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2015年02月の日記
2015年2月27日(金)

 水曜日、インタレストの作業に来ていたクラハシ(仮名)から「先日の日記に不本意な表現があった」との申し出があった。

田尾「あの愛情に満ちあふれた文章のどこが不本意なんや。ちゃんと“成長中”って持ち上げとったやろ」
クラ「いや、その前に何か、“変人クラハシ”とかいう表現があったように思うんですけど」
田尾「変人? “恋人”って書いてなかったか?」
クラ「いや、というか、それはそれで嫌ですけど」
田尾「俺も嫌や(笑)」

 などという会話があって、それから一緒に来ていたO田と3人で山内にうどんを食べに行く行き帰りの道中、煙に巻くような概念論をいろいろこねくり回しながら、またこおろこおろとクラハシをかき混ぜてみました(笑)。

田尾「例えば、(1)(2)(3)という3つの段階があってな、俺らみんな(1)のところにおって、これから(3)を目指して行こうとするわけや」
クラ・O田「………」
田尾「この(1)(2)(3)いうのはピラミッド型になっていて、(1)が裾野でボワーッと広がっとる。で、(3)が頂点だと思いな。その時、まあ正攻法としては、まず(1)の中に膨大にある事実や事象をいっぱい集める。いろいろ勉強したり調べたり経験したりして集めるわけや。で、次に集めたものをいろんな原理原則に当てはめて考えて、不要なものを捨てて必要なものだけを取り出して、第一次の絞り込みをして(2)の段階に進む。しかるのち、絞り込んだものの中から『何が(3)に向かうのに最も有効か』をさらに精査して、(3)に向かって行く」
クラ・O田「………」
田尾「O田は比較的、そういう正攻法の過程を踏んでレポートを書いて来とったわ」
クラ「わかります。こいつはそういうやつですから」
田尾「クラハシはな、まず(1)のところでふわ〜っと事実を拾うんや。拾いよんかどうかもわからんけど(笑)。ほんで、(2)を飛ばしてふわ〜っと(3)の“ような”場所へ行こうとしよる感じがする」
O田「あ、そういう感じ(笑)」
田尾「そやから時々、妙な風に流されて(4)とか(5)に行ったりする(笑)」
クラ「それで僕のレポートはCだったんですか。でも、Aが付いたレポートもありましたよ」
田尾「ふわ〜っと行ったら偶然(3)に当たったのがあった(笑)。まあ、クラハシはまだ先が長いから、ふわ〜っとしよってもそれはそれで何かが生まれてくるかもしれん。けど、一回、(1)と(2)をきちんと押さえるトレーニングをしてみてもええぞ」
クラ「何か、今の僕には難しいですねえ」

 とか言いながらも、きっとクラハシは何か考えようとするに違いない。何せ「成長中」やから(笑)。

田尾「あとな、みんなのレポートを見てたら、もう一つ、真面目に正攻法でやろうとしているのに(4)や(5)にまっしぐらに向かってるようなやつもおるんや。例えば、(1)でちゃんと事実を集めるんやけど、次の段階で何の拍子かどこで聞いてきたのか知らんけど「原理原則」からずれた選考基準を持ってて、それで真面目に絞り込んだら(2)のところでちょっとずれて(2’)みたいなところに上がってしまう。そこからさらに真面目に突き進んだら、(3)からどんどん離れて行って(4)や(5)に到達してしまう…みたいな感じや。クラハシはふわ〜っと風に流されて(4)や(5)に行くことがあるけど、こっちはしっかりと信念を持って(4)や(5)にまっしぐらに向かっている」
クラ「どっちがいいのやら悪いのやら(笑)」
田尾「少なくとも、後者の方が直すのに苦労する(笑)」

 ただし、(3)といってもみんなが同じ答に向かうのではない。大きな(3)という方向の中に、(3−a)(3-b)(3-c)……という種類の違ったいろんな答があるというイメージである。どうですか。なかなか観念的で“こおろこおろ”な混ぜ方でしょ(笑)。

