2015年08月の日記 |
2015年8月31日(月)
ほんまにどうでもええ話の時だけ反応するO船とチンペイから、
O船…「能見」と「藤波」も「み」で韻を踏んでいる。 チン…かつて所属していた宮島工業高校野球部では、スタメン9人中4人が「隅田、平田、西田、吉田(チンペイ)」だった。
というメールが来たので、紹介するほどでもないが歴史に残しておくことにしよう(笑)。まあ、「先発投手だけ」から「スタメン」にまで広げると、89年の阪神の開幕スタメン9人中に「田」が5人(和田、平田、岡田、田尾、仲田)並んだ時が出てくるし、高校野球にまでデータを求めたら、98年の岩手地方大会で遠野高校のスタメン9人中7人が「菊池」くんだった、という話に行き着くから切りがない。
ちなみに、こんなデータはどう? セ・リーグの過去50年の、名前に「田」のついた監督。
(阪神)金田、吉田、藤田、岡田、和田 (ヤク)飯田、古田、高田 (巨人)藤田 (中日)山田 (De )青田 (広島)なし
以上、ほんまにどうでもええ話の第2弾でした。
「データや数字を集めて、切り口を見つけて、比較したり推移を見たりランキングにしたりして新しいメッセージを探す」というのが私の趣味の一つというか、いつまでも飽きないオモチャなもんで(笑)。私は、多くの人たちが膨大な時間を費やしているらしいゲームとかSNSとかネット視聴をほとんどやらないけど、「データ収集&メッセージ探し」の方が私にはずっとおもしろいもんで。
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2015年8月29日(土)
今年の阪神の先発陣に「岩田、岩本、岩崎、岩貞」と「岩」が4人もいることはマニアックな阪神ファンならみんな知っていることだが、私の持っている過去20年くらいのデータを見ると、今季のセリーグの先発ラインナップは「名字」がなかなか珍しいことになっている。
まず、今季の阪神(8月29日時点)で、先発した日本人投手(9人)の名字を並べると、
●岩田、岩本、岩崎、岩貞 ●秋山、横山、山本 ●能見、藤波
何と、9人中4人が「岩」、3人が「山」という“偏り度”。共通項でくくると「岩(田崎本貞)」、「山(秋本横)」という、くくったカッコの中にさらに名前ができるほどのパフォーマンスを見せている(誰もパフォーマンスしてないが)。
調べてみると、少なくとも私の持っている過去50年の阪神の先発データ(何を持ってるんや)の中で、先発陣の名前が偏った年は、「岩田、榎田、白仁田」の「田」が3人いた2013年くらいで、同じ漢字が4人も揃ったことは一度もない。
ちなみに他球団のデータも調べてみると(こっちは2002年からのデータしか持ってないが)、先発陣に同じ漢字が3人以上揃った例は、
02年〜05年…なし。 06年…石井、藤井、松井(ヤクルト) 07年…石井、藤井、松井(ヤクルト) 08年〜09年…なし。 10年…前田、篠田、中田(広島) 12年…前田、篠田、戸田(広島) 13年…前田、篠田、戸田(広島) 13年…小川、石川、赤川(ヤクルト) 13年…岩田、榎田、白仁田(阪神) 14年…前田、篠田、戸田(広島)
の7例。全部3人止まりで、ほとんどヤクルトと広島ばっかりだった。
それが、2015年の今季はこんなことになっている。
「岩」…岩田、岩本、岩崎、岩貞(阪神) 「田」…前田、黒田、藪田、戸田(広島) 「田」…須田、砂田、石田(DeNA) 「山」…秋山、横山、山本(阪神)
4人かぶりが2チームも出現している。しかも、何かやたらと「田」が多いぞ…と思ってさらに調べてみると…
セリーグ6球団の今季先発実績のある日本人投手は、全部で60人。そのうち、名字に「田」がつく投手は、 (広島)前田、黒田、藪田、戸田 (De )須田、砂田、石田 (中日)岩田、濱田 (阪神)岩田 (ヤク)寺田 (巨人)田口
何と、「田」のつく投手が60人中12人(20%)もいるじゃないですか(正しい「じゃないですか」の使い方・笑)。これ、「田」のつく投手が「毎日1.2人先発している」という数字です。
ちなみに、この「先発投手の名字が偏ってきている」というのは、明らかに近年の傾向です。理由はわかりませんし、それが何をもたらすのかも全くわかりません。「重複しているチームが強い、弱い」という関連性もないし、「球団の方針だ」という話も聞かないし、「田」一族の陰謀説も聞いたことはありません。
