2016年02月の日記 |
2016年2月27日(土)
結局、午前4時半に寝て10時に起きて、12時まで仕事をしたのである。その途中、必要になった資料を本棚の奥からごそごそ探し出していたら、25年ぐらい前に仲間たち10人くらいで遊んでいた「ペーパーオーナーゲーム(POG)」の資料の束が出てきた。ちょうど昨日、T山から「去年話題になった田尾さんのPOG新聞を蒲生さんが見たいと(私も)」というメールが来てたので、しょうがない、それを持って行ってやるか、という理由だけで、大学生の春休みシーズンの土曜日という行列必至のがもうに家内と突撃。
がもうに行く道中でインタビュー取材が1件入ってきました。「じゃあ今日の夕方にやっちゃいましょう」という話になって、夕方から2時間半ほどそれに費やしたら、野村の3日目がちょっと失速して終わっていました。それから日付が変わった午前1時くらいまで頑張って仕事をして寝ました、と。また小学生の日記みたいになりました、と。
でも、今日のインタビュー原稿のアップが急ぎになっちゃったので、1本ネタの日記を書いてる場合ではなくなったから仕方がない…とか言いながら、次のディーヴァーさんの『エンプティー・チェア』にちょっと手を出してしまった。今晩はものすごい気力を振り絞って30分で読むのをやめましたが(笑)。
クライムサスペンス系の映画好きの私には(といっても、それ系の家にあるDVDは『007』シリーズと『ジェイソン・ボーン』シリーズと『オーシャンズ』シリーズと『ミッション・インポッシブル』シリーズと、『スティング』と『トーマス・クラウン・アフェア』と『沈黙の戦艦』と『レッド・オクトーバーを追え』くらいだけど)、ジェフリー・ディーヴァーの小説がハリウッド映画みたいなリズムと展開なので、はまっちゃったんでしょうね。『ボーン・コレクター』は小説の方が70倍ぐらいおもしろかったけど。
ま、好き嫌いの話なので、「そんなものがいいの?」とかいう声には、今のところ聞く耳を持っていません(笑)。「それならこんなのもいいよ」という話は、いつでも歓迎です。ただし、仕事に支障の出るほどおもしろいのは…やっぱり歓迎はするけど…(笑)。
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2016年2月26日(金)
かなりバリバリと仕事が進んでいるので、今晩は気分転換に映画を見に行こうという話になっていたのだが、夜になって次の原稿が調子よく進み始めたので、思考を切ってはいけないと思って映画を中止にした。それで夜の11時過ぎ、一段落したところで風呂に入って、湯船の中で数日前からちょこちょこ読んでいたジェフリー・ディーヴァーの『スリーピング・ドール』(上・下巻)の、下巻に入ったあたりからの続きを読み始めたのである。そしたら、もう内容が大変なことになってきて、止められなくなって、今、朝の4時(笑)。
ほんまに、A藤のせいでジェフリー・ディーヴァーの文庫本、もう25冊も買うて19冊も読んでしもたわ。土曜日は、どこかで寝ないかんし、原稿書かないかんし、夕方はアメリカ女子ツアーのハル・ノムラを見てやらないかんし、どうしよう。
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2006年2月25日(木)
四国新聞ウォッチャーの私(笑)から2月の第二弾。こないだ、こんな記事が載っていました。
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中小・商店街に支援を 高松で衆院予算委地方公聴会
衆院予算委員会は17日、高松市内のホテルで2016年度予算案に関する地方公聴会を開いた。四国地区信用金庫協会会長の蓮井明博氏ら4人が、地域の中小企業や商店街に対する国の支援を求めた。四国での公聴会開催は初めて。
蓮井氏のほか、さぬき市商工会会長の尾崎勝氏、高松丸亀町商店街振興組合理事長の古川康造氏、牛用飼料専門メーカー社長の三谷広氏が意見を述べた。
蓮井氏は、四国遍路の世界遺産登録を目指す動きの活発化や瀬戸内国際芸術祭の盛り上がりを例に「地方創生に取り組む地域への応援を」と強調。国による中小企業への支援強化を要望したほか、「四国新幹線導入を真剣に議論すべき時期だ」などと指摘した。
