFD委員会に出席。大学側からの報告等の後の質問の時間で、ちょっと問題提起をしたいことが2点ほどあったのだが、さっさと終わりたいだろう先生方もたくさんいることだろうし(笑)、私も原稿に追われているので、まあ緊急提言というわけでもないので今日は黙っていた。

16:30 研究室に帰って再び原稿に取り組む前に、まずはシュレッダー(笑)。すでに一杯になったビニール袋(スーパーの大きいやつ)が3つ目に突入しているが、資料を置いていた棚がすっきりしてくるのを見ていると快感でやめられなくなって(笑)……あかんあかん! 片付けスイッチが微妙に入ってるやん!

17:00 シュレッダーモードを突然引き裂くノックの音。白玖がやってきて、担当特集の進行内容の相談で約20分を費やした。それから30分ほど原稿に戻ったのだが、どうも進まないので書斎を変えるため、家に帰ることにする。

18:50 帰宅。着替えて直ちに原稿に取りかかる。

19:30 夕食。

20:00 ちょっとだけ『神々の流竄』の続きを読みかけたら、また1時間も読んでしまった!

21:00 再び原稿に取りかかる。

1:30 いつにない集中力が出て、ついに原稿アップ。 

という感じで連日過ごしているもんだから、結構毎日、ダラダラと苦しい。しかも、昨日の別件のミーティングで、また重い重い荷物を背負いそうな話になってきて……ちょっと、本格的に手伝いを集めにかかるかなあ。
2014年9月1日(月)

 今日は午後、『インタレスト』の吉本ラミレスチームがミーティングをすると言うので、様子を見に入って行った。このチームはちょっとレジャーっぽい緩い特集に取り組んでいるのだが、すでに体験取材も済ませ、アンケートも一通り集めて来ているので、今日はそれらの素材を全部並べて、どういう記事に構成するかを考える段階のミーティングである。

 集合していたのはチームリーダーのラミレス、スタッフの横Z、O野の爆竹コンビ、ガンジー、菅野、そしてお目付役の河井「全」編集長と白玖の7人。そこでミーティングが始まると、向上心に満ちあふれたラミレスが高知弁で矢継ぎ早に質問してきた。

「これはどうするがですか?」
「じゃあ、これはこれでいいがですか?」
「これはもっと集めた方がいいがですか?」

 今年のイナゴ軍団は、例年にも増して積極的である。それは高く評価しているのだが、難点が一つ。「これでいいですか?」がやたら多いのである。4年の河井と白玖も、今でこそずいぶん減ってきたが、去年あたりまではかなり積極的に私に対して「これでいいですか?」を連発して来ていた。

白玖「先生、ここのところなんですけど、これでいいんですか?」
田尾「んー。どうするかなあ。こういうメッセージを出すのが目的やから、まあそれでええか」
白玖「じゃあ、これもこうやった方がいいですか?」
田尾「んー、いや、そっちは違う見せ方の方がええんちゃうか?」
白玖「じゃあ、こっちはどうしましょう」
………
田尾「白玖よ、ちょっと自分で考えろ。ええか? どう見せたらええかとかは、答がないんや。やってみなわからんから、俺も迷いながら考えて決めよんや」
白玖「……」
田尾「お前、馬券買う時に俺に『これでいいですか?』って聞いて来んやろが」
白玖「確かに」

 そんな会話を繰り返しながら、白玖は成長したのである(笑)。

 ま、ラミレスもこれからだ。編集の手法なんか、私が正解を持っているわけではない。たぶん君らよりは正解に近い答を出すノウハウを持っているが、それは決して正解ではない。だから、高校までのように「先生に答を聞く」のではなく、「先生の持っているノウハウを吸収しながら、一緒に考えてよりよい答を出す」というメンタリティに切り替えなさい。

 ちなみに、オープンキャンパスでも高校生からよく似た質問を受ける。私はオープンキャンパスで毎回、自分の担当する「情報加工学メジャー(専攻)」のブースに座って、やってくる高校生に「情報加工学とはどういうことを勉強するのか」の説明をしているのだが、そこで毎回のように高校生から「情報加工学を専攻すると、何になれるんですか?」という質問が出てくるのである。

 そこで私はいつも、同じ答をする。

「『なれる』のではない。自分で『なる』んだ」

 誰が教えたのか知らないが、最近の高校生の多くが、「何かを学ぶと、何か(の職業)になれる」と思っているようなのである。公務員試験に合格すると公務員になれる、とかいう話ではない。もっとそれ以前の、「この大学のこの学科を卒業すると○○になれる」とかいった、「そんなわけねーだろ!」みたいなレベルで、「誰かが私に何かをしてくれる」というメンタリティをかなり強く持っているように見えてならないのである。

 これも、「誰かが答を持っていて、聞けば答を教えてくれる」という症候群の一種だと思う。あ、今気がついたけど、これってあれか。ケネディの「国家があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国家のために何ができるかを問おうではないか」いうやつか(笑)。

 アメリカはあれ以来どうなってきたのか知らんけど、日本はどんどん逆行しているんじゃないかと、すごく身近なエリアだけのサンプルだけど、そんなことを思ったりしています。イナゴ軍団たちに告ぐ。みんな、自分の将来は自分で切り開いて行こうぜ。
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