というわけで、結局、何の意味もなく、何のオチもない、ほんまにどうでもええ話で本日は終了したいと思います。
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2015年8月24日(月)
この6日間で5日も日記を更新したというのに、聞こえてくるのは「石川の話ばっかりやないですか」という声ばかりである。ま、聞こえてきたのはごんと遠山の2名だが。とりあえず皆さんご存じの通り、石川は奇跡的に124位に滑り込みました。というか、まあ私はプロゴルフの試合をそんな感じで楽しんでいる、という話でした。今日は何か、夜の11時頃から頭痛がするので、更新の回数だけを稼いでまた明日。
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2015年8月23日(日)
今、曜日は月曜日の午前4時40分。やきもき中である。
ウィンダム選手権の最終日、3日目を終えて47位タイだった石川は、日本時間の夜11時過ぎにスタートした。目指すは30位あたり。その辺まで上がると、ほぼ間違いなくFedexポイントランキング125位以内に入って、今シーズン最後のプレーオフシリーズに出場できる上に、来季の全面的シード権が獲得できる。
というわけで、ホールアウトまでパソコンで見ていたら午前3時半頃になるのは間違いないが、これはリアルタイムで一喜一憂してやろうと思って、仕事をしながらリーダーボードサイトに注目していたのである。
すると、石川は5番でまたイーグルを取って、8番までに3アンダー、トータル8アンダーまで伸ばした。けど、それから2つボギーを叩いて、11番を終えて48位まで落ちた。石川は早いスタートの組なので、これから後ろがどんどんスコアを伸ばしてくるだろうから、今の48位は実質、たぶん55位あたりだ。ここから最終的に30位あたりまで上がるには、残り7ホールでおそらく4つは伸ばさないといけない…これはちょっと、無理かなあ…
と思いながら仕事をしていると、石川は13番、15番、17番とバーディーを取って、スコアを3つ伸ばしたのである。うお! 最終ホールをバーディーで上がったら、これはあるぞ! と思ったら、最終ホール、パー…
そういうわけで、午前3時半頃、石川は頑張って今日4つスコアを伸ばしてトータル9アンダー、暫定37位、Fedexポイントランキングは暫定127位でホールアウトしました。あとは、タイガー・ウッズが優勝できそうかどうかをちょっと見たら、スコアが伸び悩んで前半を終えて首位と3打差だったので、まああとちょっと、目が冴えている間だけ、と思って仕事をしていました。
で、午前4時30分、数日がかりだった仕事が一本上がったので、片付けして寝ようと思いながらリーダーボードを見たら、何だ何だ? 1時間前に127位だった石川の暫定Fedexポイントランキングが、125位になってるではないか!
ランキング上位の選手がスコアを落としたのだ。見ると、石川のこの試合の順位も33位タイに上がっているではないか。ええーっ?! どうなるんだ?! どう見たらええんだ?!
15番を終えて石川と同じ9アンダーの選手が3人いるが、こいつらがスコアを伸ばしたら石川の順位が下がる。で、Fedexランキングはどうなるんだ? この3人のうちの2人はもともとFedexランキングが石川より上だから、石川より上に行ってもこれは関係ない。もう1人は大きくランク下の選手だから、優勝しない限り石川の上には行かないけど、こんな順位にいたのでは優勝は絶対ない。
とすると、上の選手か。現時点でFedexランキングが石川より下で、しかし今大会では上位にいる選手がさらに上位に行ってポイントを大きく稼いだら、石川の125位が126位以下になってアウトになるのか。そんな選手がいるのか…
と思ってリーダーボード上位を目を皿のようにしてチェックしたら………おった! ジェイソン・ゴアだ!
ジェイソン・ゴア、早朝5時15分現在、10番を終えて首位にわずか1打差、16アンダーの3位! 現在、Fedexランキング126位、石川のすぐ後ろじゃないか! これは間違いない。ジェイソン・ゴアが優勝したら確実に石川の上に行って、石川が126位に落ちる! 現在の首位の2人は、16番を終えて17アンダーのデービス・ラブVと、11番を終えて同じく17アンダーのスコット・ブラウン。頑張れデービス・ラブ! 頑張れスコット・ブラウン!
