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2017年12月の日記
2017年12月31日(日)

 暮れももう「何かがちょっと出たかも知れん」いうぐらい押し詰まってきたが、「今年1年、どうでしたか?」と聞かれても、小さな刺激を積み重ねながら概ね平凡な人生を送っている者としては、1年前との違いがさほど鮮明ではないので何とも言えない。だから、私は何かそういう話題になった折には10年単位で振り返って、自分の今と10年ぐらい前、あるいは20年ぐらい前を比べてみて、いろんなことを考えたりするのである。

 例えば、「仕事の能力」について今の自分を10年ぐらい前と比較してみると、

<大学教授としての仕事能力>
 教育者としては、教える内容も教え方も10年前(大学に来て5年目ぐらい)より確実にレベルアップしていると自分では実感している。ま、どんな仕事だろうが、就いた仕事に対しては日々向上心を持って繊細かつロジカルに努力するのが私のモットーなので、10年経ったら10年分レベルアップしてないと自分に失望するからね。

<物書きとしての文章力>
 頭の回転力と切れ味が落ちたねえ。とにかく、書くスピードが落ちた。書く内容が変わってきて、昔のような「ネタとリズムだけで突っ走る」みたいなのが減ってきたからかもしれんけど。まあ、私は簡単なことを小難しくこねくり回すような文科系の論文タイプの文章は書くつもりがないので、ロジカルな考察能力だけは努力して向上(維持)させながら、硬軟織り交ぜて年相応の対応をしてきたということで。ちなみに、「難しいことを簡単に整理する能力」については、努力の甲斐あって10年前よりレベルアップしていると思っているけど、読者(?)がそれを望んでいるのかどうかがわからん。まあ、自分の歳に関係なく、マーケティングにおける「ユーザーのニーズの特定」は永遠の課題なので、「引きこもりの人生」にでも切り替えない限り、試行錯誤を続けるしかない。

<しゃべり屋としての能力>
 頭の回転力と切れ味が落ちたねえ(笑)。文章は昔より時間をかければ何とかクオリティを維持できるけど、しゃべりは文章より瞬発力が要求されるし、ユーザーも真意をじっくり考えずにその瞬間に聞こえてきた言葉だけで判断する人が圧倒的に多いから、もたついたらそれで終わり。そこに対応できるだけの「頭の回転力と切れ味」が落ちてきたら、もう『うどラヂ』はごんとH谷川君のツッコミとK米君の編集力にカバーしてもらうしかない(笑)。けど、10年前に比べて「みんなにカバーしてもらってクオリティを維持している度合い」が間違いなくレベルアップ! という体たらく(笑)。ただ、内容はともかく、メンタル的な余裕度合いは歳とともにレベルアップ。

<ビジネスマンとしての仕事能力>
 直接のビジネスから離れてもう15年になるから、現場レベルでの機動力が落ちていることは確かだと思うけど、自分で言うのも何だけど現役時代の機動力はそんじょそこらのビジネスマンよりかなり上だったと思うから、落ちても「そんじょそこらレベル」だったらまだやれそうな気もしている。実際、間接的ながら「そんじょそこらレベル」の現役のビジネスマンたちと時々やりとりをしていると、負ける気がせんもの(笑)。でも、60も過ぎてこの「気がしている」というのが、若いもんにとっては迷惑だったりするんよなあ(笑)。

***

 あと、フィジカル面は落ちる一方であるが、「フィジカルは物理的に落ちて当然だから、度を超したアンチエイジング的抵抗をしない」という、「フィジカル面におけるメンタル的大人の対応力(何じゃそれは)」はこの10年でかなりレベルアップした。それから、「家族や家庭面」も小さな出来事を積み重ねながら10年前より少し成熟してきた感がある。「自分個人の人生の充実度」は、私の場合、仕事や家族の充実度とほぼ連動しているので、10年前よりそれなりに10年分成熟してきたという感じ。

