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2018年10月の日記
2018年10月7日(日)

 『インタレスト』26号は今、創刊以来最大のピンチに見舞われている。「またかい!」というツッコミが四方八方十六方ぐらいから聞こえてきたが、しかしBUT、今回は皆さんの期待をちょっと上回る大惨事だぞ(笑)。

 話は6月に遡る。6月1日に無事25号を発刊した編集部は直ちに26号の企画会議に入ったのであるが、ネタ切れはますます深刻度を増す中、データの女王・香川が苦し紛れに出してきた「善通寺の徹底紹介」という案をきっかけに、「インタレスト版の新観光レジャーガイドをやってみるか」という話に展開したのである。

 今、香川の観光情報と言えば、定番として「こんぴら、屋島、栗林公園、小豆島」の四大観光地が雑誌やパンフレット、リーフレットといった印刷媒体をはじめ、テレビやインターネット等で長年にわたって紹介されてきている。しかし、その紹介内容は、それぞれの観光地の歴史やいわれ等を紹介し、そこにある歴史的な建物や新しい施設や場所を紹介し、関連グルメや関連グッズを紹介し、お土産を紹介し、催し物や体験ものを紹介し、アクセスや駐車場、宿泊施設を紹介し…というパターンで、おそらく数十年、ほとんど変わっていないと言っても過言ではない。

 まあ、そうは言っても観光情報とは基本的に「見る、食べる、遊ぶ(この3つの語尾をくっつけて旅行情報誌の『るるぶ』ね)、買う、泊まる」という定番情報を全く載せないのでは観光ガイドにならないから、どうやってもだいたい似通ってくるのは仕方がないとは言えるが、しかし、それにしても既存の「観光情報発信の手法(特に印刷媒体の切り口と編集手法)」はあまりに進化していないので、ここはひとつ「『インタレスト』が全く新しい切り口とスタイルで四大観光地を紹介したらこうなる!」というのを考えてみよう、ということになった。そこで、まずは四大観光地の中でも最も観光客を集める県下随一の観光地「こんぴらさん」一本に絞って、新しい観光ガイドのスタイルを実験的に提案するために大特集を組むことになったのである。

 今季の『インタレスト』スタッフは、どこで何の噂が流れたのか履修者がえらい増えてきて、過去最大の総勢44人という大所帯。そこで、得意の人海戦術でこんぴらさんの素材集めに取りかかった。情報収集の基本に則り、こんぴらさんの「過去情報、現在情報、未来情報」という切り口、「場所情報、施設情報、店情報、モノ情報、コト情報、人情報」の切り口、「グルメ情報、レジャー情報、ファッション情報、学び情報、働き情報」、「政治、経済、社会」、状況別に「季節別、時間別、人数別、職業別、ライフスタイル別…」等々の切り口、ユーザー(客)の属性別に「年齢別、性別、職業別、可処分所得別、熟練度別…」等々の切り口など、ありとあらゆる切り口で徹底的に素材を集めにかかる。

 一方、同時に編集長以下首脳陣は、集めた素材の「見せ方」も必死で考える。これも『インタレスト』で使っているセオリー(私が授業で教えている手法)をきちんとなぞりながら、「網羅、集合、セレクト」「単独紹介、比較紹介」「推移」「ランキング」「体験レポート」「クイズ」「1人語り、対談、座談会」「アンケート、インタビュー」…等々、書いてたら切りがないが、とにかくありきたりの観光ガイドにならないためのアイデアを必死で考えながら、苦労していくつかのアイデアをひねり出した。そして、7、8、9月の3カ月をかけて素材集めも90%以上完了し、観光ガイドさんに依頼して案内体験まで決行し、見せ方もほぼ決まって、後期授業が始まった10月の第1週、3日の午後からのインタレスト編集会議で、私はスタッフ全員にいよいよ最後の追い込み体制に入ることを宣言したのである。

田尾「みんな、この3カ月でよくこれだけの素材を集めてくれた。今週から、いよいよ最後の編集作業に入るけど、ここからが正念場やぞ。デザイン発注まであと1カ月もないし、時間も授業の合間しか使えんから、再度、締切体制の役割分担を整理するぞー」