待てよ。ジェイソン・ゴアが優勝しても、代わりに誰か一人、石川の上におるやつが落ちてきたら125位を死守できるのか。あー、もう誰がどうなのかわからん(笑)。
というわけで、やきもきしながらこれを書いていたら、朝の5時半になってしまいました。どうしよう。ゴルフの話なんか短く上げて、一本ネタを書こうと思ってたのに。さすがにもう寝ないかんやろ…
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2015年8月21日(金)
ビジネスマンの「今日中」は「翌朝8時まで」なので(「相手が動き始めるまで」ということで・笑)、土曜日の早朝だけど金曜日。
朝3時起床。顔を洗って仕事部屋に入って、パソコンを開けてリーダーボードを見たら、石川が5番でバーディーを取って通算イーブンパーに戻していた。その上の方にスクロールしていくと、ありゃ? 予選通過ラインが2アンダーになっている。全体のスコアがあまり伸びてないのか?
と思いながら、コーヒーを入れて新聞を読んで原稿に取りかかっていたら、7番、8番で連続バーディーを取って通算2アンダー! 予選通過ラインに入ってきたぞ!
と思っていたら、後半の11番でボギーを叩いて1アンダーに後退。後半のハーフは昨日ボギーを5つも叩いたイヤな感じが残っているので、これはまずいかもしれんなあ…と思っていたら、12番ショートホールですぐさまバーディーを取り返して2アンダーに戻した。そしたら、上から何かが降りてきた。うわっちゃー、昨日5アンダーだった松山が2アンダーに落ちてきたぞ。
と思っていたら、朝の6時過ぎ、15番ロングで石川がまたバーディーで3アンダーに! さらに6時半頃、17番ミドルでまたバーディー! 通算4アンダーで41位タイに浮上! これはもう、予選通過は大丈夫だろう。
あ、仕事はしてますよ(笑)。この3時間で今取り組んでいるやつの半分くらいまで進んで、今日中に何とか上げられそうな予感がするところまで漕ぎ着けました(予感かい)。
それにしても、タイガー・ウッズは見せますねえ。ここ数年絶不調で、今季もここまでFedexポイントランキングが187位という、石川より遙かに下で喘いでいて、125位以内に入るには「優勝しかない」というところまで追い詰められていたのに、2日目をホールアウトした時点で首位タイですわ。
と思っていたら午前7時前、最終18番で石川ボギー。通算3アンダーで52位タイ。下にスクロールしてみると…うわ、予選通過ラインが3アンダーに上がって来てる! けど、もうボーダーライン付近の選手はほとんどホールアウトしているから、ここから新たに4アンダーが10人以上も出てくることはないか。
とりあえず、たぶん石川はギリギリで予選通過すると思います。逆に、信じられないことに松山が予選落ちほぼ確定、という午前7時10分です。とりあえず、間に合わせのゴルフネタで4日連続更新して上原の度肝を抜いておいて、今日は今からとっとと大学に行って研究室に“書斎”を変えて、オープンキャンパスが始まる時間まで仕事を進めておこう。
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2015年8月20日(木)
厳しいねえ。1オーバーで116位タイか。
ウィンダム選手権初日は、日本時間の夜8時50分に松山とタイガー・ウッズがスタートして、9時10分に石川がスタートするというタイムスケジュールだったので、私は家の仕事部屋でパソコンを開けて、PGAの公式サイトのリーダーボードページと原稿を書くJeditのファイルを並べて、経過を見ながら仕事をしていたのである。
PGAの公式サイトのリーダーボードは、選手の名前をクリックするとコースレイアウトが表示され、全選手の各ホールの一打ごとの打球位置が一人ずつリアルタイムで表示されるという、下手にテレビ中継を見るよりおもしろいサイトである。そこで石川のインスタート10番ホールを表示して待っていたら、9時15分頃、石川の第一打の飛球線とボール位置がパッと出た。
あちゃー、左のラフのさらに奥だ。OBちゃうのか?
