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2017年02月の日記
2017年2月22日(水)

 私の日記のチェック担当のSさんから「やっと更新してくれたんですね。いつまで“Sさん”が出たままなのかひやひや…」というメールとともに、「信号機の数は、柱一本が1基じゃなくて、交差点の1セットが1基なん知ってました?」というプチ情報をいただきました(ちなみに、Sさんはそっち方面の専門家)。へっへっへ、それは知ってた(笑)。よって、昨日の日記中にあった「うどん店700〜800軒、信号機2116基」というのは、信号機の本数にしたら「うどん店700〜800軒、信号機約8000本」となります。

 ちなみに、2006年12月に発行した『インタレスト』第2号で、「香川のうどん店は信号機の数ほどある」とか「電柱の数ほどある」とかいうトンデモ情報を検証し、「うどん店・約820軒、信号機・約8100本、電柱・約17万本」というデータを発表しております。ただし、日本で初めて信号機が付いたのは大正8年の東京上野、電柱が初めて立てられたのは明治初頭らしいけど、香川のうどん店(うどんが食べられる店)はたぶんそれより前からあったから、信号機と電柱の数が増えていく途中のどこかの時点で、「うどん店と信号機(電柱)の数がピッタリ一致した瞬間」があったことは確かだと思います(笑)。まあいずれにしても、うどんタクシーのおじさん、試験に通ったのならもうちょっと正確な情報発信をしないと(笑)。

 というわけで、またSさんをひやひやさせることになったけど、じゃあ情報発信絡みでもう一つ、小姑みたいなめんどくさい指摘をしてお茶を濁すことにしよ。

 ちょっと前に四国新聞に載った、お店紹介の記事。

***

(見出し)
うどん一福 まちなか店
細麺にあっさりした味わい

(本文)
 小麦の香る細麺に、あっさりとしただし。高松市国分寺町の「うどん一福」の味が街中で楽しめるようになった。
 「かけ」(一玉200円)は、だしにイリコではなく、ウルミとサバを使い、あっさりした味わいにしている。「肉うどん」(一玉430円)は、肉の余分な油を取り除き、うどんの味を引き立てる。
 客の要望に応えてオープンした2号店。営業時間は10・0〜15・0。土曜定休。高松市南新町8の3。<087(863)6110>。

***

 国分寺の一福が高松市の南新町商店街に支店を出したという短い紹介文。私はこれを読んで、「20年前のタウン情報誌で私が書いていた、あるいは教えていた商業文章とずいぶん変わってしまったんだなあ」と、しばし考え込んでしまいました。つまり、
(1)今の時代はこれでOKなのか…
(2)新聞という媒体ではこれでOKなのか…
という2つの視点から、もう昔のタウン誌でやってた私の文章のセオリーは違うのかなあ…と思ったわけです。

 例えば、

@こんな短い文章の中に、「あっさり」という言葉が見出しも含めて3つも出てくる。私は「繰り返しによる特別なリズムやニュアンスを出すという意図がある場合を除き、短い文章の中に同じ言葉を何度も使うな。なるべく1回だけにしろ」と教えてきたし、自分でもそうやっていた。

A「小麦の香る細麺」というような表現は、一見うまいこと書いたように見えるけど「魂」が抜けているので私は使わないし、「なるべく使うな」と言ってきた。理由は、自分が食べたら小麦が香ってこないし、読者が食べに行ってもたぶん小麦は香らないからである(笑)。たぶん、一福に行ってうどんを食べた人の中で「あ、ここのうどんは(他店より)小麦が香ってくる」と思った人は、よっぽど小麦の香りを意識しているマニア以外はいないでしょう。要するに、どこかで見た「うまい(うまく見える)表現」を安易に使うな、という話です。

B「ウルミ」というのはほとんどの読者が聞いたことのない名称であるから、知らない言葉を使うのなら、それが何であるかがわかるような短い形容詞等を必ず付けるように私はしていた。私も調べたけど、「ウルミ=インドの武術で使われる武器」しか出てこなかった(笑)。まさか「ウルメ」の間違いじゃないでしょうね(笑)。

C「だしにイリコではなく、ウルミとサバを使い」という表現は、「イリコ」にはいろんな意味や状態が含まれており、「ウルミ(?)」と「サバ」はピンポイントの名称だから、並列に並べるのはMECEでないので、私は表現を変える。

