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2016年05月の日記
2016年5月17日(火)

 そういうわけで、『インタレスト』の原稿が全て松本君ちに入りましたので、入手希望者のお申し込みの受け付けを開始します。えーと、半年前の要項をコピペしてと。

***

 いつものように冊子は無料ですが送料のみ「着払い」でご負担いただくことになっておりますので、それでもOKという方は、いつものようにメール、ハガキ等でお申し込みいただければと思います。

●メールでのお申し込み………interest@sg-u.ac.jp
●ハガキ等でのお申し込み……765-8505 香川県善通寺市文京町3-2-1 四国学院大学社会学部情報加工学メジャー「インタレスト編集部」宛

(申し込みの必要記入事項)
●送付先の住所、氏名(架空住所不可)
●年齢(詐称可)
●職業(偽証可)
●気の利いた一言(割愛可)

***

 といったところで。今回も特集3本立てで、最後にちょっとスペースが余ったので編集室の写真を載せています。

 第一特集は、香川県の海岸線の「突端」を全部攻めよう! という、5年前に一回ボツになった企画です。それが復活した理由は、

中O(編集長)「ネタ切れですね」
田尾「お前が言うな。きみらが斬新な企画をひねり出さんからそんなことになったんぞ」
中O「確かに(笑)」
 
 ま、学生たちにも増して私の頭もずっと、ネタ切れの崖っぷちを彷徨っているのだが、それでも何とか新しいメッセージを出そうと、みんなで決死のロケに行って参りました。

田尾「内容に不安がある時は、せめてタイトルで斬新さを見せないかん」
中O「確かに」
田尾「そこでひねり出した」
中O「お願いします」
田尾「『そうだ 突端、行こう』。どや」
中O「どっかで聞いたような気がします」
田尾「空耳や」
中O「そうですね。きっと空耳です」

 しかし、思い起こせばインタレストは創刊以来、数々のオリジナルタイトルを生み出してきたことも事実である。

田尾「まず、いきなり創刊号から、香川県の方言を斬新な視点で捉えて比較と推移を発表した『方言の乱』」
中O「ダジャレですね」
田尾「全国の“街並作り”の在り方に一石を投じようとして中途半端に写真特集で終わった『まちなみの色』」
中O「タイトルはともかく、企画倒れですね」
田尾「ニューヨークとラスベガスとハワイのショップや商品デザインにスポットを当てた『ディスプレイの迫力』、ニューヨークの屋外広告にスポットを当てた『本気がひしめく広告の海』、お寺にある空海像の顔だけを四国中から集めた『空海の顔、190面』」
中O「まあまあそのへんは頑張ってますね」
田尾「2010年に入って、香川県の小中学校の校章を集めた『校章、行きます。』」
中O「ガンダムの『アムロ、行きます』みたいな(笑)」
田尾「そこから取ったんや。続いて、香川県の気象の真実をデータから解き明かした『そうだったのか! 香川の気象』、香川県の文化財を徹底取材した『今そこにある重要文化財』」
中O「完全にパクリモードに入ってきてるじゃないですか!」

 ま、オマージュとでもリスペクトとでもトリビュートとでも何でも言ってくれ(パクリとは言わんのかい・笑)。とにかくそれが第一特集。あと2つは、有名アーティスト58人分の2015年の公演実績を網羅的に調べて「文化の供給度」を推測した特集と、全国のテレビ、ラジオのタイムテーブルを全部精査して「番組名に方言がついた番組」を網羅的に引っ張り出して意味や傾向を分析した特集です。といっても大した分析ではなくて、いつものように文章で遊んでいるだけですが(笑)。

 発行は6月1日の予定ですが、曜日の配置の関係と松本君に残っているエネルギーの量によって、ちょっとズレるかもしれません。あと、スタッフ学生の宛名書きのスピードもありまして。なんせ、今年は字が汚いのが揃ってるもんで(笑)。
2016年5月16日(月)

 日付が変わって午前1時過ぎ、『インタレスト』の第三特集の最終原稿と割付作業が終わりました。で、ちょっとだけ寝て早朝から大学に行って、火曜日の授業でやる予定の少々手間のかかる準備をして、午後は『インタレスト』締切中に手がつけられずに溜まりに溜まった重い原稿9本に取りかかるため、資料を置いている自宅の仕事部屋に帰ることにする。

 大学の駐車場を出た時に、車の燃料があとわずかのランプがついたけど、善通寺のガソリンスタンドでは何度も応対の悪い目に遭っているので、そのまま善通寺インターから高速に乗って高松西インターを下り、自宅近くの行きつけのガソリンスタンドに行った。私の車は今、度重なる野外取材でホコリまみれの上、学生たちを乗せて海岸線から岬の突端まで何度も出かけてきたため、助手席も後部席も足元は土まみれになっている。しかし、空は今にも雨が降りそうだ。