 と言って最後の1カ月の締切体制を整え、午後3時に授業終了。後の授業がない学生たちが10人ぐらい残って、編集作業の打ち合わせ等をやっていたその時、事件は起こった。

ペレ「あの、ちょっといいですか?」
田尾「はいどうぞ」
ペレ「つい数日前、情報の確認でこんぴら(金刀比羅宮)に問い合わせていたんですけど、そこで向こうの担当の方から『こんぴらさんの写真を載せるのなら許可がいる』って言われたんです」
田尾「え?」
ペレ「何か、どういう印刷物にどういう写真を載せるのかを申請して許可をもらわないと載せられないそうです」
田尾「こんぴらさんって、第三者が情報発信するのに検閲されるんか?」

***

 イヤな予感がした。いや、私も一応情報発信のプロをやっていたから、例えば東京ディズニーランドが肖像権をはじめとするいろんな権利を厳しく適用してメディア等が自由に写真や動画、文字情報を発信できないという話は聞いていたし、写真撮影禁止の施設や場所が全国にたくさんあるのも知っているし、そういうものは当然、過去の『インタレスト』でも避けてきたし、あやふやなものは著作権協会や知り合いの弁護士等に確認をして取捨選択してきたのだが、まさかこんぴらさんがそういうところだったとは知らず、完全にうっかりしていて、確かめることもしてなかったのである。

 けど、今回の企画はありきたりの観光ガイドじゃないから、こんぴらさんエリアの中でも金刀比羅宮の境内はそれほど写真だらけで紹介することにはならない(そんな情報は既存のネットや雑誌やパンフレットの中にいくらでもあるから)し、確か撮影禁止になっている奥書院とかは写真を載せるつもりもないから、もし万が一「境内の中の写真は全部ダメ」と言われたとしても、境内の写真なしでも今回の企画は何とか成立すると思う(それぐらい切り口を考えたから・笑)。まあいずれにしろ、「何の写真がダメでどんな写真ならOKなのか、私が直接確かめてから判断しよう」ということで、私はその場で金刀比羅宮の広報担当者に電話することにした。

田尾「わかった、俺が今から金刀比羅宮に電話するから、とりあえず俺のやり取りを聞いときな」

 いつものように、教育の一環として(笑)、私はみんなの目の前で学生たちにちゃんと聞こえるように少し大きめの声で、金刀比羅宮に電話をかけた。

田尾「あ、お忙しいところすみません。ワタクシ、四国学院大学の教員をやっております田尾と申します。先日私どもの学生がそちらにお邪魔して……」

……と、一通り電話で状況を確認し、問題の「写真掲載に関する許可と検閲」について伺ったところ、やっぱり「全て事前に見せていただきます」とのこと。「たぶんこんぴらさんの周辺情報も含めて数百枚の写真を載せることになるんですが」と言うと、「何枚になろうと全て事前にチェックさせてもらいます」とのこと。さらに、その検閲にどれくらい時間がかかるのか尋ねると、それははっきりとわからないみたいな返事が返ってきた。

 すると、おそらくこういうことになる。最終的にこちらがどういう写真をどういう大きさと配置で載せるのかについては、デザインが上がってこちらの校正も終わった時点で確定する。そこから金刀比羅宮に写真の検閲に行くと、そこでもしダメ出しが来たら写真の差し替えどころかレイアウトまで変わりかねず、そうなると、発行日には絶対に間に合わなくなる。ということは、何とかデザインに入る前に写真だけでもOKをもらうしか方法がないか…などと考えていた時、それ以前にもっと根本的な問題があるかも知れないことに気付いて、私は尋ねた。

田尾「あの、関連して一ついいですか? 事前にチェックされるのは写真だけですか? それとも、文章もチェックされるんですか? あるいは企画自体もですか?」
担当「文章も企画も事前に見せていただくことになります」
田尾「わかりました。検討します。どうもお手数かけましたー。ありがとうございましたー」

 やっぱりそうか! 電話を切って、私はさらに念のために数人のメディア関係者の知人に確認をしたところ、その数人全てから「金刀比羅宮は全部チェックされる」という回答が、過去の数々の事例とともに返ってきた。それらを総合して判断した私は、そこに残っているスタッフに言った。

田尾「こんぴら特集は捨てるぞ」
全員「………」
田尾「俺の確認ミスでこういうことになって申し訳ない。けど、取材対象の検閲を受けて出すような情報発信ツールでは、新しいチャレンジもできないし実験もできないないから、それは『インタレスト』ではない」