 というふうに、まあ私は10年単位で振り返ってみたりするのである。で、そうやって振り返って分析した後、これから10年、何をどうするかを何となく決めることにしている。暇があったら20年前と比較してみたりもするが、20年前となるとたいていただの思い出話になってしまうので、今後の人生の方向性を考えるにはほとんど役に立たないから(笑)。

 というわけで、よく聞かれる「今年の抱負」というやつは、私はいつも「10年後の目標を立てて、それを実現するために今年はどういうステップを踏むか」という位置づけでしかないのだが、もう先はそう長くないので「5年後の目標」あたりから落とし込んでいくことにするかな、と。とりあえず今日は、特に何事もなくメシ食って仕事して風呂に入って寝る大晦日です。
2017年12月29日(金)

 暮れもこれ以上押し詰まったら何かが出そうなくらい押し詰まってきたが、我が家は「歳末・夫婦でご挨拶がてらの気心の知れたうまいうどん屋巡り行脚」を決行して、この1週間で8軒もうどん屋に行くという押し詰めぶりである。

 行脚初日は12月23日、昼前に急に思い立って「日の出に行こう」ということになって、12時40分頃に行ったら「飲食終了。おみやげはまだやってます」という立て看板が出てた。「しゃーない、どっか別の店に行こか」と言ったら家内が「まあ挨拶だけでもしてくるわ」と言って車を降りて店に行ったので、駐車場に車を止めて私もちょっと後から行ったら、三好君と奥さんが出てきた。

三好「作り置きしか残ってないですけど、それでもよかったら食べて行きますか?」
家内「十分十分! 延びとっても全然かまん」

 日の出のうどんは作り置きでもうまいに決まってるので、我々は案内されるまま、隣の広い土間の部屋に入って、かけ大とアゲをもらって食べながら、30分以上も四方山話で爆笑の時間を過ごした。

家内「すみませんねえ、忙しいのにバカ話ばっかりして(笑)」
奥さん「いやー、楽しかった!」
田尾「まあ、迷惑な親戚のおっちゃんが来てうどん食って帰ったということで(笑)」

 既報の通り、いや、既報したかな、確か『うどラヂ』では既報の通り、「団長が選ぶ今年の讃岐うどん界の十大ニュース」の第2位に選ばれたのが「団長、日の出製麺所の三好君と親戚であることが判明」(どこが大ニュースや)である。具体的には、三好君の奥さんの妹さんの旦那さんのお父さんのお父さんのお父さんの息子さんの息子さんの娘さんが私の家内であるという、もうそれ以上遡ったら人類皆親戚になりそうな親戚関係であるが、その日は何と、三好君の奥さんのお父さんもそこにおられまして、みんなで店の表で記念写真を撮りました。

家内「撮った写真、あとでメールで送りますね」
奥さん「私が撮ったのも送ります」
田尾「お互い、自分が一番ええ感じで写っとるやつを送るんで(笑)」
家内「他の人が目をつぶっとっても自分が一番ええように写っとるぶんをな(笑)」
奥さん「あっはっは!」

 とか言いながら解散して、帰りに車の中で家内がさっき撮った写真をチェックしてたら、

家内「これ、私が一番いい笑顔で写っとるやつやけど、日の出の奥さん、目つぶっとる(笑)」

 ようそんな絵に描いたようなオチの写真、撮れとるわ!(笑)

***

 などというオープニングから、24日に大円に行って去年の冬にハマった「しっぽくカレー」を食べて、1日おいて26日に清水屋、27日に谷川米穀店と山内、28日に田村、そして今日は上戸へ行って、高速代往復2700円以上払って2人で700円ぐらいのうどんを食べました。娘さんが店に出て手伝ってました。

奥さん「ええタイミングで来たなあ。ちょうど娘が帰って来とん」
大将「何か、年末になったら田尾さんが来るいうイメージがあるわ」
田尾「去年も年末に来たからな。道後温泉に行く途中に」
奥さん「今日はまたどっか行くん?」
田尾「いや、今日はここが目的地」
奥さん「ほな、そこの道の駅でおいりソフト食べたらええよ。インスタ映えするで」
田尾「インスタ映え? この辺で一番インスタ映えするんは奥さんの写真やん」

