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2017年05月の日記
2017年5月31日(水)

 「天ぷら3つ取る」とは言うたものの、朝から天ぷら3つも人としてどうかと思いながら「がもう」の駐車場に着いたら、ちょうど食べ終わって出てきたコピーライターのT山にいきなり「天ぷら3つですか? がもうさんが手ぐすね引いて待ってますよ」と言われたのでは仕方がない。朝から「うどん大、ちくわ天、ゲソ天、あげ」の豪華メニューで550円払って、学校に行った。全力で授業を終えても、夕方まで腹が減らんかった。

 今、『インタレスト』はまだ本格的な配布に取りかかれていないので、うどん店は「がもう」にしか置いてませんが、週末から来週にかけて、あちこちに出回ると思います。がもうの大将からは「よう頑張って調べとる。けど、目が薄なって小さい字が読めんのや(笑)」とのコメントを頂きました。内容も文字量も読み応えはあると思いますが、睡眠薬代わりに寝る前に10行ずつぐらい読んでいただければ幸いです(笑)。

 あと、ネットでお申し込みの方から「このご時世に、何で紙媒体にこだわるんかなあ」というアドバイスを頂きましたが、ある部分、おっしゃる通りです。最大の理由は、「私がデジタルに弱い時代遅れの人間である」ということですが(笑)、もう一つは、あの手の内容の物は「大きなひとかたまりで成立させている特集」なので、ある程度の「一覧性」がないと、どうも狙い通りのメッセージが出しにくいと思うからです。まあ、これも古い人間のメンタリティかもしれんけど、「一覧性に乏しくて羅列的な断片情報として伝わってしまう」というのはネットの数少ない欠点の一つだと思っているので、いつか天才的なやつが画期的なネットの情報発信システムを作り出してくれるまでお待ちください(笑)。

 じゃ、今日から別の集中力を要求される仕事に取りかかるので、一本ネタはまた先送りということで。
2017年5月28日(日)

 土曜日に阪神がホームラン3本で勝ったのだが、それが「糸井6号、福留6号、中谷6号」という、50年近い阪神ファン歴の中でも初めてだと思われる悪魔の「666」であったため、何か不吉なことが起こるのではないかと思っていたら、今日、6点取られて負けた…という日曜日であるが、今日は朝から一日中仕事部屋に籠もって、学生35人分の文章採点と修正に没頭していた。いや、ダービーを見たから言うほどの没頭ではないが。

 私は今、8つある担当授業のうちの1つの「文章表現論」で「商業文章」の講義をしているのであるが、これがなかなかいろんな意味で大変で、未だに試行錯誤の連続なのである。どう大変かというと、

(大変その1)

 商業文章というのは、要するに「場所、施設、人を文章で紹介する」、「物を文章で紹介する」、「人を文章で紹介する」、「事を文章で紹介する」という、まあ社会に出ればプロの記者やライターが新聞や雑誌やネット上に書いている文章、あるいは普通の会社でも企画書や社内報や案内物やポップ等で社員が書くような文章のことを私は指しているのだが、学生にいきなり付加価値のある文章のレクチャーをやってもついて来られないだろうと思ってかなり初歩的な基本から入っていくと、毎年毎年、ほんとに毎年、履修学生の90%以上がその初歩のところから面食らっているのである。

 10年以上やっているから、原因はもうわかっている。要するに、彼らは今までほとんど「僕は…、私は…」という「自分が主語」の作文しか習ってきていないのか、「場所や施設、店、物、人、事」といった「自分以外のものを主語にした文章」の基本的な組み立てとリズムが全く身についていないのである。

 例えば、学校では「自分の体験や考え、気持ち」などを書かせるような作文ばかりやってきているし、「場所や施設、店、物、人、事」を書くのはブログや日記ばかりだから、基本情報の押さえ方もままならないレベルにある。だから、「自分以外のものを第三者に文章で情報発信する」という行為の基本的なスタンスが理解できずに、いきなり面食らうのである。従って毎年、「技術以前のメンタルから説いていかないといけない」という羽目になっております。

(大変その1)

 次に、そこから第二段階で表記の基本的ルールや基本的な文章のリズムの作り方(「ですます調」と「である調」の使い分けや「体言止め」と「用言止め」の使い分けで文章にリズムを作る基本的手法とか、句読点の付け方でリズムを作る方法とか)をレクチャーしていくのだが、そもそも「文章のリズム」などという視点がみんな初耳なので、この段階で7〜8割ぐらいの学生が頭の中に「?」が100個ぐらいできて脱落していく。

 しかし一方で、2〜3割ぐらいの学生は何かに目覚めたようになって、かなり真剣についてくるようになる。すると、たかが40〜50人くらいの教室の中が、「必死でついてくる学生」と「まるであきらめたようになる学生」に二分されてしまうわけです。これが実にやりにくい。なぜか?