田尾「ものすごく洗車したいけど、絶対雨が来ますよね」
店長「間違いなく、もうすぐ来ますね」
田尾「今からものすごく重い原稿に取りかかるから、晴れ晴れとした気分で帰りたいんやけどなあ…」
店長「気分は大事ですからね」
田尾「………ハイオク満タンと、洗車」
店長「了解しました」

 ガソリンスタンドの待合室でパソコンを開けて原稿の構想を練っていたら、30分ぐらいでピカピカに仕上がったガソリン満タンの車が出来上がった。お金を払って車に乗って家に帰って、マンションのタワーパーキングに車を入れた瞬間、ブワーッ! と雨が降ってきました。今年の私は、今までとは何か違うと言っておこう。

 今週は、授業の合間に『インタレスト』の最終仕上げと校正作業。必死で挽回しなければならない9本の重い原稿。週末の出張授業の準備。『うどラヂ』の収録2本。その他諸々。久しぶりに中1日で日記を更新したが、決して予断は許さない(笑)。
2016年5月14日(土)

 怒涛の2週間である。ま、この時期は毎年『インタレスト』の締切にかかって怒涛のシーズンになるのだが、今回は野外探検と風景写真が第一特集になったため、天気頼みのスケジュールが続いた。しかし、水蒸気の上がりやすい季節になったためにここまで引っ張ってしまい、その結果、ゴールデンウィークは『インタレスト』の取材と編集で丸つぶれ。それでも何とか連休明けには14ページの第一特集を何とかクリアしたのだが、そこから落とし穴が待っていた。

 第二、第三特集はデータ収集ネタで、学生たちから「もう集め終わって、あとは整理するだけです」という報告を受けていたので、取りかかればすぐ終わると思っていたのである。ところが、第二特集の編集に取りかかってみると、情報収集が不備だらけやないか! しかも、あわてて情報を集め直したら、当初予定の4ページにとても収まらなくなったでないか! で、そこから右往左往…

 まず、第三特集の4ぺージを取っ払って第二特集を8ページに膨らませようとしたのだが、今集めている情報量では、4ページには収まらないが、8ページにするには足りない。そこで、大急ぎで関連企画をひねり出して追加取材に走った。ところが、その企画がちょっと大がかりだったため、今度はとても時間が足りなくなった。

 仕方なく、水曜日に編集長の中尾らと緊急ミーティング。その結果、また元に戻して「第二特集の半分を次号に送って4ページでカットし、第三特集を予定通り4ページで載せる」という結論に達し、その日の晩、学生9人で夜の11時までかかって、這々の体で第二特集を仕上げた。そして木曜日。第三特集の編集に取りかかると…データに不備がよっけあるやないかああああ!

 金曜日から、担当学生を集めてデータの緊急再収集に取りかかりました。夜の9時頃、情報収集は何とか目途が立ちました。今日はそいつを精査して、整理して、どう見せるかを必死で考えて、それを4ページにどう収めるかの構想を練って、何とかタイトル周りと1ページ目の割付まで漕ぎ着けて、力尽きて寝ました。

 というこの2週間。もちろん、全て授業や会議の合間を縫っての作業で、生きた心地のしない日々があと1〜2日続くことが決定しております。

***

 そんなある日のことであった。昔、仕事等でいろいろお世話になったある方から、数年ぶりに電話がかかってきたのだが、その切り出しが、

某氏「田尾君、久しぶり」
田尾「どうもお久しぶりです」
某氏「ちょっと変なこと聞くけど、正義感のあるメディアとか、知らん?」

 という、なかなか斬新な問い合わせ(笑)。どういうことかと尋ねると、某氏が伝えてきた内容はこういう話であった。

 高松市の名園「栗林公園」の池には、ものすごい数の色とりどりの大きな鯉が泳いでいて、それが観光客の目を楽しませる一つの名物になっている。特に、偃月橋(えんげつきょう)の袂にある茶店「吹上亭」の前では鯉のエサやり体験ができて、そこでエサの麩を持って池の縁に立つと、八景島シーパラダイスのイワシの大群が赤子同然に見えるような(筆者形容・笑)体調1m級の鯉の大群がウジャウジャ寄って来て、麩を投げ込むと嵐のように鯉が群れ集る光景が目の前で繰り広げられる。

 ちなみに、私も昔、数人の仲間とそこへ行って、順番に麩をちぎって投げて「赤白の錦鯉が食ったら1点、真っ白の鯉が食ったら3点、金色の鯉が食ったら5点、黒に食われたらマイナス1点」とかいうオリジナルのオバカ遊びを何回かやったことがある。あそこの鯉は黒が一番多くて、数少ない白や金の鯉をめがけて麩を投げてもたいてい横から黒がガバーッ! と食ってしまう。それを「うわっちゃー! また黒や!」とか言いながら数人でやっていたら、観光客が鯉でなくて我々に集まってきた、というほどの盛り上がりを見せる競技である(笑)。