 という締めのコメントで、2017年の「相互褒め称え条約」を履行してきました(笑)。私はどっかの国と違って、結んだ条約はちゃんと履行する男です(笑)。

 ちなみに、この1週間で回った店はどこも、大将がしっかりうどん作りをやってるので相変わらずいい麺が出ていましたが、中でも谷川米穀店と田村が出色の麺を出していました。ただ、マニアックにあら探しをする人は「8軒行ったと書いてるのに7軒しか名前が出てない」ということにお気づきかと思いますが、1軒だけ、麺がガックシと落ちていたので、店名を書いておりません。

***

 ここ数年、讃岐うどん界では新しい店ができたり、ネットの中でいろんな方が店のレポートをしたり評価したりしていますが、私の行動範囲の中では、「麺が素晴らしい」という店がほとんど見当たらなくなってきました。今年は讃岐うどんのブロガーなる方々が褒めている店にも10数軒行ってみたのですが、「麺が素晴らしい」というより、もっと初歩的な「中までちゃんとうどんになっている」という店がほとんどなく、挙げ句の果てには「何じゃこの麺は」というのが2軒もあって、「讃岐うどんブロガーとやらは一体何を評価してるんだ?」と思ったわけです。

 そういえば、県と組合の主催で毎年12月に開催されている「全国年明けうどん大会」では、香川の讃岐うどんをはじめ全国から20以上のうどんが振る舞われていますが、関係者に聞くと、会場で麺づくりをしているうどんはほぼ皆無で、麺線持ち込みどころか、冷凍麺を使っているところもあるという。私は去年会場に行って、「あれ? うどん打ってないやん」と思ったんだけど、やっぱりそうらしい。県も組合も「讃岐うどんはよそのうどんとは麺が違う」という付加価値をないがしろにして、ただ「自分たちがやったことが話題になったらいい」という目的でいろんなことをやってるんじゃないですか?

 まあ、讃岐うどん界はお偉方がそういう風潮を作りつつあるけど、志ある若手のうどん職人の方々には、「太麺でも細麺でもいい、弾力系でも伸び系でもゴワッとした田舎麺系でもいいから、それぞれこだわりの方向性で、ぜひ麺のクオリティを上げて欲しい」と願っています。90年代は「素朴で怪しくておもしろい製麺所系うどん店」でブームが起こったけど、素朴で怪しい店が新たに作れなくなった今(玉売り主体の製麺所は構造的にビジネスとして成立が困難なので)、讃岐うどんならではの差別化要因の一番は「麺」だと思うので。
2017年12月24日(日)

 久しぶりに手遊びする時間ができたので、こないだのニュースを見てデータを引っ張り出してみた。

 ニュースは、「日本生産性本部が発表したOECD加盟国35カ国の1人あたり労働生産性ランキング(2016年)で、日本は21位。G7(主要先進7カ国)で最下位が続いている。ちなみに、時間あたりの労働生産性も日本は20位に低迷している」というもの。労働生産性というのは、大ざっぱに言えば「いろんな商品やサービスの売上高(GDPが計算根拠になっているので、利益ではなくて売上)」を「それを作るのに投入した人数(労働者数)と労働時間」で割ったものだそうで、数字が高いほど「同じ投入人員と投入時間でより大きな売上を上げている」ということである。で、そのデータを引っ張り出したら、以下のようになっていた。