 で、今度はこいつを“こおろこおろ”でなくて“ごおりごおり”と強くかき混ぜると、少々「いかがなものかモード」に入ってくるわけです。例えばテレビのニュース番組。これを正攻法で構成するなら、まず(1)を固める「状況解説のプロ」がいて、次に(2)に行くための「原理原則解説のプロ」がいて、しかるのち、(3)の「状況と原理原則から解を出す問題解決のプロ」がいれば、よいニュース報道(解説)ができるわけです。

 でも、(1)の「状況解説のプロ」って、池上彰さんとか一部の真面目な専門家の方々とか、数えるほどしかいませんよね。次に(2)の「原理原則解説のプロ」は、ほとんどテレビには出てきませんし(少なくとも私は見たことがない)、(3)の「状況と原理原則から解を出す問題解決のプロ」なんか、いわゆる識者と呼ばれる世界全体にほとんど存在しないかのようです。

 でも、それでニュース(解説)番組を作っている。ほとんどの番組は、状況解説も原理原則解説も問題解決もできない(プロでない)司会者とコメンテーターのやりとりで進められている。わずかに「状況解説のプロ」がゲストのように出てきて解説をしても、それに対して素人の司会者やタレントなんかが原理原則論を欠いた情緒だけで話題をまとめてしまうものだから、さっきの話で言えば(1)をふわ〜っと聞いて(2)を飛ばして(3)の“ような”ところへふわ〜っと行こうとして(4)に行ったり(5)に行ったりしたまま番組が終わる…みたいなことになってしまうのだと思う。

 あ。クラハシはまだ先が長いし、それは「自分のこと」だから今はそれでもええんぞ(笑)。でも、テレビは「自分のこと」じゃないから、「いかがなものか」と思ってしまうのである。そんなのばっかりやってるから、テレビで「自論」の大半を作り上げるような人たちが「ふわ〜っとした論理構築」しかできなくなって、しばしばとんでもない(D)や(E)の世論が、誰も「とんでもない」と思わずに出来上がってしまうような気がしているのである。

 とりあえず、届かないとは思うがお願いを申し上げれば、ニュース番組を作っておられる方々には、「原理原則解説のプロ」の登用と、問題解決の素人のタレントや識者のコメンテーターでなくて「問題解決のプロ」の登用をぜひご検討いただければ幸いです。今のままじゃ、ただの井戸端会議のネタを提供しているだけで、問題解決のトレーニング中の私にはちっとも勉強になりません。私らは視聴者のターゲットじゃないのかもしれませんが(笑)。
2015年2月22日(日)

 どうにも原稿が進まなくなったので、12:00に大島家に行って、12:40頃、すぐ隣のクラフトマンズファクトリーに行って1時間半ほど思索しながら、思考の袋小路を何とか脱出して家に帰りました。大島家で肉うどん一杯に40分もかかったのは、前へ前へ出てくるお母さんと大将のアルベルト大島さんに絡まれていたからです(笑)。肉うどんの麺、緑と紫のツートンカラーでした。詳しい顛末は、覚えていれば『うどラヂ』で。

 そういうわけで、考えながら原稿を書く時に邪魔になるものランキング第1位、「インターネット」(笑)。私はたいがい意志は強い方だと自認しているのだが、あれはあきませんねえ。原稿を書くのに必要な情報やデータをネットで調べていて、頭の中がこんがらがって来てふと横道に逸れたら、今日もユーチューブで「TOKU」のジャズに行き当たってあっという間に30分。

 家や大学の研究室で原稿や資料を書いている時にはたいていネットの線を抜いているのだが、必要に迫られてつないだりすると、思考が堂々巡りし始めたらつい手遊びに行ってしまう…ということが何度かあって、以来、時々場所を変えて、ネット環境から隔絶された灰皿のあるおしゃれな喫茶に行って原稿に集中する…というのをたぶんもう5年以上やっている。すると、まず間違いなく、詰まっていたものがスコンと抜けて原稿が進み始めるのである。

