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2022年09月の日記
2022年9月29日(木)…岡田の帰還

 「岡田の解説をこよなく愛する阪神ファンの会」(会員2名)の会員ナンバー1番、コピーライター引退中のT山からメールが来るだろうと思っていたら、やっぱり来た。

「阪神タイガース新監督に岡田内定! さ、来年から甲子園行きますか(笑)。」(いつものように無断転載・笑)

 私とT山は野球中継の「解説・岡田」のあの「解説」というより「阪神の“外野監督”の口出し」みたいなトークの大ファンで、従ってそれ以外の数多いる野球解説者の教科書をなぞるような解説には全く興味を示さないのであるが、我々にとっては、「岡田が監督になったらあの解説が聞けなくなる」というデメリットをカバーしてあまりある朗報である。真弓が監督になって以来苦節14年、久しぶりに阪神の野球を、勝とうが負けようが全身でおもしろがれる時が来そうである。

 というわけで、いつものようにいらん情報を一つくっつけておこう。私が阪神ファンになった1970年頃からここまで、阪神の監督は16人いるのだが、私が好きな監督ランキングはこんな感じである。

1位 岡田彰布 (監督時の順位…4・1・2・3・2)
2位 吉田義男 (監督時の順位…3・2・4・1・3・6・5・6)
3位 村山 実 (監督時の順位…2・4・2・6・5)

 いずれも、私が持っている「阪神タイガースの本質感」を余すところなく体現していた監督である。岡田は言うまでもなく、あの1985年の21年ぶりの優勝をした時の「バース、掛布、岡田」のクリーンナップの一角であるが、当時「ミスター・タイガース」と言えば「掛布」の声が大きかった時に、私ら筋金入りの阪神ファンは頑なに「岡田こそが大阪の魂、ミスター・タイガースだ」と言い張っていた。カッコいいとか悪いとか、成績がすごいとかそうでないとか、人間的にどうだとか、そういう話ではない。「阪神タイガースの本質感を感じる」という点で、筋金入りの屈折した阪神ファンにとって、岡田は唯一無二の存在なのである。

 続いて吉田さんも、私にとっては「阪神の本質感」が全身からあふれていた監督。あの21年ぶりの優勝の時の監督だが、「ムッシュ吉田」と呼ばれていたように“品のある大阪のおっちゃん”で、開幕に向けて「フレッシュ、ファイト、フォアザチーム」というハイカラなスローガンを掲げたら、選手が英語の意味をよくわからんままホームランをボカスカ打って優勝したという、そういう監督だ(どんな紹介や)。

 で、村山は現役時代そのままの「愛すべき悲壮感」漂う、ファンも感情移入せざるを得ない、これも阪神魂の塊のようなしびれる監督であった。

 続いて、

4位 野村克也 (6・6・6)

 生え抜きじゃないけど、野村監督はよかった。就任していた3年間、全部最下位。「バースの再来だ!」と期待されたタラスコが途中で勝手にアメリカに一時帰国してスポーツ紙に「タラスコ、スタコラ」と書かれるなど、投打に最低の戦力を抱えさせられて四苦八苦していたけど、阪神を楽しむファンとしては実によかった。あまりの投壊ぶりに「うちのピッチャーは計算できん」と言ったら、「ほんまに足し算やかけ算の計算ができんかった(そっちの計算じゃない)」とか言われるほどポンコツのピッチャーが揃ってたけど、春先は毎年「おっ」と思わせる成績を上げたりして、しかし「成績よりネタを求める屈折した阪神ファン」にとっては、あの時の野村監督は生え抜きじゃないけど「阪神の本質感」をまとっていてとてもよかった(笑)。

<5位グループ>
安藤統男 (3・4・4)
後藤次男 (6)
金田正泰 (2・4)

 このあたりも“阪神感”があふれていて、私の中では容認できる。安藤さんは後に“おじいちゃん解説者”になってからも、同じ“おじいちゃん解説者”の関根潤三さんと、

関根「バッスクリーンに入りましたねえ」
安藤「関根さん、バッスクリーンは入浴剤ですよ(笑)。バックスリーンですよ(笑)」

とかいう迷コンビぶりを振りまいていて、とてもよかった。それにしても後藤のクマさんは“愛すべき可哀想な監督”だった。

<8位グループ>
中西 太 (3)
星野仙一 (4・1)
ブレイザー(4・5)

 この辺は外様のワンポイント的監督。中西さんは郷土の巨星、ブレイザーは岡田の入団の年に岡田を使わずにヒルトンばっかり使って非難されたけど、まああれはアメリカンなベースボールのセオリーとかがあったんだろうから勘弁しないと。あと、星野監督は阪神を優勝に導いてブームになったけど、私の中では星野監督には「阪神の本質感」がないので、「ちょっと違う」という感じを持っている。

<11位グループ>
和田 豊 (5・2・2・3)
矢野燿大 (3・2・2)
金本知憲 (4・2・6)
中村勝弘 (6・6・3・4・5)

 この辺は、やってる「阪神の野球」が全然おもしろくない。

15位 藤田 平 (6・6)
16位 真弓明信 (4・2・4)

 私は真弓が監督になって以来、和田、金本、矢野まで14年間、阪神への思い入れがかなり失せている。理由は上記の裏返しみたいなものが大きいが、情緒的なものはうまく語り尽くせないので割愛。

 以上、私の中の基準だから、文句も反論も受け付けない。

 あと、阪神ファンを標榜する著名人はたくさんいるが、私の好きな阪神ファンの著名人第1位は、ぶっちぎりで月亭八方。…と書いていたら無性に読みたくなって、今、締切原稿が山積みなのにアマゾンで月亭八方の“阪神本”、2冊も注文してしまった(笑)。
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