続いて10分後、第二打の飛球線とボール位置が出た。見ると、グリーン近くまで運んでいる。OBじゃなかったみたいだ。で、グリーンの拡大画面に切り替えると、うーむ、第二打でグリーン手前の花道あたりか。寄せワンで何とかパーでスタートできれば…と思っていたら、寄せて2パットでボギースタートになっちゃった。
という感じで、もう前半はボロボロの1バーディー5ボギーの4オーバー。後半盛り返して1オーバーで日本時間の夜中の2時前にホールアウトしたけど、厳しいねえ。
Fedexポイント125位以内に入るには、まず予選を通過し、最終的に30位あたりに食い込まないといけないみたいだが、また予選落ちモードである。初日を終えて、予選通過ラインの70位あたりのスコアは2アンダーである。ということは、これをそのまま2日間換算すると、予選通過ラインは4アンダーか5アンダーあたりになると予想される。すると、石川は2日目、最低5アンダー以上のスコアを出さないと予選落ちが濃厚になると思われる。
2日目の石川は、日本時間で深夜2時10分スタートである。ホールアウトはたぶん、朝の7時前。土曜日は大学のオープンキャンパスがあるから、徹夜で仕事をするわけにはいかない。どうするかねえ。早めに寝て、朝の3時頃起きて仕事しながら見るかねえ。たぶん、今年最後の悩ましい時間配分だ(笑)。
今日の“書斎”は昼過ぎまで自宅の仕事部屋。午後2時半頃、頭をリフレッシュするために仕事のできる喫茶に出かけたら、何と、3ヵ所続けて満員で、放浪の末、結局またくつわDoに行った。放浪の2軒目に行ったumieで、姉さんが「いつもはお盆開けたらこの時間帯は結構空いているんですけど、今年はなぜかお盆を開けてもお客さんが引かないんです」と言っていた。
どうも、若い子が行くようなカフェが今、ずっと満員になっているらしい。くつわDoは年配客が多い店なので、例年通り、お盆を開けると客数も落ち着いてくるらしい。マーケットリサーチをしてないのでサンプル数が少ないため、何がどうなっているのかよくわからないが、何かが起こっているんでしょう。このあたり、テキトーにコメントする人は数軒のサンプルだけで「答」を出したりするんだろうけど、私にはそんないい加減なことはできない(笑)。
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2010年8月19日(水)
今年の3月から5月にかけて、四国新聞とNHK高松で立て続けに特集っぽい扱いで「伊吹島のカタクチイワシの漁獲量が減っている」というニュースが流れたのを見た。データによると、1979年に漁獲量7000トンのピークを迎えたが、80年代に入って4000トン、3000トンと落ち始め、90年代以降は1000〜2000トンで低迷しているとのことであった。
そこで、ついでに水産統計で「瀬戸内海の海面漁業漁獲量の推移」を調べてみたら、案の定こちらも1985年の50万トン近くをピークに、88年に40万トンを切り、93年に30万トンを切り、2005年に20万トンを切り、引き続きジワジワと減って15万トンに近づいているというデータが出てきた。
それで今、県によって原因の調査が進められているそうだが、とりあえず今のところ、何か「生活排水が規制されてきて瀬戸内海がきれいになり、そのせいで海の栄養がかなり減っている」ということらしい。で、NHKの報道では「イリコの生産量に影響が出て、うどん店でも不安の声が挙がっている」みたいなレポートがあったのである。
うどん店は、何かいいようにもてあそばれてるなあ。一時は「海の水質汚染の元凶だ」みたいな言われ方をして茹で汁の排水規制騒動が起こり(誰が言い始めたのか知らないが、議会に出たということは議員が絡んでいるんだろう)、今度は水質改善のせいでうどんのダシの原料のイリコが不足するという、まあ直接の因果関係はよくわからないが、並べてみれば「なんじゃそら」みたいな話である。
で、以前から考えていた「たら話」。悪い海洋汚染を引き起こさず、しかし海の栄養を維持するという2つのイシューをいっぺんに解決する方法は、「海の栄養サプリメント」じゃないですか?(笑)。
田んぼだって畑だって、たい肥を混ぜたり化学肥料をまいたりして土に人工的に栄養を投入して収穫量を増やしてきたんだから。あるいは漁業も、限られた養殖エリアでは「栄養サプリメント」的なもので生産量を増やしているんだし(オリーブハマチの「オリーブ」なんか、特殊サプリメントでしょう)。
それなら、その手法を20〜30年計画で瀬戸内海全体に施すみたいなプロジェクトはできんのかな、と。瀬戸内海は“半閉鎖状態”の内海なんだから、中国的規模で言えば巨大な養殖生簀みたいなもんだし。もし私が若き研究者なら、一生かけて研究開発したくなるテーマのような気がするけど…