***

 インターネット上のトラブルを未然に防ごうと、県教委は13日、小・中学生に午後9時以降、携帯電話やスマートフォンなどの利用をやめるよう呼びかける県内共通ルール「さぬきっ子の約束」を発表した。(四国新聞)

***

 だそうである。ネーミングはともかく(笑)、インターネットとかスマホとか、スマホは持ってないのでよくわからんが、あれは短期的な犯罪の危険もそうだが、中期的な、たぶん20〜30年スパンで「集中力を要する思考力」に影響が出てくるような気がする。「集中力を要する思考力」の世界で何十年もやってきた私が30分や1時間とは言えユーチューブに持って行かれたりするのだから(笑)、そんな実社会の経験をしたこともない若い人たちは、もう体ごと持って行かれて、その影響が20年後あたりから社会に露呈してくるのではないかと思うのである。

 でも、若い子の中にも、そんなものに持って行かれないようなしっかりしたやつが必ずいる。ということは、ネットやスマホは「それに流されずに有効活用する数少ないしっかりしたやつがどんどん伸びていき、弱いやつだけがどんどん堕ちていく」という道具なんでしょうね。で、その堕ちていった大量の弱いお子たち(集中力を要する思考力の欠けた子供たち)が、18歳から選挙権を持つことになるそうで(笑)。

 このあたりの話は、私の論理構築の一つの柱である「目的と手段の整合性」からきちんとまとめないといけないのですが、集中力を要する思考力が衰えてきたので今日はまとめられません。ちなみに、日本人の食生活が変化し始めてからそろそろ20〜30年経つのですが、あれも社会に影響が出てくる時期をそろそろ迎えているのではないかと思います。今の50代以上と30代以下の大人のメンタリティと食生活の関連性を研究している方がいたら、ぜひ発表してください。期待しています。

 あ、リディア・コが優勝しました。「のび太」からイメチェンを図って(笑)目の周りに塗っていた色のついたファンデーションが、汗で流れて手でこすったのか、ラウンド中に目の横の頬骨の上あたりが「誰かに殴られたように赤く」なっていたのですが、数ホール後にはちゃんと拭き取っていました(笑)。

 化粧も上手になって、社会勉強も人間勉強もしっかりとやって、いい大人になってくれよ(親か)。韓国系だけど、小さい頃からニュージーランド人でニュージーランドの教育を受けているはずだから…親がおかしくなければいいんだけど(笑)。ま、スポーツは捏造の世界ではなくて事実の世界だから…とか言いながら、また思考が途絶えて1時間近く。こんなブログができるようになったインターネットのせいだ(笑)。
2015年2月20日(金)

 学生たちは先週から春休みに入っているが、インタレスト編集部は2月、3月が取材の真っ只中。ここからが第二の苦難の始まりである。第一の苦難の「企画出し」は難産の末、4つの企画が内定してそのうち3つがチームを組んで「取材」に突入しているのだが、インタレストのこの時期の「取材」は、企画が行けるかどうかの検証作業みたいなものである。

 例えば、プロの雑誌レベルの編集会議であれば「かなりの量の情報を持ったスタッフ」が集まって企画の発案をするから、検討の結果採用された企画はほぼ「完成予想図=設計図」となり、あとはたいてい、取材をして図面を埋めていく作業になるわけですが、あまりに社会の経験不足である学生には「かなりの量の情報」がまるでない。

 だから、企画を内定した後、取材をしながらその分野だけの「かなりの量の情報」を集めさせて、集めた後(あるいは集めながら)、その集めた情報をもとに企画自体をかなり修正していくという必要が、毎回出てくる。そういうわけで、この時期の取材は「集めてみたら意外とおもしろくなくてボツになった」というリスクをはらんだ第二の苦難なのである。

 水曜日は編集室に編集長の五百蔵ことキャプテン・イオ(逆か)と2年の変人クラハシ(成長中)がいたので、ちょっと作業の整理をしながらレクチャーした。イオは満ちあふれる責任感が頭の中で四方八方に発散して(笑)、「あれも入れてはどうか、これも集めてはどうか」と言ってくるので、テーマ全体のロジックツリーを作って「どこに向かうべきか、そのためには何が必要で何が不要か」というレクチャーをした。