 うちの大学では10年ぐらい前から「学生による授業評価アンケート」なるものをやっているのだが、そのアンケート中に「学生の理解度を見ながら授業を進めているか?」という、私に言わせれば「小学校か」みたいな項目がある。しかし、申し訳ないがここは大学であり、特に私はビジネスの現場で使ってきた技術と精神をフルに提供して「伸びようとする学生を伸ばしてやる」というつもりでやっているので、とてもじゃないが全員の理解度をケアすることができんのだ。

 しかし、あんなアンケート項目があるということは、そうしろということなんでしょうね。よって、実に大変(笑)。

(大変その3)

 それでもまあ、なんやかんやで第三段階に入って、次はロジックツリーの作り方や付加価値のある文章表現の基本レクチャーをやって、いよいよ商業文章を書かせてみるのであるが、ここで「熱心な2〜3割の学生」の大半が、「中途半端なプロの定番表現」の世界に勝手に入っていくんです(笑)。

 例のあれ。「店内は白を基調とした明るい雰囲気で…」とか「新鮮な瀬戸の幸をふんだんに使った…」とか「ジューシーでフルーティーな…」とか、「○○が絶品!」とか「○○は必見!」とか「最高!」とか(笑)。もちろん、「人の情報発信」も「事」の情報発信も、そういう「魂の抜けた形だけの商業文章」にすぐに毒されていく…というのが、私の授業を通しての実感です。もちろん、そういうのでも60点はあるんだけど、「差別化された付加価値」はゼロ。二流、三流の仕事なら格好だけはつけられるだろうけど、「人を動かす文章」には使えんだろうなあ…というレベルの文章で、そこまでは何とか数人が到達するというのが、今の「文章表現論」の授業の実情です。

 これが少数精鋭の授業で時間をかけることができれば、一流半ぐらいの即戦力にできるような気もするけど、90分の授業が15回で、しかも40人もになると(去年は60人、多い年は90人ぐらいいたこともある)、どうしても総花的なレクチャーになってしまうのが悩みの種。うちは基本的に履修制限ができないルールらしいので、「やる気のある学生10人まで」とかいう授業にできなくて、毎年軽く苦悩しているわけです。

 まあ、「学生にそこまでのレベルを求めるのは酷だ」と言われるかも知れんが、大学は高校じゃない、最高学府なんだし、わずか数年後にはみんなプロの世界に出ていくんだから、プロのレベルの技術と精神を学べるようなシステムやプログラムがもうちょっとあってもいいんじゃないかと。他の大学はどうなのか知りませんが。

 ちなみに、レベルの高い文章表現というのはある意味特殊能力の世界だから、学生全員ができるようになる必要はありませんが、今まで10数年の授業の中でたった一人だけ、私の基準で「付加価値のある文章が書ける即戦力だ」という学生がおりました(今、何の仕事をしてるのか知りませんけど)。それが今年、もう1人か2人、いそうな気がしています。とりあえず、その「一番上」の学生たちのテンションが下がらないように、何とかうまいこと授業をやっていく所存ではあります(笑)。あ、ダービーはスワーヴリチャードから欲を掻いて100円で10点も流して620円勝ったので、今度「がもう」で天ぷら3つ取ってやる。
2017年5月25日(木)

 昨日の夜スイッチが入って3時間以上も掛けて作っていた授業準備の新規データが昨日中に完成しなかったので、今朝は授業の4時間も前に大学の研究室に入って続きに没頭して、3時間近く掛かってようやくまとまったのに、授業に入ったら流れがそこまで至らずに、結局使いませんでした(笑)。ま、こういうのはよくあることで、いずれどこかで使うことがあるだろうし、万が一使わなくても集めたデータからいくつかの新しいメッセージが見つかったから、自分の中で貯めておけばそれで十分。ネットで遊んだりゲームしたりするよりは有意義な時間を使ったと思っておこう。