( 1)168 アイルランド
( 2)144 ルクセンブルク
( 3)123 アメリカ
( 4)118 ノルウェー
( 5)116 スイス
( 6)115 ベルギー
( 7)105 オーストリア
( 8)104 フランス
( 9)104 オランダ
(10)102 イタリア
(11)100 デンマーク
(12)100 スウェーデン
(13) 98 オーストラリア
(14) 98 ドイツ
(15) 97 フィンランド
(16) 92 スペイン
(17) 90 アイスランド
(18) 88 イギリス
(19) 88 カナダ
(20) 86 イスラエル
(21) 82 日本
(22) 75 スロベニア
(23) 74 ニュージーランド
(24) 72 チェコ
(25) 71 トルコ
(26) 71 ギリシャ
(27) 70 韓国
(28) 69 ポルトガル
(29) 67 スロバキア
(30) 65 ポーランド
(31) 60 エストニア
(32) 60 ハンガリー
(33) 57 ラトビア
(34) 53 チリ
(35) 44 メキシコ
*単位:US千ドル

 まあ一見して、ヨーロッパとアメリカが「同じだけ働いて大きな売上を上げている」というのがわかりますね。それに対して日本はずいぶん低くて、この結果に対して「このの体たらくは何だ。日本人は働き方を変えねばならない。労働時間を減らさねばならない」等々、いろんな人が自分たちの主張に都合のいい解釈をしながらあれこれ解説しているようですが、私は難しそうなことをシンプルに考えるのが性分なので、こんなふうに考えてみました。

 「労働生産性」というのは、要するに「売上高÷(労働人口or労働時間)」ということですから、労働生産性が高い国は、
(1)分子が大きい=同じ労働量で売上が大きい(つまり、商品やサービスの値段が高い)。
(2)分母が小さい=少ない労働量(人数、時間)で同じ売上を上げている。
のどちらか(あるいは両方)だということになります。

 すると、もし「労働生産性をもっと上げるべきだ」というのなら、
(1)同じ労働量でもっと売上を上げる。
(2)働く人数と時間を減らして、しかも売上は落とさない。
のどちらか(あるいは両方)の戦略をとるしかない。

 このうち、(1)は「人数と時間を投入せずに売上を伸ばす」のだから、要するに「値上げ」しかない…と考えていて、、ふとあるデータに思い当たりました。あれです、国別の物価を表す指数としてよく持ち出される「ビッグマック・インデックス」。つまり、それぞれの国のマクドナルドの「ビッグマック」の値段です。その2017年1月のデータをアメリカの信頼できるサイトから引っ張り出すと、以下のようになっていました。

「ビッグマック・インデックス」2017年1月(USドル)

( 1)6.74 スイス
( 2)5.91 ノルウェー
( 3)5.82 スウェーデン
( 4)5.30 アメリカ
( 5)5.21 フィンランド
( 6)5.10 ブラジル
( 7)4.80 イタリア
( 8)4.77 イスラエル
( 9)4.68 フランス
(10)4.66 カナダ
(11)4.65 アイルランド
(12)4.62 ベルギー
(13)4.61 デンマーク
(14)4.53 ウルグアイ
(14)4.53 オーストラリア
(16)4.45 ドイツ
(17)4.43 ニュージーランド
(18)4.34 スペイン
(19)4.13 アルゼンチン
(20)4.12 オランダ
(21)4.11 イギリス
(22)4.06 シンガポール
(22)4.06 ベネズエラ
(24)4.00 コスタリカ
(25)3.88 オーストリア
(26)3.84 チリ
(26)3.84 韓国
(28)3.83 ギリシャ
(29)3.81 アラブ首長国連邦
(30)3.77 スリランカ
(31)3.71 ポルトガル
(32)3.60 エストニア
(33)3.57 パキスタン
(34)3.50 タイ
(35)3.36 日本
(36)3.28 チェコ
(37)3.24 コロンビア
(38)3.23 ペルー
(39)3.21 ハンガリー
(40)3.20 サウジアラビア
(41)3.01 トルコ
(42)2.92 中国
(43)2.76 インド
(44)2.75 メキシコ
(45)2.72 ポーランド
(46)2.65 フィリピン
(47)2.64 ベトナム
(48)2.46 香港
(49)2.40 インドネシア
(50)2.28 ロシア
(51)2.26 台湾
(51)2.26 南アフリカ
(53)2.00 マレーシア
(54)1.75 エジプト
(55)1.70 ウクライナ