古川氏は、同商店街が払う敷地面積あたりの固定資産税が郊外型ショッピングセンターの約4倍に当たることなどを挙げ、地方商店街の窮状を説明。「ショッピングセンターに新たに課税するなど、規制強化を進めてほしい」と訴えた。(以下略)
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「新聞の要約」の常として、発言者の本来の発言主旨が正確に伝えられていないことがよくあるので、「誰がどういう発言をしたか」についてはこの通りかどうかわからない、ということを最初にお断りしておいて、内容だけについて言及しますね。
まず第一。国のどういう支援か応援か知らないが、もういい加減に「税金を投入しないと継続できない事業」を「地域活性化」とか「地域創生」と呼ぶのはやめた方がいいと思う。それは言わば「生命維持装置」であり、一過性の「レクリエーション」であって、決して「民間活力でどんどん拡大再生産していくような成長戦略」ではない、ということを、いい加減に過去の検証から学ぶべきだと思う。しかも、投入する税金はどんどん膨れ上がる「借金(国債や地方債)」なんだから、タコが自分の足を食っているようなものだということを、行政をチェックすべきマスコミは率先して指摘するべきだと思うのである。
次に第二。「商店街が固定資産税を郊外型ショッピングセンターの4倍も払っているから、ショッピングセンターに新たに課税せよ」というのは、無茶苦茶な話である。固定資産税は、土地の評価額(地価)に応じた課税標準額に定率を掛けて算出されるという基本ルールに則った額であり、高松市の中央商店街は一等地にあって地価が高いから、当然固定資産税も高いのである。従って、「あそこは地価が安くて固定資産税が安いから、もっと税金を取るべきだ」などという理屈は、どう考えても通用するはずがない。さらに、「大型ショッピングセンターだけさらに課税しろ」というのは「民間の自由競争マーケットを歪めろ」と言っているに等しい。
どう例えたらいいかな。私はボルボに乗っているが、「私は自動車税を軽自動車に乗っている人の2倍も払っている。だから、軽自動車に乗っている人からは新たに別の税金を上乗せで取るべきだ」と主張したら、軽に乗っている人から猛反発を食らいますよね。あるいは、普通車を売っているトヨタが「スズキは税金が半分の軽自動車を売っているから、別の税金を上乗せで取るべきだ」と言ったら、「無茶苦茶なことを言うな」と一蹴される。例えがピッタリでないような気もするが、結局はそういう話じゃないですか?
とりあえずみんな、もういい加減に税金に頼るばっかりのメンタリティを捨てて、自分でリスクをとって必死でビジネスをやりましょうよ。それが地域活性化や地方創生の基本だと思いますよ。税金頼りの地域でどんどん成長しているところ、見たことないもの。成長企業も大企業も、税金を投入して大きくなったところは私の知る限り全くないし。ちっちゃい話ですが、私がやってたタウン誌や全国の雑誌やテレビや本広監督の映画等が作り上げた「讃岐うどんブーム」のプロモーションだって税金は一銭も使ってないし。みんな、民間が自分でリスクをとって成功させてきたものばかりじゃないですか。
加えて言えば、行政も税金を投資的に投入するなら、このいろんなものが沈んで行っているご時世に「生命維持装置」や「レクリエーション」に投資せずに(そもそもそれは「投資」とは言えない)、きちんとリターンのとれるものに投資すべきだと思います。例えば、投資したお金は10年ペイアウトでDCF8%ぐらいで回すのが「成功」と言えるビジネスだから、10億円投資すれば毎年2億円くらいの回収、100億円投資すれば、毎年20億円くらいの回収ができるような事業に投資しないといけない。それができないなら、投資なんかせずに借金返済に回した方が、子孫のためにはずっとプラスになるはずです。
でも、国の予算と借金が膨れ上がり続けてきたこの数十年で、民間にもどんどん「税金頼り」のメンタリティが蔓延してしまったみたいです。何か、パンクするまで誰も止めないような気がしています。申し訳ないけど子孫たち、私らは今、そんなことをやっている。今年から選挙に行く若い子の皆さん、何が国を亡ぼすか、何が将来の自分たちの身に降りかかってくるか、ちゃんと考えて投票に行けるか? 現実と乖離したイデオロギーを勉強してわかったような気になってたら、20年後か30年後か知らんけど、えらいことになるよ。