D「楽しめる」というぼやっとした具体的でない表現は、私はなるべく使わない。

E「かけは、だしにイリコではなく、ウルミとサバを使い、あっさりした味わいにしている。」と、「肉うどんは、肉の余分な油を取り除き、うどんの味を引き立てる。」の2文はそれぞれ、主語と述語がねじれているから読むと違和感がある。こういうのは、一文の頭と終わりだけをつなげてみると、違和感がよくわかる。
「かけは、あっさりした味わいにしている。」
「肉うどんは、うどんの味を引き立てる。」
とつなげたら、おかしいのがわかるでしょう。

F「客の要望に応えてオープンした2号店。」は、言い切っちゃダメです。経営者が大きなリスクを負って出店する理由が「客の要望」より「自分のビジネス判断」が優先であることは常識ですから、もし店主がそう言ったとしても、書き手がそのまま言い切っちゃダメです。

Gそれより何より、この店の一番の他店との差別化ポイントは「あっさりとしただし」でも「ウルミ(?)とサバ」でも「肉の余分な油を取り除いた肉うどん」でもない。私の知る限り、一福の最大の差別化ポイントは「エッジが立ってざらついて伸びのある細麺」です。情報誌は「紹介する店、場所、人、事の一番の差別化ポイントを見出しに付け、一番の差別化ポイントを中心に文章を構成する」というのが鉄則ですが、これでOKが出たということは、新聞はそうではないのかもしれません。

 あと、表記については

H時間表記はどの媒体もたいてい「10:00〜15:00」と書いているのだが、「10・0〜15・0」とナカグロ(中点)で表記しているのは、私がやってた時代にはたぶんなかった。もうそういう時代になっているんですか。

I<087(863)6110>という、カッコが付いている数字をさらにカギカッコでくくるという表記も、私がやってた時代にはたぶんなかった。もうそういう時代になっているんですか。

 などという、私のやってた時代とはずいぶん違う「お店紹介記事」だったので、ちょっと話を展開してみました。なにぶん古い人間のセオリーで書きましたので、「もうそんな時代じゃない」と言われるかもしれませんが、年寄りの戯れ言としてご容赦ください。

 ちなみに、「じゃあ、お前ならどう書くんだ」と言われても、私は「人を動かす情報発信」の畑でやってきた「情報誌型文章の書き手」なので、新聞の情報発信の目的(書き方)がよくわからないからたぶんうまく書けません。でも、ここまで書いたら逃げられんので(笑)、探り探り、元の原稿の構成と文字数に合わせて昔の私のセオリーで整理すると、こんな感じですか。

***

うどん一福 まちなか店

伸びとキレが自慢の細麺

 高松市国分寺町の人気店「うどん一福」の2号店が、高松市南新町商店街にオープンした。キレのあるエッジと手作り感に満ちあふれた表面のざらつき、そして伸びのあるしなやかな細麺。「かけ」(一玉200円)のだしはウルメとサバを使った一福ならではの独特の味わい。店主自ら店頭に立ち、国分寺一福のままの魅力が「まちなか店」に再現されている。
▽営業時間/10:00〜15:00
▽定休日/毎週土曜
▽住所/高松市南新町8の3
▽電話/087(863)6110

 うーん、どうも一福に真面目な文章はフラストレーションが溜まるなあ(笑)。仕方ない、「ゲリ通」バージョンをもう一本。

***

うどん一福 まちなか店

国分寺の「一福」が南新町うどん激戦区にオープン!

 「奇跡の細麺」で大人気の一福が、ついに南新町うどん激戦区に進出した。店は当面本店の大将が入って腕を振るうと言うから味は保証つきだが、「客の要望に応えて出店した」という大将談には疑問の声も噴出している。今のところ、大将の親友と言われて迷惑しているH谷川氏の「そんなに高松で遊びたいか」というコメントが最も有力なので、営業時間終了後の大将の行動に注目だ。

***

 こんなの絶対新聞に載せられんわ。
2017年2月21日(火)

 2月はいきなり15回ぐらい更新する勢いで入ったのだが、そうはいかん(笑)。

 さて、昨年チラッと既報の通り、昨年末に韓国のKTVという国営ケーブルテレビから「讃岐うどんを紹介する番組を作るので、インタビューを受けてくれないか」という依頼を受けたのですが、その番組が完成して韓国で放送されたそうで、担当の方から映像データが送られてきました。昔、オーストラリアの放送局の讃岐うどんロケを受けた時、あとでオーストラリアから送られてきた映像データが私のパソコンではどうにも再生できずにお蔵入りしているのですが、今度のはちゃんと再生できました。