 ほらやっぱり。労働生産性1位と2位のアイルランドとルクセンブルクはビッグマックのデータがないけど、まあ近隣諸国とよく似た値段だとしたら、「国別労働生産性ランキング」と「国別ビッグマックの値段ランキング」は、塊としてほぼ連動している。ということは、日本の労働生産性が低いことについていろんな人がいろいろ難しそうに分析しているみたいだけど、とりあえず「ビッグマック」の労働生産性だけについて言えば、シンプルに「同じ労働力で同じ物を作っても、日本は作った物の値段が安いから売上高が上がらなくて労働生産性が低くなっている」だけじゃないの? というのが、私の素人的第一感ですけど。

 ちなみに、もう15年ぐらい前、香川の一般店のきつねうどんが300円とか400円だった頃に(今もほとんど変わってないなあ)、スイスのグリンデルワルトのレストランで申し訳みたいなアゲの乗った一杯1500円のうどんを食べたけど、あれを思うと、そら労働生産性は高くなるわ(笑)。

***

 何か、そんなことを考えてたら、いろんなものが「安いもの、安いもの」に過剰にシフトしてきて、それが実は自分の首を絞めているんじゃないだろうか…と思えてきた。「とにかく安くしないと売れない」という国民性が醸成されてしまった結果、おいそれと値上げもできないから、生産する側は働いても働いてもなかなか利益が上がらなくて労働生産性が低くなり、それでも利益を上げないと会社が潰れたり個人収入が減ったり税収が減ったりするから労働量を削るわけにいかず、しかし労働時間を減らさないとマスコミや“正義の識者”からバッシングされ、しょうがないから単純な連続作業を中国や東南アジアの原価の安いところに移し始めたらまたマスコミや識者からバッシングされ…

 ま、この話は相当根が深くてこんな日記ごときではとても書き切れないので、この辺でやめて仕事に戻りますが、とりあえず、日本の労働生産性とやらを改善するのなら、シンプルに
(1)同じ労働量でもっと売上を上げる。
(2)働く人数と時間を減らして、しかも売上は落とさない。
という原理から答えを出すしかない、と思った次第です。

 じゃ、エンディングにホットな情報を一つ。今日、夫婦で大円に行って「しっぽくカレー(うまい!)」を食べてたら、大将と奥さんからこんな情報を頂きました。1月22日(月)のテレビ東京系『世界なぜそこに日本人』で、大円の大将の娘さんが出るそうです! 大円の大将の娘さん、今、カリブ海の聞いたことのない国で「なぜそこに!」という人生を送っているそうです! 

田尾「それ、みんなに言うときましょか?」
大将「ああ、宣伝しとってください(笑)」

 というわけで、何でも勝手に拡散するのは大嫌いな私なので、ちゃんと情報発信のOKを取った上でのお知らせでした。
2017年12月19日(火)

 昨日の夜、ガソリンを満タンに入れて洗車をした…と書いたら、150人ぐらい確認されているこの日記の読者のうちの148人ぐらいが「またか」と突っ込みを入れていると思うが、ご安心ください。想像のちょっと上を行く出来事が待っていますから(笑)。

 そういうわけで昨日の夜の7時頃、いつものガソリンスタンドでガソリンを入れるついでに「洗車、どうしようかなあ」と言っていたら、スタンドの兄ちゃんが「明日は雨は大丈夫みたいですよ」と言うので、久しぶりで汚れも目立っていたので「ほな、洗車も」と言って洗ってもらったのである。それから車で5分足らずのうちのマンションに帰って立駐に車を入れて、家に帰ってしばらくしたらちょっと偏頭痛がしたので早めに寝て、今朝は3時半頃起きてしまった。

 ふーむ。朝飯はどうするかな。家で何か食べてもいいけど、今日は「浜堂」へ行くか。

 先月、神奈川かどっかで「はまんど」のラーメンやってた盛の大将がこっちに帰ってきて、以前やってた三野町の「はまんど」のところで「浜堂(はまんど)」をオープンしたのだが、これが営業時間が朝の6時から昼前の11時までという変な時間帯で、けど、がもうも田村も山越もなかむらも開いてない時間帯に開いているということで、私にとっては早起きした時に重宝する店が一軒できたのである。そこで、私は家でそのまま5時半頃まで仕事をして、「浜堂」へ行くために6時前にマンションを出た。