 クラハシはこれまで、インタレストだけではなく、大学生活や学生自治問題から自分の人生の展望まで、ドロドロした混沌の中で何となく横や後ろに向いていたので、こないだうちからそいつを“こおろこおろ”とかき混ぜて、前の方にポトッと島を作ってやりましたところ(古事記参照・笑)、ちょっと島に向かって泳ぎ始めた感じがします。ま、人生、先は長いからちょっとずつね。

 女子プロゴルフのオーストラリアオープン、アマチュア時代から応援している「のび太」こと天才リディア・コ(17歳)が、何とあの大メガネを外して目を大きく描いて(?)ちょっと化粧して出てきた! 明日、明後日、忙しいけどこれは見てやらないかん(親か)。
2015年2月15日(日)

 また「複数の仕事の優先順位がうまくつかないまま、日にちが経っていく」という悪循環の日々が続いている。「今日中」、「明日中」という仕事が連日続くのは、毎日その仕事に必死でかかればいいだけで、しかもそういう仕事はだいたい1日とか2日集中すれば何とかなるという「短い仕事」なので、私には別にどうってことない。というより、毎日「一つ仕事をアップした」という達成感があるから、かえって充実感があったりするのである。

 けど、5つも6つもの仕事が全部「今週中」とか「2月中」とか「3月中」というロングレンジの締切で、しかも一つ一つがとても3日や4日や1週間では終わらないような大物、中物ばかりとなると、「一つずつ順番に」とは思うのだが、途中で他の仕事が気になり始めてそっちに手を出したり、また戻ってきたりして、一つも片付かないまま日にちだけがどんどん経っていくという、真綿で首を締め付けられるような、締め付けられたことがないので実感がよくわからんが、そういう日々が続いているのである。

 ほんまに、何十年同じことを繰り返しているのかと思いますが、なかなかうまいこと行きませんねえ。根本的な原因は、今まで何回も自覚してきた通り、「仕事を受けすぎる」ということにあるのは重々承知していますが、これでもだいぶ断れるようになって来たつもりなんだけどなあ。

 昨日の晩(今朝?)、とても物理的に解決できないような締切を目の前に途方に暮れているという、年に数回見る「悪夢」を今年初めて見て目が覚めました。もう、朝から気分が悪いので、「別世界」に行こうと思い立って、20年ぶりくらいに仏生山の野口うどんに一人で行きました。

 テーブルが2つしかない狭い店に入ると、近所のおっちゃんらしき客が2人いました。そのうちの1人のおっちゃんが私を見て、

おっ「あら、超有名な人やないか」
田尾「あ、おはようございます」
おっ「どしたんな。仕事かい」
田尾「あ、仕事の途中みたいなもんで(笑)」

 とかいう緩い会話を交わして、かやくうどんかと思うようなきつねうどんの大を一杯食べて、そのままクラフトマンズファクトリーに行って2時間ぐらい原稿と格闘しました。

 仕事のお供は、今日は1杯目からモカマタリでした。店に入ってパンのショーケースを見たら私の大好きな重めの生地のあんパンがあったので、「食後のパン(笑)」としてあのあんパンを食べるとしたら、まったりと濃いもの同士で行ってやれと思ったもので。

 表で焙煎しているコーヒー豆の煙が店内にも流れ込んできて、いい香りが充満した中で出てきた濃い墨汁のようなモカマタリを一口なめると、ふわ〜…… 重くて、まろやかで、ねっとりとした、例えるなら松尾和子か金子由香利ですわ。沢たまきを入れてもいいけど、ちょっと精神性が違うかもしれん。これは確かに、アラブの偉いお坊さんが恋を忘れた哀れな男に教えてあげるのも無理はない(笑)。

 で、そこであんパンを一口。絶対おかしい客や(笑)。

 帰りにたまらず、あんパンをもう一個とクリームパンと食パンを買ったら、マスターに言われました。

マス「あんパン好きですねえ。あんパンとクリームパンは、典型的なおっさんのチョイスですよ(笑)」

 言われるまでもなく、自覚は十分(笑)。
2015年2月11日(水)