 でも、再生できたものの、番組は音声も文字も全部韓国語で何を言っているのかさっぱりわからん。そこで、とりあえず映像だけ見ていると、どうも50分の食べ歩き番組のようで、韓国のマーケットやミカン狩り園みたいなところを次々に紹介していました。この流れでどうやって香川のうどんに来るの? と思っていたら、30分ぐらい経った頃、突然飛行機が雲の上を飛ぶ映像が流れて、取材班が高松空港に到着しました(笑)。

***

 そこで、まず空港の流しみたいなところの蛇口からうどんのダシを飲んでる韓国人が映り、うどんパスポートをもらっている韓国人が映り、空港のコンシェルジュみたいな女性のインタビューが映りました。その女性は日本人ですから当然日本語でしゃべっているわけで、それがそのまま流れていたので初めて聞き取れたのですが、その女性がこんなことを言っていました。要約するとナニなので、きっちり文字に起こしますね。

(コンシェルジュのような女性談)
「讃岐には昔からうどんの文化がありまして、うどんをPRすればいいんじゃないかとかいろんなことを考えていたんですね。その中で、うどん県を出した翌年から、それまでは香川県に来られる観光客数がだいたい800万人台だったんですけど、17年は900万人台で推移してます。ずーっと観光客数は上り調子です」

 なるほど、「うどん県」のPRキャンペーン以来、観光客数がずっと上り調子になったということか(笑)。

 えーと、讃岐うどん巡りブームが最初のピークに達したのが、2000年〜2002年頃です。そこから高値安定期に入って、2006年の『映画UDON』でもう一山来て、それが落ち着き始めた2009年に「瀬戸大橋通行料金の土日1000円」が始まってまた一山来た。それが2011年に「土日1000円」が終わって以降、讃岐うどん巡りブームは元の2000年代の高値安定レベルに戻ったまま現在に至る…というのが大きな流れです。で、「うどん県キャンペーン」が始まったのが2011年です。まあ、空港のコンシェルジュの方は県から「うどん県キャンペーンが讃岐うどんブームを起こした」みたいにレクチャーされているのかもしれませんけど、その位置づけをお間違いなく(笑)。

***

 続いて韓国の取材班は、うどんタクシーに乗りました。そこで、うどんタクシーの運転手のおじさんがこんなことをしゃべっていました。

(うどんタクシーの運転手談)
「香川県のうどん屋さんの数はね、この信号機あるでしょ、信号機より多いです。うどん屋さんの数の方が多いです。150はあると思いますよ。(ここでうどんタクシーのことを聞かれたんだと思う)そうですね、筆記試験、それと実技。まあ実技っていうのは車に乗って、まずお客さんを乗せた設定でいろんなうどん屋さんへ巡っていくという。これが受かりますと、次にうどんを打って終了です」

 あちゃー、おじさん、「香川のうどん屋は信号機より多い」と言い切っちゃった。しかも香川のうどん屋が「150軒」って。香川のうどん店の数は今、たぶん700〜800軒ぐらいあります。私がタウン誌を辞めて以降、残ったスタッフが「2004年に811軒」までは調べていましたが、その後の経営陣がきちんとしたデータ収集をやめてしまったので、たぶん今は誰も実数を把握していないと思います。で、香川の信号機の数は、2015年データで2116基です。うどん屋の3倍くらいあります。うどんタクシー、どんな試験してるんだろう(笑)。

***

 さて次に、韓国取材班は「中野うどん学校」へ行きました。校長の「まっちゃん」こと松永先生が相変わらずのフルパワーで韓国人観光客にうどん作り体験を指導した後、インタビューを受けていました。

(松永校長談)
 うどんを何でこんなに有名にしたか言うたらやっぱり、本を書いた人がおるんですね。うどんのいろんなことを。田尾先生という先生が書いて、それでもう日本全国有名になりました。それからうどんの映画もできました。外国の方までもうインターネットとかテレビとかで知られてこられてます。

 校長ー、歴史をきちんと押さえてるー(笑)。

 失礼しました。その後、私の「製麺所がついでに食べさせてくれるようなうどんがレジャーとしておもしろい、という情報発信をしました」という主旨のインタビューが流れて、最後に「三徳」の大将がインタビューに出て、

(三徳の大将談)
 あと、ここまで有名になったというのは、田尾さんですね。田尾さんが火付け役いうか、そういう感じですね。まあそれはあると思いますね。まあ香川県がね、県とかあと高松市がね、やっぱり力を入れてますのでね。

 というコメントで、10分くらいの讃岐うどんコーナーが終わりました。どうでしょう(笑)。

***

 ちなみに、この日記を書くためにネットで香川の信号機の数を調べていたら(すぐ出てきました)、「Yahoo知恵袋」でこんなのを見つけました。

(質問)
香川県はうどん屋のほうが信号より多いというのは本当ですか?