 今日はお知らせを一つ。『うどラヂ』の収録をサボって東京に行っていたらしいリビング高松の谷本ねえさんから電話があって、「6月3日(土)4日(日)の2日間、サンメッセ香川でリビング主催の夏の大フリーマーケットをやるんですけど、『インタレスト』を置きません?」とのことで、二つ返事で話がまとまりました。当日、会場に『インタレスト』最新号を腰が抜けるほど持って行きますので、申し込みが面倒くさいと言う人は、香川県最大級のフリーマーケットを楽しむついでにタダでどんどん持って行ってください。ただし、数が少なくて「え? もうないの?」いうて腰が抜けるかもしれんけど。あと、誰も取ってくれずに「丸ごと残ってるやん」いうてこっちの腰が抜けるかもしれんけど。ついでにバックナンバーの余ってる号も持って行くので、ご家族ご近所見知らぬ人お誘い合わせの上、ぜひお越しください。両日とも10:00〜16:00までやってるそうです。じゃ、明日の授業もちょっと直前準備がいるので、今日はこれだけ。
2017年5月24日(水)

 久しぶりに日記を更新した途端、チンペイから、

「大学の構内で非常勤行使できていた上原」とありますが「非常勤講師」ではないでしょうか? 「行使」で検索したところ『権利・権力、また非常手段を実際に使うこと。「拒否権を行使する」「武力行使」』とあります。上原さんは田尾先生が懇意にされている方だと思いますので、「非常勤」を「行使」するような方とは思えません。万が一上原さんが「非常勤」を「行使」するような方であれば修正していただく必要はありませんので、よろしくお願いします。

という、「ただ誤字を指摘するだけでは芸がないので文章に付加価値を付けてみた」という物書きの魂に満ちあふれたメールが来たので、直ちに修正しておいた。あと、上記メール文も、原文のまま載せるとチンペイの誤字がばれるのでそっと直しておいてやった(笑)。

 さて、『インタレスト』が早々と今週末に納品されるというのに申し込みのご案内を差し上げてなかったので、慌てて簡単に概要を。いつものように冊子は無料ですが送料のみ「着払い」でご負担いただくことになっておりますので、それでもOKという方は、

●メールでのお申し込み………interest@sg-u.ac.jp
●ハガキ等でのお申し込み……765-8505 香川県善通寺市文京町3-2-1 四国学院大学社会学部情報加工学メジャー「インタレスト編集部」宛

(申し込みの必要記入事項)
●送付先の住所、氏名(架空住所不可)
●年齢(詐称可)
●職業(偽証可)
●気の利いた一言(割愛可)

という段取りでよろしくお願いします。今回の特集は、

(1)「そうだったのか! 日本の税金」
(2)「諧謔(かいぎゃく)のすゝめ」

の2本立てです。一部既報の通り、税金特集があまりに真面目に突っ込んで行って14ページにもなったので、第二特集に前号から並行して進めていた「ダジャレ特集」(諧謔=ユーモアとか洒落とかそんな感じの意味)を8ページ持って来てバランスを取ってみたのですが、どうか(どうかと言われても・笑)。とにかく、ものすごく文字ばっかりの、文字好きの人には読み応えのある、文字嫌いの人には風呂の焚きつけ(もう誰もやってないか)に最適の一冊になっております。

 というわけで、今日の『インタレスト』編集会議で、次号の新体制を発表しました。第24代編集長には笠井が就任し(就任当日に就活で欠席という体たらく・笑)、谷は何代目か忘れたけど「助監督」に就任し、次期首脳陣を担うべく3年生の精鋭が特集リーダーに就任し、まだ海のものとも山のものともわからない大量の2年生も動き始めます。あ、動かされ始めます。これからネタ切れの特集案絞り出し大会が始まりますが、何とかひねり出しますので、引き続きご愛顧の程、よろしくお願いします。