7:30 峰山に出発。
8:10 栗林公園の裏の紫雲山中腹で5分休憩して息を整える。
8:40 紫雲山山頂に到着。
9:20 山頂から栗林トンネルの上あたりに下り、再び山登りを始めて姫塚の休憩所で一服。
10:00 峰山公園の展望台に到着。
11:00 家に帰ってシャワーを浴びて一服してたら…

11:40 『恐るべきさぬきうどん』の中で出てくる「重鎮・S水氏」から、たぶんもう20年くらいぶりに電話がかかってきました。何事かと思ったら…今朝、A&Wの石井さんが亡くなったという電話でした。

 『恐るべきさぬきうどん』の中で「I井」さんでチラッと出てくる、カメラマンで写真スタジオA&Wの社長の石井さんです。初期麺通団の「宮武評論家」のカメラマンF家さんと「山越周辺評論家」Y内が所属するA&Wの親分で、私が広告代理店の新入社員の頃から仕事や遊びをいろいろ教わった、広告代理店時代に私がつたないボーカルでやっていた「ご承知バンド」でドラムを叩いていた石井さんです。昔、大阪の映画館でヤクザ映画を観て、すっかりその気になって肩を怒らせて出てきて手に持っていた傘を前に向けて構えて「パーン!」言うたら、前を歩いていたそれらしいお兄さん3人組が突然立ち止まって振り返って「誰撃ってん」と言われて縮み上がったという、石井さんです。ボウリングはストレートボールしか投げないのに200くらい出してました。東京でアニメとか書いている「中村おじさん」こと中村博文君は、A&Wで石井さんの下で働いていました。私の家内は私と結婚してからしばらく、A&Wで石井さんの下で働いていました。もう最近は長い間会っていませんでしたが、去年、家内がスーパーで奥さんと一緒に買い物をしている石井さんに会って、「ものすごくやつれていた」と言っていたので心配していたのですが、今朝、亡くなりました。

12:00 パソコンに向かって仕事を始める。

15:11 百々君からメールが来た。明日12日(木)から「はりや」が店主リニューアルを終えて営業を再開するそうです。

20:09 百々君からメールが来た。「昨日の日記で『今年は初うどんが1月14日のなかむら』とあったけど、1月5日にはりやに行ってるじゃないですか」という指摘があってあわてて確認したら、行ってました。物忘れシリーズ第3弾でした。

…と、お知らせしておかなければいけない百々君情報も並べてみたけど、石井さんが亡くなりました。たぶん、まだ65歳あたりだと思います。明日、お通夜に行って来ます。香西のベルモニー会館です。告別式は、13日(金)の朝10時からです。
2015年2月10日(火)

 今年は初うどんが1月14日の「なかむら」という近年希に見る出遅れティアヌスであったのだが、その後、「柳川」「一福」「宮川」「田村」と行って、2月に入ると「がもう」、再び「宮川」、続いて「宮武」「岸井」「はなや食堂(天ぷらのみ)」「竹清」「中浦」「香の香」という、怒濤のうどん攻撃である。おかげで、彦麿呂が痩せたぶんの20分の1ぐらい太った感じがある。忙しくて峰山も1ヵ月以上登ってないので、明日は朝から登ってくる。じゃ、日付も変わったので今日は短くこの辺で。おやすみ。
2015年2月9日(月)

 日曜日の産経新聞に「新聞に喝!」というコラムがあって、毎週、大学教授とか識者と呼ばれるような方々が新聞記事や報道姿勢等について批評や問題提起をしているのだが、こないだの日曜日のコラムは、読み終えて思わずポンと膝を打ってしまいました(打ってないけど)。「なるほどー、識者までがそういうメンタリティだからこんなことになってくるのかー」って、どっち向いて膝を打っとんや(打ってないけど・笑)。

 コラムの見出しは、「混沌にはストーリーある解説を」であった。筆者は関西学院大学国際学部教授の鷲尾友春という、昭和22年生まれとあるから67歳か68歳で、私の母校の先輩に当たる方であった。