(ベストアンサーに選ばれた回答)
確か去年かめっこどんどんという催しがあったのですがその中のクイズでそのような質問がありました。香川県のうどん屋さんの数はうるおぼえですが900数十軒だったように記憶しています。(間違っていたらすいません)信号の数は言っていたのですが忘れました。(申し訳ありません)回答はうどん屋さんの数がおおかったようにおもいます。自分も讃岐に生まれ育って三十数年、確かにうどん屋さんの数は多いです。個人的には香川東讃方面より中讃〜西讃方面のほうが多いようにおもいますけど・・・

(質問した人からのコメント)
すごいですね!さぬきうどん、本当においしいです。香川は人も優しいし、気候もよくて最高ですね。ありがあとうござい、あした。

 何か、うどんタクシーの運転手もネットの中も「あちゃー」なことになっている(笑)。みんな、数字を挙げる時はちゃんと調べたりしないのかな。調べないなら調べないで「わかりません」で黙っておけばいいと思うんだけど、何で調べたらすぐわかることを調べないままうろ覚えで(「うるおぼえ」じゃない!)発信するかなあ…という、情報発信の基本がいろんなところで劣化しているのをまた再確認したというお話。ミスがあるのは人間だから仕方ないけど、みんな、情報を発信する時はなるべく数字やファクトを調べましょうね。で、曖昧だったら「発信しない」という我慢ぐらいできる大人になりましょう…と学生たちには教えているんですが。
2017年2月6日(月)

 私の日記のチェック担当のSさんからの指摘で、前回の「屋島ドライブウエイ」の文中、試算台数の計算が一桁間違っていたことが判明したので、直ちに修正しております(1日ぐらい間違いが晒されとったけど・笑)。けどまあ理屈の話だから、数字が変わってもロジックが変わることはないのでご勘弁を。あと、業務連絡でSさん、返事のメールを送ったんやけど、何回送信しても返ってくるんやけど何か起こった?

 今日は近年記憶にない、「テレビで夜更かし」をしてしまいました。午前中に見られなかったスーパーボウルの再放送が夜の11時からあって、「ペイトリオッツが3ー28から最終クオーターでスーパーボウル史上最大の大逆転をした」というので、日付が変わって午前2時前まで見てしまった。は〜、もう寝る。
2017年2月4日(土)

 1ヵ月ほど前の四国新聞の記事であるが、結構考えさせられる要素がいっぱい入っているのでちょっと再掲してみる。

***

(見出し)
屋島ドライブウェイ無料化実験
利用者8割超「継続を」
「また来たい」7割近く

(本文)
 高松市が実施した屋島ドライブウエイの無料化実験で、利用者の8割超が無料化の継続を希望していることが市のアンケートで分かった。「屋島にまた来たい」と答えた人が7割近くに上る一方、再訪の条件として無料化継続や施設の充実などを挙げる声が目立った。大西市長は27日の定例会見で、「無料化を求める声は非常に多い。本格実施の時期などは実験結果をさらに分析し、市議会や地元関係者らの意見を聞いて決めたい」と述べた。

 アンケートは実験期間中(9月20日〜12月20日)の水曜・日曜に行い、主にマイカーで訪れた1836人から回答を得た。

 結果によると、普通車630円の現行料金が「高い」と答えた人は83.2%に達し、無料化継続を83.1%が希望した。

 屋島を訪れる頻度は「初めて」が33.1%で最多。「年に1回程度」などを合わせると、年1回以下が8割近くを占めた。

 来訪の目的(複数回答)は、屋島寺が43,6%でトップ。山上からの景色が35.3%、新屋島水族館が22.4%で続いた。山上での滞在時間は「1時間以下」が最多の54.3%。次いで「1〜2時間」26.5%、「2〜3時間」8.6%だった。また、3人以内での来訪が7割を超えた。

 屋島に「また来たい」と答えた人は68.5%。再訪の条件は「無料化の継続」が63.1%で最も多く、「山上施設の充実」30.9%、「イベント開催」21.5%、「水族館のリニューアル」20.4%の順だった。