とか言ってたら、また「自然破壊だ」とかバッシングを受けるんでしょうね。「手つかずの自然こそが貴重だ」とか言いながら自然破壊の最たるものである「水田」を守れ! と言ったり、人の手の入った「里山」を守れ! と言ったりするような「矛盾を含んだ正義」を振りかざす人には言われたくないけど。ま、「たら話」だから流してください(笑)。
今日の“書斎”は午後からクラフトマンズファクトリー。3時間ほど集中して、かなり仕事がはかどりました。あまりにも集中していて、クリームパンとあんパンが売り切れてしまったのに全く気がつかなかったので、第三候補の「ウグイス豆パン」を2個買って夕方退散。いよいよ明日から石川の今季最終戦「ウィンダム選手権」が始まる。自分の子供の受験もほったらかしだったのに、何を心配してる(笑)。
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2015年8月18日(火)
7本抱えていた仕事のうち、この1週間で3つも仕事を上げた。しかしその間に2本増えて、現在6本抱え込み中。しかし、1週間で3本上げたという解放感の方があまりに大きかったため、こないだ、朝の5時から2ヵ月ぶりの峰山に上がって来た。8時を過ぎると暑さで死んだらいかんので、朝3時頃から仕事をしていた日に決行したのである。
そしたら、30分ほど歩いて石清尾神社の入り口の大鳥居に差しかかった時、向こうから坊主頭の小学生が一人、鳥居の方に歩いてきた。こっちも歩きながら見ていると、小学生は鳥居の前で立ち止まって、両手を合わせて一礼をしたあと、鳥居をくぐって神社に入って行った。何だかわからないまま、私は心の中でその坊主頭の小学生に手を合わせて、姿勢を正して山に登り始めた。
やっぱり動くと、テレビやネットの世界にはない、いろいろな生身のものに遭遇する。そして、生身に遭遇したものの方が、自分の精神に健全に関わってくる気がする。そんな朝であった。
そういうわけで、お盆から今日まで、取材と原稿受け渡し等の用事と峰山一回以外はずっと原稿を書いていた。思考がしょっちゅう袋小路に入るような原稿ばかりなので、あちこち“書斎”を変えようと動き回ったが、お盆でどこの喫茶も普段より客が多く、umieなんか広い駐車場に車も入れないほど混んでいるので、とても仕事ができる状態ではない。
結局、くつわDoの喫茶に6日間で3回も原稿を書きに行った。コーヒー2杯とタバコ数本で2時間ぐらいパソコンに向かっていると、集中力が出てきて詰まっていた原稿が進み出す。ただ、ちょっとテーブルが低いため、長時間同じ体勢でいると腰や肩が張ってくる。そこでまた家に帰って仕事部屋に入って続きに取り組む…という繰り返しである。
くつわDoの喫茶はかなり広くて、もともとは全席喫煙可だったのだが、数年前から店内が喫煙エリアと禁煙エリアに分かれた。以来、もう数十回は原稿を書きに行っているのだが、いつ行ってもたいてい、喫煙席の方が客が多い。喫煙者はどんどん行くところがなくなってきてるから、同じ店に集まってくるのかもしれない。
ほんの20年ほど前までは、タバコは普通に嗜好品だった。どこの喫茶も飲食店もたいてい灰皿を置いてあり、ビジネスの現場では会議やがあるとテーブルに人数分の灰皿が並んでいた。けど、たった20年で喫煙者は犯罪者扱いに貶められてしまったのである。私も喫煙者であるが、「正義」の前にはただ引き下がるしかない。だから、灰皿のないところでは絶対に吸わないし、喫煙可の灰皿のあるところでも、周りに吸っていない客がいると、吸わないか、本数を減らす。
しかし、「正義」はそれでも許してくれないようである。数日前、四国新聞の一面下コラムにこんな記事が載っていた。
▲たばこが嫌いだ。あの煙と臭いが漂ってくるだけで体調がおかしくなる。最近は受動喫煙防止対策も進んできたが、いまだにマナーを守らない喫煙者が少なくない。 ▲先日も職場の近くでうどんを食べていると、背後からあのキツイ臭いに襲われた。振り返ると20代ぐらいの男性。食後、公衆の場で当たり前のようにプカプカやっていた。他の先進国では考えられない所業だ。即座に残りの麺をかき込み、息を止めて店を出た。 ▲目を疑いたくなる場面にも出くわした。前を走る車の中で母親がたばこをふかしながら助手席の幼児としゃべっている。冷房のため締め切っている車内に漂う白い煙。「虐待」としか思えなかった。 ▲本人が気付かなくても迷惑を掛ける場合がある。屋内を全面禁煙にしているはずのある会社。だが出社して誰も居ないエレベーターに乗ると、室内には「おやじ臭」+「たばこ臭」が充満、思わず「オエッ」となった。「ホタルおやじ」は残り香だけで相当なパンチ力を持っていることを認識して欲しい。 ▲日本人のがん死亡で最も多いのが肺がん。最大のリスク要因は喫煙だ。受動喫煙によって近くにいる大事な家族や友人も、がん発症のリスクにさらされている。本誌3日付の生活面には、喫煙者は非喫煙者に比べ、精神疾患の発症リスクが3倍高いという研究結果も載っていた。健康のため、家族のためには、たばこをやめるしかないのだ。やめられないのなら病院の禁煙外来もある。賢い決断を!