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2016年2月16日(火)
何週間か前から四国新聞で「地方創生 首長インタビュー」という囲み記事が始まって、毎回市長や町長へのインタビューが2人ずつ掲載されている。そのインタビュー記事は、要するに各首長が「我が市(町)ではこんなことに取り組んでいる、あんなこともやっている」という所信表明みたいな内容が綴られているだけなのだが、そこに毎回、「人口」と「財政」と「住民活力」の3項目について、首長の自己評価が10点満点で大きく枠組み表示されているのである。
どういうふうに表示されているのかというと、例えば今日掲載されていた三豊市長とまんのう町長のところには、
(三豊市長) 人口減少 10 財政状況 7 住民活力 7
(まんのう町長) 人口減少 9 財政状況 7 住民活力 6
と大きく枠で囲んで書かれていて、読者にはこの数字が一番に目に入ってくるようになっている。
するとね、普通、パッと見たら、三豊市は「人口減少問題については10点満点でうまくいっている。財政状況は7点で、満点とは言えないけどまあまあ。住民活力も7点でまあまあ」と思うでしょう。ところが、この数字の下に、こんな注釈が書かれているのである。
「人口減少、財政状況は危機感が大きい方から、住民活力は活発な方からの10段階評価」
何それ?! ということは、
人口減少 10 財政状況 7 住民活力 7
とあるのは、人口減少は「10点満点でうまくいっている」のではなく、「危機状態がレベル10にある!」ということで、財政状況は「7点でまあまあ」ではなくて「危機レベル7!」ということで、しかし、じゃあ住民活力も「危機レベル7」かと思ったら、これは「活力は7点でまあまあ」ということなのか。
というのが、もう何回も掲載されているのである。私はこの「3つの数字の評価基準が同じでなくて、そのうちの2つもが普通に読者が見たら逆に取ってしまうような評価基準になっている」というのを見るたびに、「これ、事前に誰も表記がおかしいと思わんかったんやろか…」と思いながら、ちょっと気持ち悪い思いをしています。『インタレスト』で学生がこんな妙なロジックツリーの表記をしてきたら、私は絶対ボツにするぞ(笑)。
私ごときが偉そうに言うのも何だが、15年ぐらい前までの四国新聞には、私の知る限り、編集の基礎がしっかりした結構骨のある記者が少なくとも4〜5人はいたと思う。それが、私が知らないだけかもしれないけど、紙面だけを見る限り、ここ5年か10年くらい、変な編集やピント外れの企画や毒にも薬にもならないような記事がすごく増えて来ているような気がするのである。
実はこれは私だけでなくて、熱心な四国新聞ウォッチャーの知人から「四国新聞がどんどん読むところがなくなってきています。どうにかしてください」という、「俺に言うなよ」というメールが何度か届いているんですが…。何か、社の編集方針とか採用登用基準とか教育システムとかが変わってきてるんですかねえ。私が心配するようなことではないんですが、沈みゆく香川を何とかするのに四国新聞の力は不可欠だと思っているので、おっさんだけど老婆心ながら…。
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2016年2月15日(月)
前回の日記で「ガムを2種類混ぜた」というアホみたいな話を大げさに書いてしまったことに対する反省から、「よし、今日から心を入れ替えて毎日日記を書くぞ(ほんまに小学生みたいやな)」と決意したのだが、どうも「入れ替える心」がなかったようで今日に至る。
本日、試験週間が終わり、後期の授業日程が終了しました。私は月曜日の授業がないので、今日は朝から学生数人と一緒に次号『インタレスト』の風景取材に行く予定だったのだが、天気が悪い。こら中止やなあ…と思っていたら、「行くかどうかは当日の朝の天気を見て決める」と伝えてあった特集リーダーの菅野から、朝7時過ぎに電話がかかってきた。
菅野「曇ってますが、どうしましょう」 田尾「建物やオブジェの撮影ならこれぐらいの天気なら撮れる。けど、今回は海際の突端からの眺望を撮らないかんだろ。できたら対岸の岡山まで撮らないかん」 菅野「確かに」 田尾「山を見てみろ。水蒸気が上がって白っぽく見えるだろ。しかも、曇りで海の色は暗いし、風があって白波も立っとる。中止や」 菅野「わかりました。みんなに伝えておきます」