 市によると、10月1日〜12月20日の通行台数は3万5428台で、過去3年間の平均台数の1.38倍を記録した。

***

 もうどこから手をつけたらいいのかわからないぐらい支離滅裂なのだが、とりあえず大きいところから行きますね。

 まず第1は、「目的と手段(原因の特定とそれに対する有効な手段)の整合性」の問題である。高松市のホームページによると、屋島ドライブウエイの無料化実験の目的は、以下のようなことであるらしい。

●屋島ドライブウェイは、平成16年に屋島ケーブルが廃止されて以来、屋島山上へのアクセスを一手に担ってきました。しかし、通行料金の割高感が、市民の皆様や観光客等の来訪の妨げとなり、屋島山上観光衰退の一因となっている可能性があるため、本市では、屋島ドライウェイの通行無料化に向けた検討を行っています。この度、実際に無料化した場合の影響を分析・評価するため、平成28年9月20日(火)から無料化社会実験を実施するとにしました。

 つまり、大きな目的は「屋島山上の観光来訪者数を増やすこと」であり、観光客が増えないのはドライブウエイの通行料金が一因だと思われるから、無料化実験をして「通行料金が一因かどうか検証したい」ということである。では、香川県(観光協会)が毎年公表している屋島の観光客入り込み数の推移を並べてみますね。

1987年 120万人
1988年 213万人(瀬戸大橋開通)
1989年 174万人
1990年 138万人
1991年 130万人
1992年 123万人
1993年 109万人
1994年  94万人
1995年  80万人
1996年  84万人
1997年  77万人
1998年  91万人
1999年  69万人
2000年  60万人
2001年  58万人
2002年  59万人
2003年  60万人
2004年  56万人
2005年  57万人(屋島ケーブル廃止)
2006年  48万人
2007年  68万人
2008年  60万人
2009年  57万人
2010年  54万人
2011年  49万人
2012年  53万人
2013年  41万人
2014年  47万人
2015年  44万人

 屋島ドライブウエイが開通したのは1961年で、この間、屋島ドライブウエイは随時値上げはあったものの、ずーっと有料である。加えて言えば、屋島山上へ行くもう一つの手段であった屋島ケーブルが廃止された後も、ドライブウエイは有料なのに山上への入り込み数がしばらく60万人前後にまで増えている。それが、この数年間40万人台に低迷し始めたというデータである。

 これを見た第一感は、「屋島の観光客数減はドライブウエイの通行料金が主因じゃないだろう」である。

 普通に考えれば、1990年前後までの年間100万人以上から50万人前後に減ったのは、

(1)慰安旅行や修学旅行といった団体の名所巡り観光旅行が激減した。
(2)この20年くらいのうちにショッピングやグルメから大型レジャー施設等々のレジャーコンテンツ(レジャースポットとして屋島の「競合」)がどんどん増えた。
(3)若い世代を中心に旅行目的が「名所巡り」から離れてニーズが細分化、多様化してきた。

という、要するに時代とともにレジャーの根本的なパラダイムが変わって、その中で屋島自体の観光のポテンシャルが相対的に落ちてしまったことが主因だと言われている。そんなことは、とうの昔からいろんな方が指摘していることである。従って、本気で屋島をどうにかしようと考えるのなら、ドライブウエイの無料化などは確かに「一因」ではあるかもしれないが、主戦略は絶対にそこではない。もし、ビル・ゲイツとかトランプさんに「屋島山上への入り込み数を倍にしてくれ」と頼んだら、まずそんなところ(ドライブウエイの無料化とか年に数回のイベントとか)から入ることは絶対にないと思う。

 ということは、たぶんドライブウエイを無料化しても、まあ、1.38倍なら一時的に60万人くらいに増えるかもしれないが、少なくとも継続的に年間100万人が窺えるような「屋島復活」的な活性化にはつながらないだろう、というのが、この「ドライブウエイ無料化政策」のポテンシャルだと思われる。

***

 次に第2は、「お金」の話。まあそんな大きなところの話はさておいて、「大勢には大して影響はないが、とりあえずドライブウエイ無料化をやってみよう」という話になった時に出てくる大きな疑問が一つ。

 屋島ドライブウエイというのは、琴電グループの屋島ドライブウエイ株式会社が経営している民間会社ですよね。税金で運営している市営の有料ドライブウェイではないと思います。それを、高松市が「無料化」したら、民間企業である屋島ドライブウエイ株式会社のそれまでの売上はゼロになるが、それは一体どうするのですか? 