タバコは今や、好き嫌いの話も「正義」になるほど罪深き存在になってしまったようである。マナーの話が「マナーを守れ」ではなくて「タバコをやめろ」という結論に持って行かれても反論が許されないほどに、「嫌煙」は「正義」である。かつて、いや、喫煙者にとっては今もそうであろう「味と香りを楽しむ嗜好品」は、今や「おやじ臭」と並べられて「オエッ」と言われる「臭」である。喫煙スペースに追いやられて嗜好品を嗜んでいる喫煙者は、「ホタルおやじ」呼ばわりである。
しかし、「正義」の前には、喫煙者は引き下がるしかないのである。今や、喫煙者は社会の中で、マナーを守っても許されない犯罪者と同義なのである。だから、嫌煙の正義の下では、何を書いても正義である。タバコを「味と香りを楽しむ嗜好品」として扱った記事は、この20年、私は見たことがない。喫煙に関して、喫煙者の立場からの記事も、私は見たことがないのである。
そのうち、かつて父親が自衛隊員であるというだけで学校で先生からいじめられた子供のように、父親が喫煙者であることで社会から冷たい目で見られる子供が出てくるかもしれない。そんな勢いである。
しかし、「正義」の下では、喫煙者は引き下がるしかないのである。
ただ、一つだけお願いがある。タバコが「味と香りを楽しむ嗜好品」ではなくてそれほどまでに絶対的な「悪」であるなら、「正義」で喫煙者を追い詰めるのではなく、「法律でタバコを禁止すべきだ」という主張をしていただきたい。「正義」で喫煙者を追い詰めるのではなく、「うどん屋は全て禁煙にしろ」、「社屋の外も禁煙にしろ」と主張していただきたい。
そうすれば、喫煙者も自分できちんと「出方を決める」ことができるからである。そうでないと、ヤクザに「誠意を見せろ」と言われているような、どうしようもない、何とも嫌な気持ちになるのである。
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2015年8月11日(火)
怒濤の2週間を終えて、毎日の仕事量がピークの半分くらいになりました。
イメージするなら、今、恒常的に抱えている大きな仕事が「大学の通常授業、インタレスト、ある重い原稿、さぬきうどん未来遺産プロジェクト、その他細々とした仕事の塊」の5種類あって、それぞれの負担重量を「1」とすると合計「5」。でも物理的にやれる量は常時「2」がいっぱいいっぱいなので、全部が重なって進行している時は、
●物理的に毎日「2」のいっぱいいっぱいの仕事量の上に、精神的に「3」の“追い込まれ感”がのしかかっている。
という感じであるところ、8月7日(金)に大学の授業(前期)が終わって、インタレストは締切まで2ヵ月以上ある“プチ油断期”にあるため、
●物理的に毎日「2」のいっぱいいっぱいの仕事量の上に、精神的に「1」くらいの“追い込まれ感”がのしかかっている。
という状況に改善されたわけです。
そこで早速、昨日は2ヵ月ぶりに家内とアップタウンに行ってマスターと牛乳屋さんと2時間ほどバカ話をして、今日は今年初めてプーキーに行って魚と水草を買って水槽をパワーアップしました。水草5種、カージナルテトラ30匹、ミッキーなんとか15匹、水色の平べったいやつ3匹、グッピー5ペアを増量。ええ感じです。実にええ感じです(笑)。冷静に考えると、そんなことやってる場合ではないんだけど。
それにしても先週は、物理的に毎日「2」のいっぱいいっぱいの仕事量の上に精神的に「2」の“追い込まれ感”がのしかかっているという毎日で、かなりお疲れモードであった。それが如実に現実化したのが水曜日。朝、久しぶりにがもうでうどんを食べて、急ぎ大学に向かうために坂出インターから高速に乗って数分走っていたら、どうも様子が違う……と思ったら、あー! 瀬戸大橋に乗ってるやん!