懇切丁寧に理由を説明して中止を伝えた後、私は雑務を片付けに大学に行った。そしたら、横Zがもう来てた。
田尾「今日、中止やぞ」 横Z「えー!」 田尾「菅野から連絡が行ったやろが」 横Z「来てないですよー」
事情を確認すると、連絡網が「リーダーの菅野から男子の取りまとめ役と女子の取りまとめ役の2人にメールが行き、それぞれの取りまとめ役から各メンバーに連絡が行く」という形になっていたようで、そいつが短時間できちんと機能しなかったようである。ま、「急ぎの連絡は組織図に忠実にやっていたのでは機能しないことがある。急ぎの連絡はメールより電話の方が確実性が高い」ということを菅野が実体験で学習したということで(笑)。
横Z「どうしましょう」 田尾「とりあえず、菅野を呼んで企画の整理だけでもしとくか」
菅野に電話をすると、30分ぐらいで来ると言う。
田尾「30分で来る言いよるわ」 横Z「じゃあ、その間にガムの分類しときましょうか?」 田尾「なぜそれを!」
そういうわけで、研究室のボトルガムは横Zによって「ええぶん」と「悪いぶん」に完璧に分類されました(笑)。その後、菅野と3人で「中村」に行ってうどんを食って(「めちゃめちゃうまかったです!」とのこと)、そこから丸亀の埋め立ての突端にロケハンに行き、番の州の突端あたりも攻めてから大学に帰って解散しました、と。
ふーむ。フー、フーム、フーム。これで終わったら中学生の日記になってしまいそうなので、もう一つ書いとくか。
先々週の「発想力開発論」の授業の最後に、数年に1回ずつ採っているアンケートをやってみた。お題は、「自分の人生を想像して、自分が人生の中で最も充実している時期はいつ頃だと思うか? 選択肢は、10代・20代・30代・40代・50代・60以降の6つ」である。50人くらいの学生に出席カードの裏に「自分が人生の中で最も充実している時期」を書かせて、それを全部集めて、学生の1人を黒板の前に立たせて、私が読み上げながら「正」の字でその場で集計をしていく。
田尾「女20代、男30代、男20代、女10代……」
それまでボーッとしてたやつも、集計が進んでいくのを凝視し始めた。その結果を、3年前に採った結果と並べてご紹介しましょう。
<男子> 10代 20代 30代 40代 50代 60以降 2013年 02% 11% 47% 33% 06% 01% 2016年 09% 45% 14% 14% 04% 14%
<女子> 10代 20代 30代 40代 50代 60以降 2013年 11% 68% 20% 01% 00% 00% 2016年 12% 23% 41% 12% 06% 06%
チンペイが寝たらいかんので数字を言葉にして簡単に分析すると、
(1)2013年を見ると、男子は自分の人生の充実期が「30代、40代」と答えたのが一番多く、女子は「20代、30代」で、「10代」と答えた子も11%いる。つまり、男子は自分の人生の充実期に「仕事」が意識されていて、女子は「容姿」が大きく意識されているのではないか? という仮説が立てられる。
(2)それが3年後の今回のアンケートになると、男女とも「10代」と答えた子がちょっとずつ増えているが、男子は「20代」が断然多くなり、「30代、40代」が大きく減って、「10代」と答える子がえらい増えてきた。次に女子は、明らかに「30代、40代」と答えた子が増えてきた(「50代、60以降」まで出てきている)。
という結果になった。何か、芸能界で10代のアイドル等の露出が増えたのと同時に30代、40代の女性タレントや女優がどんどん出て来ているのとかぶっているような気もするけど。サンプル数が2013年は70人くらい、今回が50人くらいと少ないし、他大学や20歳前後の社会人で採ると違った結果が出ると思われるが、とりあえず「四国学院大学の私の授業を受けてきた学生」というセグメントでは、こういう結果になった。
そこで私はいつも言うのである。