 本文は、途中で件のISILというテロ組織による人質殺害事件のあらすじがダラダラと続いているだけであることに気がついて後半は読み流したが(笑)、最後の一段落でこんなふうに締められていました。

***

 事態の進展とともに、裾野や遠景が変わり、関係する国々の立場も微妙に変質した。要は新聞には常に、こうした諸変質を取りこみ、奥行きの広い、動きのあるストーリーとしての解説を、局面が変わるごとに期待しているのだ。

***

 この文からは、この方が期待しているのか国民が期待しているのかよくわからないが、そんな文法的なことではない。私は、新聞には、局面が変わるごとに「動きのあるストーリーとしての解説」ではなく、「ぶれない原理原則の解説」を期待すべきではないかと思うのである。今、大半の国民が政治や経済、社会の報道を全て、原則論を欠いてまるでバラエティのネタとして見るような状態になってしまったのは、何十年にもわたって、オピニオンリーダーたる新聞や識者や解説者や解説者もどきのテレビキャスターやタレントたちの多くが、その場その場の対症療法みたいな「動きのあるストーリーとしての解説」を繰り返してきたからではないか、と思っているからである。

 こないだうちから時々書いている「税の三原則」という原理原則も「権限と責任はセットである」という原理原則も、あるいは「成長するためには成長させる能力のある者を登用(優遇)する」という原理原則も、「法治国家では法律以外のもので法律を超えて裁いてはいけない」という原理原則も、「リターンのとれないものに投資をするとお金が減る」という原理原則も、「収入以上にお金を使うと借金が増える」という原理原則も、あと、他に数え切れないくらいあるであろう大小様々な原理原則のほとんどが、国民の意識の中からどんどん消滅していっているような気がする。

 その一番の原因は、世の中に原理原則をきちんと説く人がほとんどいなくなったからだと思う。たぶん、原理原則というのはほとんど子供にでもわかるシンプルなロジックばかりであるから、簡単なことを難しそうに言うことがステイタスだと思っている「識者」の方々の間では、それこそ「初歩的で低レベルの話」だとしてどんどん軽んじられていき、それが何十年も続いて来たせいで、とうとう今や、原理原則の存在自体が忘れられつつあるのではないか、というのが私の印象である。

 私は大学でも日常でも、時事ネタを話題にする時はほとんど全て「原理原則に照らし合わせれば、こっちが方向的には進むべき道だと思う」という話をする。それに対し、多くの人が「そうは言っても現実は違う」という反論をしてくる。けど、私は「現実が混乱してくれば来るほど、原理原則に帰る方向に動くべきだ」と思うのである。

 従って、先の見出しで言えば、「混沌にはストーリーある解説を」ではなく、「混沌には原理原則を」だと思うのだが。

 とにかく今こそ、私は、オピニオンをリードするマスコミや識者の方々には、妙なステイタス感を捨ててシンプルな原理原則からいろんな事象を解説していただくことを期待している。加えて、原理原則の存在すら知らないようなタレント解説者もどきの方々には、せめて最低限、政治や経済や社会やビジネスの原理原則を一から勉強していただきたいと思う。ミーハーな子供たちや子供みたいな大人たちに影響力のあるあなた方が原理原則論を欠いた浮き草みたいなオピニオンを垂れ流すと、ミーハーな子供たちや子供みたいな大人たちが、ますます、どんどん、浮き草みたいなことを言い出すようになりますから。
2015年2月8日(日)

 先週は毎日毎日研究室に籠もって、重い原稿と悪戦苦闘しながら、毎日どんどん提出されてくる授業の最終レポートの山に埋もれていた。

マーケティング論…(レポート88人分)=88本
観光開発論…(レポート73人分)=73本
発想力開発論…(レポート+別途提出物2本、各92人分)=276本
ビジュアル表現論…(レポート+別途提出物2本、各66人分)=198人分
情報収集ワークショップ…(情報収集作品14人分)=14本