 まさか、行政が勝手に民間企業の商品やサービスをタダにするわけにはいかないから、考えられるのは「それまでの売上に相当する額を税金で補償するのではないか?」ということである。そこのあたりは一度も報道されたのを見ていないから全くわからないが、もしそうなら、行政の仕事(税金の使い途)をチェックすることが大きな使命の一つであるはずの新聞やテレビは、一番にそこを報道すべきである。

 そこで、行政が「観光客を増やすため」という理由で民間が経営する屋島ドライブウエイの通行料金を無料化し、それによってで失われた「屋島ドライブウエイ株式会社の通行料金の売上」を税金で補填する、という前提でいきますね。すると、それが通るのなら、「レオマの入園料を無料化して入園者数を増やし、それによって失われたレオマの売上を税金で補填する」という政策も正当性が出てきます。もっと言えば、「香川県中の宿泊施設を全て無料にし、各宿泊施設へ売上相当分を税金で補填する」ということも、理屈としては正当になる。

 これ、もし「香川県への観光客は温泉だろうがビジネスホテルだろうが全て無料!」と宣言すれば、間違いなく全国的、世界的にも話題になって、観光客は激増すると思いますよ。けど、誰が考えても「そんなバカなことができるか」と思うでしょう。でも、屋島ドライブウエイを無料化して税金で補填するという話は、基本的に「そんなバカなこと」と同じ構図であると思うのですが。

***

 ちなみに、もし無料化すると、お金の計算はどうなるのか、アバウトに試算してみましょう。記事によると、「10月1日〜12月20日の通行台数は3万5428台で、過去3年間の平均台数の1.38倍を記録した」とあるから、過去3年間の10月1日〜12月20日、つまり81日の平均通行台数は、35428÷1.38=25672台となる。これを年間に換算すると、約12万台。これに普通車の通行料金630円を掛けると、年間7500万円くらいになる。実際は、二輪の通行料金が440円、マイクロバスが1570円、観光バスみたいな大型バスは2520円だから、比率がわからんけど、まあ年間8000万円ぐらいの売上が失われると思われる。

 その代わり、今は無料の山上駐車場を実験期間中は駐車料金200円(バス1000円)にしていたそうだから、その料金が継続されるとすると、仮に1台平均200〜300円とすると3000万円前後の駐車料収入。あと、人件費や料金所の維持費はこの計算の中では誤差の範囲だろうから無視すると、差し引き毎年約5000万円の減収になる。

 それを税金で補填するとなると、「屋島ドライブウエイ無料化」というのは「高松市が毎年5000万円、屋島に(屋島ドライブウエイ株式会社に)税金を投入する」という政策になる。そこが「無料化の是非」を検討する出発点となるべきでしょう。その継続的な5000万円の投資に対するリターンを試算し、その数字をもとに検討しなければ、ただの好き嫌いの議論になってお金だけがどんどん失われ続けるという結果になるからです(今まで、そんな例ばっかりでしょう)。

***

 第3は「アンケートの話」。以上のように考えると、記事にあるアンケート調査の結果などは、事業判断にはほとんど役に立たないことがわかりますね。高松市民のための税金の使い途の話なら、アンケート対象は高松市民全員であるべきで、その質問内容の一番のポイントは「毎年税金を5000万円使って屋島ドライブウエイを無料化することに賛成か、反対か」が最優先になるべきでしょう。あるいは、観光客を増やしたいなら、屋島に行かない人を対象に「ドライブウエイが無料になったら屋島に行きますか? 何があったら屋島に行きますか?」という質問で調査をしないといけない。

 ところが、実際のアンケートは「屋島に来た人」だけを対象に、判断材料となる数字も挙げずに「好き嫌い」だけを問うている。そんなもの、無条件で「通行料金630円は高いですか?」と問われれば、たいていの人は(私だって)「高い」と言いますよ。「無料化は続いた方がいいですか?」と問われれば、私だって「継続してほしい」と言いますよ。そんなものはアンケートなんか採らなくてもその辺の人に聞いたらすぐにわかる話です。

 あとは、屋島を訪れる頻度とか来訪の目的とか山上での滞在時間とか云々は、まあついでのネタとしてあってもいいけど、税金を投入した「無料化の是非」を検討する材料としてはゴミに近いデータだとしか言いようがない。私なら、無料化の是非を検討する会議にこんなデータが出てきたら「これは議題に関係ないからいらん」の一言で捨てます。