 ほんとは2日連続で社会派の日記を書いてやろうと思ってたのですが、夜の9時頃、明日の授業の直前準備をしていたら、「待てよ、こういう資料を集めてこういう見せ方をしたら学生にもっとわかりやすい内容になるのではないか?」というアイデアが出てきて、そこからスイッチが入ってしまって情報収集と整理が止まらなくなってしまいました。よって、社会派ネタはまた後日。時間がないので精査なしでアップするから、またチンペイに何か指摘されるかもしれん。
2017年5月23日(火)

 ついに『インタレスト』の締切が終わって、印刷工程に入りました。しかも、その合間にしばらく放置していた他の仕事も2つ片付けるという離れ業もやり遂げた。おかげで、月曜日は泥のように寝てしまいました。それでもまだ疲れが取れないので今日も早よ帰って寝よ、と思っていたのに、大学の構内で非常勤講師で来ていた上原にばったりと出くわして「日記、よろしく」と言われてしまったのでは仕方がない。

 さてと、何から行くかな。比較的軽いのから行くか(笑)。

***

 『インタレスト』の締切と授業とつたない研究の仕事が重なって苦しんでいたこないだのことです。昼飯を食う暇もないくらい短い昼休みに研究室で午後の授業の準備をしていたら、大学の受付から内線がかかってきました。聞くと、何やら私と話がしたいという方がアポなしで大学に来られているというのですが、次の授業まで10分しかないので丁重にお断りをしてもらったら、授業の後、受付からメールが入っていました。内容は、先ほど来られていた方からの伝言だったのですが、それがこんなの。

 その方曰く、「インタレストはどう見ても社会人未経験の学生の視点での内容ではない。学生主役の雑誌を作って欲しい。その件について、時間が合えば田尾先生と意見を闘わせたい」とのこと。

***

 こういうのには意見を闘わせたくないです(笑)。だって、『インタレスト』の目的が根本的に違うんだもの。

 まず、『インタレスト』は「学生主役で学生の視点で学生が自由に作る雑誌」ではありません。そういう学芸会みたいな物作り作業はみんな、小学校から中学校〜高校までにさんざんやってきているわけで、それはそれで「みんなで力を合わせて自分たちの作りたいものを作る」という経験は何かのプラスになってきたのだろうけど、私は今から数年後に実社会のプロの世界に出ていく大学生に、そんな小学校の延長みたいな授業をするつもりはありません。だって、「社会人未経験の学生の視点で自由に作ったもの」の大半はレベルが低すぎて、実社会のプロの世界では厳しいユーザーのニーズにほとんど応えられないもの。

 もちろん、四国学院はいろんな教育プログラムがあっていろんな科目があっていろんな先生がいて、教養科目や専門科目やいろんな学問が学べるわけですが、そんな中で私は実社会で零細ながら社長までやってきたという、四国学院ではたぶん異端の教員なので、言うなれば私一人だけ「ビジネス教育部門」を担当しているようなものです。だから、もう数年後にプロの世界に入っていく大学生に、実社会のユーザーのニーズに答えられるレベルの「プロの商品作りの技術と精神」を見せてやらないといけない。それが私の四国学院でのポジショニングだと思っているので、『インタレスト』の授業では、「学芸会の世界」を捨てて、プロの視点による、実社会のユーザーのニーズを意識した情報発信のトレーニングをしているのです。

 従って、『インタレスト』はビジネスの実戦で使えないような「社会人未経験の学生の視点」で作るつもりはないし、学芸会みたいな「学生主役の雑誌」にするつもりもありません。学生に企画を考えさせてプロの視点でダメ出しをし、学生に情報収集をさせてプロの視点で修正をし、学生に編集を試みさせてプロの視点で修正を入れ、最後にプロがプロの技術で仕上げて「プロはどうやるのか」を見せつけて学ばせているのです。ビジネスマンだろうが職人だろうが、天才以外はたいてい、高いレベルのものを見せつけられて自分に足りないものを知り、それを学び、成長するものだと思うからです。

 もちろん、プロと言っても私はもう年を食ったプロですから、原理原則と基本的な技術や組織マネジメントの手法を教えるだけで、若いユーザーを対象にしたマーケティングの感性的な部分はほとんど教えないし、教えられない。それは、彼らが実社会に出て実際にいろんなプロモーションを行う時に、「原理原則と基本技術の応用」として若い感性を生かせばいいわけです。ただし、原理原則と技術の裏付けのない状態で「学生の感性」だけでいくら物を作っても、実社会ではほとんど役に立たない「小学生よりはマシな学芸会」になってしまうと私は思っています。「学生自治」なるものがあちこちでお粗末な結末を迎えているのも、かなりの部分がそのせいだと思いますよ。