 全部足したら649本。このうち、もう単位をあきらめて出してこないやつを差し引いて、まあだいたい600本。これを全部読んで、授業の出席状況も加味してA〜Eの5段階に採点するのであるが、これがなかなか大変だけどおもしろい。いや、なかなかおもしろいけど大変だ…か。

 各科目とも、共通のレポートテーマとして
(1)授業の感想
(2)大事だと思った内容と、それに対する自分の考え
の2項目は必ず書かせることにしている。

 このうち(2)が、理解度と展開力を測るのに我ながら「うまいことできた設問やなあ」と自画自賛しておりまして(笑)。すなわち、「○○について論ぜよ」みたいなレポートテーマよりも、「15回の授業全体の中からどこに注目したか」のポイントの選び方でその学生の理解の概要が推察できるし、「そこから何を考えたか」の展開の仕方で、何か潜在能力みたいなものが推し量れるのである。

 長々と書いてきているけど、よく読むと授業のあらすじを整理しているだけでそこからの展開力に乏しい“優等生”が毎年結構いたり、授業でやった原理原則を応用して、「うどん店のマーケティングプラン」や「香川県の観光開発プラン」をつたないながらも必死で考えて書いてくるやつがいたり、私の性格を浅読みして(笑)お笑い系のアイデアをいろいろ並べてくるやつがいたり、でも半数近くは自分の考えをうまく整理できずに迷走したレポートを書いてきたり…まあ大変だけど、毎年学生のレベルやいろんなメンタリティに出くわして、私も勉強になります。

学生「授業の感想は何を書いてもいいんですか?」
田尾「何でもええぞ。ちなみに、授業の感想の内容は基本的に成績には反映しない。これは私が来年の授業改善に活かすのが主目的だから、よかったと思うことを書いてもええし、ダメ出しのオンパレードでも全然構わない。悪口をいっぱい書いても成績には関係ないし、レポートの金の延べ棒の詰め合わせセットを付けてきてもCがAになることはない」
学生「おおー」
田尾「ただし、みんなマーケティング論で習ったな。お客様、つまり相手のことをよく考えて行動することが全ての基本だ」
学生「悪口書けんやん!」

 ま、いつものように冗談を挟みながらレポートの指示をして、後期の授業も2月9日で終了です。

 そういうわけで、連日仕事に埋もれて、寝る間もちょっとしかないという状態が続いています。先週末の金曜日、珍しく昼食を取る時間が空いたので岸井に行って「かけ・ぬるめ・大」とちくわ天とゲソ天を食べて、「待てよ、今日も夜食がいるから、はなや食堂のイナリを買うて帰ろ」と思ってはなやに行ったら、イナリのショーケースの中が空っぽだった。

はな「今日は早よから出てしもたんや」
田尾「ほんまなー。夜食にイナリだけ買いに来たんやけど…ほな、天ぷらだけ買うて帰るわ」

 と言って、サツマイモ天とゴボウ天を2つずつ買って、それから研究室に帰って夜遅くまで原稿とレポート読みをやって、研究室に天ぷらを置いたまま家に帰ってしまいました。最近、物忘れが激しい。一番激しいのは日記の書き忘れだけど(笑)。
2015年2月2日(月)

 歳ですなあ。風邪が最悪の状態を脱してから回復するまで、予想以上に長引いてしまいました。現時点で97%の回復。小学校の音楽の時間の合唱練習とかで先生が「うーん、今のは78点」とかいうわけのわからない採点をするのと同じような「97%」ですが、ノドの具合と声の具合がまだちょっとだけ引っかかっているという状態です。

 そういうわけで、抱えている仕事が1週間ぐらいほとんど進んでないため、昨日から「体調は戻ったのに生きた心地がしない」という日がスタートしました。

 とりあえず、重い原稿を一本、何としても2日で上げなければならないということで、FMの収録を終えて夜の9時頃から「終わるまで寝んぞ」体制でパソコンに向かう前に、今朝行われたスーパーボウルの再放送をチラッと見たら、第3クォーターの終わり辺りで、24−14。シーホークスがペイトリオッツを10点リードしていました。