「若さや容姿は確かに自分の人生の中の大きな充実感の要素ではあるだろうけど、みんな、何歳まで生きるつもりや? 例えば70歳まで生きるつもりなら、若さや容姿が最大の充実感だとしたら、20代がピークで、あと40年も50年も自分の魅力や実力や充実感を失い続けながら生きていくという話になる。さすがにそれは寂しいだろ。まあ、今日のアンケートは今日の時点のみんなの直感だから、歳を重ねていくごとに変わってくるだろうけど、例えば、30歳の時には、自分は20歳の時より10年分、魅力や実力を身につけている。40歳になると、自分は30歳の時より10年分、魅力や実力を身につけている。50歳になると40歳の時より10年分、魅力や実力を身につけている…と考えると、いろんなものにちょっとやる気が出てくるぞ」
ちなみに、2008年に採った同じお題のアンケート結果は、こうである。
<男子> 10代 20代 30代 40代 50代 60以降 2008年 50% 33% 13% 02% 00% 02%
<女子> 10代 20代 30代 40代 50代 60以降 2008年 54% 31% 15% 00% 00% 00%
男子も女子も「10代」がトップ! つまり、「私の人生のピークはもう終わった」というやつが半数もいたのである。
ただし、実はこの結果にはちょっと補正要素があって、この時のアンケートを採ったのは、その年度の授業が始まって1回目の4月。つまり、私の授業を一回も受けてなかった学生が圧倒的に多かった、という違いがある。授業終わりの年度末に採ってたら、ピークがもうちょっと後ろに行ってたかもしれんが、いずれにしろ、20歳で「私の人生のピークはもう終わった」ではあかんやろ…と思いながら、社会人活動やビジネスの達成感、充実感を得るための原理原則を教えている毎日です。でも、原理原則だけね。その応用編になると、彼らが活躍する10年後、20年後のセンスなんか私のようなロートルには想像もつかないので。
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2016年2月9日(火)
ええ歳こいて、思いつきでいらんことをするものではない。
私はボトルガムのかなりの大量消費者で、家の仕事机の上と、車の中と、大学の県研究室の机の上の3ヵ所に常に常備しているのだが、「常に常備している」というのは「腹痛が痛い」状態だけど「ものすごく常備している」ことを表していることにしておこう。「ものすごく常備している」という日本語もおかしいが、とにかく「切らすことがない」ということである。それなら「切らすことがない」と書けばよかったが、こうやって文字数を稼ぐのが私の長年の習性だからいいや。
それでこないだの朝、車で大学に向かっていて常備しているボトルガムに手を入れたら、最後の1個だった。そこで、新しいボトルガムを買おうと思ってコンビニに寄ったのである。そしたら、いつも買っている白い粒のボトルが1つだけあったのだが、それを買おうと手に取った時、ふと研究室のガムも残り少なかったことを思い出した。
見ると、その横に今まで見たことのない新しいデザインのボトルガムが縦に1列、「売り出し中でっせー」みたいに並んでいる。私は小考ののち、そいつに手を出した。で、いつものやつ1個と新発売らしきもう1個を買って、車の中でとりあえずいつものやつの方を開けて所定の位置に置こうとして、ふと思いついたのである。
いつものやつを車の中に置き、新発売のやつを研究室に置くというのでは、普通すぎて芸がない。せっかくいっぺんに2種類買ったのだから、両方を混ぜて2つのボトルに入れ直したら、どっちのボトルも2種類のガムが入っていることになって、食べる時にちょっと楽しいではないか。これぞ、常に「何か新しいことはできないか?」と考える私ならではのチャレンジではないか。
私はさっそく、新発売らしきもう1個のボトルガムも開けて、さっき入れてもらったレジ袋の中に2種類のボトルガムを全部投入した。袋の中を見ると、どっちもほとんど同じ白い粒で、一見しただけでは混じり具合の見分けが全く付かない。そこで私は袋の口を握り、ジャラジャラジャラジャラとよーく振ってよーく混ぜ合わせ、しかるのち、それを2つのボトルに分けて入れ直し、そのうちの1つを車内の所定の位置に置いて、再び大学に向けて車を走らせたのである。
10分ぐらい走っていたら、さっきから噛んでいる「最後の1個」のガムの味がなくなってきた。そこでさっそく私はさっきセットしたばかりのボトルガムのフタを開けて一粒をつまみ出し、そいつを噛み始めた……瞬間、苦手なフレーバーの香りが口の中から鼻にフワーッと広がった!