***

 余談ですが、かつて、推薦入試の面接に関して、某高校の先生から信じられないクレームが入ったことがあります。聞くところによると、推薦入試を受ける生徒(高校生)は学校で何度か面接の練習をして本番に臨み、面接を終えると高校に帰って担当の先生に面接の報告をするらしいのですが、生徒からその報告を受けた先生が何と、「うちの生徒がおたくの大学で、想定していない質問を受けたと言っている。一生懸命面接の練習をしていった生徒に対して、一体どういうつもりで違う質問をしたのか。生徒が可哀想だと思わないのか」と言ってきたのです。

 その文句を受けたうちの大学の先生(すでに退職されていますが)は、その場で「具体的な事情はここではすぐにわかりませんが、十分気をつけます」という大人の対応をしていたのですが、たまたまそれを近くで聞いていた私はもう、呆れて物が言えませんでした(本当は割って入って言いたかったのですが・笑)。

 これはもう10年も前のことですが、以後今日まで、大学の内外で高校生や大学生をまるで幼稚園の延長のようなメンタリティで扱っている教職員や教育方針や教育システムを何度も何度も見てきました。そして、たぶん「学生主役で学生視点のインタレストを作れ」と言ってきた方も、根底のところで同じようなメンタリティを持っているのだと思います。けど、それはどう考えても、狭いコミュニティの中だけで褒められて守られて育った「弱い若者」を作り続けることになると思うのですが。

 ちなみに、もし、『インタレスト』に「プロの視点を持った天才的な学生」がいたら、私は1号丸ごとそいつに作らせると思います。すると、ほぼ100%学生だけで作った号になるから、それはまさに「学生主体」の『インタレスト』になるわけですが、それで出来上がった号を見たら、さっきの人は間違いなく「どう見ても社会人未経験の学生の視点での内容ではない」と言いますよ(笑)。

 よく「学生の視点や感性を生かして地域に新しい発想を」みたいなことが言われますが、過去を振り返れば確かに天才的な学生が画期的な商品やサービスを生み出して大きなビジネスに仕立て上げたという例はいくつもありますが、それは「学生の視点」ではなく、「プロの世界で戦えるレベルの視点」を持った学生だから成功したのだと思います。 

 まあ、どうしても「学生主体の学生視点の学生レベルのインタレストを作れ」と言われるなら、私の担当外の教育分野なので誰か他の人に話を持って行ってください(笑)。私は、プロの社会に出ていく学生にプロの社会で通用しないレベルの教育をしたくないので。

 ふー、「比較的軽いの」言うて、まあ内容は軽いけど1時になったわ(笑)。
2017年5月9日(火)

 『インタレスト』は今、第二特集全8ページのうちの5ページを終えて、止まっている。その第一の原因は、毎回のことながら「情報収集の甘さ」にある。いや、熱心に取り組んでいる学生スタッフたちはみんな真面目で誠実で、受けた指示を真面目に一生懸命こなしているのだが、「目的」と「全体像」とその「完成予想図」がまだうまく捉えられていないため、いざ私が関わって最終編集段階に入ると、しょっちゅう詰まるのである。

 例えば、『インタレスト』は情報加工(情報収集→情報編集→情報発信→ユーザーのニーズを満たす)の練習授業であるから、大きな目的は「読者に評価される」というところにある。従って、集める情報も編集の仕方も全て「これは読者に受けるか」という判断基準で決定しないといけないのだが、たいていの学生が「ユーザー(読者)」ではなく「上司(チームリーダーや担当教員の私)」を向いて仕事(情報収集作業)をしているのである。

 だから、たかが指示された情報収集と言っても、本来は「待てよ、これはこっちの方向の情報も集めたらもっとおもしろくなるのではないか? もっと読者をおもしろがらせることができるのではないか? 読者に役に立つのではないか?」等々の視点を持った展開力が必要になるし、その視点にこそ若い世代の感覚や価値観の出番があるのである。