 アメフトをご存じの方には言わずもがなですが、あれはラグビーやサッカーと違って野球みたいに攻撃タイムと守備タイムが分かれておりまして、4プレイの攻撃を止められるか、タッチダウンに漕ぎ着けるかすれば攻守が交代するという段取りになっております。で、タッチダウンしてその後のキックを決めれば7点入る。ということは、ペイトリオッツはここから1回タッチダウンして7点取って、次のシーホークスの攻撃を0点に抑えて、さらにもう一回タッチダウンしなければ逆転できないという状況にあるわけです。

 しかし、いかんいかん。こんな時にテレビを見ているわけにはいかん。まあ流れからして今年はシーホークスがこのまま押し切るだろうと思って、私はテレビの前から離れて仕事部屋に入り、20分くらい仕事をしました(短いな)。

 で、もう一回チラッとテレビを見てみました。ん? 第4クォーターの途中で24ー21。ペイトリオッツが1タッチダウン返したのか。残り時間が…5分くらいで…ペイトリオッツの攻撃? すると、シーホークスの攻撃を止めたのか。これ、逆転があるのか?

 それからペイトリオッツの怒濤の攻撃が始まりました。短いパス攻撃でどんどんファーストダウンを獲得していく(4回の攻撃中に10ヤード進むと「ファーストダウン獲得」といって、また第1攻撃からやれる)。途中、ファウルがあって10ヤード撤退を食らった時には万事休すかと思ったが、すぐにミドルレンジのパスを成功させてまたファーストダウン獲得。で、とうとうゴールまで1〜2ヤードという、もうどないしてもタッチダウンできるぞ! という局面を迎えたのです。

 問題は、残り時間です。この時点で、残り3分くらい。しかし、このまますぐにタッチダウンして24−28と逆転すると、残り2分もあればシーホークスが次の攻撃で再逆転タッチダウンをする恐れがある。従って、ベストはここから時間をかけて残り1分以内、できれば30秒以内まで時間を使ってタッチダウンして逆転すること。そうすれば、次のシーホークスの攻撃時間がほとんどなくなって勝利がほぼ確定できる。けど、こんなゴール直前から2分も時間を使えんぞ…と思っていたら、やっぱり、2プレイ目でタッチダウンしてしまった。

 24−28とペイトリオッツが逆転。残り時間2分。ここからシーホークスの、たぶん最後の攻撃が始まる。それを止めればペイトリオッツの優勝。タッチダウンを許せばシーホークスの劇的逆転優勝。

 えー、仕事を中断することにしました(笑)。ここは見ないとあかんでしょう。残り2分をパス攻撃等で時間を小刻みに止めながら、まあたぶん、あと10分か20分で試合は終わるから、ちょっとだけ。

 いやしかし、見てよかったです! まさかあんな結末が待っていようとは! 

 とりあえず、シーホークスの攻撃は第3クォーターの途中からずーっと止められ続けていたので、ちょっと厳しいかな…と思いながら見ていたのです。すると、追い込まれてアドレナリンが噴出したかのように、シーホークスが起死回生のミドルパス2本で、何とゴール前5ヤードまで攻め込んだのです。

 そして、ついに残り20秒。中央突破か、サイドに走るか、ショートパスか、何で行ってもタッチダウン濃厚! ここで逆転すれば、もうペイトリオッツに攻撃の時間はない! この時点で賭けをすれば、10人中9人がシーホークスの逆転優勝に張るだろう、という状況の中で、シーホークス最後の攻撃開始! 

クォーターバックにボールが渡る!

クォーターバックがレシーバーを探す!

右斜め前、すぐ先のエンドゾーン内にディフェンスを振り払ったレシーバーを発見!

クォーターバックがショートパスを投げる!

レシーバーがキャッチしてタッチダウン!

と思った瞬間、レシーバーの右斜め後方からペイトリオッツの選手がスパッと飛び出してパスインターセプト!

試合終了!

 私、家でテレビを見ていて声を出してしまいました(笑)。いやー、興奮した。あまりの興奮に、11時半に寝てしまいました。あかんやん。
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