 外はまだ真っ暗だが、雨の降る気配はない。そのまま高速に乗って6時半に浜堂に到着して、大将に「何でこなに早よ来たんですか!」言わして、それからラーメン食いながら30分ぐらい店で時間を費やした。で、7時に店を出て車に乗ろうとしたら…

田尾「何じゃこりゃああああ!」

 雨が降って車がびしょ濡れやないか! しかも、今、雨が上がっとるやないか! 

 7時20分頃、大学に着いて研究室に入ってちょっと仕事してたら、陽が差してきました。今日は一日24時間中、23時間30分が曇り時々晴れ間でした。信じられんわ。

***

 といったところで、今日は日にちが変わって0時30分に10日間ほど苦しんでいた原稿が上がってプチ油断したいので、もう寝ます。短くて申し訳ないので、こないだたまたまテレビのチャンネルを変えている時に見かけた『スターシップトゥルーパーズ』の何作目かの一場面に出てきた一セリフを書いておきます。

(優柔不断な上官の机上の説教に反論する戦士が言った一言)

「腰抜けは弱者と規則を盾にする」

 B級映画にも気に止まるセリフがあるんや(笑)。
2017年12月14日(木)

 昨日は『インタレスト』編集部が新体制になって3回目の編集会議であったが、どうなることかと思われていた3年生が、まるで水を得た魚のように積極的に動き出した(今まで水をやってなかったのか・笑)。数十本出てきた企画案の中から、今のところ大きな入り口として「自販機」「漁船の名前」「滝」「ODA」「農産物」「漂流物」「スマホ」あたりが予選を通過して、興味深い切り口や素材が見つかるかどうかの“プレ取材”の段階に進んでいます。

 併せて、最新24号の申し込みもいつものように全国からたくさん頂いて、編集部員たちが手分けして宛名書き作業をやっているので(あえてアナログ作業をやっています)、ちょっと覗いて申し込みメールに書かれている「気の利いた一言」を読んでいたら、「日記の更新がまた止まっていますよ」という指摘がよっけ来とるやないの! さらに、こないだの「御大」ネタにもたくさんの反応があったので、一つ紹介。

■「御大」という言葉について、毎日放送ラジオの競馬中継で、蜂谷薫アナウンサーが競馬ブックチーフトラックマンの山田某氏を「山田御大」と言っていたことを思い出しました。(高松市・67歳)

 あー、山田一雄さんだ(笑)。大学時代、スポニチでバイトしてた時に、記者と一緒に栗東トレーニングセンターで山田さんに会うたことがある。私もラジオでよく聞いてました。晩年は滑舌が少々怪しくなって、馬の名前も本番中によくド忘れしたりしてましたけど(笑)。昨年、亡くなられたんですね。

 続いて、東京都の58歳の男性から(インタレスト読者の年齢層は相当年配にまで広がっておりまして・笑)、「栗林公園の鯉はその後、どうなっていますでしょうか」というご質問を頂きました。いいの? そこに入って行って(笑)。じゃ、続報を。つい先月の四国新聞の記者コラムに、こんなことが書かれていました。

***

▲今月は高松市の栗林公園から、ほっこりするようなニュースが相次いでいる。

▲中旬に全身が真っ白なマガモが飛来し、優雅に泳ぐ姿を見せたかと思うと、23日は午前中にニシキゴイ200匹の放流、夜には秋のライトアップが始まった。「一歩一景」とうたわれる名園の景色の魅力が増している。

▲ニシキゴイの放流は同公園事務所などがつくる「栗林公園にぎわいづくり委員会」が企画し、昨年に続いて2度目。かつて同園には最大約3千匹のコイがいたが、昨年には推計で700匹程度にまで激減していた。