 で、某氏の電話に戻ると、その鯉が今、ほとんど影も形もないほどに消えている(!)というのである。吹上亭の前でエサを投げても、数匹が集まってくるだけだというのである。

 大事件である。香川県を揺るがすほどではないが、少なくとも栗林公園にとっては大事件であり、県や市の観光行政にとっても由々しき事態である。ところが、地元メディアはこの事件について全く報道しなかった、と某氏は言う(私も見落としたのかもしれないが全く知らなかった)。某氏は「メディアは何をやっているんだ」と思っていたそうだが、やがて鯉が消えてからずいぶん経った頃、四国新聞に小さく「栗林公園の池の鯉が減少している。原因は、鵜が鯉を食ったり、鵜につつかれた鯉が傷跡にバイ菌が入って死んだりしたのではないかと言われている」みたいな記事が載ったそうである。

 それを見た某氏は、すぐに「そんなことであれだけの鯉が消えることなど考えられない」と直感したらしい。だいたい、消えてしまった鯉の大半は、鵜に食われるどころか、鵜を食ってしまいそうなほど巨大なんだから(笑)。しかも、栗林公園の鵜は最近やってきたのではなく昔からずっといるのだから、最近急に鯉をつつき出したなどということも考えにくい話で、「どう考えても鵜があの鯉の大量死を招いたとは思えない」と言うのである。

 そこで、某氏は栗林公園で聞き込みをしたそうである。すると、何やら「きな臭い話」が飛び込んできたと言うのである。

 某氏が公園内で働いている人たちに「どうして鯉がいなくなったんですか?」と尋ねると、何人もがまるで箝口令を敷かれているかのように口ごもったそうである。中には「おたくはどちらの関係の人ですか?」と逆質問されたことまであったという。そこで、某氏が怪しい者ではないことを説明したところ、一人の方からこんな話が飛び出してきたと。

 その人が言うには、ある時、栗林公園の池の周りの水路だったか堤だったかに、コンクリート工事を施すという計画が持ち上がった。それに対し、現場では反対の声が挙がった。理由は、コンクリートに含まれるセメント成分が鯉を殺してしまう恐れがあるからである。家の庭に泉水を作って鯉を飼っている人ならそんなことは常識で、コンクリートで泉水を作って水を入れたら、セメント成分のあく抜きをしてから鯉を入れないと、入れた鯉が全滅してしまうのだそうである。

 で、現場は強く反対したのだが、計画は強行されてしまった。するとその後、あの数千匹か数万匹か知らない鯉が大量に死んでしまったと言うのである。

***

 「と言うのである」「だそうである」の連発であるが、某氏が栗林公園の現場の人から聞いた話をさらに某氏から私が聞いた話なので、又聞きにつき、原因については私は推測も断定もできないから仕方がない。しかし、これを書く前に事実だけは確認しておかないといけないと思って、数日前の夕方、この怒涛の日々の合間を縫って、栗林公園に行って来ました。

 北門から入って公園内を散策しながら件の吹上亭の前に行くと、びっくりしました。ほんまや! あんなに大量に群れていた鯉が、わずか数匹しかいない!(目を懲らしてよく見ると、今まで見たことのない稚魚みたいな鯉が泳いでいました)

 お土産を売っていたおねえさんに「鯉が全然いませんね」と聞くと、おねえさんは「鵜がつついたみたいで…」と言って、スッとどこかへ行ってしまいました。中国人の団体を連れて歩いていたガイドさんに聞くと、「鵜の被害に遭ったみたいですね」と言いました。掃除をしているおっちゃんに聞いても「鵜がね…」とか言うだけでした。

***

 某氏が言うには、「どう考えても鵜があんなに大量の鯉を急に死なせたとは思えない。でも、このまま行くと、栗林公園の鯉を大量死させた犯人は鵜だという話が事実として定着してしまうことは確実だ。私は鵜が不憫でならない(笑)。平成の香川の大冤罪事件になる前に、鵜の濡れ衣を晴らしてやる方法はないものか?」とのことである。それで冒頭の、「どこか正義のメディアを知らん?」という電話を私にかけてきたというわけだ。「私は地元で正義のメディアを知らんけど、正義の人は何人か知ってるから田尾君に電話したんよ(笑)」って。でも、私は正義のせいでいろんな権威から悪者扱いされているそうだけど(笑)。

 ちなみに、栗林公園の鯉が増えて来た歴史についても某氏から詳しい話を聞きましたが、そこにもちょっといい話と理不尽な話があったみたいです。でも、詳しく書くと某氏の素姓が推測されることになるので書かない(笑)。いずれにしろ、真相は私にはわかりませんが、どこか正義のメディアか正義の研究者か、真相を解明してくれるところはないのかな。某氏の聞き取り調査が事実なら、真実をうやむやにしたい勢力がいるんだろうと思うけど(笑)。
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