***

 従って、一番大事なポイントに一切触れずにどうでもいいアンケート結果の方をこんなに報道する四国新聞の視点はいかがなものかと思ったわけです。さらに余計な心配をするなら、市議会議員の方々には、まさかこんなアンケート結果をもとに無料化の是非を判断するような無能な「選良」はいないだろうと思っていますが(心配してるやん・笑)。

 ちなみに、もし「無料化しても税金を投入しない」のであれば、ここまで書いてきた話のうちの「第2」と「第3」は全部ゴミですから捨ててください(笑)。ただし、それでも「無料化して消滅したドライブウエイの売上」がどうなるのかは、地元メディアとして取材、報道していただきたい。だって、私にはそんなことが成立すると思えないから、成立させる方法があるのならぜひ知りたいから。
2017年2月3日(金)

 今年に入って、研究室で飲むコーヒーの量が1.5倍くらいに増えている。原因は、新しく買ったコーヒーカップのせいである。

 私のコーヒーカップ選びの決め手は3つある(MECEなロジックツリー作りの基本みたいな書き出し・笑)。
(1)立ち上がりすぎず、開きすぎない全体のフォルム。
(2)持ち手の下の外側の、持った時に中指の第一関節と第二関節の間の上側に当たる感触にストレスがないこと。
(3)シンプルでセンスのいいビジュアルデザイン。
の3つである。

 で、7年ほど前に六本木ヒルズ内の雑貨屋で見つけた「NOBU」の真っ白のコーヒーカップが上記3点を完璧に満たしていて、家用と大学の研究室用に2つ買って、1つ割れたので思い切って3つ買い足して、家に2つ、研究室に2つ置いて、「もう一生これでいい」と思うぐらい満足して、1日に6〜7杯ぐらいコーヒーを飲んでいたのである。

 ちなみに、コーヒーはハマヤのインスタント「ブルーマウンテンブレンド」を卒業して、ドリップバッグで飲むまでに成長しました(笑)。でも、そこから先にはたぶん行かない。あくまで仕事のお供なので、それ以上うまいコーヒーを飲みたい時には、自分で豆を挽くぐらいなら、クラフトマンズファクトリーかアップタウンで仕事をしながら飲むのが一番だから。あ、アップタウンは仕事より気分転換でバカ話をする充電の場だけど。いや、放電か。

 で、年末に夫婦で上戸へうどんを食べに行って、田尾夫妻と上戸夫妻の間でH谷川君がいかに陰謀を張り巡らせようとびくともしない信頼関係を築いて(笑)、その足で松山の砥部焼の里に突撃して、JTB高松支店のとても感じのいいお姉さんに紹介してもらった「紫音」という砥部焼のギャラリーに行ったのである。

***

 実は砥部焼の里にはこれまで数回来たことがあって、このあたりのショップとか松山の中心部あたりのショップでもさんざん砥部焼を見て回ったのだが、ことコーヒーカップに関しては、私の中では砥部焼のコーヒーカップにはピッタリ来るものがただ一つとしてなかったのである。

 理由は、まず、分厚くて重すぎること。次に、私の勝手な推測であるが、砥部焼はコーヒーカップに対してはあまり思い入れがないのか脇役の脇役扱いなのか、形やデザインや機能性(持った時の指にかかるストレスとか)をあまり追求してないように思えること。

 近年は若い作家がいろいろ出てきて新しいスタイルの砥部焼商品が増えているというので、数年前に『インタレスト』の取材で四国霊場八十八カ所を回った時に松山で砥部焼エリアに立ち寄ってものすごく見て回ったのだが、何かやろうとしているのはわかるのだが基本的に旧来のものと変わらない物や、デザインに走りすぎて藻ったらストレスの塊みたいなコーヒーカップしかなくて、首をかしげて両手を広げて(アメリカ人か)退散したことがある。

 だから、そのギャラリー紫音に入っても、家内は茶碗とかいろいろ見ていたが私は特に当てもなく、店内をボーッと眺めていたのである。客は私ら夫婦2人だけだった。

 そしたら、棚に青いコーヒーカップが4つ並んでいた。私の車と同じような、深海の入り口(行ったことないけど)のような深い青がカップの上から3分の2ぐらいまで下りてきて、そこからグラデーションになって底に向かっている。カップの内側はフチのあたりだけがその深い青で、大半は薄く青みがかった白。取っ手は全部深い青。