▲そこでふたたびコイの楽園にと、インターネットを通じて不特定多数から小口の出資を募る「クラウドファンディング(CF)で昨年250万円の資金を集め、南湖に昨年、今年と200匹ずつを放流した。

▲聞けば、昨年の200匹はほぼ順調に育っているという。体長40センチ程度に成長したコイを購入したことで、減少の原因の一つと考えられているカワウなどの野鳥による捕食に遭っていないようだ。ただ、だからといって一安心というわけではない。

▲変わらず稚魚は捕食されているし、稚魚を40センチ程度に成長させるまで保護するすべもなく、再び大きなコイを購入するためのCFを行うのも難しいのだそう。減少のもう一つの原因となっている高齢化への対策は見いだせず、このままではまたいつか減少に転じてしまう。水面に見える景色にはどこか現代社会を映しているようにも感じられる。

***

 そういうことのようです。要するに、匹数だけで言えば「3000匹が700匹に減って、400匹を足したけど、もう足すお金を集めるのが難しい」ということだそうです。加えて、コイの高齢化対策も見出せないので、このままではまた減少に転じるのだそうですが、何だかなあ。もう何回も書いて来たけど、矛盾に気付きませんか?

 例えば、四国新聞の論調は事件(?)当初より「栗林公園のコイが減ったのはカワウの捕食が主原因である」という前提に基づいており、このコラムでも「体長40センチ以上のコイはカワウに捕食されない」という内容で記事が進められているけど(去年3月の記事でも「35センチ以上はカワウが飲み込めない」と書いてある)、栗林公園で去年激減したのは、「体長50センチ以上の大きなコイ」ばっかりですよ。吹上亭の前の「コイのエサやりスポット」なんか、それまで50〜100センチ級のでっかいコイがウジャウジャ数百匹も集まってきていたのに、一時、数匹しかいなかったんですよ。

 すると、合理的に考えれば、四国新聞の言う「カワウ主犯説」が事実だとすると、「去年の初めのごく短期間に、カワウが栗林公園の50センチ級のコイをバフバフ食い尽くした」という話になって、同じ新聞で書いた「40センチのコイはカワウに捕食されない」という記事はウソになる。逆に、もし「40センチのコイはカワウに捕食されない」という記事が正しいなら、当初から書き続けているの「カワウ主犯説」はウソになるという、あまりにもあからさまな矛盾があるでしょう。

 さらに言えば、「去年放流された(40センチ級の)200匹がカワウに捕食されずに「ほぼ順調に育っている」のなら、なぜその直前に50センチ級のコイが大量にカワウに捕食されたと主張するのか? 話が矛盾してるでしょう。だから私は、某関係者から私に訴えられた「主犯はカワウではない。直前に吹上亭のすぐ近くに作られたコンクリートの遊歩道から流れ出たセメント成分が、一番の原因だと思われる」という説の方が合理性があると、未だに思っているのわけです。でも、それも確信が持てるわけではないから、地方行政のチェック機関たる四国新聞には、そういう話の真偽こそ検証して解明して欲しいと願っているのですが。
2017年12月6日(水)

 別件の大事な用事で上原に電話をしたら、「それはええですから早よ日記を更新してください。推敲もせんと出したメールがずっと晒しもんになってるのが辛いです(笑)」という、人生の優先順位は人それぞれであることを再認識させられるコメントが返ってきたけど、ここ2週間ほど黒部ダムの岩盤ぐらい強固な(掘ったことないけど)「原稿の袋小路」に入って苦しんでいるので、一本ネタを書く余裕がない。よって、「今日の私」を羅列してお茶を濁しておこう。

9:30 昨日、遅くまで仕事を頑張りすぎて朝は少々出遅れたので、大学に行く前に増井米穀店に行く。店に入ると、おっちゃんとおばちゃんが「そば」をたくさんビニール袋に入れていた。うどん大とちくわ天を食べ終わって、ちょっと話しかけました。