えー、数年ぶりに瀬戸大橋のど真ん中の与島に降りて、引き返して来ました。
しかも週末には、石川が「バラクーダチャンピオンシップ」で予選落ち。これで、その前の「クイッケンローンズ」でちょっとアップしたフェデックスポイントランキングは128位に後退、賞金ランキングは112位だ。賞金ランキングは125位以内に潜り込んだが、こっちのランキングはクリアしても来季の大きなトーナメントの出場資格は保証されないという格下のシード権。なので何とかもうひと頑張りしないといけないのに、石川に残された試合は8月20日からの「ウィンダムチャンピオンシップ」1試合だけだ。
というわけで微妙に晴れ晴れとしないけどプチプチ油断モードの今、「さぬきうどん未来遺産プロジェクト」の中の「開業ヒストリー」の「宮武うどん」を執筆中です。こないだ「やきとん屋ゆきや」で、元祖宮武の大将と奥さんと私とH谷川君の4人で3時間以上、あれやこれやと宮武の歴史を振り返ったのをまとめています。何とか8月中にサイトにアップできるか…というところです。
あと、数人のプロのライターが今、「宮川製麺所」「松下製麺所」「上杉食品」「竹清」「小野うどん」「川福」「八十八庵」などの「開業ヒストリー」の制作を進めています。もちろんこの後、1〜2年かけて山越やなかむら、香の香等々、讃岐うどんのレジェンド店の開業ヒストリーもどんどん編纂して未来に残して行こうと思っていますのでお楽しみに。さ、水槽眺めながら頑張ろ(笑)。
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2015年8月1日(土)
石川遼が最終組を回っているので、朝の3時頃起きないといけないという週末である。
石川に出場権のある今季の全米ツアーは、今週の大会を含めて、 7/30〜 クイッケンローンズナショナル 8/6〜 バラクーダチャンピオンシップ 8/20〜 ウィンダムチャンピオンシップ のあと3試合。
しかし、石川は現時点でFEDEXランキングが140位、賞金ランキングが130位。来季のシード権を獲るには、どちらかで125位以内に入らないといけないのに、あと3試合しかないという背水の陣である。しかも、次戦のバラクーダチャンピオンシップは世界ゴルフ選手権シリーズ(4大メジャーの次のランクのビッグトーナメント)の裏開催なので、FEDEXポイントも賞金も通常大会の6割くらいしか配分されないから、残り3試合といっても「2.5試合」みたいな感じである。
そういう追い込まれた状態にあって、クイッケンローンズ(何となくサラ金みたいな名前だけど・笑)の2日目を終えて単独首位にいるのである。優勝すればもちろん来季シード確定。トップ5に入ればFEDEXポイント110位くらいに浮上。トップ10なら125〜130位くらいになってまだ微妙…という感じであるが、今(午前6時)、3日目の14番ホールを終えて7位タイに落ちた、というか、今季の石川の状態からすればまだものすごく踏ん張っている。この試合、「何とかトップ5でフィニッシュしてくれればなあ」と願っているのだが、ちょっと崩れるとすぐに20位、30位に落ちるからなあ。とりあえず、明日も大量の原稿を抱えて早起きせないかん。
というわけで、こないだの月曜日に記者発表とともに「さぬきうどん未来遺産プロジェクト」のサイトがオープンしました。証言ベースの讃岐うどんの過去の編纂事業です。ここから数年がかりで、讃岐うどんの戦前から戦後、そして讃岐うどん巡りブームが起こったあたりまでの「昭和の証言」を数千本目標で収集、「開業ヒストリー」を百本くらい目標で収集、加えて讃岐うどんに関する過去の新聞記事や雑誌、書籍記事の発掘作業、それらをベースにした詳細な「讃岐うどん年表」の作成等に取り組んでいく計画です。
プロジェクトのエグゼクティブディレクターは、私と本広監督と元祖宮武の大将の、映画『UDON』三バカトリオ(笑)。その下のディレクターに、麺通団員S原、麺聖森村、羽野編集事務所の御大羽野さんの3人。その下に、地元のプロのライターやプランナー、フリーランサー等、実働部隊が10〜20人(ここはどんどん増えていく)。そして、プロジェクト全体のサポートは「はなまる」という布陣です。