あかん! あの新発売の方、ハズレやった! しかし、どっちもほとんど同じ白色なのに混ぜてしまったから、食べてみないとわからんやないかー!
………
大学に着いて研究室に入り、研究室用のボトルガムをティッシュの上にザラッと出してみると、凝視すれば微妙な違いがあるようにも見えるが、これを分類するとなると、作業はかなり困難を極めること必至の状態であった。頑張ってもいいが、こんなものを必死に分けている姿を横Zとかに見られたら教授の権威が失墜する…(もとより墜落するほど権威は高くないのだが)。まあ、吐き出すほどまずいわけでもないし…
葛藤の末、私は分類作業をあきらめた。
そういうわけで今、私は車の中と研究室で毎日、ロシアンルーレット状態でガムを食っております。1発目でハズレに当たった日のへこむことへこむこと…。いくつになってもチャレンジ精神は失うまいと心がけてきた私であるが、チャレンジにはリスクが付き物であることを40年ぐらい学習してきたはずなのに、この歳になるとリスクにぶち当たった時の耐久力が衰えて来ちゃって…。
そういうわけで、私に仕事を出している関係者の皆さん、仕事が遅れたら、こないだ大人買いしたジェフリー・ディーバーと、このボトルガムのせいです(笑)。
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2016年2月8日(月)
いつまでも小学生みたいな日記を晒しておくわけにはいかないと思って、今度こそU原の期待に応えて「電力小売自由化」に斬り込もうとしていたのだが、調べることが多すぎる上に、調べても調べても疑問に答えてくれる解説やデータが出てこなくて、仕事の合間を使っても使ってもどうにもまとまらん。おかげで、“小学生みたいな日記”を1週間も晒すはめになった上に、あんまりしゅくだいもすすみませんでした(笑)。
でも、まとめようと思ったらあと1カ月ぐらい“小学生日記”をトップに置いておかないといけないような気がするので、「何がまとまらんのか」だけを書いておきます。
電力小売自由化の「目的」は、要するに、 (1)10の電力会社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)が地域ごとにそれぞれ独占状態にあるところに、新規参入を自由にして競争を起こす。 (2)その結果、ユーザーの電力購入の選択肢が増え、競争によって電気料金が安くなることを目指す。 ということのようである。
その経過は、 ・まず2000年3月に電力小売自由化がスタートして、新規参入した電力会社(新電力)が大規模工場やデパート、オフィスビルへ電力の小売ができるようになった。 ・続いて2004年、2005年にその自由化の範囲が広がり、中小ビルや中小規模工場への電力小売も自由化された。 ・そしてこのたび、2016年4月から家庭や商店への電力小売も自由化されて、「全面自由化」になる、という話のようである。
その「新電力会社」というのは、一部、自社で発電設備を持って発電をしている(大規模工場の自家発電等)ところもあるが、大半は発電をしていない「電気の販売」だけをやる会社だそうである。前者は、自家発電した電気(たぶん自社で使った分の余剰電気)を既存電力会社の送電線を使って(使用料を払って)事業所や家庭に配電する。後者は、どこかから電気を仕入れて(それぞれがどこから仕入れているのかがよくわからん)、当然それに自社のマージンを上乗せして、既存電力会社の送電線を使って(使用料を払って)事業所や家庭に配電するという仕組みらしい。
そして、2016年1月時点で全国で850社ぐらいの新電力会社が届け出を済ませており、そのうち70社ぐらいはすでに工場やデパート、オフィスビル等への電力販売を行っている。その70社ぐらいの「新電力会社」というのはどういう会社かというと、