***

 そういうわけで、『インタレスト』26号は創刊以来初めて、「あと1カ月しか作業期間がないという最終の編集段階に入って企画を全部捨てて一から作り直す」という事態になっております(笑)。一瞬、笑うしかないという状態になりましたので(笑)をつけてみましたが、その直後の展開をちょっと付記しておきます。

 私が「捨てるぞ」と言った後、学生たちから予想外の反応が返ってきました。私は全員から「えーーーーっ!!!!」という失望の声が挙がると思っていたのですが、しばらくして、何と、編集長の岩瀬から「捨てましょう」という返事が返ってきたのです。それを皮切りに、

香川「こんぴら特集、やめましょう」
馬渕「やめましょう。検閲を受けて出しても、そんなの『インタレスト』じゃないですよ」
瀬野「今から企画会議しましょうよ」
岩瀬「よし、今日は企画が決まるまで帰らんぞ」
田尾「お前らなー、いつのまにそんなジャーナリズム精神を身につけたんじゃ(笑)」

 とか言いながら、ちょっとウルッときた私でした。しかもその後、全員が生まれてこの方最大の集中力を発揮して、何とそれからわずか1時間半後の夕方6時過ぎに4本の新しい企画がまとまりました。さすがに大規模な取材モノや斬新な視点のチャレンジ企画は間に合いませんが、何とか既存の『インタレスト』テイストのネタが揃いました。

 それにしても、振り返ってみれば、あの日の午後3時半頃から6時頃までのここには書き切れないほどのやり取りを含めた2時間半ぐらい、あれはまさに半年分に匹敵するほどの濃密な授業になったのではないかと思っています。とりあえず、こんぴらさんには「ありがとうございました」と申し上げておきます(笑)。ちなみに、おかげでこんぴらさんについてはものすごくたくさんの情報が集まりましたが(ポジティブ情報もネガティブ情報も)、今後『インタレスト』に載せることはまずありませんので、どちら様もご心配なく(笑)。
2018年10月2日(火)

 昨日から後期の授業が始まった上に、書き物や企画物が3つ同時進行している上に、さらに『インタレスト』の編集作業がいよいよのしかかり始めてきた上に、こないだの金曜日の夜、高松一高の記念行事みたいなのにゲストで呼ばれて高松に帰って来ていたナンチャン(ウッチャンナンチャンの)に呼び出されて、一緒に帰ってきていた迷惑なねっく(笑)と記念行事の何かの幹事をやっているらしい上原たちとスナックみたいなところで日付が変わるまで2時間半ぐらい話をしていたらナンチャン発案の妙な企画に巻き込まれてしまい、「どうしよう、趙紫陽」という大惨事の予感に満ちあふれたここ数日である。

 まったく、言うたもんがやるハメになるという、マーフィーの法則の典型じゃ。件のスナックに呼び出されて行ったら、何やらナンチャン発案のある企画が、具体的な進め方が詰められてないまま、周りのみんなが勢いで前のめりに「やろうやろう!」という話になっているという。そこで、内容をよく聞いた私がその場で企画の完成予想図を考え出し、いくつか案を提示し、成功の可能性と、成功するためにクリアすべき問題点と、進め方の手順等を整理してやったのである。そしたら、

ねく「いやー、さすが社長やわ!(ねっくは私のことをまだ『社長』と呼ぶ)あんだけ聞いただけで、もうビジネスプランに整理してしまうんやから、プロやわー!」
ナン「これ、田尾さんアタマで進めましょうよ。僕は東京だから一応プロデュース担当で全体をサポートして、プロジェクトリーダーは田尾さんで、下に上原君をつけて」
田尾「俺な、もう歳やで。エネルギーが足りんが」
ナン「何を言いよんな。年とってエネルギーなくなったおっさんは赤いズボンなんかはかん!」

 くそー、カラーパンツはいて行くんじゃなかった。

 けどまあ、なんやかんや言いながら、上原とナンチャンがうまいことやってくれるやろ…ということにしとこう。とりあえず、日記ネタは結構たくさんあるのだが、ちょっと書けないのが多いのと(笑)、『インタレスト』ののしかかりがちょっといつになく重いので、今日はもうちょっと仕事をする。
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