田尾「年末はそば、ようけ作るんですか?」
おっ「機械が故障してな…」
おば「全部手で作りよるから」
おっ「昔はな…1600も作りよったけど…腰も悪うしたから…もうよけはできんで…」
おば「できるだけしかできんから、ようけ頼まれても断りよん」

 今日はたぶん店が開いてすぐぐらいに入ったから、一番釜か二番釜ぐらいのうどんを食べました。讃岐うどんはこの20年で店もうどんもどんどん“都市化”してきたけど、増井は昭和のまま。しかも、何かどんどんうまくなってきている気がする。いい朝でした。

10:10 大学の研究室に入る。今日は午後からのインタレストの授業だけなので、明日の授業2本の資料づくりと進行チェックと、岩盤にぶち当たっている重い原稿にとりかかる。

12:30 隣のインタレスト編集室に電気がついていたのでのぞいてみたら、新編集長の馬渕がこないだ上がったばかりのインタレスト24号のメール申し込みの宛名書き作業をやっていた。そこで、ちょっと手を止めさせて、次号の全体構成の打ち合わせをする。先週の編集会議で次号の特集候補が4本上がっているのだが、魅力的な一冊になるかどうかを俯瞰して検討。作業員時代は担当特集に専念していればよかったけど、編集長になると常に「全体の完成予想図」を意識してないといけない。学生は生まれてこの方、たいてい「言われたことを一生懸命やる」ということばかりやってきているので、「完成予想図を描いて、そこから作業手順に落とし込む」という思考に慣れてない。けど、馬渕ほどの向上心があれば大丈夫だ(馬渕に読まれることを想定した一行・笑)。

13:00 昼飯に、ニューヨーク帰りの西岡の差し入れのチョコレートを一粒。

13:30 インタレストの編集会議。2年半の大仕事を終えた4年生の谷と笠井はサポート役に回って、編集長馬渕、副編集長瀬野以下、3年生と2年生の新体制がスタートしている。昨年に増して、スタッフのキャラはなかなか濃い(笑)。濃いのが集まってくるのか、インタレストをやっていると濃くなってくるのか、たぶん後者(笑)。

15:00 編集会議終了。「インタレスト希望メール」の中に「わかめうどん・大島家」の大将(通称「アルベルト」)からの申し込みがあったので、その場で私からアルベルトの携帯に電話をして「今から僕が持って行きますわ」言うたら、「4時から病院に行かないといけないんで店は今日は休んでるんですけど、母がいるので預けてくれたら」とのこと。そこで、雑務を済ませてインタレストを一箱(200部)車に積んで、15:30に大学を出た。

16:10 大島家に到着。お母さんに挨拶してインタレストを納品して、すぐそばのクラフトマンズファクトリーに行って、なんとかマウンテンのコーヒーを飲みながら、パソコンを開けて重い原稿に取りかかる。

17:00 こぢんまりとした静かな店内に私一人になって原稿に没頭していたら、キャップを被って濃い顔をしたおじさんが一人入ってきて、私に近づいてきた。誰かと思ったら…アルベルトやないの。

アル「あ、田尾さん、本、ありがとうございます」
田尾「え? もう病院から帰ってきたんですか?」
アル「うん」
田尾「病院行く言うたから、何か、えらい心配しながら来たんですけど、どこが悪いんですか?」
アル「肝臓と腎臓が悪くて、病院に連れて行ってたんですよ」
田尾「え? 連れて行ったって、大将が病気なんちゃうんですか」
アル「うちの犬がね」

 アルベルト、ピンピンしてます(笑)。それから大将もコーヒーを注文して、20分ぐらい四方山話をして解散。それから家に帰ったら、アマゾンで注文してた『ゴルゴ13』が2冊届いていました。で、メシ食って風呂入って、『ゴルゴ13』を1冊だけ読んで、再び仕事に取りかかって、今、夜の23:30。

***

 という一日でした。重い原稿、とりあえず岩盤だけはぶち抜いて進み始めました。週末、日曜日中には何とか。
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