このプロジェクトのポイント、要するに他の「過去の編纂」的な取り組みとの差別化ポイントは、「大量の証言データベース」という点にあります。どういうことかというと、今、本や新聞やテレビのドキュメントやいろんな媒体で見る「過去の歴史」というものは、たいてい「誰か個人が、一人、あるいは複数の情報源に取材をしてまとめた過去の歴史」であって、私から見れば、そのまとめた人が出した「答」なんですね。もちろん、それはそれで大変な作業だろうし、意義のあることだとは思うのですが、文系のくせに“データ屋”の習性のある私は、他人の出した「答」を読んで「わかったつもり」になるのがどうも無条件に受け入れられなくて、こんなことを考えたわけです。
例えば、香川県に過去の「昭和の讃岐うどん」を体験した中高年から高齢者の方が、たぶん50万人くらいいる。そんな中で、これまで讃岐うどんの過去がメディア等で紹介されてきたのは、たいてい、
・新聞やテレビやラジオの記者が、どこかの年配の方や讃岐うどんの店や企業の人に聞いた話をちょっと書いたりしゃべったりする。 ・新聞やテレビやラジオの記者が、何かの特集を組んで、複数の年配の方や讃岐うどんの店や企業の人に取材をして「こういうことだったらしい」という「答」を書いたりしゃべったりする。 ・讃岐うどんの研究者が、複数の年配の方や讃岐うどんの店や企業の人に聞いた話をまとめて本や論文にして発表する。 ・讃岐うどん業界の方が、自社の歴史と自分の周辺の関連情報を元に本にしたり、インタビューを受けてしゃべったりする。 ・業界に残っている数字やデータをまとめて発表する。
などという形をとっていますが、これをビジュアル的に俯瞰すると、香川県全域に50万くらい分布している「点」のうち、1つか2つか、あるいはせいぜい数十個の「点」を紹介しているに過ぎないわけです。それが、数十個の点を「紹介する」ということならまだしも、50万ある点のうちの数十個の点でもって「讃岐うどんの過去はこうであった」という「答」を出すのは、私ならさすがに気が引ける。かといって、点を50万個も集めるのはとてもできない…
というわけで、とりあえず我々は「答」を出すのではなく、「数百、数千の点を証言ベースでとにかく集めて並べてみよう」と思ったわけです。そうすると、編集者の主観の入らない「讃岐うどんの過去のシーン」が、次第に浮かび上がってくるのではないかと。過去の編纂の手法としては、概ねそういう主旨です。
あと、これをやると「歴史の捏造ができなくなる」という、チクッとした狙い(笑)もあります。意図的に集められた5人や10人の証言で「歴史はこうであった」と主張しても、ここに数百数千の主観の入らない証言のデータベースがあれば、嘘や捏造はすぐにバレてしまうからです。この手法、どこかの歴史認識を正すのにどうですか?(笑)。大変ですけど。
あともう一つ、集めた証言やデータはどんどんネットで公開していきますが、証言は文章としても十分おもしろく読めるように、ちゃんとしたライターが記名式で書いていますので、お暇な時にぜひ隅々までお読みいただいて、皆様方で讃岐うどんの過去についての自分の「答」をお作りいただければ幸いです。そのうち、スタッフのライターも集めた大量の「証言」をもとに自分の考えた「答」を一本ネタにしてあげていく計画です。
では、随時「証言」がアップされていく(はずの)「さぬきうどん未来遺産プロジェクト」のサイトを、今後ともどうぞ温かく見守ってやってください。「私もライター陣に参加したい」と言う方がいらっしゃれば、ぜひお申し出ください。
と書いていたら、石川が首位と3打差の8位タイで3日目を終了しました。まあ、最終日トップスタートより気が楽だという前向き指向で。
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