 ところが、たいていのみんなが「これでリーダーからの指示の通りになっているか? 先生の言う通りのものが集められているか?」という、私に言わせれば「ただの作業員」のメンタリティでやっているから、いざ私が最終仕上げにかかってみると、そこでしょっちゅう私から「待てよ、これはこっちの方向の情報も集めたらもっとおもしろくなるのではないか?」というのがどんどん出てきて、その都度「大急ぎでこっちの情報を集めろ」となって、その情報が集まるまで編集作業がストップするのである。

***

 会社でもそういうメンタリティで仕事をしている人、結構いますよね。ユーザーの顔色(ニーズや満足度)でなくて、社内の上司の顔色に向かって仕事をしているような人。あるいは、ユーザーに誠実な社員より自分に忠実な社員を好む上司とか(笑)。とりあえず、そういう社会人にはなるべくなって欲しくないので、できるだけユーザー目線のメンタリティを持つことの重要さを教えたちと思っているのですが、会社じゃなくて社会経験ほぼゼロの学生相手の授業なので、なかなか大変です。

 まあ、社会に出ると「言われた通りのことをきちんとやる」という段階は基本の基本として絶対に必要だから、最低限そこはクリアしつつあると思うけど(基本もできてないのに意見や文句ばっかり出すやつにはもっとなって欲しくないしね)……などという状態の中で、この1ヵ月くらい『インタレスト』の締切のせいで放置していた他の仕事が、さすがに抜き差しならない状況に追い込まれてきているため、最終が全く見えない状態になってきました。さて、この創刊以来最大級のピンチをどうクリアしますか。
2017年5月1日(月)

 世間はゴールデンウィークだというのに「昼飯はどん兵衛」という過酷な労働の甲斐あって、午後3時、ようやく『インタレスト』の第一特集「そうだったのか、日本の税金」の編集作業が終わった。14ページの笑いどころのない力作であるが、税金の使い途がいろいろわかってくるごとにだんだん腹が立ってきて(笑)、コメントが暴走するのを抑えるのに必要以上にエネルギーを使たわ(笑)。

 ちなみに、今日は本当は午前中に第一特集が終わるぐらいまで漕ぎ着けていたのだが、朝、ちょっと息抜きにLPGAの最終日の生中継をつけたら、16番を終わって野村敏京が2打差でトップに立っていて、「これは優勝の瞬間を見てやらないかん」と思って、ちょっとテレビの前のソファに座ってしまったのである。そしたら17番で2打差2位のクリスティー・カーがバーディーを取って1打差に迫り、直後に野村がダブルボギーを叩いて1打逆転され、「これはあかんか…」と思っていたら今度は野村が18番でバーディーを取ってプレーオフに突入してしまった。しかも、そこから5ホールやっても決着がつかず、あと1ホールで日没というところまできたところで最後に野村が奇跡的なセカンドショットを放って優勝! いやー、久しぶりにすごい試合を見たー! と思いながら時計を見たら、午前10時を回っていたのであった。

 という誰も聞いていない言い訳をしてみたが、とりあえず「ゴールデンウィークまでにインタレストの編集を全部終わらせて松本君の度肝を抜くぞ大作戦」が不発に終わったので、「ゴールデンウィーク中にインタレストの編集を全部終わらせて1ヵ月ぶりに一息つくぞ大作戦」に切り替えてあと1週間頑張るぞ、と。

 まあ、ゴールデンウィークなんて私は就職してから今日までの39年間、タウン誌の締切とインタレストの締切でちゃんと休んだことが1回か2回しかないのでずっと仕事をするのには何の抵抗もないし、そういう仕事に就いてずっとやってきて、そういう人生でそれなりに充実しているからいいのである。近年、労働時間の短縮が日本人の命題みたいに言われているが、「働いて成果を挙げて人に喜ばれて自分も充実したい」と思っている人にまで網を掛けるのだけはやめてほしい、と願うばかりである。

 ということで松本君に電話したら松本君も仕事漬けだったので、さっそく出来上がった原稿とデータ表と割付を持って行ってプレッシャーを掛けて(笑)、家内と低級和食を食べてコープでせんべいとパンを買って帰ったのである。夜はWOWWOWでジョシュアVSクリチコというヘビー級の注目試合(これまたすごい試合になった)をやっていたので、今日はスポーツ中継を2本も見ました。まだ脳ミソが火照っている感じがあるので、もうちょっと夜更かしして仕事します。
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