エネット、サミットエナジー、イーレックス、エネサーブ、ダイヤモンドパワー、大王製紙、王子製紙、大和ハウス、ミサワホーム、パナソニック、本田技研工業、サニックス、丸紅、伊藤忠、三井物産、日本テクノ、日本ロジテック、オリックス、新日鉄住金エンジニアリング、泉北天然ガス発電、ワタミファーム&エナジー、F-Power、JXエネルギー、昭和シェル石油、出光グリーンパワー……あと、ネットで調べてください。
で、それが今度は一般家庭も対象になるため、各社とも「ポイントサービスで値引きします」「ガスとセットで安くします」「地域で作った電力を売ります」「原発ゼロの電気を売ります」…等々のいろんな商品を打ち出し始めていると。そしてユーザーは、「既存の電力会社」か、たくさんある「新電力会社」のどれかを選べるようになるということらしい。
さて、ここから、こういうものをよく知らない私の頭の中には「巨大なハテナ?」がいくつも湧いてきて、どうにもまとまらんのである。
まず、「新規参入で競争を促す」とのことであるが、
@既存の電力会社………………自社で発電、自社の送電線で配電。 A発電している新発電会社……自社で発電しているが発電量は@に比べると“象と蟻”ぐらい違う。それを既存の電力会社の送電線を使って配電。 B発電していない新発電会社…たぶん@かAから電気を仕入れる(それ以外に発電しているところがそんなにあると思えないから)。それを既存の電力会社の送電線を使って配電。
という三者が、競争なんかできるのか? すなわち、
(1)ビジネスの常識から言って、“象と蟻”で健全な競争が起こるはずがない。 (2)「競争相手の送電線を使う」という時点で、健全な自由競争の前提が崩れている。 (3)Bに至っては「競争相手から電気を仕入れる」という、わけのわからない話になっている。 (4)太陽光発電業者も参入できると書いてあったところがあったが、太陽光発電業者なんか、「競争相手に法外な値段で電気を買ってもらっている」という、自由競争に参入すらできない支離滅裂な立場にあるんちゃうか?
…等々の初歩的疑問が、情けないことに自分では一つも解決できないのである。
どこかで私の「前提」が間違っているのかもしれないが、そういうわけで今の時点では、私の頭の中で「こんなもの、自由競争になるわけがない。だから、電気料金も劇的に下がるわけがない」という話になっているのである(普通に考えれば、無競争のマーケットに競争原理を導入して有力な競合が参入すれば、価格は劇的に下がるはずです)。事実、2000年から始まったという工場やオフィスビルへの電力小売自由化で「四国電力の業務用電気料金が劇的に下がった」という話は聞いたことがないもの。
私が思っている「電力の自由化(きちんと競争原理が働くマーケットを作る)」の形は、既存電力会社と新電力会社の競争ではなく、「既存10電力の競争」である。すなわち、四国電力と中国電力や関西電力等が競合状態になって、ユーザーがそれらを選択するという形になると、談合がない限り、一番健全な電力の自由競争が実現すると思っている。
そこに向かうには、素人考えではあるが、 (1)送電ロスを解消する(交流から直流への切り替え?) (2)各既存電力会社間をつなぐ送電線を飛躍的に強化する 等々の巨大な壁があるような気がする。
あともう一つ、新電力も参入してもらうなら、上記の妙に入り組んだ利権関係を整理しないと健全な自由競争にならないから、 (1)既存電力会社もその他の発電会社も全部、発電した電気は全て「卸し市場」を作ってそこに卸し、ユーザーに直接販売しない。 (2)送電事業を国営化して、各電力会社の送電利権(?)を排除する。 とかいう形を目指すしかないと思うけど、これも大変な話になる。
しかしそれでも、少なくともそういう方向に何かが動いているのなら「おおっ!」と思うけど、そうでないものに関しては「何じゃそりゃ」としか言いようがない、というのが現時点での正直な感想です。ま、とにかくまだ全部調べ切れてないので、まだ「まとまらないまま」の意見の垂れ流しです。もうちょっと勉強して考えてみます。
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