 カウンターの中にいたイケメンのお兄さんに聞くと、これは「ヨシュア工房」という砥部焼工房の作品で、この青は「ヨシュアブルー」と名づけられたオリジナルの色だそうだ(「ヨシュア」は聖書に出てくるヨシュアから取ったそうです)。ふーむ、色は美しい。いらん絵も描いてなくてビジュアルもシンプル。フォルムは、立ち上がりの角度が立ちすぎず開きすぎず、NOBUの完璧なフォルムには負けるが(私の中でね)、なかなか悪くはない。持ち手は…

 持ってみると、お、それほど重くないぞ。ただ、やっぱり中指の第一関節と第二関節の間の上側に少しの重みがゴリッときて、軽いストレスがある。いい感じなんだけどなあ…と思いながらもう一つのカップを持って見ると、これも中指の第一関節と第二関節の間の上側に軽いストレスがある。3つ目のカップも…うーん、ストレスがあるなあ。4つ目も……ん? ストレスがないぞ。

 何度か持ち直してみたが、この1つだけストレスがない。どういうことだ? あ、そうか、型で抜いて同じものを大量生産するんでなくて一つ一つ作っているから、微妙に一つずつ違うんだ。それで1つだけ“当たり”があったんだ。

 購入しました。3000円ぐらい。ソーサはイマイチだったので「いらん」言うたんだけど、セットだからくっついてくるという。まいったな…家にいらん置物が増えてしまう…と思いながら考えていたら、いいことを思いついた。ソーサを灰皿にしよう(笑)。

 しかし、このまま灰皿にしたら、タバコを置いた時に先がサラの底面に付いてしまって、火が消えたり斜めに燃えたりしてよろしくない…と思いながら周りを見渡すと、ヨシュアブルーの小さい箸置きがあるやないの。10数個並んでいるのを吟味していると、全長3.5センチくらいの、イエローダイヤの「オレンジの涙」みたいな涙型をした(あっちは35億円でこっちは500円だけど)箸置きを発見。これを直径15センチくらいのソーサの中にポツンと置くと、おおっ! まるで瀬戸内海に浮かぶ女木島じゃないか!(笑)

 いや、ほんとに。濃いブルーで箸置きだから上にちょっとヘコミがあって、ほんとに女木島みたいな形をしてるの。しかも、この女木島、ひょうたん島みたいに自由に動くから、ちょっとソーサのフチの近くに置いて、タバコ置きにピッタリ(笑)。「すいません、箸置き1個、お買い上げ」。

***

 というわけで、今年から私の研究室にヨシュアブルーのコーヒーカップが置かれております。しかもこのカップ、口当たりがあまりにも素晴らしい。下唇に当たる感触と上唇の両端に軽く触れる感触が、表現する言葉が見つからないほど、あまりにしっとりなめらか。かつて、東京麺通団に「ねばたま(釜玉に納豆を混ぜた物)」なるメニューが登場した時に勝谷さんが表現した「エッチな食感」に通じるものがあるような気もするが、健全な私には元ネタの意味がよくわからないので何とも言えん(笑)。しかしとにかく、あまりに心地よいのでついついコーヒーが進んで、消費量が1.5倍になっているのである。

 ちなみに、あとでネットで確認したら、「ヨシュア工房」の通販サイトにコーヒーカップとソーサの写真が載っていました。でも、私の買ったコーヒーカップは、載っている写真のより少し口が開いている。同じサイトに載っている蕎麦猪口と同じような角度です。サイトに載っているコーヒーカップならサイドが立ちすぎているから買わなかったけど、ギャラリー紫音にはいい角度のがありました。あと、通販だと持ち手にかかるストレスがわからないから、私には通販でコーヒーカップは買えない。

 などという与太話でした。とりあえず、日々、こんな小さな満足を積み重ねながら頑張っております。今日現在、私の身の回りの「もう一生これでいい」と思っている満足品は、以下の通りです。

・(超満足)ボルボ13
・(超満足)ジャン・モワラスの「リュベロンの盛夏」(油絵)
・(大満足)LAVAの仕事カバン
・(大満足)007「カジノロワイヤル」仕様のオメガ・シーマスター
・(大満足)NOBUのコーヒーカップ
・(大満足)ヨシュアブルーのコーヒーカップ

 うーむ、コーヒーカップが2つになったということは、「NOBU」のは「一生これでいい」じゃなかったのか(笑)。
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